- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー アプリ開発
PythonによるWindowsアプリ開発の流れは?費用相場とおすすめの開発環境5選
本記事では、Windowsアプリ開発にPythonを使用するメリットや開発の流れ、おすすめの開発環境5選をご紹介します。記事後半には、自社開発と外注のメリット・デメリットも解説しているので、これから、Windowsアプリ開発をおこなう際はぜひ参考にしてください。
なお、アプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
- 1. Windowsアプリ開発とPythonについて
- 2. PythonでWindowsアプリ開発をするときの流れ
- 3. PythonでWindowsのアプリ開発をするときの環境の構築方法
- 4. PythonでWindowsのアプリ開発をする際におすすめの環境5選
- 5. Pythonで作成したデスクトップアプリの配布方法について
- 6. Windowsアプリ開発は自社開発と外注のどっちがおすすめ?
- 7. Windowsアプリ開発を外注するときの費用相場
- 8. Windowsアプリ開発を外注するときのポイント
- 9. 【まとめ】Pythonをうまく活用して理想的なWindowsアプリを開発しましょう
Windowsアプリ開発とPythonについて
Windowsアプリとは、Windowsストアから入手することで利用できるアプリケーションのことです。「modem UI」というインターフェース上で動作し、パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンでも利用できます。
Windows7までは、Web上で利用できるWebアプリと、デスクトップ上でのみ使用できるデスクトップアプリの2種類が存在していました。Windowsアプリは、Windows8から登場したもので、タッチ操作による快適な操作性が特徴。現在では、Microsoft Storeから入手するものを「Windowsアプリ」、パソコンのデスクトップ向けに開発されたものを「デスクトップアプリ」と区別されています。
Windowsアプリは、Microsoft Storeの審査に合格したアプリケーションです。一定の品質や安全性が認められており、審査に伴う制限もあることから、セキュリティ面でも安全性が高いとされています。
Windowsアプリ開発でPythonを使うメリット
Pythonは、コードのシンプルさが特徴のプログラミング言語です。コードの可読性が良いことから、エラーに気付きやすく、複数人での開発も効率よく進められます。
また、Pythonは世界的に普及が進んでいることもあり、ライブラリやフレームワークが豊富です。日本語でのサポートも充実してきており、多彩な機能を目的や用途に応じて実装できます。
おさえておきたい基本的なプログラミングの手順
Windowsアプリには、Webアプリやモバイルアプリなど、さまざまな種類が存在します。用途や適した開発手法は異なるため、まずはそれぞれのアプリについて理解を深めておくことが大切です。
なお、具体的な開発手順はアプリによって異なりますが、プログラミングは基本的に上記のような手順で進めていきます。
1.要件定義
要件定義とは、アプリに搭載する機能や具体的な開発方法、必要となる人員などの開発に関する要件を定めることです。アプリ開発は、定めた要件定義に沿って開発を進めます。
要件定義では、「どのようなアプリにしたいのか」アプリの基本的な方向性や目的を明確に決めることが大切です。要件定義が曖昧な状態で開発を進めてしまうと修正や変更が必要となり、開発期間が長くなるだけでなく、コストが膨らむ可能性があります。要件定義を明確に定めることで、開発をスムーズに進められます。
2.設計
設計は、アプリに実装する機能や構造などを構築する作業です。一般的には、「外部設計」と「内部設計」に分けておこないます。
外部設計とは、ユーザーが目にする箇所に関する設計です。画面や操作方法に関する設計をおこないます。一方で内部設計は、ユーザーの目に触れない部分に関する設計です。アプリ内の動作やほかのシステムとの連携について設計します。
設計では、課題解決のためにどのような形で機能を実装すればよいかを考えます。ただし、一般向けのアプリを開発する場合には、ユーザーの視点を盛り込むことが大切です。ユーザーの使いやすさを考慮した機能を実装することで、つぎのアクションが起きやすくなり、コンバージョンにつながりやすくなります。
3.実装
実装は、プログラムのソースコードを記述する作業です。「コーディング」とも呼ばれ、開発作業の工程にあたります。
コーディングが終わったあとは、デバック作業が必要です。正常に動作をするかを確認し、必要に応じて修正や改善をおこないます。
なお、実装の際は、ライブラリやフレームワークを活用するのが一般的です。一から開発をおこなうよりも手軽に機能を実装できるため、効率よく作業を進められます。
PythonでWindowsアプリ開発をするときの流れ
つづいて、Python Windowsアプリ開発をするときの流れをみていきましょう。Windowsアプリの開発は、大まかに上記のような流れで進めていきます。
