- 更新日 2023.12.22
- カテゴリー AI開発
AI開発とは?必要なプログラミング言語・開発の手法・流れ・フレームワークなどを解説【2024年最新版】
DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた重要なキーワード「AI開発」。自社ビジネスを飛躍させるためにもAI開発を検討している企業担当者の方であれば、以下のような疑問を解決したいでしょう。
・AI開発とは具体的になにを開発する?
・AIはどんなことができる?ビジネス課題を解決できる?
・AI開発の方法や手順は?開発言語や必要なものを知りたい
そこで本記事では、AIモデル / システムの開発手法・手順や、利用されるプログラミング言語・フレームワーク・ライブラリまで、知っておきたいAI開発の基本・概要を徹底解説していきます。
※AIモデルの内製が難しい、優秀なAI開発会社にAIシステムの開発を依頼したいという方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
AI開発とは
AIモデルの開発 / AIモデルを実装したシステムの開発のこと
AI(Artificial Intelligence)とは、一般的に「人間の知的なふるまいをシミュレート・再現したコンピューターシステム、またはその技術」のことだと認識されています。通常のITシステムの場合、入力された値に対する数値計算・データ処理しかできませんが、AIであれば「関数近似」を予測した回答を出力できます。チャットGPTなど典型例です。
例えば「ある特定銘柄の1週間後の株価を予測する」ことをイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。これは、AIに「過去の株価の動きから近未来の株価を予測する」アルゴリズムが実装されているからこそ実現できること。このようなアルゴリズムの実装されたAIを「AIモデル」と呼びます。つまり、AI開発とは「アルゴリズムの実装されたAIモデルを開発する」「AIモデルの実装されたAIシステムを開発する」ことです。
AIモデルの仕組み・ビジネスへの応用方法
1950年代から研究が進められてきたAIですが、黎明期のAIは「考えられる状況を予測し、できる限りの答えを用意しておく」ルールベースAIに過ぎませんでした。現代でもRPAや一部のチャットボットなどで利用されているものの、株価予測などの複雑な処理はできません。
分類(Classification)と回帰(Regression)
画像引用:codexa
株価予測などAIならではの「関数近似」を実現するためには、過去のデータから株価の動きに関する「法則性」を見つけなければなりません。その際に重要になるのが収集したデータの「分類」と「回帰」です。例えば、犬と猫の特徴をプロットしたときに、どこで境界線を引くかが「分類」であり、時系列にプロットした株価の曲線が将来どうなるのかを予測するのが「回帰」です。
AIモデルのアーキテクチャ・数値モデル
こうした「分類」「回帰」のアルゴリズムを実装するために必要なのが、AIモデルの構造となる「アーキテクチャ・数値モデル」です。AIのアーキテクチャ・数値モデルは、以下の例のように多種多様です。
・ニューラルネットワーク
・二アレストレイバー法
・決定木
・ランダムフォレスト
・サポートベクターマシン
なかでも、AIのアーキテクチャとしてもっとも有名なのが「ニューラルネットワーク(Neural Network)」でしょう。ニューラルネットワークとは、人間の脳回路(ニューロン)をシミュレートした数値モデルのことです。
画像引用:MathWorks
当初はニューロンの一つをシミュレートしただけのパーセプトロンからスタートしたニューラルネットワークです。
画像引用:AINOW
しかし、現在では「隠れ層(Hidden Layer)」を複数備えたものが登場しており、より複雑なデータ処理を可能にしています。
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AIモデルの学習方法
ただし、アーキテクチャ・数値モデルがあるだけでは「AIモデルのアルゴリズム」は実装できません。AIモデルとして機能させるためには、目的に応じたデータセットを数値モデルに入力し、関数近似を導き出す法則性(アルゴリズム)を学習させる必要があります。
2005年頃以降AIモデルの精度が飛躍的に高まったのは、「機械学習」「ディープラーニング」という学習方法が確立されつつあること。そして、インターネットの普及によって膨大なデータセット(ビッグデータ)が収集できるようになったからです。
