- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー アプリ開発
【iOS・Android】アプリの審査情報まとめ審査手順や期間、基準を満たすためのポイントを解説【2024年最新版】
アプリ開発を企画していて、審査期間や基準を知ってリリースの見通しを立てたい担当者の方へ。
- アプリの審査手順は?
- 審査期間はどれぐらいかかる?
- 審査基準を満たすためのポイントは?
本記事では、アプリの審査手順や期間、審査基準を満たすためのポイントなどを解説します。
アプリ審査の知識を深めておくことで、あらかじめジャンルを変更したり内容を再検討したりするなどの対処ができるはず。逆に知らずに開発して審査が通らなかった場合、大きな損害になってしまいます。
最後まで読めば、どのようなスケジュールでどんなアプリを開発すべきかの見通しが立つようになりますので、ぜひご覧ください。
※アプリ審査になかなか通らない・審査に通るのが不安な方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的からアプリ審査もていねいにサポートするおすすめの開発会社を紹介します!
アプリ開発に役立つ記事もご覧ください iOS・Androidのアプリ開発におすすめ!アプリ開発かんたんマニュアル
iOSアプリの審査基準
まずはアプリの審査基準を理解して、開発するアプリが基準を満たせそうか確認しましょう。iOSアプリの審査基準はApp Store Reviewのガイドラインに記載があります。
・安全性
・パフォーマンス
・ビジネスモデル
・デザイン
・法的事項
ここではガイドラインの内容を噛み砕いて説明します。
安全性
アプリにはユーザーにとって不適切または不快なコンテンツが含まれておらず、インストールによってデバイスが壊れるなどの物理的な損傷が起こらないことが求められています。
不適切または不快なコンテンツとは、たとえば以下のようなもの。
- 宗教や人種、性的指向、性別、出身国・民族などへの偏った言及
- 人間または動物への殺害や虐待のリアルな描写
- 武器や危険物などの違法使用を助長する表現
- 性的またはわいせつなコンテンツ
- 扇動的な宗教的解釈
これらの内容に該当しないよう気をつける必要があります。その他、注意が必要なアプリのジャンルを表にまとめました。
ジャンル |
注意点 |
SNS機能があるなどユーザーが |
ブロック機能や不適切なコンテンツの報告機能などを備えている |
子ども向けのアプリ |
アクセスに保護者の承認が必要な部分を除き、 子ども向けカテゴリのガイドラインに従う必要がある。 |
医療用アプリ |
健康に関する測定値の精度や手法の有効性を証明する必要がある。 |
薬物の用量計算アプリ |
製薬会社、病院、大学、健康保険会社、薬局、その他の許可を得る。 または、FDA(アメリカ食品医薬品局)・各国の同等機関による |
開発しようとしているアプリが当てはまっていないか確認するために使ってください。当てはまっている場合は、ガイドラインを見ながら審査基準を満たすように対応しましょう。
パフォーマンス
パフォーマンスとは、アプリが最終バージョンであり、完全なものになっているかということ。たとえば未完成のページやバグがあったり、無効なURLがある場合はNGです。App Storeが公表しているデータによればアプリの完全性に関する問題はリジェクトの理由の40%以上。
- 最新デバイスでテストしたうえですべてのバグが修正してあるか
- アプリ内のすべてのリンクが機能しているか
- 画像とテキストはすべて完成しているか
上記は特に問題になることの多い観点ですので、気をつけましょう。
また、アプリには正確なメタデータ(※データを表す属性や関連する情報についてのデータ)を含んでいる必要があります。
- プライバシー情報
- アプリの説明
- スクリーンショット
- プレビュー
具体的には、上記の内容にてどのようなアプリなのかを正確に説明している必要があります。
画像引用:App Review
上の画像はアプリのスクリーンショットの例です。スクリーンショットはアプリの申請時に提出します。右の画像の場合、「NEW」のテキストと画像が重なっておりアプリの説明が分かりづらくなっています。左の画像のようにアプリの価値や機能が分かるスクリーンショットを用意することが大切です。
スクリーンショットは一例ですが、このようにアプリの内容が正確に伝わる内容を申請する必要があります。
ビジネスモデル
