- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー AI開発
AI開発ソフトとは?AIを簡単に作れる開発ソフト・サービス7選も紹介【2024年最新版】
「ビジネスに応用できるAIを独自開発するのは難しいというけれど、簡単に作れるAI開発ソフトもあるらしい」という話を耳にしたIT担当者の方なら、以下のようなことを知りたいはず。
・AI開発ソフトとは?プログラミングのスキルがなくても使える?
・おすすめのAI開発ソフトは?
・自社に最適なAI開発ソフトを選ぶポイントは?
本記事では、AI / プログラミングの知識が乏しくても簡単にAIを開発できる、おすすめのAI開発ソフト・サービスを厳選して紹介!AI開発ソフト・サービスの仕組み・概要や選び方のポイントも解説していきます。
※自社に合うAI開発ソフトの選び方がわからない方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なソフトやAI開発会社を選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
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AI開発に役立つ記事もご覧ください AI開発ソフトの前におさらい!AI開発の流れや手順、利用されるプログラミング言語
そもそもAI開発ソフトとは
難解なプログラミング知識がなくてもAIを開発できるソフトウェアのこと。
自動運転などに活用されるビデオ・画像認識、チャットボットの文章認識、Siri / Cortinaに代表される音声認識など、すっかり身近な存在となった感のあるAI。その仕組みは意外とシンプルです。インプットされた情報を概念的に認識し、予測を立ててアウトプットする「AIモデル」がアプリ・システムに内蔵・リンクされているものです。
AI開発についてより詳しく知りたい方は、下記記事もご参照ください。
関連記事:AI開発とは?開発の手法・手順・プログラミング言語・フレームワークを含む基本を解説!
しかし、AIモデルの開発は、TensorFlow / PyTorchなどのフレームワーク(ソフトウェア)をベースに、Pythonで目的に応じたモデルをプログラミングしていくことが一般的。開発したAIモデルは機械学習・ディープラーニングで学習させ、認識精度を高めていく必要もあります。AIモデルの開発が簡単ではないといわれるのは、プログラミングの知識・スキルだけでなく、AI・統計学などの知見も要求されるからです。これでは、リソースに乏しい企業・店舗がAIを導入できません。
ディープラーニングについてより詳しく知りたい方は、下記記事もご参照ください。
関連記事:ディープラーニング(深層学習)とは?AI開発の発展を支える技術・開発手法を解説!
ローコードAI開発ソフト
「もっと簡単にAIを導入できないか」そんな企業・店舗の方から注目されているのが、ローコードでAIモデルを開発できる「AI開発ソフト」です。
ローコードとは、可能な限りソースコードを書かずにプログラムを開発する手法・ツールのこと。マウスクリックやドラッグ&ドロップなどのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)操作でプログラムを開発でき、ソースコードを一切書かない「ノーコード」ツールもあります。
ローコード/ノーコードに対応する近年のAI開発ソフトは、直感的な操作でAIモデルを開発でき、AIの学習に利用するデータセットの作成・管理が可能なものもあります。用途に応じたAIモデルを、自動で構築してくれるAI開発ソフトもあるため、開発コストの削減も期待できるでしょう。
クラウドAIサービス
一方、AIモデル開発では「AIモデルの動作するコンピューター」「AIモデルの学習をアクセラレート(加速)するGPU」などの高性能なハードウェアが必要。適切なハードウェアを導入・管理するのが難しい場合は、クラウドAIサービスを利用することで解決できる可能性があります。
クラウドAIサービスなら「AIモデルの実行環境・学習環境」というハードウェアがすでに準備されているからです。AI開発ソフトそのものがクラウドで利用できるサービスのほか、学習済みのクラウドAIモデルをWebAPI経由で利用できるサービスもあります。
おすすめのAI開発ソフト・サービス7選
ソフト・サービス名 |
特徴 |
おすすめの企業 |
MatrixFlow |
プログラミングの知識がなくても 簡単にAIモデルを開発できる |
サポートがあって質問を 気軽にしたい |
DEEPstation / Deep Analyzer |
ディープラーニング(深層学習)による AI開発・訓練・検証をマウス操作のみで 実現できる |
すでに搭載された学習済み AIモデルを活用したい |
DataRobot |
クラウド、オンプレミス、エッジデバイスなど、 デプロイ・活用するフィールドを問わない |
本番運用のステップを 半自動化したい |
Xcode / Create ML |
Xcodeが動作する環境が あればだれでも無料で使える |
Macパソコンで 使いやすいサービスがいい |
Neural Network Console |
使った分だけの従量料金制 |