機械学習(マシンラーニング)
画像引用:総務省
機械学習とは、AIモデルに大量のデータセットを入力して「分類」「回帰」のアルゴリズムを構築していく学習手法です。アーキテクチャとしてはニューラルネットワークが採用される場合が多く、データセットの入力方法に応じて「教師あり学習」「教師なし学習」などの手法が使われます。
例えば、読み込ませるデータセットに正解としてのラベル(犬か猫かなど)を付けて入力するのが教師あり学習、ラベルを付けずに入力するのが教師なし学習です。
画像引用:Cloud Ace
正解のあるデータを学習して未来を予測させるには教師ありが、ランダムなデータから隠れた法則性を見つけるには教師なしが向いています。
機械学習AIモデルの応用例は下記の通りです。
・スパム・不正検知(例:金融や株取引の不正パターンをシステムに学習させる)
・ECサイトのレコメンドエンジン
・AIチャットボット
・異常・故障検知
・スコアリング・格付け
・ドキュメント読み取り(例:社内で保管する資産書類をデジタルする)
スコアリング・格付けは、顧客属性や過去の購入履歴データから〇の商品を買う買わないの判 断をするなどの機能が該当します。
ディープラーニング(深層学習)
ディープラーニングとは、多層化ニューラルネットワークを活用した機械学習の手法のひとつです。近年では、隠れ層に「畳み込み層」「ReLU」「プーリング層」を数十〜数百も配置した「畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)」が採用される場合が多いようです。
画像引用:@IT
AIモデル開発でディープラーニングが注目されているのは、分類・回帰の関数近似に柔軟に対応できるから。入力したデータセットは、必ずしも分類・回帰しやすいものばかりだとは限りませんが、データを多層的に分析できるディープラーニングであれば複雑なデータセットにも対応可能。
ラベル付けは必要なものの、自律的にアルゴリズムを構築してくれます。
ディープラーニングAIモデルの応用例には下記のようなものがあります。
・医療分野における画像認識(例:がん細胞の検出に画像認識の活用など)
・自動運転分野における画像認識
・顔認識(例:スマホのロック解除など)
・画像データの合成(例:合成写真作成など)
・音声データの認識・自動翻訳
ディープラーニング(深層学習)の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:ディープラーニング(深層学習)とは?AI開発の発展を支える技術・開発手法を解説!
AIモデルの精度を担保するパラメーター調整
ニューラルネットワークを採用した機械学習・ディープラーニングAIモデルの場合、データセットを入力しただけでは「望むような答え」が得られないこともあります。これを調整するのが、重み係数という「パラメーター」の調整です。
具体的には、出力層からアウトプットされた値と正解の値を比較し、「入力層」「隠れ層」「出力層」をつなぐ「W」に重みというバイアスをかけて調整していきます。
簡単にまとめると、AIモデルを開発するには以下の手順を踏んでいけばいいことになります。
1.AIモデルのアーキテクチャを決めて開発する
2.アーキテクチャに応じた学習方法でAIモデルに学習させる
3.パラメーター調整でAIモデルの精度を高める
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AI開発の手順・流れ
AIモデルの精度が飛躍的に高まったとはいえ、すべてにおいてAIが万能なわけではありません。
AIシステムの開発には、既存のAIモデルを活用する方法もありますが、多くの場合、既存のAIモデルはある特定の機能に特化しているのが実情です。目的によっては独自のAIモデルの開発も視野に入れ、プロジェクトを進めていく必要があるでしょう。それでは、AI開発はどのように進めていけばいいのか。以下から簡単に解説していきます。
構想(コンセプト)
自社課題を解決するために、AIをどのように活用していくのか。AIを活用する領域、実現可能性、開発の方向性を含めた構想(コンセプト)を固め、適切なAIモデル・学習方法やサービスの提供方法を選定していきます。
AIモデルは必ずしも期待した通りの出力が得られるとは限りません。上述したように、ひとつのAIモデルに複数の領域を期待するのも困難です。そもそも自社課題の解決にAI開発がベストの選択なのかの根本的な要素から検討していく必要があるでしょう。構想の段階では、業務課題を洗い出したり、AI開発のROIが見合っているかなども確認しましょう。
