- 更新日 2022.05.31
アプリ作成・開発の費用相場は?費用を抑えるコツも解説【種類・機能別の一覧表つき】
アプリの作成を企画しており、費用に関する情報を探しているご担当者の方へ。
・アプリの種類や機能によって幅がありイマイチ相場が分からない
・社内でアプリ作成のプレゼン資料を作成するのに金額を把握しておきたい
・アプリ作成の費用を安く抑える方法はないか?
アプリと一口に言っても種類はさまざまで「自社(自分)のアプリだとどれぐらいの費用感なんだろう」「見積もりを出されたときに適正価格かわからない」などの悩みもあるでしょう。
本記事では、アプリ作成・開発の費用相場を種類別・機能別でご紹介します。また、費用を抑えるコツまで解説。最後まで読めば、アプリの費用相場が把握でき、見積もりで出された額が適正か判断できますので、ぜひご覧ください。
※アプリ作成にかかる費用・相場情報を知りたい方はシステム幹事にご相談ください。費用のご相談だけでも無料でお答えします。予算や目的から最適な開発会社をご紹介も可能です。
【種類・機能別】アプリ作成・開発の費用相場
まずは、アプリ作成・開発の費用相場を種類別・機能別で費用相場を紹介します。「自社の予算内で作成ができそうか」「もらっている見積もりの金額が妥当か」などを判断するために参考としてください。
種類別の費用相場一覧表
種類 |
特徴 |
費用相場 |
学習アプリ |
漢字や英語、算数などを |
50~300万円 |
コミュニティアプリ |
掲示板やチャット機能で |
100~500万円 |
ライブ配信アプリ |
スマホでリアルタイムに 費用に幅がある。 |
120~2,300万円 |
ECアプリ |
ECサイトをアプリ化するもの。 プッシュ機能や位置情報機能など、 通常のECサイトには搭載できない機能が アプリによって有効になる。 |
200~300万円 |
SNS位置情報系 |
ランニング・歩いた距離に応じて 消費カロリーを計算するアプリ。 友達や家族のいる位置を 地図で表示するアプリなど。 |
300万円~ |
マッチングアプリ |
検索によりパートナーを探し、 |
400~1,500万円 |
ゲームアプリ |
ゲームに分類されるアプリ。 |
800万円~ |
フリマアプリ |
オンライン上でユーザー同士が 売買を行えるアプリ。 |
1,000万円~ |
まずは、種類別の費用相場です。
上記の表の通り、相場といっても幅があり、機能の多さや作成したいアプリの規模などによって費用は大きく異なります。
アプリをノーコード(プログラミング不要)で開発できるプラットフォームを使えるものは、150万円~200万円に抑えられます。プログラミングが必要なものは、500万円~600万円ほど。さらに特別な機能が求められるならプラス100万円ずつしていくイメージです。
上の表のように、マッチングアプリやゲームアプリ、フリマアプリなどは高度な機能も求められるため、費用が高額です。
機能別の費用相場一覧表
種類 |
費用相場 |
他アプリとの連携 |
5~40万円 |
ログイン機能 |
10~20万円 |
通知機能 |
10~100万円 |
位置情報機能 |
12~25万円 |
メッセージ機能 |
20~40万円 |
決済システム |
20~50万円 |
アプリ作成では、機能を追加するごとにも費用が発生します。ひとつの機能を追加するだけで万単位の金額がかかるため、追加の開発や大規模な修正が発生しないように要件を明確にしておくことが大切です。
【実例】アプリ作成・開発費用のシミュレーション
自分が作りたいアプリの費用の概算が知りたい方は、簡易的な見積もりができるシミュレーションサイトを使ってみる手もあります。実際にシミュレーションサイトにて、概算を出してみました。
今回は、小規模のコミュニティアプリを想定して、以下の条件でシミュレーションしました。
・対応OS:iOSとAndroid両方開発
・開発規模:小規模(30画面程度)
・必要な機能:ユーザー認証・通知機能・SNS機能・チャット機能・検索機能
・SNSログイン:Google・Facebook
・決済機能:なし
・デザイン:コンセプトから制作してもらう
・Web管理画面:必要
その結果、株式会社Pentagonのシミュレーターでは522万円。
画像引用:株式会社Pentagon
