ネットワーク構築の費用相場|構築前に明確化しておくこと・ケース別の費用目安も紹介!

ネットワーク構築の費用相場|構築前に明確化しておくこと・ケース別の費用目安も紹介!

ネットワーク構築費用はどのくらい見ておけばいい?環境によって費用は変わる?社内ネットワークの新設 / 刷新を検討している企業担当者なら知りたいはず。そんな方に向け、構築前に明確にしておきたいことから、構築費用の相場と内訳、ケース別の費用目安まで、ネットワーク構築費用の相場感を紹介していきます。

なお、ネットワーク構築会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. ネットワーク構築費用を知るために明確化しておくこと
    1. 1-1. ネットワーク構築の目的
    2. 1-2. 構築するネットワークの規模 / 拠点数
    3. 1-3. WAN(Wide Area Network)の接続方法
    4. 1-4. 利用中のアプリケーション
    5. 1-5. 将来的な拡張の可能性
    6. 1-6. ネットワーク構築の手順
  2. 2. ネットワーク構築費用の相場と内訳
    1. 2-1. ネットワーク設計費用
    2. 2-2. ネットワーク構成図 / 機器管理台帳作成費用
    3. 2-3. ネットワーク構築工事 / 端末の設定費用
    4. 2-4. ルーター / スイッチ / プリンター設定費用
    5. 2-5. セキュリティオプション費用
  3. 3. ケース別ネットワーク構築費用の目安
    1. 3-1. 単一拠点のオフィス
    2. 3-2. 3拠点のオフィスをIP-VPNで接続
  4. 4. ネットワークを自社構築して費用を抑えられる?
  5. 5. ネットワーク構築の外注先を選定するポイント
    1. 5-1. ネットワーク構築の実績
    2. 5-2. コミュニケーション力 / 対応力
  6. 6. 【まとめ】ネットワーク構築の費用相場やケース別の費用目安を解説しました

ネットワーク構築費用を知るために明確化しておくこと

ネットワーク構築費用の前に明確化しておくこと

本記事の主題であるネットワークとは、PC / スマートフォンなどの端末を相互接続し、情報通信するコンピューター・ネットワークのこと。しかし、ローカルネットワークである社内LAN環境はオフィスに応じて実にさまざま。当然、ネットワークに求める環境 / 条件(要件)によって構築費用も大きく変動します。

つまり、ネットワーク構築費用を知るためには、前提となる要件を明確化しておかなければなりません。以下から、事前に明確化しておくべき主な要件を紹介していきます。

ネットワーク構築の目的

まずは、ネットワーク構築の目的を明確化しましょう。たとえば、ファイルサーバを共有する、SaaS型システムを社内利用したい、拠点間ネットワークを構築する、リモートワーク対応したいなど。漠然とした目的ではなく、より具体的な利用状況を想定することがポイントです。

構築するネットワークの規模 / 拠点数

構築するネットワークの規模、拠点間通信をするのなら拠点数を明確化しましょう。ネットワークの規模とは、接続する端末数やオフィスの広さ / フロア数のこと。拠点数が増えれば、その分ネットワーク規模も拡大するため、構築費用に大きく影響します。

有線LAN / 無線lAN、それぞれに想定される接続端末数を明確化しておくことも重要。PC / モバイルデバイス以外にネットワークに接続する、サーバ / プリンターの有無も明確にしておきます。

WAN(Wide Area Network)の接続方法

社内ネットワークとWANの接続方法も明確化しておきましょう。たとえば、単一拠点でインターネットのみ利用したい場合でも、セキュリティの観点からプロキシサーバを設置する場合があるからです。

また、拠点間ネットワークを構築するにもWANは必要不可欠。従来は専用線を利用する場合もありましたが、現代ではVPNで拠点間をWAN接続することが一般的です。

※WANとは、広範囲をカバーするネットワーク網のこと。インターネットと同じ意味で使われるほか、拠点間を接続するネットワークもWANと呼ばれる

※プロキシサーバとは、インターネットと社内LANの境界(DMZ)に置かれ、外部Webサーバとの通信を中継するサーバ。セキュリティを担保するフィルタリング機能などを持つ

VPN(Virtual Private Network)とは

VPNとは、暗号化 / トンネリングなどの技術を利用し「仮想的な専用ネットワーク回線」を構築する仕組み、または構築された専用回線そのもののこと。インターネットやキャリアのIP網など、パブリックなネットワーク回線を利用するため、安価に専用回線を構築可能。VPN内のアクセスポイントを利用し、社内LANへアクセスすることも可能です。 