PoC(Proof of Concept)
開発するAIモデルが構想(コンセプト)通りのふるまいを期待できるものなのかを確認します。
つまり、プロトタイプのAIモデルを作成して検証していくPoC(コンセプトの証明)のステップに移ります。学習させたAIモデルが期待通りの精度を発揮できるか、データ処理の速度に問題はないか、出力に誤りがあった場合の処理・オペレーションはどうするかを、実際のデータセットを入力して確認していきます。
AI開発の大前提として知っておきたいのは、AIモデルの精度を高めていくのに充分なデータセットがあるかということ。画像・ビデオなど一般に公開されているデータセットを活用する方法はあります。しかし、そもそも独自にAI開発するなら「自社ビジネスにAIを活かしていくための独自データ」が必要だと考えられます。また、データセットの用意には膨大なストレージが必要になります。保管のためのストレージが足りていないとAIに必要なデータ量が集められないことにもなるため、保管容量に十分注意しましょう。
実装・チューニング
PoCによってAIモデルの実現可能性が証明できた時点で、AIモデルを活用する最終的なシステム開発のステップに移ります。
具体的には、どのようなサービスをシステムで提供するのかを念頭に必要な要件を洗い出し、エンジンとなるAIモデルを実装したうえで開発を進めていくことになるでしょう。
システム開発と同時に進めていくべきことは、AIモデルのチューニングおよびさらなる精度向上を目指した学習の継続です。学習データが多いほどAIモデルの精度は高まる傾向にあるため、パラメーター調整しながらより多くのデータセットを入力していくことが重要。ときには数十万〜数百万のデータセットが必要なこともあるため、初期段階では公開されているデータセットを有効活用するのもおすすめです。
運用・改善
通常のシステム運用・保守に加え、AIモデルの精度・状態を定期的にチェックし、メンテナンス・改善を継続的に実施していくステップに移ります。これはAIシステムを運用していくなかで「ラベルなしデータを判断していくうちにAIモデルの正答率が下がってしまう」ことがあるからです。
利用ログを見ながら、AIが回答できなかったデータを精査して追加学習させるなど、メンテナンスを怠らずに改善していくことが、AIシステムの精度を高めていくうえで重要です。
AI開発にはアジャイル型がフィットする
ここまでの解説でもおわかりのように、AI開発には「プロジェクトの初期段階ですべての要件を定義するのは難しい」という特徴があります。そのため、全ての要件を定義してから設計・開発・テストのステップに移る「ウォータフォール型」は、AI開発にはマッチしません。
AI開発プロジェクトでアジャイル型が採用されることが多いのはこのため。アジャイル型システム開発とは、システム全体を細かい機能に分割し、優先度の高い機能から構築・リリースを繰り返していく開発手法のことです。
アジャイル型を含めたシステム開発の手法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:システム開発の手法4つの特徴・メリット・デメリットを解説!【比較表付き】
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AI開発で利用されるプログラミング言語
「AIモデルの概要や学習方法、開発の手順は理解できたが、AI開発する具体的な方法は?」
そんな疑問を感じる方に向け、少しだけ技術的な解説もしておきましょう。AI開発で利用されるプログラミング言語は、以下の通りです。
- Python
- C++
- C
- JavaScript
- JAVA
- R
- Julia
Python
画像引用:Python
AI開発でもっとも利用されるプログラミング言語が「Python」です。
Pythonとは、1991年に最初のバージョンがリリース・公開されたインタープリタ型プログラミング言語です。
ソースコードを1行ずつ読み込むため、実行速度がやや遅いのが課題ですが、以下の点から人気があります。
- シンプルで可読性が高い
- Webアプリやゲーム開発にも使える汎用性の高さ
特に、機械学習 / ディープラーニングを含むAI分野での存在感は抜群です。そのほか、ゲームAIやChatGPTなどにも活用されています。
どのような数値モデルを採用するにしても、Pythonであれば一通り対応可能です。
Pythonの詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:Pythonでのアプリ開発が注目される理由とは?特徴・開発例・フレームワークも紹介!
