PythonでAndroidアプリ開発する方法|開発ツール・環境・手順を解説!

PythonでAndroidアプリ開発する方法|開発ツール・環境・手順を解説!

KotlinやJavaを学習することなく、PythonでネイティブAndroidアプリを開発したい。

そんな方に向け、必要な開発ツールから環境の整え方、開発の手順まで、PythonでAndroidアプリ開発する方法をわかりやすく解説していきます。

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目次
  1. 1. そもそもPythonとは
  2. 2. PythonでAndroidアプリ開発するメリット
    1. 2-1. クロスプラットフォームのiOSアプリも開発できる
    2. 2-2. Pythonベースのハイブリッドアプリを開発できる
  3. 3. 一般的なAndroidアプリ開発の流れ
    1. 3-1. ビルド / APKファイルとは
  4. 4. PythonでのAndroidアプリ開発に必要なツール
    1. 4-1. Python開発環境の動作するPC / Mac
    2. 4-2. ANACONDA(IDE:統合開発環境)
    3. 4-3. Kivy(GUIフレームワーク)
    4. 4-4. Buildozer(ラッパー)
    5. 4-5. PCにBuildozerをインストールする場合の注意点
  5. 5. PythonでAndroidアプリを開発する手順
    1. 5-1. ツールをインストールして開発環境を構築
    2. 5-2. PythonでAndroidアプリを開発
    3. 5-3. AndroidアプリのGUIをKivyで開発
    4. 5-4. python-for-android + Buildozerでアプリをビルド
    5. 5-5. クロスプラットフォームiOSアプリをビルドするには
  6. 6. Pythonベースのハイブリッドアプリを開発するには
    1. 6-1. PythonでWebアプリを開発
    2. 6-2. フレームワークでハイブリッドアプリのGUIを開発
  7. 7. 【まとめ】PythonでAndroidアプリ開発する方法を紹介しました

そもそもPythonとは

プログラミング言語:Python

画像出典:Python

Pythonとは、1991年に最初のバージョンがリリースされた、インタープリタ型プログラミング言語のこと。「学びたいプログラミング言語」の筆頭としてエンジニアから支持される「Python」には、以下のような特徴があります。

Pythonの主な特徴

概要

ソースコードがシンプルで可読性が高い

記述に個人差が出にくく、

だれが見てもソースコードを読みやすい

ソースコードの記述量を減らせる

シンプルでソースコードを減らせるPythonは、

初心者でも学びやすい

インタープリタ型のためコンパイラが不要

ソースコードをバイナリ変換する必要がないため、

記述したプログラムをすぐに実行できる

ライブラリ・フレームワークが豊富

システム・アプリの開発が容易

汎用性が高い

AI / 機械学習分野だけでなく、

さまざまなアプリ開発に応用可能

AI / 機械学習というイメージの強いPythonですが、汎用性の高さ、豊富なライブラリを利用できることから、アプリ開発の分野での活用も加速。もちろん、ネイティブのAndroidアプリをPythonで開発することも可能です。

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PythonでAndroidアプリ開発するメリット

PythonでAndroidアプリ開発するメリット

それでは、一般的なKotlinではなく、PythonでAndroidアプリ開発するメリットとはなんでしょう?大きく、以下の2つが考えられます。

クロスプラットフォームのiOSアプリも開発できる

Pythonで開発したAndroidアプリは、そのままクロスプラットフォームのiOSアプリとして利用可能。通常、iOS / Androidアプリは、それぞれ異なる開発環境を整える必要があり、アプリ本体も個別に開発しなければなりません。Pythonなら、1つの環境 / アプリで、iOS / Android両対応のクロスプラットフォームアプリを開発できます。

1つのプログラムでクロスプラットフォームアプリを作れる効率のよさは、PythonでAndroidアプリ開発する大きなメリット。iOSアプリの開発費用を節約できるのはもちろん、同じプログラムをmacOS / Windows用のデスクトップアプリへ水平展開することも可能です。