アプリはビジネスモデルが明確になっている必要があります。ビジネスモデルとは、収益を得る仕組みのこと。アプリで収益を得る方法としては以下のようなものがあげられます。
- アプリ内課金
- サブスクリプション
- アプリ内広告
- スポンサーシップ
たとえばゲームアプリではガチャを引くために課金ができますし、Netflixのような動画配信サービスでは月額課金をすることで動画が観れるようになりますよね。
そうしたアプリの仕組みや課金形態がわかりづらいと、審査が遅れ、却下の原因となる可能性があります。対策としては、メタデータとApp Reviewのメモ欄(※アプリの申請時に入力できる欄)でビジネスモデルをレビュアーに説明することが大切です。
また、明らかに高すぎる金額設定も却下の理由になるので気をつけましょう。
デザイン
アプリのデザインとは、画像の見た目だけにとどまらず、文字の大きさや間隔、機能性や便利さ、ユニークさなども含めたデザインのことを指します。
App Store Reviewのガイドラインによれば、Appleのユーザーが高い価値を感じる傾向がある製品の特徴は以下です。
- シンプル
- 洗練されている
- 革新的
- 簡単に使える
たとえば文字の大きさや画像の解像度の高さ、配色の見やすさなどが求められていると考えられます。アプリにも同じことが求められています。ここから説明する内容はアプリの審査基準として掲載されているわけではありませんが、参考に、Appleが提唱しているデザインのヒントを見てみましょう。
文字の大きさ
画像引用:Apple Developer ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
文字の大きさは「11ポイント以上」が推奨されています。スマホの画面で見たときにズームしなくても読める大きさが目安です。
画像の解像度
画像引用:Apple Developer ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
画像は高解像度のものが求められています。具体的には、「2倍か3倍の解像度でない画像は、Retinaディスプレイでぼやけて表示されます」と記載があります(※Retinaディスプレイとは、iPhoneやiPad、Macに搭載されたAppleオリジナルの高精細ディスプレイのことです)。
上の画像は解像度による画像の見え方の違いです。1倍の場合、ぼやけて表示されてしまい見づらいことが分かります。
コンテンツの表示形態
画像引用:Apple Developer ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
上の画像はコンテンツの表示レイアウトの例です。右の画像の場合、ユーザーはスクロールをしないとすべてのコンテンツを確認できません。左の画像のように主要なコンテンツはユーザーがズームやスクロールをせずに確認できる必要があります。
フォントと背景色のコントラスト
画像引用:Apple Developer ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
上の画像は色による印象の違いを示しています。右の画像のようにフォントの色と背景色のコントラストがはっきりしていないと、文字が読みづらくなってしまいます。左の画像のようにコントラストを適切に設定することが大切です。
テキストやボタンの配置
画像引用:Apple Developer ユーザーインターフェイスのデザインのヒント
上の画像はデザインの配置の例です。右の画像では「The Latte」という見出し部分が不自然に左によっていたり「STEP1」のテキストが右寄り、画像が左寄りになっていたりと見づらい印象を受けます。左の画像のようにテキスト、画像、ボタンを適切に配置してそれぞれの情報の関連性を分かりやすくしましょう。
また、審査で承認を受けた後も定期的にアップデートしていくことが必要です。機能しなくなったり品質が低下したりしたと判断されるとApp Storeから削除されることがあります。
法的事項
アプリはすべての地域におけるあらゆる法的要件に準拠していなければなりません。必要であれば法律家に相談しながら、複雑な法的要件を理解して準拠することが開発者の責任です。特にAppleではユーザーのプライバシー保護を最優先としています。当然ですが、個人情報の扱いは慎重に行いましょう。
