- 更新日 2024.01.10
- カテゴリー AI開発
売上予測とは?計算方法、予測の精度を高める方法を徹底解説【2024年最新版】
・売上予測ツールを導入したいが、メリットや利用するツールがわからない
・売上予測を立てたいが(立てろと上司に言われたが)やり方・計算方法がわからない
・売上予測の精度を高めたい
あなたはこのような悩み・思いを抱えていませんか?
売上予測とは、過去の売上データやビジネスデータをもとに、1ヶ月・1年といった一定期間の売り上げを予測することです。
新プロジェクトを計画する際の指標にもなりますが、具体的な計算方法や便利なツールが分からなければ売上予測はできません。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
- 売上予測に必要なデータ
- 売上予測の精度を高める方法
- 売上予測を便利にするツール
売上予測について何も知らない人からすでに売上予測に携わっている人まで、どなたにも分かるよう解説しています。売上予測について知りたい場合は、ぜひご一読ください。
※自社で売上予測に関するツールを探す時間がない、おすすめのツールを早く教えてほしい方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、自社に最適なツールを選定します。相談料も紹介料も一切かからない完全無料サービスです。
売上予測(フォーキャスティング)とは
売上予測とは、企業が「いつ」「どのくらい」売上を獲得できるかを予測することです。「今年度下半期の売上は5億円になりそうだ」「今月の売上は100万円になりそうだ」など、一定期間における具体的な数値を指します。
個人の主観によるものではなく、以下のような客観的なデータをもとに論理立てて導き出されます。
- 過去の売上
- 去年と比較しての成長率
- 市場の動向
- 営業部の活動実績
精度の高い売上予測を立てることで人員配置や予算管理、在庫管理といった社内業務や、適切な資金繰りに注力できるようになるため、売上予測は経営指標として重要です。
売上予測を立てる意味
売上予測を立てることには、以下3つの意味があります。
- 適した売上目標を設定できる
- 在庫量、人員の把握につながる
- 金融機関や株主とのコミュニケーションに役立つ
適した売上目標を設定できる
売上予測を行うことで、適した売上目標を設定できます。予測をもとにすることで、現実的かつ利益を最大化した売上目標の設定に活かせるためです。
売上目標は「〜ヵ月で〜円売上アップ」「前年比〜%アップ」といった形で設定していきます。
売上予測がなければ、実現できない高すぎる目標や簡単に達成できる低すぎる目標を設定してしまうかもしれません。
高すぎる目標を設定し達成できなければ、従業員のモチベーション低下につながります。逆に目標が低すぎても、成長の機会を失うことになります。
売上予測は、適切な売上目標を設定し自社の成長につなげるためにも重要です。
在庫量、人員の把握につながる
売上予測は、在庫量・人員の把握にも効果があります。売上予測によって、必要な量の商品確保、必要な部門への人員配置が可能となるためです。
売上予測をもとに「商品がどのくらい売れるか」を概算できれば、必要な生産数や原材料を把握し無駄な発注を抑え、適正在庫量を実現可能です。
また、売上予測値の高い部門に人材を配置することで、業績向上とコスト削減を達成できます。
適切な在庫量、人員配置につなげる上で、売上予測が役立ちます。
金融機関や株主とのコミュニケーションに役立つ
売上予測は、金融機関や株主とのコミュニケーションにおいても役立ちます。具体的には、資金繰りの相談や株主への事業成長の説明です。
金融機関に資金繰りを相談する場合、根拠のある数値をもとにした事業計画書の提出が必要です。返済計画を立てていく上でも売上予測によって、見積もりを見誤り資金繰りで苦しむのを防ぐ効果があります。
株主に事業成長性を説明する際も、売上予測で根拠を示すことで説得力が上がり納得してもらえます。
会社運営において重要な外部とのコミュニケーションのためにも、売上予測をしっかり行いましょう。
売上予測を立てるために必要なデータ一覧
売上予測を立てるには、以下のようなデータが必要です。
- 一定期間(例、月ごと・四半期ごと・年度ごとなど)の売上高
- 商品別の売上高
- 平均成長率
- セールスリード(見込み客)から契約へのコンバージョン率
- 案件化から受注するまでにかかる平均期間
- 平均的な契約期間
- サービスの更新率(リピート率)
- サービスの解約率
- 現時点での案件化数
- 業界の平均値(成長率やシェア、顧客平均単価)
- 公的な統計データ
- 競合企業の決算資料
- 自社で実施したアンケート調査
どのような方法で売上予測を立てるかによって、活用するデータは変わってきます。詳しくは次の見出し「売上予測の立て方」の中で解説していきます。
売上予測の立て方
売上予測は、以下の方法で立てられます。
- 現在の売上実績から算出する
- 現在の営業データから算出する
- 市場データや業界全体に対するシェア率から算出する
現在の売上実績から算出する
すでに得られている過去の売上データをもとに計算する方法で、既存商品の生産数の増減を検討している企業におすすめです。