関連記事:PythonでのAI開発で必要なこと・向いている理由を解説
C++
C++は1983年から開発が始められており、プログラミング言語の中でも元祖と言える言語です。
現在実用的に使われているプログラミング言語の中では、最高水準の速度を出せます。機械学習やWebアプリなどの開発も可能で、AIとの相性も良く実行速度が速いという特徴があります。
AI開発では実行速度を求められるため、開発で使用される機会も多数です。C言語との互換性が高いため、C言語で開発されたシステムのC++への移行を容易に行えます。
C
C言語は、1972年に開発されたプログラミング言語です。ハードウェアの制御やシステム開発など、IT分野で行われているほとんどのことに対応できます。
前述したC++のようにC言語から発展したプログラミング言語も多く、プログラミングの基礎的な設計から実用性の高い応用的な設計まで幅広く行えます。C言語はフレームワークが多く、AI開発も効率的に進めることが可能です。
また、C言語はハードウェアリソースを有効活用しており、実行速度が速いのが特徴です。ハードウェアリソースの活用と処理速度が重要なAI開発において、大きな利点となります。
JavaScript
Webアプリ開発で活用されることの多いJavaScriptは、AI開発にも対応できるプログラミング言語です。AIによる機械学習をWebブラウザから利用するための、以下のようなライブラリが多数公開されています。
- ml5.js
- Brain.js
- deeplearn.js
- TensorFlow.js
JavaScriptライブラリを活用することで、比較的少ない負担でAI開発を行えます。
ただ、Webブラウザでさまざまな人に利用してもらえるAIを開発しようとすると、必要なハードウェアリソースが増えていくため注意しましょう。
JAVA
JAVAは「JVM」という仮想マシン上で作動するプログラミング言語です。世界的に多く利用されているプログラミング言語で、汎用性の高さが特徴です。
AI開発では、JVMを使ったシステムへのAI技術の組み込みや実務業務などで利用されます。JAVAとJVMは高速で動くようチューニングされているため、C++に匹敵する実行速度を出せます。
WindowsやmacOSなど主要なOSに対応しているため、さまざまなデバイスで利用できるAIを開発可能です。
R
Rは、統計解析向けのプログラミング言語です。AI分野では必須である統計学の分野でよく活用されます。
統計解析に特化しているためあまり汎用的ではないですが、統計や機械学習に関するプログラムを記述する際非常に役立ちます。
ただ、Rは公開されているライブラリを使うにも、統計学やデータサイエンスといった専門知識が必要です。
Rを使いたいものの十分な専門知識がない場合は、AI開発の外注も検討すると良いでしょう。
Julia
Juliaは、2012年に公開された比較的新しいプログラミング言語です。技術計算に活用されており、動的プログラミング言語の中ではトップクラスの処理速度が特徴です。
X(旧Twitter)や技術ブログでもAI・数値計算での実装に使われており、AI開発にも十分活用できます。
また、RやPythonで使用していたライブラリを、Juliaからコントロールすることも可能です。技術計算向けで高機能なライブラリも多数開発されているため、今後Juliaの重要度が高まっていくことが予想されます。
AI開発で利用されるフレームワーク・ライブラリ
Pythonの知識・スキルがあれば、ゼロからAIモデルを設計 / 開発することも可能ですが、あまり現実的とはいえません。近年では、システム・アプリのベースプログラムとなる「フレームワーク」「ライブラリ」を活用してAI開発することが一般的です。
AI開発が急速に発展したのは、機械学習 / ディープラーニングに有効なフレームワーク・ライブラリが多数登場したのも要因のひとつ。Pythonは、こうしたフレームワーク・ライブラリのほぼすべてで利用できるのです。いくつか代表的なものを紹介しておきましょう。
TensorFlow
画像引用:TensorFlow
「TensorFlow」は、Googleが開発したオープンソースの機械学習 / ディープラーニングフレームワークです。機械学習に必要なアルゴリズムは一通り搭載していますが、特に画像認識・音声認識、翻訳を含めた自然言語認識・処理など、ニューラルネットワークの多層化・ディープラーニングに強みを持つのが特徴。Googleの画像認識サービス「Vision AI」のベースとしてもTensorFlowが活用されています。