最適な ニューラルネットワークを 自動で見つけてくれる サービスがいい |
IBM Watson |
人間が使う自然言語の意味を シミュレートして処理する 自然言語認識に強み |
日本語で利用できるAPIがいい |
Google Cloud AutoML |
Google Cloud環境に構築された 学習済み機械学習モデルを活用 |
Googleのサービスがいい |
それでは早速、おすすめのAI開発ソフトを厳選して紹介していきましょう。
MatrixFlow
画像引用:MatrixFlow
「MatrixFlow」は、東京都台東区に本社を構える、株式会社MatirixFlowが開発・提供するAI開発プラットフォームです。プログラミングの知識がなくても簡単にAIモデルを開発・活用でき、クラウド経由で手軽に利用できるのが特徴。適切なアルゴリズムを自動で構築してくれる「AutoFlow」や、多彩な予測 / 分類テンプレートが用意されているため、WebブラウザとデータさえあればすぐにAI開発に取りかかれます。
数値 / 画像 / テキストなどのデータセットに対応し、「売上予測」「需要・在庫予測」「不良品検知・異常分類」「購入顧客予測」「文章・テキストの分析」「採用マッチング最適化・退職リスク予測」など、さまざまな課題に応用できるAIを開発可能。MatrixFlowを活用したAIシステム受託開発、内製化支援・コンサルティングサービスも提供しています。
DEEPstation / Deep Analyzer
画像引用:DEEPstation / Deep Analyzer
「Deep Analyzer」は、東京都台東区に本社を構えるAI開発・コンサルティング会社、ギリア株式会社が開発・提供するローコードAI開発ソフトです。その名の通り、ディープラーニング(深層学習)によるAI開発・訓練・検証をマウス操作のみで実現できることが特徴。高性能GPUを搭載したハードウェア / OS / 各種フレームワーク・ライブラリがバンドルされたオールインワンパッケージ「DEEPstation」として提供されています。
「画像分類」「画像生成」「ペア画像生成」「物体検出」「音源分類」「異常検知」など、深層学習の代表的なアルゴリズム6種がプリセットされており、高度な設定やチューニングにも対応。学習済みAIモデルをブラウザから簡単に利用でき、構築したAIモデルをエッジデバイスにデプロイ(展開)するのも可能です。オンプレミス型としては比較的安価に環境構築できるのもポイントです。
DataRobot
画像引用:DataRobot
「DataRobot」は、2012年に設立されたAIクラウドのリーディングカンパニー、DataRobot社が開発・提供するクラウドAI開発ソフト・サービスです。クラウド、オンプレミス、エッジデバイスなど、デプロイ・活用するフィールドを問わない、柔軟なAI開発・活用を可能とするのが特徴。「分類」「回帰」「画像」「異常検知」のほか、オプションで「時系列」に対応するAIモデルを開発 / 学習可能です。
Excelの感覚でデータの前処理を実行できる「Paxata」、ステップを踏んでいくだけで最適なアルゴリズムの組み合わせを提示してくれる「オートパイロット機能」、APIの発行や本番運用のステップを半自動化してくれる「MLOps」などの多彩な機能を持ち、特別な知識がなくてもAIモデルを開発・活用可能です。
Xcode / Create ML
画像引用:Xcode / Create ML
「Create ML」は、Appleデバイスで動作する独自の機械学習モデル「Core ML」を作成できるローコードAI開発ソフトです。Appleの開発環境である「Xcode」に統合されているため、Xcodeが動作する環境があればだれでも無料で使えることがポイント。内蔵GPU / 外付けGPUを利用したトレーニングにも対応しており、開発したAIモデルはiOS / macOS向けのSwiftフレームワークとしても利用できます。
オブジェクト検出などの「画像」、アクション識別などの「ビデオ」や「モーション」「音声」「テキスト」「表形式データ」AIモデルタイプが用意されており、トレーニングを開始するにはデータとパラメーターを追加するだけ。たとえば、表形式データのCore MLを開発して、FileMakerなどのローコードツールに追加すれば、従業員の退職予測AIなどを作成できます。
Neural Network Console
「Neural Network Console」は、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が開発・提供するノーコードAI開発ソフト・サービスです。その名の通り、コーディングすることなくニューラルネットワークを設計でき、ディープラーニングによる学習で高度なAIモデルを開発可能。登録者6万人以上を誇るクラウド版のほか、日本国内であればローカル環境で開発できるWindows版も利用できます。
最適なニューラルネットワークをツールが自動で見つけてくれ、ドラッグ&ドロップによる編集も簡単に実行可能。「画像認識」「画像生成」「画像セグメンテーション」などの公開サンプルプロジェクトも利用できます。手軽に利用できるクラウド版は、使った分だけの従量料金制が採用されており、無料枠が用意されているのも嬉しいポイント。法人向けプランも用意されています。
