- 更新日 2023.11.28
- カテゴリー システム開発
システム開発の保守費用相場・内訳具体例とコスト削減のポイントも解説【2023年最新版】
システムは開発して終わりではなく、安定稼働させるために運用・保守を行う必要があります。開発担当者にとっても、システムの安全性を担保する保守業務は非常に重要な項目です。
したがって自社で開発を行う際も、外部に開発委託する場合でも、以下のようなことに悩む方は多いのではないでしょうか。
- システム開発後の保守費用の相場を知りたい
- システム保守の費用対効果を算出したい
- 保守以外にもかかる費用があるか知りたい
事前にシステム開発の予算を組む際は、保守費用も含めなければ、正確な費用算出がしづらくなります。しかしシステム開発の経験が少ないと、保守にどのくらいの費用がかかるのかイメージしづらいのも事実です。
そこで本記事では、システム開発後の保守費用相場やコスト削減のポイントを解説します。本記事を読めば、具体的な費用を理解可能です。
※システム開発の保守の委託を検討しているなら、システム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を紹介します。相談料も紹介料も一切かかりません。
システム稼働後の運用・保守業務とは
システム稼働後には、運用・保守業務を行う必要があります。それぞれの業務内容を以下の表にまとめました。
業務内容 | 概要 |
運用 |
・日常的に行う管理やオペレーション業務 ・ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど幅広く管理 ・システムが稼働する24時間365日の監視体制が必要 |
保守 |
・システムで発生したトラブルの解消、トラブルを防ぐメンテナンスや改修 ・システム障害の復旧、ハードウェアの入れ替え、バグ修正、アップデートなど ・システム全体の理解や専門的なIT知識が必須 |
簡単に言うと、運用は日常的に行う業務で、保守はトラブルが発生した際に修理・復旧を行う業務です。
業務内容は異なりますが、どちらも開発したシステムを安定稼働させるために行われます。
システム運用・保守の適正価格は計算できる
システム運用・保守の費用は、サービス委託費を除いたシステム開発費の約5%が目安とされています。
仮に300万円でシステムを開発していた場合、最低でも月額で約15万円、年間では約180万円が必要な計算です。
システム開発費の5%を目安に、システム運用・保守の費用が適切か検討するのがおすすめです。
なお、追加でサービス委託費や通信費などもかかり、上記金額より上乗せされる場合もあります。保守・運用以外の工程でかかる費用も知りたい場合は、以下の記事もご一読ください。
システム開発の保守費用相場と内訳
システム開発後の保守内訳は、大きく「ハードウェア保守」「ソフトウェア保守」「サービス委託」の3つに分けられます。
ハードウェア保守
ハードウェア保守とは、システムを動作させるためのサーバーやストレージなどの機器を安定稼働させるための業務です。
ハードウェアで障害が発生すると、基盤上で稼働しているソフトウェアの動作に影響が発生する可能性があります。ハードウェア保守は、機器だけでなくソフトウェアの安定稼働にもつながります。
ハードウェア保守の主な業務は、以下のとおりです。
- ハードウェアの故障対応・メンテナンス
- ネットワークの監視・障害対応
- データバックアップ
- データ紛失後の復旧
- セキュリティ対策
- OSアップデート など
ハードウェア保守の費用は、ソフトウェア保守とあわせてシステム開発(初期費用)の15%が相場です。300万円のシステム開発を行った場合、年間45万円(ソフトウェア保守も含む)、月額にすると37,500円が保守費用としてかかります。
ソフトウェア保守
ソフトウェア保守の費用は、ハードウェア保守とあわせてシステム開発費用の15%が相場です。
ソフトウェアには、システムやアプリケーションなどが含まれます。ソフトウェアの運用を行っていると、バグやトラブルが発生する可能性があります。保守を行っていれば、素早く不具合を検知して対処可能です。
主な業務は、以下のとおりです。
- システム・アプリケーションのバグ・トラブル対応
- システム・アプリケーションの修正・仕様変更
- OSアップデートによる不具合対応
- ユーザーからの問い合わせ対応 など
サービス委託
サービス委託とは、開発したシステムの管理を外部に委託する方法です。サイト運営やヘルプデスクを指しています。