CREATIVE VILLAGEのシミュレーターでは590万円という結果となりました。
画像引用:CREATIVE VILLAGE
その他、アプリ開発費用の見積もりでは以下のような事例があります。
アプリ |
金額 |
既存アプリの軽微な改修 |
33万円 |
英会話アプリ |
409万円 |
フードロス対策アプリ |
620万円 |
SNSアプリ |
651万円 |
試験対策iPadアプリ |
722万円 |
婚活マッチングアプリ |
902万円 |
参考元:株式会社Pentagon
正確な相場や見積もりを知りたいなら
料金シミュレーターはあくまでざっくりとした相場や見積もりの情報です。正確な金額は後ほど説明する要件定義を行ってからしか分からない場合が多いです。とはいえ、要件定義を行った上で「やっぱり費用が高いから開発はやめておこう」と中止しても、契約内容によっては開発費全体の10%前後の費用がかかる場合があります。
そのため、まずは自社の希望に合ったアプリの費用の相談を行い、相場や見積もりを把握しておくのがおすすめです。
「自社が作るアプリだとどれぐらいの費用になりそうか見積もりを知りたい」方はシステム幹事にご相談ください。相談料などは一切かかりません。
【無料】プロのアドバイザーにアプリ作成にかかる費用の相談をする
アプリ作成・開発費用の基本の計算式
では、アプリ作成にはなぜここまで紹介してきたような費用が発生するのでしょうか。内訳を詳しく見ていきましょう。
本質的な考え方を理解しておくことで、自社で作りたいアプリの費用の目安が分かり、開発会社から出された見積もりが適正かどうかの判断材料にもなります。
アプリの作成・開発費用は「人件費+諸経費」
アプリの作成・開発費用は「人件費+諸経費」で決まります。
人件費は、アプリを開発するためにかかる人員や工数の費用。諸経費は、開発用のパソコンやアプリを動かすためのサーバなどの設備費、ソフトを使用するライセンス料などです。
・人件費:エンジニアやプログラマーなどの費用
・諸経費:開発に必要な機材などの設備費、ソフト使用のライセンス料など
このうち、アプリ開発の費用のほとんどは人件費。アプリの種類や機能などによっても必要な人件費は変動します。
人件費は「人月×人月単価×期間」
アプリ開発にかかる人件費は「人月(にんげつ) ×人月単価 ×期間」で決まります。
・人月:エンジニア、プログラマーなど開発に必要な1ヶ月間の人員
・人月単価:人員1人が1ヶ月作業した場合の費用
・開発期間:開発・リリースまでに要する期間
アプリ開発では、見積書などに「〇人月」という言葉が出てきます。人月とは、開発に必要な1ヶ月間の人員の数。たとえば、あるアプリを開発するのに1ヶ月3人のスタッフが必要なら、3人月になります。
ディレクター1名、プログラマー1名、エンジニア1名の3人で開発する場合、人月単価が全員が同じ60万円と仮定して、4ヶ月で開発する場合、人件費は以下になります。
3人 × 60万円 × 4ヶ月=720万円
アプリの規模や機能、難易度などによって必要な人数や開発期間が異なるため、開発費用は大きく変動するのです。
人月単価は役割や技術力によって変わる
人月単価は、役割や技術力によって変動します。
アプリ開発で必要な役割は、主にPG(プログラマー)とSE(システムエンジニア)です。プログラミングのみ担当するPGに対して、SEはプロジェクトの管理も含めて全工程に携わります。そのため、SEのほうが単価が高い傾向にあります。
PGの人月単価の目安は70万円前後。SEは100万円前後です。
また、アプリ画面のデザインのために、デザイナーの人件費が別途必要になることもあります。
さらに、人員の技術力によっても単価は異なります。SEの人月単価の目安は以下の通りです。
「こんなに高額なの?」と思われるかもしれませんが、開発会社は人月単価の中からエンジニアやプログラマーに給料を支払うため、アプリ開発に支払う外注費は高額になるのです。外注費を抑える方法を最後にご紹介しますので、そちらもお役立てください。
期間はアプリの種類によっても変わる
開発期間は、アプリの規模や機能、難易度だけでなく、アプリの種類によっても変わります。
アプリには「Webアプリ」「ネイティブアプリ」「ハイブリッドアプリ」の3種類があります。