開発環境の構築
まずは開発環境の構築です。開発環境の構築では、「Pythonのインストール」と「廃初に必要なライプラリやツールの準備」をおこないます。
Pythonのインストールにはいくつかの方法があり、公式サイトやパッケージを利用してインストールするのが一般的です。Pythonをインストールしたら、開発予定のアプリに適したライブラリやフレームワークを準備しましょう。
より効率よく開発を進めたいときは、総合開発環境(IDE)の活用がおすすめです。開発に必要な機能がまとめて搭載されているため、複数のツールを使い分ける必要がなく、スムーズに開発を進められるでしょう。
ベースとなるアプリの開発
開発環境を構築できたら、ベースとなるアプリを開発していきます。開発は、先述したプログラミング手順のような形で進めるのが一般的です。開発時には、市場調査や社内ヒアリングなどを実施し、はじめにアプリの企画をおこないます。
アプリの種類や方向性、主なターゲットが決まったら、「要件定義」です。実装する機能をまとめ、どのような開発方法で進めていくのかを具体的に定めます。
要件定義ができたら「設計」です。要件定義の内容をもとに、外部設計と内部設計をおこないます。設計が完成したら、フレームワークやライブラリを活用しながら、プログラミング作業で開発をおこないましょう。
GUIをカスタマイズする
コンバージョンにつながりやすいアプリを制作するには、ユーザビリティを考慮したGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)の実装が重要です。Pythonの場合、「Tkinter」や「」などのライブラリを活用して、直感的に操作しやすいボタン・アイコン・テキストボックスを実装していきます。
また、視認性の向上やインパクトを与えるために、レイアウト・デザインのカスタマイズも必要です。ウィジェットを整理し、自社やサービスにマッチしたフォントや配色を施します。
機能を充実させる
ベースとなるアプリが完成したら、必要に応じて機能を充実させていきましょう。主には、データベースとの連携やネットワーク機能の構築などです。
たとえばデータベースソフトと開発したアプリを連携させることで、アプリで取得したデータの管理がしやすくなり、必要なデータの検索や編集作業を効率よくおこなえます。
また、APIの連携も効果的です。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)とは、ソフトウェアやプログラムを連携させるためのもの。API連携をおこなうことで、アプリとほかのサービスとの連携が可能となり、更なるユーザビリティの向上を図れます。
拡張機能まで実装したら、最後に繰り返しテストを実施し、正常に動作するかを確認しましょう。
アプリの公開や配布
アプリが完成したら、公開や配布をおこないます。ただし、公開や配布をするときは、ツールを活用して、アプリをパッケージ化しておくのがおすすめです。ソフトウェアの管理やインストールがしやすくなることに加え、サポートコスト削減やセキュリティリスクの軽減などのメリットがあります。
なお、ストアにてアプリを配布する場合には、ストアによる審査を受ける必要があります。
PythonでWindowsのアプリ開発をするときの環境の構築方法
PythonでWindowsのアプリ開発をするときの環境の構築方法は、大きく上記の3とおりです。
Pythonの公式サイトからインストールする
Pythonは、以下の手順で公式サイトからインストールできます。
- Pythonの公式サイトへアクセス
- OSに適したインストーラーを選択してダウンロード
- ダウンロードが完了したインストーラーを実行する
対応OSは、「Windows・Mac・Linux」から選択できます。インストーラーの実行が終われば、開発環境の構築は完了です。
パッケージを活用する
Pythonでの開発環境の構築には、パッケージを活用する方法もあります。Pythonとライブラリをまとめてインストールできるため、手間を省けることがメリットです。Pythonのパッケージとしては、「Anaconda」がよく利用されています。そのためここでは、「Anaconda」でのPythonのインストール方法について紹介します。
- 「Anaconda」の公式サイトにあるインストールページへアクセス
- OSに適したインストーラーを選択する
- Python3.X versionをダウンロードする
- ダウンロードが完了したインストーラーを実行
「Anaconda」は、Pythonでの開発に必要な機能が豊富に搭載されているパッケージです。標準ライブラリに加え、JupiterNotebook(ジュピターノートブック)やNumpy(ナムパイ)など、開発に役立つライブラリが含まれています。
クラウド上の開発環境を利用する
Pythonの開発環境は、クラウド上にも構築が可能です。インストールが不要なため、パソコンの環境を問わず、手軽に開発環境を構築できます。よく利用されているものとしては、AWSの「Cloud9」やGoogleの「Colaboratory」などです。
クラウドの開発環境には、無料と有料のタイプがあり、利用できる機能が異なります。高度な開発を実施したいのであれば、機能が豊富な開発環境を選びましょう。