IBM Watson
画像引用:IBM Watson
「IBM Watson」は、IBMが開発・提供するコグニティブコンピューティング / クラウドAIサービスです。人間が使う自然言語の意味をシミュレートして処理する自然言語認識に強みを持っており、コールセンターなどで採用されることの多いサービス。日本語で利用できるさまざまなAPIが用意されており「質疑応答システム」「リアルタイム翻訳機能」「性格・感情の分析」「画像・音声認識」「音声合成」などを利用可能です。
構築済みのAIモデルを利用できるだけでなく、さまざまなクラウド環境にAIモデルを構築できるプラットフォームが用意されていることもポイント。AI開発に必要なツールをまとめた統合環境「Watson Studio」で、ニーズに応じたAIモデルを構築できます。利用した分だけの従量料金制が基本ですが、無料枠で使い勝手を試すことも可能です。
Google Cloud AutoML
画像引用:Google Cloud AutoML
「Google Cloud AutoML」は、Google Cloud環境に構築された学習済み機械学習モデルを活用・トレーニングすることで、独自のカスタムAIモデルを構築できるクラウドAIサービスです。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を利用した操作を可能とし、機械学習の知識に乏しくても簡単にAIモデルを開発できるのが特徴。
無料枠の用意された複数の機械学習モデルを利用できます。主に、構造化データに対応した最先端の機械学習モデルや自然言語に対応した最先端の機械学習モデル、コンテンツ検出機能、画像分類に対応した最先端の機械学習モデルなどがあります。
AI開発ソフトの選定ポイント
ここまでで、おすすめのAI開発ソフト・サービスを紹介してきましたが、「どれを選べばいいかわからない」方も少なくないかもしれません。そんな方に向け、以下から、AI開発ソフトを選定する際のヒントとなるポイントをいくつか紹介しておきます。
目的:AIモデルを開発or利用するのか
AIをどのようにビジネス応用していくのか、AI開発の目的は企業・店舗に応じてさまざま。独自性の高いデータセットを利用してAIモデルを学習させたい場合もあれば、コールセンターのように汎用的なAI機能を利用したいだけの場合もあります。
たとえば、独自のデータセットに最適化したAIモデルを開発するなら、ハードウェアとの組み合わせが前提となる「DEEPstation / Deep Analyzer」がおすすめ。汎用的なコールセンターであれば、実績豊富な「IBM Watson」がいいかもしれません。
実行環境:クラウドサービスかorオンプレミスか
セキュリティ面での不安要素は大きくないとはいえ、企業によってはデータセットを社外に持ち出せないこともあります。コストを抑えて短期間でシステムを導入したい場合は、クラウド型が向いています。クラウド型はすでに構築されたシステムにインターネットでアクセスする形なので、導入のハードルが低いです。一方オンプレミス型は、カスタマイズ性・拡張性が高いです。自社サーバーを使って必要な機能だけ導入するような、自社にあったシステムを構築できます
ただし、本記事で紹介したAI開発ソフト・サービスのなかで、オンプレミスでデプロイ(展開)可能なのは「DEEPstation / Deep Analyzer」「DataRobot」「Xcode / Create ML」「Neural Network Console(日本のみ)」の4つ。すべてのソフト・サービスがオンプレミスに対応しているわけではありません。
AI開発ソフトまとめ
本記事では、AI / プログラミングの知識が乏しくても簡単にAIを開発できる、おすすめのAI開発ソフト、無料から使えるおすすめのAI開発サービスを厳選して紹介しました。また、AI開発ソフト・サービスの仕組み・概要や選び方のポイントも解説してきました。
ローコード / ノーコードで手軽にAIモデルを構築できるAI開発ソフトの登場は、ビジネスへのAI活用をより一層加速させる有効なツールとなりえます。積極的に活用していきたいものですが、ツールありきでプロジェクトを進めるには、あまりにもAI技術が発展途上であることも事実。
そもそもの実現可能性も含め、まずは実績豊富なAI開発会社に相談してみることもおすすめです。
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Q. AIを簡単に作成できる開発ソフト・サービスのおすすめは?
AIを簡単に作成できるおすすめの開発ソフト・サービスとして「MatrixFlow」「Deep Analyzer」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. AI開発ソフトを選ぶ際のポイントは?
AI開発ソフトを選ぶ際のポイントとして「AIモデルを開発するのか、利用するのかといった目的を明確にしておく」「クラウドサービスかオンプレミスか」等が挙げられます。詳しい選び方については記事をご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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