その他、ジャンルによって守るべきルールを表にまとめました。すべてのルールを網羅できているわけではありませんが、ガイドラインを元にまとめましたので参考にしてください。
ジャンル |
ルール |
健康やフィットネス、医療の |
・収集されたデータは、健康管理の向上または健康調査のため以外の ・健康関連の臨床調査を実施するアプリは倫理審査委員会の承認を得る |
子ども向けのアプリ |
以下の法律を確認する必要がある ・児童オンラインプライバシー保護法(COPPA) ・EU一般Data protection規則(GDPR) ・その他の適用される規制または法律 |
位置情報サービス |
・位置情報サービスがアプリの機能またはサービスと直接関連する |
賭博ゲーム、ギャンブル、宝くじ・ロト |
・抽選やコンテストの主催者は開発者でなければならない ・ 抽選、コンテスト、チャリティーくじの公式ルールを提示して ・ 現実のお金を使用する賭博ゲームではアプリ内課金は使用できない ・アプリが利用される地域で必要なライセンスおよび許可を取得し、 |
※詳細や最新の審査基準はApp Store Reviewのガイドラインを確認してください。
【参考】iOSアプリの審査期間
App Reviewでは審査期間に関して以下の記載があります。
「平均すると、提出されたアイテムの90%が24時間以内に審査されます。審査のステータスに変更があると、通知メールが送信されます。」
ただし、アプリに不備があると審査時間が長くなる傾向にありますので、少しでも早くリリースするためにも審査基準を理解して守ることは大切です。
法的事項やデザインなど審査基準を完璧にクリアする自信がない方は、システム幹事にご相談ください!審査基準を知り尽くした開発会社をご紹介します!
iOSアプリのよくあるリジェクト理由と対策ポイント
先述の通り、審査でリジェクトされてしまうと余計な時間と労力がかかることになります。リジェクトを防ぐためによくあるリジェクト理由と対策ポイントを把握しておきましょう。
バグやリンク切れ
基本的なことですが、なんらかのバグやリンク切れといった明らかな不備が見られる場合はリジェクトされます。
- デバイスを変えると上手く動作しない
- 一部のページのリンクが切れている
- 言語を切り替えるとクラッシュが発生する
上記のような事態を防ぐためには、デバイスや言語環境などを変えてさまざまなパターンでテストをしておく必要があります。
プライバシーポリシーが不適切
画像引用:App Store Appのプライバシーに関する質問への回答
すべてのアプリは、プライバシーポリシーへのリンクを含める必要があります。たとえば以下の内容を明確に示すことが大切です。
- 4Appで収集されるデータの種類と使用目的
- ユーザーデータを共有する第三者が、プライバシーポリシーに記載されているのと同じまたは同等のユーザーデータの保護を提供すること
- データの保持・削除ポリシー
プライバシーポリシーについてはガイドラインに詳しく記載があります。ガイドラインの内容に準拠しているか確認することをおすすめします。
iOSアプリの審査までの手順
続いてiOSアプリの審査までの手順を紹介します。まずは上の画像で全体像を掴んでください。それぞれ詳しく説明していきます。
※詳細や最新の審査手順はApple Developerの情報を確認してください。
①Apple Developer Programのアカウント作成
開発したiOSアプリを公開するには、Apple Developer Programというメンバーシップに登録している必要があります。登録には$99=11,800円(税別)の登録費用+毎年同額の更新料が必要です。
Apple Developer Programのアカウント作成の流れは以下の通り。
- Apple Developer Programのトップページから「登録」をクリック
- Apple ID でサインインする
- 利用規約を確認して「次へ」をクリック
- 氏名や電話番号、住所などの個人情報を入力
- 法人の場合:法人情報を入力
- 購入サイトからメンバーシップの購入を行う
登録の際は、画面の案内に沿って以下のような情報を登録していきます。
- 氏名
- 電話番号
- 住所
- 連絡先情報
※法人の場合は以下も必要
- 法人名
- D‑U‑N‑S番号(組織の法人情報および法人格を確認するための番号)
- 住所
- Webサイト
- 電話番号
- 署名権限を確認できる照会先
購入後、デベロッパー向けのサイトへログインができるようになります。
②Certificateの作成