PythonでWindowsのアプリ開発をする際におすすめの環境5選
Visual Studio
Visual Studio は、Microsoftが開発・販売しているIDE(統合開発環境)です。アプリケーションソフトウェア・Webアプリ・Webサービス・Webサイトなど、幅広い開発をおこなえます。また、WindowsデバイスドライバーやWindowsサービスなどのWindowsプラットフォームなどが提供されていることから、とくにWindowsのOSでの使用に向いています。
加えて、C++・C#・VB.NET・Python・JavaScriptなど、幅広い プログラミング言語での開発が可能です。多言語に対応しているため、幅広い開発ニーズに対応できます。
PyCharm
PyCharmは、チェコに本社をかまえるJetBrains社が提供するPythonに特化したIDEです。なかでもPythonにおけるWeb開発フレームワークの充実したサポートが魅力で、Django・Flask・Pyramidなどを利用できます。
また、主要なOSに対応しているのもポイント。Windows・Mac・Linuxで利用できるため、OSを気にせずに使用できます。
Atom
Atom は、GitHub社が提供するテキストエディタです。追加パッケージの豊富さが魅力で、入力を補完する機能や見た目を変更するテーマなどを利用できます。追加パッケージを利用することで、幅広い機能を実装でき、効率よく開発を進められるでしょう。
また、Atom はソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」との連携が可能です。GitHubはソースコードの保存・管理・変更ができるサービス。本来、GitHubサーバと接続する際には、GitHubデスクトップやSourse reeなどの接続ツールが必要ですが、Atomは接続ツールを利用せずに直接接続できるため、手間を省けます。
PyScripter
PyScripterは、無料で利用できるWindows用のオープンソースIDEです。Pythonに特化した開発環境が提供されており、デバッグ機能やToDo管理などを利用可能。Pythonはコードがシンプルなプログラミング言語であるため、初心者でも開発に取り組みやすいでしょう。
また、ファイルブラウザ機能も搭載されており、ファイル内のコード探しにも便利です。日本語にも対応しているため、外国語が苦手な方でも使いやすいでしょう。
Eclipse
Eclipseは、アメリカに本社があるIBM社が提供するIDEです。Javaでの開発環境が搭載されており、業務システムやWebサービス・Android向けアプリなどの開発ができます。Javaは、C言語がベースとなって開発されたプログラミング言語で、開発にもよく用いられる言語。たくさんの情報が出回っていることから、効率よく開発を進められるでしょう。
また、Eclipseはプラグインが豊富です。バージョン管理システムとの連携やコンパイル機能など、自社が理想とする仕様にカスタマイズできます。
Pythonで作成したデスクトップアプリの配布方法について
Pythonで作成したデスクトップアプリを配布したいときは、基本的に配布先のパソコンでPythonのインストールが必要です。Pythonをインストールしていないと、単にファイルを渡しただけとなり、アプリの動作ができません。しかし、配布先のすべてのパソコンにPythonをインストールするのは手間がかかるため、非効率的といえるでしょう。
Pythonで作成したデスクトップアプリを配布したい場合には、「実行ファイルに変換して配布する」という方法がおすすめです。実行ファイルは、プログラムファイルと呼ばれるもので、プログラムが起動するとファイル単体で動作が完結するため、どのパソコンでもアプリを動作できるようになります。
ここでは、ツールを利用した2通りの実行ファイル変換方法をご紹介します。
PyInstallerを活用する方法
まずは、PyInstallerというツールを活用した実行ファイルの変換です。変換するときは、以下のように進めます。
- PyInstallerをインストール
- 実行ファイルに変換する
- 正常に動作するかテストして配布
変換作業をおこなうと、作成したプログラムやモジュールなどがまとめて実行ファイルに変換されます。ただし、PyInstallerでの変換は、OSに依存する点に注意です。Windowsで変換した実行ファイルは、Windowsでしか使用できません。
cx_Freezeを活用する方法
つづいて、「cx_Freeze」というツールを活用した実行ファイルの変換です。変換作業は、以下の手順で進めます。
- cx_Freezeのインストール
- 実行ファイルに変換する際のオプションを設定する「setup.py」を作成
- プロンプト上で作成した「setup.py」を起動し、実行ファイルを作成する
- 動作確認で問題がなければ配布
「cx_Freeze」活用した実行ファイルの変換は、「インストーラー」というファイル形式になるのが特徴です。OSに依存せず、クロスプラットフォームに対応しているため、配布先のOSを気にせずに配布できます。
Windowsアプリ開発は自社開発と外注のどっちがおすすめ?