Pythonベースのハイブリッドアプリを開発できる

Pythonで開発したWebアプリをベースに、iOS / Android向けハイブリッドアプリを開発して連携させることも可能。ハイブリッドアプリ自体はWeb技術を利用しますが、フロントエンドを作る感覚で開発可能。より少ない工数でモバイルユーザーにリーチできる上、Pythonで開発したWebアプリという資産を最大限活用できます。

クロスプラットフォームのネイティブ / ハイブリッドアプリ開発に対応するPythonは、個人 / 法人を問わず、状況に応じて柔軟に活用できるプログラミング言語です。

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一般的なAndroidアプリ開発の流れ

ただし、PythonでのAndroidアプリ開発は、Android Studioを利用した通常の開発とは異なるツール、環境、手順が必要です。PythonのAndroidアプリ開発方法をより深く理解するためにも、一般的なAndroidアプリ開発の大まかな流れを把握しておきましょう。

Android Developers

画像出典:Android Developers

Androidアプリは、IDE(統合開発環境)であるAndroid Studioとプログラミング言語「Kotlin」を組み合わせて開発される場合が一般的です。リリースまでの流れは大まかに以下の通り。

  • Android Studioをインストールして開発環境を構築
  • KotlinもしくはJavaでAndroidアプリを開発
  • テスト / デバッグ
  • AndroidアプリをビルドしてAPKファイルを生成
  • Google Playに登録 / 審査を経て公開

Kotlinでプログラムを書くだけなら、テキストエディタでも問題ありません。しかし、独立したAndroidアプリとして動作させるには、プログラムをグラフィカルに表示する「GUI」が必要。こうしたGUIを開発するフレームワーク、エディタ機能などを統合した高機能IDEが「Android Studio」です。

ビルド / APKファイルとは

Android Studio + KotlinでAndroidアプリを開発しても、そのままでは公開できません。Google Playで公開するためには、開発したAndroidアプリをビルドして、登録 / 公開するためのAPKファイルを生成する必要があります。

APK(Android Application Package)ファイルとは、文字通りAndroidアプリをパッケージングしたファイル、もしくはそのファイルフォーマットのこと。開発したAndroidアプリをAPKファイルへパッケージング(コンパイル)するプロセスを「ビルド」と呼びます。Android Studioは、開発したアプリをビルドする役割も担っているのです。

Kotlin / Javaを使ったAndroidアプリ開発については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:Androidアプリ開発に必要な環境・言語・手順

PythonでのAndroidアプリ開発に必要なツール

PythonでのAndroidアプリ開発に必要なツール

Android Studioには、開発 / GUI作成 / テスト・デバッグ / ビルドといった、Androidアプリ開発に必要なものすべてが揃えられています。しかし、Android Studioで利用できるプログラミング言語はKotlin / Javaのみ。 PythonでAndroidアプリ開発するには、Android Studio以外のツールが必要です。

それでは、具体的にどのようなツールを揃えれば、PythonでAndroidアプリを開発する環境を整えられるのか?以下から代表的なツールを紹介していきましょう。

Python開発環境の動作するPC / Mac

Python開発環境の構築に必須なのが、インターネット環境、および8GB以上のメモリを搭載したPC、またはMacです。高スペックなCPU / 大容量ストレージを追求する必要はありませんが、最新OSが快適に動作する程度のマシンは用意しておきましょう。2020年以降に発売されたPC / Macであれば、中古品でも問題ないはずです。

また、Python自体はWin / Macどちらでも動作しますが、PCで開発環境を構築すると「iOSアプリのビルドはできない」ことに注意が必要。Androidアプリを開発したが、iOS版もリリースしたくなった、といった場合に困らないよう、はじめからMacで開発環境を構築するのがおすすめです。

ANACONDA(IDE:統合開発環境)

Kotlin同様、テキストエディタがあればPythonでプログラムを書くことは可能。しかし、できる限り快適な開発環境を整えるためにも、IDEを活用したいところです。Python向けのIDEにはいくつかの種類がありますが、本記事では標準的に利用されているIDE「ANACONDA」をおすすめしておきます。

ANACONDA

画像出典:ANACONDA

ANACONDAとは、アプリ開発に必要なツール / ライブラリを統合した、Python向けの「ディストリビューション」です。ANACONDAをインストールすることで、Pythonを含む以下のようなライブラリが利用できます。