続いて、Certificate(証明書)を作成します。Certificateは④で作成するProvisioning Profileの作成に必要な証明書。アプリの開発元を電子的に証明するためのファイルのことです。
ここでは簡単な流れを確認しておきましょう。なお、以下の作業はMacで行う必要があります。
- MacPCから認証局に証明書を要求する
- メールアドレスや通称(任意の名前)などの証明書情報を入力
- 保存するとアカウント証明書が完成
- Apple Developer Programにサインイン
- 「Certificate, Identifiers & Profiles」のページで新しい証明書を発行する
- アカウント証明書をアップロードする
- Apple Developmentの証明書をダウンロードする
聞きなれない単語が並んでおり難しそうに見えるかもしれませんが、実際は手順に従って作業を進めていくだけ。手順1〜3にてアカウント証明書を作成し、アカウント証明書を使って手順4~7にてCertificateを作成するというイメージです。
※こちらも詳細順はApple Developerの情報を確認してください。
③iOS Apple IDの作成
Provisioning Profileの作成のためにCertificateと合わせて必要なものがApple IDです。App IDはアプリの識別子情報になります。
- 「Certificate, Identifiers & Profiles」のページで「Identifiers」を選択
- App IDsを選択して「Continue」
- Description(任意の名前)やBundle ID(ユニークなアプリID)を入力
- 「Register」をクリックして作成完了
なお、Apple IDはアプリごとに作成が必要です。
④Provisioning Profileをアプリごとに作成
②③で作成した「Certificate」と「iOS Apple ID」を使ってProvisioning Profileをアプリごとに作成します。Provisioning Profileとは、アプリの開発元情報が含まれているファイルのこと。作成したアプリに対して開発者が署名するために必要です。開発用と配布用の2種類があります。
- 「Certificate, Identifiers & Profiles」のページで「Profiles」を選択
- 開発用:「Development」の「iOS App Development」
製品用:「Distribution」の「App Store」またはテストする場合は「Ad Hoc」
を選択 - 対象のApp IDを選択(③で作ったID)
- Certificateを選択して「Continue」
- 「Generate」をクリックして作成完了
※詳細はApple Developerの情報を確認してください。
⑤App Store Connect(旧iTunes Connect)へ登録
ここまできたら審査まであと一歩。
審査のために必要な情報を入力するのがApp Store Connectです。
- デベロッパーアカウントでApp Store Connectにログイン
- 「マイApp」からアプリの情報を入力
- 審査に必要となる情報を入力
- 審査に提出
なお、審査では以下のような情報を入力します。
- iOS App(スクリーンショットや概要などの情報)
- App情報(アプリ名称やカテゴリなどの情報)
- 価格および配信状況
- Appのプライバシー
審査に提出するとステータスが「審査待ち」→「審査中」へと進みます。アプリが「審査終了」になり次第リリースされます
【重要】アプリがリジェクトされた場合
審査でリジェクト(拒否)された場合には、情報を修正して再申請を行う必要があります。再申請のやり取りは英語になります。社内に英語ができる人間がいない場合は翻訳などで対処する必要があります。
審査でリジェクトされてしまうと、修正対応をするために時間も労力もかかります。可能な限り少ない回数で審査が通過できるよう対策しておくことが大切です。
※ここまで読んで、審査もサポートしてもらえる会社にアプリ開発を依頼したいと思われた方はシステム幹事にご相談ください。おすすめの会社を無料で選定、紹介させていただきます。相談料も一切かかりません。
Androidアプリの審査基準
ここからはAndroidアプリの説明です。Androidアプリの審査基準はデベロッパーポリシーに記載があります。