このうち、ネイティブアプリの開発では、iOS、Androidで開発環境や言語が異なるため、それぞれ開発をしなければなりません。そのため、工数が大きくなる傾向にあります。また、Webアプリは複数のOSに対応させる必要がないうえ、フレームワーク(アプリを開発するためのソフト)が豊富で開発の工数を削減できるため、コストが安価です。
種類 |
特徴 |
工数 |
Webアプリ |
ブラウザ上で使用する |
小~中 |
ネイティブ |
スマホやタブレットに インストールして使用する |
大 |
ハイブリッドアプリ |
ブラウザでも端末に |
中 |
資金が限られる場合は、まずはWebアプリで認知度を高め、軌道に乗った段階でネイティブアプリやハイブリッドアプリをリリースする流れがおすすめです。
押さえておきたいその他の費用
Webアプリケーションの作成にかかる費用は、開発費用だけではありません。開発以外にかかる費用も押さえておきましょう。
サーバー費用
要求されたファイルの送付やデータの保存など、サービスを提供する側のコンピューターをサーバーといいます。サーバーは、アプリを動かすために必要不可欠な存在です。費用の目安は月額数千〜数万円。また、アプリを運用していくためには、開発後もサーバーのレンタル料を払い続ける必要があります。
SSL証明書費用
SSL(Secure Sockets Layer)とは、WebサイトのURLをhttp→httpsに暗号化することです。http→httpsに変わると上のように鍵マークがつきます。
SSLサーバー証明書は、Webサイトの運営者の実在性を証明し、Webサーバーとブラウザの間で通信データの暗号化を行うための電子証明書。費用は5~10万円程度です。暗号化により盗聴やなりすましを防ぎます。
運用・保守費用
アプリは作って終わりではなく、リリース後も継続的に運用や保守をしていく必要があります。
アプリ開発を外注する場合は、運用・保守の方針や予算を決めておくことも重要です。目安として、運用費は開発コストの5%前後。300万円で開発したアプリであれば運用・保守費用は月15万円ほどかかり、1年間で180万円になります。
「運用」は、開発・リリースされたアプリを継続的に安定して稼働させるため、管理・監視を行うこと。「保守」は、障害が発生した際に原因を究明してアプリを復旧・修正すること。
運用だけでなく、万が一トラブルが発生した場合の「保守」も頭に入れておくことが大切です。運用や保守の詳しい中身や、どこに任せるべきかなどは下記の記事を参考にしてください。
関連記事:システム運用とは?開発との関係・保守との違い・重要性・作業内容を解説!
アプリのリリースに必要なアカウント登録費用
スマホアプリのリリースは、Apple storeやGoogle Payなど各アプリストアへ申請し、承認されてようやくリリースができます。アカウントの登録申請には費用が必要です。必要な費用は、iOS、Androidどちらのアプリを公開するかによって変わります。詳細は以下の表の通りです。
OS |
登録対象 |
費用 |
iOS |
Apple developer account |
$99=11,800円(税別) |
Android |
Google Play developer account |
$25=2,750円(税別)程度 ※登録費用のみ |
アプリ作成・開発の費用を抑えるコツ
最後に、アプリ作成・開発の費用を少しでも安くするためのコツを解説します。
要件定義で必要な機能を明確にする
要件定義とは、発注者の希望を叶えるために必要な機能などを明確にする作業です。要件が不明確だと、後から大幅な修正や追加作業が発生して費用がかさむ場合があります。あるいは、無駄に高機能になり余計な費用がかかってしまうことも。
要件定義では、以下のような項目を決めておきましょう。
・必要な機能
・用いられる技術
・スケジュール(納期)
・必要な人員(工数)
機能に関しては「〇〇と◇◇が欲しい」と決めるだけでなく、優先順位をつけた上で「△△は要らない」など不要な機能も明確にすると良いでしょう。
要件定義の詳細は、以下の記事をご覧ください。具体的にどんなことを決めるのか、どう進めるのかなどを詳しく解説しています。
関連記事:システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!