サービス委託費用の相場は、月額20〜50万円です。年額にすると、240〜600万円となります。提供されるサービス内容は保守会社によって異なり、選ぶものによって費用が大きく変わる可能性があります。
主な業務内容は以下のとおりです。
- ECサイト運営
- SEO対策
- コンテンツマーケティング・インバウンドマーケティング運用
- 顧客からの問い合わせ対応
- ヘルプデスク
- Web広告運用 など
サービス委託はあくまでも外部に委託する際の費用であり、自社で業務を内製するとかかりません。
システム開発種類ごとの保守費用例
システム開発の保守費用相場を理解したところで、システムの種類ごとの保守費用を見ていきましょう。
開発規模やスケジュールなどによって変動しますが、おおよそのシステム開発費用と保守費用は、以下のとおりです。
ソフトウェア |
開発費用相場 |
保守費用(年間) |
保守費用(月額) |
基幹システム (勤怠管理システム) |
10万〜500万円 |
15,000〜75万円 |
1,250〜6万2,500円 |
業務支援システム (顧客管理システム) |
〜400万円 |
〜60万円 |
〜5万円 |
Webシステム (ECサイト) |
50万〜1,000万円 |
75,000〜150万円 |
6,250〜12万5,000円 |
コミュニティアプリ |
100万~500万円 |
15万〜75万円 |
12,500〜62,500円 |
ECアプリ |
200万~300万円 |
30万〜45万円 |
25,000〜37,500円 |
ゲームアプリ |
800万円~ |
120万円〜 |
10万円〜 |
サービス委託を行う場合は、上記に加えて費用がかかります。
システム開発保守費用の妥当性を判断する適正稼働率の指標
システム開発の保守を委託する場合、開発会社から提示されている費用が妥当なのか気になる方もいるでしょう。保守費用の妥当性を判断する際、適正稼働率を算出するのがおすすめです。
指標の一例
稼働率の項目 |
計算方法 |
概要 |
即答率 |
即答件数÷相談件数 |
どのくらいの頻度で 迅速な回答件数を算出 |
引受率 |
引受件数÷相談件数 |
全体の相談件数の中で、 引き受けてもらった件数を算出 |
保守時間達成率 |
実績時間÷見積時間 |
見積もりと実際の保守時間の差を算出 |
納期達成率 |
納期達成件数÷引受件数 |
納期が守られた件数を算出 |
自社作業完了率 |
自社で作業完了した件数 ÷ 委託数 |
自社で保守対応した件数を算出 |
例えば、自社作業完了率が高いほど、自社で保守業務を内製できていると判断できます。保守業務の委託内容を見直して、コストの削減が可能です。
システム開発の保守費用を削減する4つのポイント
システム開発の保守を外部に委託すると、毎月ランニングコストが発生します。企業としては、できる限り保守費用を抑えたいところでしょう。
ここからは、システム開発の保守費用を削減する4つのポイントを解説します。
- 委託する範囲・業務を明確にする
- 定期的に保守内容を見直す
- 委託先を見直す
- クラウド化を活用する
1. 委託する範囲・業務を明確にする
システム開発の保守を委託する際は、対応範囲・業務を明確にすることが大切です。対応範囲・業務が明確であれば、不要な業務を委託しなくて良くなるためです。
システム保守と一口に言っても、対応範囲・業務は以下のように分けられます。
システムの改善提案・実施 |
障害の再発防止に向けた改善を 提案・実施する |
障害の原因究明・復旧 |
システム管理者と連携して 障害の原因を特定して復旧させる |
保守費用は、範囲や業務に応じて費用が算出されます。部分的な依頼のみであれば、保守費用を抑えることも可能です。
システム開発会社と打ち合わせを行い、対象範囲・業務の共通認識を持ちましょう。
2. 定期的に保守内容を見直す
保守の委託内容は定期的に見直すのが効果的です。システムをリリースした直後は保守を内製できていなくても、人材教育を行うことで自社対応できる業務も出てくるためです。
内製できる部分の委託内容を減らせば、コストを削減可能です。社内でシステム保守のノウハウを蓄積できるため、自社でのIT人材育成にも役立ちます。
保守契約は期間が定められているため、更新前に内容を見直して必要な業務を洗い出すのがおすすめです。
3. 委託先を見直す
システム開発の保守費用を削減するなら、委託先の見直しも効果があります。開発会社によってシステムの保守費用が異なるため、安く委託できる企業を見つけられるとコスト削減につながります。