VPNの種類

特徴

インターネットVPN

インターネット回線を利用したVPN。手軽に構築できるがセキュリティ強度は低い

IP-VPN

キャリアのIP網を利用したVPN。キャリアとの契約、

月額費用は必要だがセキュリティ強度は高い

エントリーVPN

インターネットとIP網を組み合わせたVPN。両者の中間的な性格を持つ

 インターネットVPNは、手軽に自社構築でき、安価なメリットがありますが、拠点間通信にはセキュリティ面で不安があることも事実。リモートアクセスの安全性を担保する意味でも、IP-VPNの採用がおすすめです。

利用中のアプリケーション

SaaSなど、クラウド経由のものを含め、常時利用するアプリケーションを明確にしておきましょう。一般的な業務アプリであれば、それほど問題は生じませんが、アプリケーションによってはネットワーク帯域幅を圧迫してしまう可能性もあるためです。

特定のアプリケーションを利用すると反応が遅くなるなど、現状の不満点をまとめておくこともポイント。より快適な環境へ改善するための、ネットワーク設計に役立ちます。

将来的な拡張の可能性

ネットワークの規模、拠点数、利用アプリケーションなどの要件は、将来的な拡張の可能性も加味した上で設定しておきましょう。LANへの接続数、WANとの接続方法、帯域幅に余裕がなければ、スタッフの増員やアプリケーションの追加導入に対応できない場合もあるためです。

ネットワーク構築の手順

ネットワーク構築の要件ではありませんが、費用の内訳 / 仕組みを理解するためにも、構築の手順 / ステップを理解しておきましょう。ネットワークを新設 / 刷新する場合も、既存ネットワークを改善する場合も、構築の手順は大まかに以下の通りです。

  1. 現況調査 / 目的・ニーズの把握
  2. ネットワーク要件定義
  3. ネットワーク設計
  4. ネットワーク構築工事
  5. 運用開始 / 保守・メンテナンス

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ネットワーク構築費用の相場と内訳

ネットワーク構築費用の相場と内訳

事前に明確化しておく要件、構築の手順を把握できたところで、ネットワーク構築費用の相場を内訳ごとに紹介していきます。

ネットワーク構築費用の内訳

目安となる費用相場

ネットワーク設計費用

100,000円程度(1フロア端末25台で想定)

ネットワーク構成図費用

100,000円程度

機器管理台帳費用

100,000円程度

ネットワーク構築工事費用

200,000円程度(1フロア端末25台で想定)

PC端末の設定費用

5,000円程度 / 1台

ルーター設定費用

25,000円程度

スイッチ設定費用

20,000円程度

プリンター / 複合機設定費用

15,000円程度

ファイアウォール機器設置 / 設定費用

150,000円程度

WAF設置 / 設定費用

300,000円程度

ネットワーク設計費用

構築するネットワークを「物理的」「論理的」に設計するために必要な費用です。物理設計とは、ルーター / スイッチ / ハブなどのネットワーク機器をどのように配置し、どのように配線するかを設計すること。論理設計とは、IPアドレスの割り当てやネットワークのグループを設計することです。

1フロア端末25台程度の規模であれば、ネットワーク設計費用の相場は100,000円程度。規模や拠点数に応じて費用は変動します。

ネットワーク設計については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:ネットワーク設計・構築の基礎知識|設計・構築のステップやポイントを解説!

ネットワーク構成図 / 機器管理台帳作成費用

ネットワーク設計の成果としてアウトプットされる「ネットワーク構成図」の作成にかかる費用です。構成図は物理構成図、論理構成図の2種類となることが一般的。設置したネットワーク機器の管理台帳を含め、ネットワーク構築後の保守・メンテナンスに欠かせない資料です。

システム幹事

画像出典:株式会社エニプラ

ネットワーク構築工事 / 端末の設定費用

機器設置、LANケーブル配線など、実際のネットワーク構築工事にかかる費用です。フロア数や広さ、接続する端末数によって変動しますが、1フロア端末25台程度の規模であれば、200,000円程度を見ておけば問題ないでしょう。もちろん、端末の台数分のネットワーク設定費用も必要です。

ルーター / スイッチ / プリンター設定費用

ネットワーク環境に設置されたルーター / スイッチなどの設定にかかる費用です。プリンター / 複合機をネットワーク接続するなら、その分だけ設定費用も加算されます。

セキュリティオプション費用

ファイアウォール / WAFなど、ネットワークにセキュリティオプションを追加する場合に必要な費用です。ファイアウォールとは、インターネットと社内ネットワークの境界に設置され、外部からの不審な通信をシャットアウトする仕組みのこと。社内システムを運用していなくても、ファイアウォールの設置は必須です。

一方のWAF(Web Application Firewall)とは、その名の通り外部攻撃からWebアプリケーションを守るセキュリティソリューションのこと。社内サーバでWebサイトを運用している、Webシステムを運用している場合は、WAFの設置が必須です。