アプリ開発の補助金を利用する
アプリ開発に使える補助金
・ものづくり補助金:競合優位性に優れたサービス開発を計画している
・事業再構築補助金:コロナの影響で売上が減少して事業転換を計画している
・IT導入補助金:ITツールを導入して業務効率化・生産性向上を計画している
・小規模事業者持続化補助金:システムを活用して販路拡大を計画している
アプリ開発には補助金が存在します。採択率は約50%と低く、仕組みが複雑なため申請していない方も多いでしょう。しかし、採択されれば下記のような補助額がおり、数十万~数千万円の費用が抑えられます。
種類 |
採択率 |
補助額(通常枠) |
ものづくり補助金 |
約45% |
100万円~1,000万円 |
事業再構築補助金 |
約40% |
100万円~8,000万円 |
IT導入補助金 |
約50% |
30万円~450万円 |
小規模事業者持続化補助金 |
約50% |
50万円 |
1つのアプリ開発に利用できる補助金は1つだけで、採択率も低いのが現実です。しかし、活用できれば大幅に費用の負担を軽減できるため、補助金に関する知識はしっかりつけておきましょう。補助金については下記の記事を参考にしてください。
参考記事:アプリ開発の補助金はどれを選ぶ?採択率50%を突破する秘訣!
自社でできない部分だけ外注する
外注費用を少しでも抑えるために「外注する工程を限定して、内製で担当する工程を増やす」ことが挙げられます。基本的には外注よりも自社で対応したほうが人件費が安くなるからです。
たとえば、アプリデザインの工程は外注すると70万円ほどかかりますが、内製なら30万円ほどで対応できることもあります。
自社だけではアプリが作れないという場合も、対応できない部分だけを外注することでコストを抑えられます。
【参考】相見積もりを行い比較検討することも大切
膨大な数の開発会社から、希望に合った会社を選ぶのは至難の業です。複数社(3〜4社程度がおすすめ)から見積もりをもらって比較検討しましょう。特徴の違いを比較しやすく、社内で稟議を通す際もプレゼンしやすいです。
逆に一括見積もりを依頼すると会社が多すぎて比較するのが大変です。どの会社も同じに見え、結局どの会社が良いか選びきれず、価格だけで決めて失敗してしまうでしょう。中途半端な提案を10社から受けるより質の高い提案を3社から受けるほうが効率的です。
相見積もりを行いたい方は、システム幹事にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望をヒアリングし、予算や目的に合う最適な開発会社を選びます。要件を明確にしてからご提案するため、紹介は3社程度にとどめています。そのため、厳選された会社の中から効率的に比較検討していただけます。
アプリ作成・開発にかかる費用まとめ
アプリの作成・開発にかかる費用相場を種類別・機能別で紹介しました。
・種類や機能によって相場は大きく異なる
・アプリの作成・開発費用は「人件費+諸経費」で決まる
・詳細な要件を相談しなければ正確な費用を出すのは難しい
アプリ開発を外注するなら、自社の導入目的や予算に合わせて開発会社を選ぶことが大切です。「より正確な相場が知りたい」「自社が作るアプリだとどれぐらいの費用になりそうか見積もりを知りたい」方はシステム幹事にご相談ください。相談料などは一切かかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
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この記事を書いた人

七瀬 ユウ
専門分野: Webライティング
新卒で大手Slerに入社し、基幹システムの開発・プロジェクトマネジメント業務に従事。転職後、WEB広告企業でセールスライターの経験を経て、現在はフリーランスWEBライターとして活動中。「読者目線で分かりやすい記事を届ける」をモットーに執筆します。
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