・コンテンツの内容
・知的所有権
・機能性
・虚偽や悪意がない
・収益化と広告
ポリシーの内容を元に審査基準を解説します。
コンテンツ内容
アプリには制限されているコンテンツ内容があります。Goolge Playでは、以下のようなコンテンツをユーザーにとって有害または不適切なコンテンツとして定義しています。
- 性的なコンテンツと冒とく的な表現
- 個人もしくは集団に対する暴力を助長、または差別を扇動するアプリ
- 暴力や他者を危険にさらす行為を描写または助長するアプリ
- 国家の非常事態、自然災害、公衆衛生上の緊急事態など配慮が求められる事象
- いじめや嫌がらせを助長するアプリ
- 爆発物、銃器、弾薬、特定の銃器用品の販売を促進するアプリ
- マリファナまたはマリファナ製品の販売を促進するアプリ
- タバコの販売を促進、アルコールやタバコの違法または不適切な使用を推奨するアプリ
たとえば未成年によるアルコール使用の描写が入っているアプリや、公の場で誰かを辱めるためにコンテンツを投稿するようなアプリはNGです。その他、注意が必要なアプリのジャンルを表にまとめました。
ジャンル |
注意点 |
金融サービス |
・虚偽のまたは有害な金融商品や金融サービスを紹介するアプリはNG |
ギャンブル ゲーム |
特定の要件を遵守する場合に限り、許可される。 |
違法行為 |
違法薬物の売買の推進や未成年による薬物やアルコールの売買の描写など |
健康関連 |
・健康関連の有害なコンテンツ・サービスを提供または紹介するアプリはNG |
開発しようとしているアプリが当てはまっていないか確認するために使ってください。当てはまっている場合は、デベロッパーポリシーを見ながら審査基準を満たすように対応しましょう。
知的所有権
アプリや開発者のアカウントが他者の知的所有権を侵害する行為は認められません。また、知的所有権の侵害を助長または誘導するアプリもアウトです。
知的所有権とは、具体的には以下のような内容を含みます。
- 商標権
- 著作権
- 特許権
- 企業秘密
- その他の専有的権利を含む
また、Googleには法律に違反している、または著作権などの権利を侵害していると思われるコンテンツを報告できる仕組みがあります。報告があったコンテンツは審査にかけられ、Googleはコンテンツへのアクセスブロックや制限、削除するかどうかを検討します。
知的所有権について詳しく知りたい方は、日本弁理士会の以下の記事を参考にしてください。なお、知的所有権は「知的財産権」と呼ばれることがあり、同じ意味です。
法律に関する情報は知的財産権とは | 日本弁理士会(外部サイト)を参照ください。
機能性
アプリは最低限の基本的な機能を備えている必要があります。頻繁にクラッシュするアプリや使い勝手の悪いアプリは、Google Playではリジェクトされます。いくつか例をあげますので参考にしてください。
上の画像は機能が欠けているアプリの例。画面が空白で何も機能を持っていないアプリはNGです。
左の画像はインストールが途中で止まってしまいインストールができないアプリを表しています。また、右の画像はインストールはできたが読み込みがされないアプリです。このように正常でない動作をするアプリはリジェクトされます。
虚偽や悪意がない
Google は、ユーザーのプライバシーを保護し、ユーザーが安全な環境でアプリを利用できることを大切にしています。虚偽や悪意のあるアプリ、データを悪用または不正使用する意図のあるアプリはすべて禁止としています。
画像引用:Play Console ヘルプ「虚偽の振る舞い」
左の画像は医療や健康に関する誤解を招く宣伝を示す例で「100%がんを治す」と掲載がされています。また、右の画像は「スマートフォンを使った呼吸分析」のアプリを表している画像で、実現できない機能を宣伝しています。これらは誤解を与える表現として認められません。
他にも、アプリ外でユーザーのデバイスの設定や機能を変更するアプリや、パスポートを偽造できる、クレジットカードの偽造を助けるなどの不正行為を助長するアプリ、社会的関心事に悪影響をもたらす可能性があると判断されたアプリなどはリジェクトの対象になります。
収益化と広告
収益化や広告に関してもポリシーが定められています。アプリではさまざまな収益を得る方法がありますよね。
- アプリ内課金
- サブスクリプション
- アプリ内広告
- スポンサーシップ
たとえばゲームアプリではガチャを引くために課金ができますし、Netflixのような動画配信サービスでは月額課金をすることで動画が観れるようになります。