自社開発と外注はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらが良いと一概にはいえません。開発手法に関しては、自社の現状やアプリの内容を踏まえ、適した手法を選ぶことが大切です。
アプリ開発をスムーズに進めるためにも、まずは自社開発と外注のメリット・デメリットを把握しておきましょう。
メリット |
デメリット |
|
自社開発 |
|
|
外注 |
|
|
自社開発のメリット・デメリット
自社開発のメリット |
自社開発のデメリット |
|
|
自社開発は、柔軟に対応できることが特徴です。途中で仕様の変更が必要となったり、機能の追加をしなければならなくなったりしたときでも、社内で開発するため、対応しやすいといえます。また、社内に開発のノウハウを蓄積できることもメリットです。今後のアプリ開発において、クオリティ向上やコスト削減が図れます。
一方で社内に知識とスキルをもった人材が必要となることが、自社開発のデメリットです。自社にエンジニアやディレクターとしてのスキル・知識を持った人材がいなければ、開発が思うように進められません。新たに人材を登用する場合には、採用コストや育成コストがかかります。
外注のメリット・デメリット
外注のメリット |
外注のデメリット |
|
|
外注は、ハイクオリティな仕上がりに期待できる点がメリットです。専門知識と経験豊富なプロが開発を担当するため、場合によっては想像以上の仕上がりに期待できます。また、社内のリソースを割かなくてよいことも特徴です。自社にエンジニアがいない場合も、充実したアプリを開発できます。加えて開発チームをつくる必要がないため、人件費削減にもつながるでしょう。
ただし、クオリティが外注先によって左右されることがデメリットです。スキルや経験に乏しい業者に依頼してしまうと、自社の理想とはかけ離れたアプリに仕上がる可能性があります。加えて、外注はコストがかかることもあらかじめ理解しておきましょう。アプリの内容によっては、数百万円以上の費用が発生することもあります。
Windowsアプリ開発を外注するときの費用相場
Windowsアプリの開発費用は、仕様や内容によっても大きく異なりますが、300~500万円ほどが相場です。
一般的にWindowsアプリをはじめとするアプリ開発は、開発に必要となる工数と開発にかかわる人数によって費用が変動します。また、アプリ開発では作業を分業して担当するのが一般的で、職種によってもコストが異なります。
【アプリ開発における職種別の1ヶ月あたりの費用相場】
- デザイナー…80~120万円ほど/月
- プログラマー…50~100万円ほど/月
- エンジニア…80~140万円ほど/月
上記は、職種別の費用相場です。ただし、費用は開発会社によって異なり、大手開発会社では、1月あたりの単価が100万円を超える場合もあります。コストを抑えたいときは、可能な部分は自社で対応したり、できる限り低料金な業者を選んだりなどの工夫が必要です。
Windowsアプリ開発を外注するときのポイント
- 外注先に丸投げしない
- アプリの方向性や要件は明確にしておく
- 複数の業者から見積もりを取って比較する
Windowsアプリ開発を外注するときは、上記のポイントをおさえておきましょう。
アプリ開発を外注するときは、外注先に開発を丸投げしないことが大切です。知識がないからといって外注先のいうとおりにしてばかりいると、自社の想定していたアプリとは異なる仕上がりになる可能性があります。外注をするときは、自社でも開発に関する知識をある程度は把握しておき、できる限り開発に参加しましょう。
また、依頼するときは、アプリの方向性や要件を明確にしておくことがポイントです。開発途中で仕様を変更すると追加料金が発生することもあり、コストが膨らんでしまいます。事前に方向性や要件を明確にしておくことで、仕様変更や修正の頻度を減らせるでしょう。
なお、見積もりを取るときは、複数社に依頼することが大事です。アプリ開発にかかる費用は、仕様や内容によって大きく異なるため、実際に見積もりを取ってみないと具体的な料金は分かりません。複数社から見積もりを取って比較することで相場を把握でき、余分なコストを抑えられます。
【まとめ】Pythonをうまく活用して理想的なWindowsアプリを開発しましょう
Windowsアプリは、アプリ運営による収益化をはじめ、社内の業務効率化にも有効なツールです。コードの構造がシンプルなPythonのメリットを活かすことで、効率よく開発を進められます。
開発に取り組むときは、IDE(統合開発環境)をはじめとする開発環境の導入がおすすめです。フレームワークを活用できたり、プラグインを利用して機能を追加したりできるため、クオリティアップや作業の効率化が図れます。
自社での開発がどうしても難しいときは、外注を検討するのも選択肢です。費用はかかりますが、社内にノウハウがなくても、ハイクオリティなWindowsアプリの開発に期待できます。
なお、アプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
この記事を書いた人