算出方法:売上予測=一定期間の売上高×平均成長率
算出に必要な主なデータ
- 一定期間(例、月ごと・四半期ごと・年度ごとなど)の売上高
- 商品別の売上高
- 平均成長率
例えば、1ヶ月の売上高が100万円で先月から10%上がっている(平均成長率)とすると、来月の売上は110万円になると見積れます。
企業全体での売上を予測することもできますが、商品ごとのデータがあれば商品ごとに予測を立てられます。商品ごとに予測を立てた方が、より詳細な立案が可能です。
ただ、この方法での算出は「購入条件が一定」「競合企業や経済など外的要因がない」ことが前提です。
不況に強い商品で市場を独占している場合以外は、高精度の予測ができないため注意しましょう。
現在の営業データから算出する
売上予測は、獲得したリード数やアプローチしたクライアント数など、営業部の活動成績から導き出すこともできます。
実際に契約に繋がった数 ÷ アプローチ数(営業をかけた相手の数)=CV(コンバージョン率)
CVの増減・変化率=一定期間(一か月など)ごとにデータを取り、前期と今期の比を算出
(契約が取れるようになっているのか、取れなくなっているのか、どのくらいなのか)
営業担当の活動状況や実績データを用いるため、精度の高い売上予測を行えます。
ただ、営業担当者による各フェーズの管理が不十分ですと、正確な売上予測を行えない恐れがあります。
また、新規契約が増えても、既存の契約が更新されていなければ全体としての売り上げは増加しません。そのため、既存の契約の更新・継続についても考えることが重要です。
算出に必要な主なデータ:
- セールスリード(見込み客)から契約へのコンバージョン率
- 案件化してから受注するまでにかかる平均期間
- 平均的な契約期間
- サービスの更新率(リピート率)
- サービスの解約率
- 現時点での案件化数
市場データや業界全体に対するシェア率から算出する
市場動向や社会情勢、新しいテクノロジーの動向、競合他社の状況などからも売上を予測できます。
市場動向や社会情勢など仮定ベースの要素が多いため、既存事業よりも新規事業での売上予測を考える際に使われます。
算出に必要な主なデータ:
- 業界の平均値(成長率やシェア、顧客平均単価)
- 公的な統計データ
- 競合企業の決算資料
- 自社で実施したアンケート調査 など
特に決まった計算方法があるわけではないため、自社の商品・サービスに関係のあるデータを参考にしましょう。
売上予測を立てる意味
売上予測を立てることには、以下3つの意味があります。
- 適した売上目標を設定できる
- 在庫量、人員の把握につながる
- 金融機関や株主とのコミュニケーションに役立つ
適した売上目標を設定できる
売上予測を行うことで、適した売上目標を設定できます。予測をもとにすることで、現実的かつ利益を最大化した売上目標の設定に活かせるためです。
売上目標は「〜ヵ月で〜円売上アップ」「前年比〜%アップ」といった形で設定していきます。
売上予測がなければ、実現できない高すぎる目標や、簡単に達成できる低すぎる目標を設定してしまうかもしれません。
高すぎる目標を設定し達成できなければ、従業員のモチベーション低下につながります。逆に目標が低すぎても、成長の機会を失うことになります。
適切な売上目標を設定し自社の成長につなげるためにも、売上予測を行うことが重要です。
在庫量、人員の把握につながる
売上予測は、在庫量・人員の把握にも効果があります。売上予測によって、必要な量の商品確保、必要な部門への人員配置が可能となるためです。
売上予測をもとに「商品がどのくらい売れるか」を概算できれば、必要な生産数や原材料を把握し無駄な発注を抑え、適正在庫量を実現可能です。
また、売上予測値の高い部門に人材を配置することで、業績向上とコスト削減を達成できます。
適切な在庫量、人員配置につなげる上で、売上予測が役立ちます。
金融機関や株主とのコミュニケーションに役立つ
売上予測は、金融機関や株主とのコミュニケーションにおいても役立ちます。具体的には、資金繰りの相談や株主への事業成長の説明です。
金融機関に資金繰りを相談する場合、根拠のある数値をもとにした事業計画書の提出が必要です。返済計画を立てていく上でも売上予測によって、見積もりを見誤り資金繰りで苦しむのを防ぐ効果があります。
株主に事業成長性を説明する際も、売上予測で根拠を示すことで説得力が上がり納得してもらえます。
会社運営において重要な外部とのコミュニケーションのためにも、売上予測をしっかり行いましょう。
売上予測の精度を高める方法
売上予測の精度を高める方法は、以下の3つです。
- データの判断基準を整える
- 売上予測が妥当かを検証する
- 専用のツールを導入する
上記の方法を知らなくても売上を予測することは可能ですが、知っていた方がより確実な経営判断を下せます。順番に見ていきましょう。
データの判断基準を整える
企業全体で、売上予測で活用するデータの判断基準を整えることが重要です。経営者や人事部、営業部などで判断基準が異なると、売上予測に相違が生じる恐れがあるためです。
企業全体での一貫した基準を設定することで、各部署の担当者はその基準を基に売上予測を行えます。各部署が同じ基準で判断していけば、売上予測の相違がなくなり精度がより高まります。