こうした収益化や広告に関しては、以下のようなポリシーが定められています。
ジャンル |
注意点 |
支払い |
・特定の条件に当てはまらなければ、 支払い方法として Google Play の課金システムを使用する必要がある 詳細はPlay Console ヘルプ「お支払い」 を参照。 |
広告 |
・ユーザーを欺いたり、混乱させたりするような広告を含むアプリはNG ・広告は、その広告を配信するアプリ内でのみ表示できる ・その他、アプリに表示される広告はポリシーの内容を遵守する必要がある |
ファミリー向け |
・ターゲットユーザーが子供のみのアプリで広告を配信する場合、 広告 SDK 認定の要件含むポリシーを遵守していることを自己認定している広告 SDK を 使用する必要がある ・ターゲットユーザーが子供+大人の場合、 ユーザーを年齢層別に分けるようにして、子供に配信される広告が自己認定広告 SDK からのみ 配信されるようにする必要がある ・ファミリー向けプログラムのアプリは、必ず自己認定広告 SDK を使用する必要がある |
定期購入 |
定期購入によるサービスまたはコンテンツでは、 ユーザーの誤解を招かないような明確な説明をする必要がある |
※詳細や最新の審査基準はデベロッパーポリシーを確認してください。
【参考】Androidアプリの審査期間
Play Consoleでは審査期間に関して以下の記載があります。
「現在、勤務時間の調整が実施されているため、アプリの審査に通常よりも長く時間がかかっております。」
「一部のデベロッパー アカウントについては、通常より時間をかけて詳細に審査することがあります。最大で 7 日程度ですが、例外的にさらにかかる場合もあります。」
2022年7月時点、コロナの影響により通常よりも長く審査がかかっているようです。また、アプリに不備があると審査時間が長くなる傾向にありますので、少しでも早くリリースするためにも審査基準を理解して守ることは大切です。
法的事項やデザインなど審査基準を完璧にクリアする自信がない方は、システム幹事にご相談ください!審査基準を知り尽くした開発会社をご紹介します!
Androidアプリのよくあるリジェクト理由と対策ポイント
先述の通り、審査でリジェクトされてしまうと余計な時間と労力がかかることになります。リジェクトを防ぐためによくあるリジェクト理由と対策ポイントを把握しておきましょう。
Google Play Store の他アプリへのリンク
画像引用:Developer tips and guides: Common policy violations and how you can avoid them
Android Developers Blogでよくある間違いのひとつとして紹介されているのが、Google Play Store内の他アプリへのリンク。広告や宣伝のリンクであるかを明らかにしていない事例です。
上の画像のように「ROMANCE」と記載されているだけだと、何のリンクだか分からないため、偽装広告と見做されてしまう可能性があります。ボタンやリンクを「その他のアプリ」「その他のゲーム」「試してみる」「他のアプリをチェック」など明示的な名称にすることが対策になります。
アプリの説明に不要な内容が含まれている
※GoogleMapアプリの説明文の例
アプリの説明欄に不必要にキーワードを詰め込むなどして、アプリの掲載順位を不正に高めようとする行為はリジェクトの対象になります。
キーワードの繰り返しや、無関係なキーワードを入れ込むことはストアリストおよびプロモーションポリシーに違反します。説明欄はユーザーにとって読みやすく理解しやすい内容にすることが大切です。
メンテナンスされていない・動作しない
画像引用:Developer tips and guides: Common policy violations and how you can avoid them
公開してから日が経っていて、メンテナンスされていないアプリがあります。メンテナンスをしていないことにより、機能が壊れていたり、レビューの評価が悪かったりすると「最小限の機能を提供する」というポリシーに違反していると見なされる場合があります。
このようなメンテナンスができていないアプリは、非公開にすることを検討する必要があります。なお、非公開の対応をしてもすでにアプリをインストールしている既存ユーザーには影響せず、いつでも再公開できます。
Androidアプリの審査までの手順