PyTorch
画像引用:PyTorch
「PyTorch」は、Facebook社が開発したオープンソースの機械学習 / ディープラーニングフレームワークです。ニューラルネットワークの多層化への対応、macOS / Windows / Linuxで動作するのは、TensorFlowと同様ですが、Pythonでのプログラミングが前提となっていることが大きな違い。構造がシンプルで柔軟性が高い反面、APIの実装にスキルが必要なこともあり、研究開発目的で利用されることも少なくありません。
NumPy
画像引用:NumPy
「Numpy」は、1995年に初版が公開されたオープンソースの数値計算ライブラリ・Python拡張モジュールです。機械学習では、大量のデータを高速に処理する必要がありますが、上述したようにPythonの計算速度は速くありません。
そのためAI開発では、C / Fortranで開発された高速なNumpyを追加することにより、Pythonの弱点を補うことが一般的。Pythonで数値計算・機械学習プログラムを実行する際に欠かせないライブラリです。
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AIの作り方
1.AIをどのように活用するかを決める(企画)
2.AIに学習させるためのデータを集める
3.学習済みモデルを作成する
4.学習モデルをサービスに組み込む
自社でAIを開発できるものかと気になる方のために、AIを作るための手順を簡単に紹介します。
1.AIをどのように活用するかを決める(企画)
AIは様々なメリットがあり、幅広い分野で活用できますが、万能とはいえません。AIの導入をしても、費用を回収できるほどの効果が得られない可能性もあります。
また、AI導入後のイメージを具体化しておくことで、作成のモチベーションを高く維持できる効果もあります。
2.AIに学習させるためのデータを集める
何も知らないゼロの状態から精度の高いモデルを作るためには、入力データの質と量の確保が重要。AIの用途によってデータの形式は様々ですが、共通の注意点として、間違いや曖昧さができるだけ少ないデータを集めるようにしましょう。
3.学習済みモデルを作成する
モデルの構築方法は大きく分けて、自力作成とGUIツールの活用の2つ。学習モデルの構築方法には、下記に挙げる種類があります。
学習モデル |
仕組み |
活用例 |
線形回帰 |
一方がもう一方を左右するものの分析 |
気温に対する飲料の売上 |
正則化 |
線形回帰での過学習を防ぐ |
駅からの距離に対する土地価格 |
SVN (サポートベクターマシン) |
画像、文章、その他データから 特徴・規則性を見出して選別 |
ある画像が顔なのかどうかを認識 |
ランダムフォレスト |
樹形図のように、 様々なデータから 意思決定の予測モデルを作成 |
様々な要素から顧客の消費行動を予測 |
k近傍法(k-NN) |
未知データから グラフ距離順にk個の既知データを確認し、 多数決でデータを判別 |
設備異常・ 生産ラインの不良品などの検知 |
ロジスティック回帰 |
複数の要因から、 A・Bそれぞれの発生確率を予測 |
学習・睡眠の時間と、 試験の合格・不合格の確立 |
ニューラルネットワーク |
人間の脳神経構造である ニューロンを模倣 |
外国語翻訳・株価予測 |
クラスタリング |
データ間の類似度によりグループ分け |
画像のシーン分け |
次元削減 (主成分分析・PCA) |
データの次元数を削減 |
画像のノイズ除去 |
CNN (コンボリューショナル ニューラルネットワーク) |
局所受容野で認識し、 たたみ共有で抽出 |
画像認識 |
4.学習モデルをサービスに組み込む
完成したモデルを動作させるために、システムに組み込みます。組み込んだ後は実際に稼働させて、動作や精度の確認も行います。問題があった場合は、収集データの内容やモデル作成の段階を見直します。
Web上で公開する際はWebサービスへの組み込みも必要です。この際、HTMLやPython、SQL等の知識が求められます。
AIを自分で作ることの詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:AIの作り方とは?準備・手順・AI開発サービスを徹底解説
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AIの導入事例