また、営業データの一元管理によるリアルタイム共有と、チーム内の意思統一も有効です。部署ごとに相違のない売上予測を行うため、必要なデータや情報を共有できる仕組みを作っておくことが大切です。
売上予測が妥当かを検証する
導き出された予測が妥当かどうかを検証・判断することも大切です。ツールを用いて算出される予測は数値をもとに論理的に導き出されるため、場合によっては直感に反することもあります。これは、例えば天気予報をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
天気予報を鵜呑みにするだけでなく自分の目で天気を見ることが大切なように、売上予測も最後は人の目でチェックすることが大切なのです。
専用のツールを導入する
売上予測では複数のデータを参照するので、人間の頭の中だけで考えているとどうしても偏りが出てしまいます。そのため、より客観的に論理を構築するために専用のツールを利用すると良いです。
ベテランのマーケターやアナリストであっても、人間である以上、偏りを完全になくすことはできません。反面、ツールを用いて機械的に計算された売上予測には、感情などの不確定要素が入らないため、より厳密な予測を立てられます。
売上予測を効率化できるおすすめのツール4選
売上予測は、以下のツールを使うことで効率化できます。
- SFA
- ERPシステム
- AI
- Excel
SFA
SFAとはSales Force Automationの略で、毎日の活動内容や実績など営業に関する情報を自動化できるツールです
SFAには売上予測機能が搭載されているツールもあるため、毎日の活動内容や実績などを入力していくことで売上予測を自動化し効率的に行えます。
導入コストはかかりますが、日々の入力だけで簡単に売上予測を立てられます。営業実績から売上予測を立てたい企業や、簡単に予測を立てたい企業におすすめです。
SFAについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ERPシステム
ERPとはEnterprise Resources Planning の略で「統合基幹業務システム」とも呼ばれます。ERPシステムは、経営に必要な以下4つの経営資源を効率的に使えるよう分配するシステムです。
- ヒト
- モノ
- カネ
- 情報
ERPシステムを導入する利点は「情報管理の一元化」です。さまざまな部署でそれぞれ管理していた情報を一元化することで、企業全体の状況をスムーズに把握でき適切な経営判断につなげられます。
ERPにはさまざまなタイプがあるため、自社に合ったサービスを利用するのがおすすめです。
AI
AIやビッグデータを活用することで、過去の需要の傾向分析や傾向から精度の高い売上予測を出せます。データを活用した理論的な売上予測のため、大きく外す可能性も低いと期待されています。
過去の売上データや市場データなど、大量のデータを人力で分析し売上予測をすることは困難です。AIによる精度の高い売上予測を活用することで、正確な分析を効率的に行いビジネスを加速させられます。
特に人件費が多く困っている企業や、他の業務で忙しく売上予測をする人材リソースがない企業におすすめです。
Excel
Excelでは統計関連の関数や回帰分析を使うことで、売上予測を効率的に立てられます。マクロを使えない場合は「予測シート」機能を使った売上予測も可能です。
予測シートによる売上予測の方法は、以下の通りです。
- 月別の売上データを入力する
- 売上を入力したセルを選択し「データ」タブの中から「予測シート」をクリック
- 予測終了期日を設定し、売上予測を作成
- 予測シート完成
上記を行うことで、表の中に新しく「予測」「信頼下限」「信頼上限」の列が追加されます。
もし期首で定めた売上目標の金額が予測終了日の範囲外でしたら、戦略の見直しが必要です。
売上予測について解説しました
本記事では、売上予測を立てたいけれどどうしたらよいのかわからないという方に向けて計算方法や精度を高める方法、おすすめのツールなどを解説してきました。より早く正確に売上を予測するにはツールを使うのがおすすめです。
※自社で売上予測に関するツールを探す時間がない、おすすめのツールを早く教えてほしい方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、自社に最適なツールを選定します。相談料も紹介料も一切かからない完全無料サービスです。
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Q. 売上予測とは何ですか?
売上予測とは、企業が「いつ」「どのくらい」売上を獲得できるかの見込みのことです。精度の高い売上予測が立てられると、人員配置・予算管理・在庫管理といった社内業務や、適切な資金繰りに注力できるようになります。
Q. 売上予測(フォーキャスティング)とは?
売上予測とは企業が「いつ」「どのくらい」売上を獲得できるかの見込みのこと。一定期間における具体的な数値を指し、個人の主観によるものではなく、客観的なデータをもとに論理立てて導き出されます。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人