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ケース別ネットワーク構築費用の目安

ケース別ネットワーク構築費用の目安

ネットワーク構築費用の内訳、相場は把握できたが、総額ではどのくらいなのか?そんな疑問を持つ方に向け、単一拠点のオフィスの場合、3拠点のオフィスをIP-VPNで接続する場合、それぞれのネットワーク構築費用をシミュレートしてみましょう。オフィス規模は、いずれも1フロア端末25台を想定、インターネット接続環境の費用は除外しています。

単一拠点のオフィス

単一拠点のオフィス

画像出典:社内SEのシステム管理・運用マニュアル

 1フロア端末25台規模の単一拠点オフィスで、プリンターとサーバも接続。ルーターのWANポートを通じてインターネットを利用できる環境です。サーバのWebアプリケーション保護のため、WAFの導入も想定しています。 

ネットワーク構築費用の内訳

費用目安

数量

小計

ネットワーク設計費用

100,000円

1

100,000円

ネットワーク構成図費用

100,000円

1

100,000円

機器管理台帳費用

100,000円

1

100,000円

ネットワーク構築工事費用

200,000円

1

200,000円

PC端末の設定費用(サーバ含む)

5,000円

26

130,000円

ルーター / スイッチ設定費用

45,000円

1

45,000円

プリンター設定費用

15,000円

1

15,000円

ファイアウォール設置 / 設定費用

150,000円

1

150,000円

WAF設置 / 設定費用

300,000円

1

300,000円

合計

1,140,000円

3拠点のオフィスをIP-VPNで接続

3拠点のオフィスをIP-VPNで接続

画像出典:社内SEのシステム管理・運用マニュアル

1フロア端末25台規模のオフィス、3拠点をVPNで接続。サーバは本部に3台、プリンターは各拠点1台接続するパターンです。サーバのWebアプリケーション保護のため、WAFの導入も想定しています。

ネットワーク構築費用の内訳

費用目安

数量

小計

ネットワーク設計費用

100,000円

3

300,000円

ネットワーク構成図費用

100,000円

3

300,000円

機器管理台帳費用

100,000円

3

300,000円

ネットワーク構築工事費用

200,000円

3

600,000円

PC端末の設定費用(サーバ含む)

5,000円

78

390,000円

ルーター / スイッチ設定費用

45,000円

3

135,000円

プリンター設定費用

15,000円

3

45,000円

ファイアウォール設置 / 設定費用

150,000円

3

450,000円

WAF設置 / 設定費用

300,000円

1

300,000円

VPN(初期費用)

30,000

3

90,000円

合計

2,640,000円

ネットワークを自社構築して費用を抑えられる?

2つのパターンでネットワーク構築費用をシミュレーションしてみましたが、いずれの場合も費用はそれなりに高額です。それでは、ネットワークを自社構築して費用を抑えることは可能なのか。SOHOレベルであればともかく、ある程度の規模のオフィスには残念ながらおすすめできません。

そもそも、要件を満たす適切なネットワークを設計するには、ネットワークエンジニアと同等の知識 / スキルが必要です。ネットワーク機器を自社で用意して費用節約するといっても、知識がなければ適切な機器の選定すら困難。社内ネットワークを構築するなら、専門の事業者に依頼することがおすすめです。

ネットワーク構築の外注先を選定するポイント

ネットワーク構築の外注先を選定するポイント

それでは、ネットワーク構築の外注先を選定するには、どのようなポイントに気を付けておけばいいのか。ネットワーク構築に限らず、外注先を選定する際の原則は、3社程度の候補先をピックアップし、同じ条件で相見積もりを取ること。まずは、以下のような観点から、外注の候補先を絞り込んでいくことが重要です。

ネットワーク構築の実績

大小さまざまなネットワーク構築の実績があるか?まずは重視して候補先をピックアップしていきましょう。なぜなら、住宅や土地に同じものが1つとしてないのと同様、社内ネットワークにも条件が同じものは1つとしてないからです。どのような条件 / ニーズでも適切な提案をするためには経験が必要。豊富な実績を重視すべきなのはこのためです。

コミュニケーション力 / 対応力

豊富な実績で候補先を絞り込んだら、次はコミュニケーション力 / 対応力で候補先を絞り込んでいきましょう。コミュニケーション力は、クライアントのニーズを的確に要件に落とし込むために必要な能力。事業者が常駐しないネットワーク管理で、万一のトラブル時に必要なのが対応力だからです。

先方のコミュニケーション力 / 対応力を見極めるのは簡単ではありませんが、問い合わせ時のレスポンス、質問に対する回答などである程度の判断はできるはずです。

【まとめ】ネットワーク構築の費用相場やケース別の費用目安を解説しました

ネットワーク構築費用はどのくらい見ておけばいい?環境によって費用は変わる?社内ネットワークの新設 / 刷新を検討している企業担当者なら知りたいはず。そんな方に向け、構築前に明確にしておきたいことから、構築費用の相場と内訳、ケース別の費用目安まで、ネットワーク構築費用の相場感を紹介してきました。

なお、ネットワーク構築会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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