実際にどのように導入され活用されているかをイメージすると、より自社でのAI開発のイメージがわくでしょう。
医療
特に注目されているのが「診断支援AI」です。従来病気の診断は、血液検査やCT・レントゲンなどの検査結果やさまざまな諸症状をもとに、医師によって行われます。しかし、専門外の分野や症例の少ない病気や医師でも判断が難しい場合、既知の病気とうまく結びつけることができないこともあるのです。
診療支援AIでは、膨大な量の過去の症例や検査結果のデータから、医師が見つけにくい病気の診断をサポートしてもらえます。特に「画像診断システム」では、数百枚もの画像をチェックして、見落としがちな小さな病変も高い精度で診断可能です。
不動産
マンションや一軒家など不動産の価格査定にAIが導入されることがあります。
不動産の価格査定では、土地の価格や築年数・間取りなど物件条件から価格を導き出す「机上査定」と、実際に物件に訪問して査定を行う「訪問査定」の2つの工程を踏むのが一般的です。
しかし、AIの活用で、膨大な物件データや取引データから自動で「机上査定」を行うことができます。人件費や査定にかかるリソースを削減でき、大量のデータから査定を行えます。そのため、担当者の経験や勘に頼らず、より信頼度の高い査定を可能にします。
AIの導入事例の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:人工知能(AI)とは?4つの種類や導入事例をわかりやすく解説!
採用
AIは企業の人材採用でも導入されています。ソフトバンク株式会社の「動画面接の評価」、株式会社三菱UFJ銀行の「面接の合否判断」、株式会社𠮷野家の「対話型AI面接サービス」などが有名。
AIが面接の合否をすべて判断するのではなく、AIが不合格と判断した者は採用担当者がダブルチェックをするなどに活用し、採用コストを半減するなど効率化できています。詳しくは下記の記事もご覧ください。
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AI開発まとめ:統計学の知識も求められるAI開発は簡単ではない
DXに向けてAI開発を検討しているが、具体的にどうすればいいのかわからないという方に向け、本記事では、AIモデル / システムの開発手法・手順や、利用されるプログラミング言語・フレームワーク・ライブラリまで、知っておきたいAI開発の基本・概要を解説してきました。
AIとは、Artificial Intelligenceの略で、日本語に訳すと「人工知能」になります。一般的に「人間の知的なふるまいをシミュレート・再現したコンピューターシステム、またはその技術」のことだと認識されています。通常のITシステムの場合、入力された値に対する数値計算・データ処理しかできませんが、AIであれば「関数近似」を予測した回答を出力できます。
利用する立場から見れば、AIは非常に身近なものとなりつつありますが、開発するとなれば話は別です。よりよくアイデアを具現化するには、AIモデルの精度がポイントであり、設計 / 開発 / 学習 / 改善すべてのステップで専門的な知識が求められます。
AIモデルを開発して機械学習させるには、学習させるためのデータを収集し、コンピューターが読み込める形にデータ加工してラベル付けしなければなりません。適切なAIモデルの設計に必要なプログラミングの知識・スキルに加え、数学的な知識、統計学の知識、データ分析能力も求められるAI開発は、一筋縄ではいかないといえるでしょう。
特にAI分野は、まだまだ技術的に成熟しているとはいえない段階です。すべてのリソースが揃っているのであればともかく、少しでも不安を感じるようであれば、外部の専門家に協力を仰ぐのがおすすめです。
コンサルタントのご紹介
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Q. AI開発とは何ですか?
AI開発とは、人間の知的なふるまいをシミュレート・再現したコンピューターシステムの開発のことです。「関数近似を予測した回答が出力できる」「人間の知的なふるまいを再現できる」等の特徴があります。
Q. AIの導入事例は?
AIの導入事例は「診断支援AI」「不動産の価格査定」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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