続いてAndroidアプリの審査までの手順を紹介します。まずは上の画像で全体像を掴んでください。それぞれ詳しく説明していきます。
※詳細や最新の審査手順はPlay ポリシーの情報を確認してください。
①Google Play Developerへのアカウント登録
画像引用:Google Play Console
開発したAndroidアプリを公開するには、Google Play Developerに登録している必要があります。登録費用として$25=2,750円(税別)程度の費用がかかります。
アカウント登録は、Google Play Consoleから行います。
- Google Play Consoleのトップページから「ログイン」をクリック
- Googleアカウントにログイン
- 個人に関する情報または組織に関する情報を入力
- 利用規約を確認して「アカウントを作成して支払う」をクリック
- 登録料の支払い
個人に関する情報の登録では、画面の案内に沿って以下のような情報を登録していきます。
- デベロッパー名(デベロッパーアカウントの公開名)
- 担当者名
- 連絡先メールアドレス
- 連絡先住所
- 連絡先電話番号
- ウェブサイト
法人の場合に入力する情報は以下の通りです。
- デベロッパー名
- 組織名
- 組織の住所
- 組織の電話番号
- 組織のウェブサイト
- 担当者名
- 連絡先メールアドレス
- 連絡先電話番号
購入後、GooglePlayConsoleへログインができるようになります。
②アプリへの署名
Androidでは、証明書を使用してすべての APK にデジタル署名をする必要があります。Android App Bundleを使用してリリースする場合は、アップロード鍵によって App Bundle に署名してから Play Console にアップロードすれば、あとは Play アプリ署名によって処理が行われます。
新しいアプリに署名してGoogle Play に公開するために必要な手順は以下の通りです。
- アップロード鍵とキーストアを生成する
- アップロード鍵でアプリに署名する
- Play アプリ署名を設定する
署名が完了したら、アプリをGoogle Playにアップロードします。
③Google Playストアにアプリの情報を登録
ここまできたら審査まであと一歩。審査のために必要な情報を入力するのがGoogle Playストアです。
- Google Play の Developer Consoleにログイン
- 「アプリの作成」をクリック
- 審査に必要となる情報を入力
- 審査に提出
なお、審査では以下のような情報を入力します。
- アプリの情報(アプリ名やデフォルトの言語などの情報)
- アプリのアクセス権
- プライバシーポリシー
最後に「公開」をすればリリース作業は完了です。審査が通り次第リリースされます。
【重要】アプリがリジェクトされた場合
審査でリジェクト(拒否)された場合には、情報を修正して再申請を行う必要があります。審査でリジェクトされてしまうと、修正対応をするために時間も労力もかかります。可能な限り少ない回数で審査が通過できるよう対策しておくことが大切です。
アプリ審査の基礎知識まとめ
iOS・Androidそれぞれのアプリの審査手順や期間、審査基準を満たすためのポイントなどを解説しました。
- 審査基準を知り対策しておくことが大切
- アプリ審査はリジェクトされると修正対応に時間を要することになる
- よくあるリジェクト理由を理解しておく必要がある
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コンサルタントのご紹介
岩田
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Q. アプリ審査の時間はどれくらい?
iOSアプリの審査期間は24時間以内、Androidアプリの審査期間は最大で7日程度ですが、例外的にさらにかかる場合もあります。
この記事を書いた人
七瀬 ユウ
専門分野: Webライティング
新卒で大手Slerに入社し、基幹システムの開発・プロジェクトマネジメント業務に従事。転職後、WEB広告企業でセールスライターの経験を経て、現在はフリーランスWEBライターとして活動中。「読者目線で分かりやすい記事を届ける」をモットーに執筆します。
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