委託先の見直しを行う際は、複数社から見積もりを取得することが重要です。相見積もりを取ることで、料金やサービス内容を比較しやすくなります。
開発するシステムの規模や難易度によって、価格とのバランスを考え委託先を見直しましょう。
4. クラウド化を活用する
保守費用の削減には、クラウドサービスの活用が有効です。システム稼働のためのサーバーを自社で用意しなくてよくなるためです。
クラウドサービスで構築したサーバーは、クラウド事業者がメンテナンスを実施します。自社で対応する保守業務が減ることで、保守費用の削減につながるのです。
また、システム自体をクラウド化するのもひとつの手です。クラウド事業者にシステムの更新作業やセキュリティ対策などを代行してもらえるため、自社の負担を軽減できます。
システム開発の保守を委託するのがおすすめの企業
システム開発の保守費用相場を紹介してきましたが、どのような企業が保守を委託すべきか気になる方もいるでしょう。
保守の委託は、以下のような企業におすすめです。
- 自社に専門知識を持つ人材がいない
- 保守体制が整っていない
1. 自社に専門知識を持つ人材がいない
自社に専門知識を持つ人材がいない場合は、システム保守を委託するのがおすすめです。専門知識を有していなければ、システム保守を行うことは困難なためです。
システム保守を行うには、システムの知識はもちろんハードウェアやOS、セキュリティなどの専門知識も必要となります。
自社に専門知識を持つ人材がいないなら、教育や採用を行わなくてはいけません。しかし、社内で一から人材を育成したり採用活動を行うのはコストと時間がかかるため、システム開発会社に委託するほうが効率的です。
また、システム開発会社はスキルや経験が豊富なため、何か問題が発生しても迅速に対応してくれるでしょう。
システムの安定稼働のためにも、専門知識を有したプロに保守を委託するのがおすすめです。
2. 保守体制が整っていない
社内の人手や体制不足に悩んでいる企業は、保守の委託が有効です。十分な保守体制が整っていなければ、システムが安定稼働せずトラブルにつながる恐れもあります。
自社で保守体制が整っていないなら、外部に委託した方がトラブルなく安定的にシステムを稼働できる可能性が高まるでしょう。
また、保守の委託によって、システム運用者の負担が軽減されコア業務に集中しやすくなる効果も期待できます。
保守体制が不十分で他の業務に影響が出ているなら、効率化のためにも保守を委託することをおすすめします。
システム開発会社の選び方
システム開発の保守業務の委託を決めたら、システム開発会社の選定を行いましょう。自社に合う開発会社を選べると、期待する成果を出しやすくなります。
保守を委託するシステム開発会社を選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 料金体系
- サービス内容(業務内容、対応時間など)
- 担当者との相性
上記の中でも料金の安さだけで決めないようにしましょう。安さだけで決めてしまうと、依頼したい内容に対応していないといったトラブルにつながります。
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システム開発の保守費用相場【まとめ】
システム開発の保守費用相場は、ハードウェア・ソフトウェアあわせて初期費用の15%です。サービス委託を行うと、月額20〜50万円かかります。保守を委託すると、毎月ランニングが発生するので把握しておきましょう。
システム保守を委託するのがおすすめの企業は、以下のとおりです。
- 自社に専門知識を持つ人材がいない
- 保守体制が整っていない
上記に当てはまる企業は、保守の委託を検討してみてください。
なお、システム開発の保守費用相場を理解したが、自社で内製するのが難しそうならシステム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を紹介します。相談料も紹介料も一切かかりません。
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岩田
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Q. システム開発の保守費用の相場は?
システム開発の保守費用の費用相場は、初期費用の15%です。その他の内訳は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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