  • 高機能IDE「Spyder」
  • GUI操作を可能にする「ANACONDA Navigator」
  • プログラムをWebブラウザで実行できる「Jupyter Notebook」
  • GUIフレームワーク「tkinter」

Kivy(GUIフレームワーク)

Pythonディストリビューションには、標準のGUIフレームワーク「tkinter」も含まれていますが、開発できるのは残念ながらデスクトップアプリのGUIのみ。そのため、Python向けのGUIフレームワーク「Kivy」を利用し、AndroidアプリのGUIを開発します。

Kivy

画像出典:Kivy

NUI(Natural User Interface)フレームワークとして開発されたKivyは、タッチパネル操作のGUI開発にも対応。Androidアプリだけではなく、iOS / macOS / Windows / Linux向けのGUIも作成できます。もちろん、クロスプラットフォーム対応のため、作成したGUIはすべてのOSで再利用可能です。

Buildozer(ラッパー)

ANACONDA / Kivyを組み合わせれば、PythonでAndroidアプリを開発可能ですが、それだけではアプリのビルド(APKファイルを生成)はできません。Android Studioの使えないPythonの場合、アプリをビルドする別のラッパーが必要。それが「Buildozer」です。

Buildozer

画像出典:Buildozer

PCにBuildozerをインストールする場合の注意点

Buildozerは、Python + kivyで開発した「Kivyアプリ」をビルドするためのツールですが、2024年1月時点「Windows未対応」であることに注意が必要。Buildozerの対応環境はmacOS / Linux(Ubuntu)のみのため、Windows PCを利用する場合はUbuntuの仮想環境を用意しなければなりません。

具体的には、Windows10 / 11環境でWSL(Windows Subsystem for Linux)を有効化し、Ubuntu環境を構築しておく必要があります。

PythonでAndroidアプリを開発する手順

PythonでAndroidアプリを開発する手順

必要なツールを確認できたところで、PythonでAndroidアプリを開発する、具体的な手順を簡単に紹介していきましょう。とはいえ、開発環境や利用するツールが異なるという以外に、手順が大きく変わることはありません。

ツールをインストールして開発環境を構築

Python / ANACONDA / Kivy / Buildpzerをダウンロード / インストールしてAndroidアプリの開発環境を構築します。将来的にiOSアプリも公開したくなった、という場合に備え、Macで開発環境を構築することがおすすめ。現時点でBuildozerがWindowsに対応していないことも、Macをおすすめする理由です。

PythonでAndroidアプリを開発

Python + ANACONDAでAndroidアプリを開発します。Pythonを使ってWebアプリのバックエンドプログラムを開発することをイメージするとわかりやすいでしょう。

AndroidアプリのGUIをKivyで開発

Pythonで開発したプログラムに対応するGUIをKivyで作成します。Kivyは、GUIのコーディングにPythonと異なる独自言語「kv」を使うことが特徴。搭載されているツールを駆使することで、以下のようなGUIを作成可能です。

  • ウィジェット:ボタンやテキストボックスなどのパーツを表示
  • レイアウト:ウィジェットのパーツを配置 / 固定
  • イベント:マウスクリック / タッチ操作を処理

Gravity Ride

画像出典:Gravity Ride

python-for-android + Buildozerでアプリをビルド

テスト / デバッグでアプリに問題がなければ、Google Play向けにアプリをビルドします。ビルドの方法は簡単。Builddozerに「python-for-android」ライブラリがインストールされているのを確認し、ビルドを実行します。Google Playに登録するAPKファイルが生成されたら、Google Playに登録して公開を待ちましょう。

クロスプラットフォームiOSアプリをビルドするには

Pythonで開発したAndroidアプリを、クロスプラットフォームのiOSアプリとしてリリースするには、AppleのIDE「Xcode」が必要。Buildozerには、iOS向けライブラリ「kivy-ios」も用意されていますが、「xcodeprojファイル」の作成までしかサポートされていないからです。

Xcode

画像出典:Apple

xcodeprojファイルとは、文字通りXcodeのプロジェクトファイルのこと。これをXcodeで読み込めば、App Storeに登録 / 公開する形式にアプリをビルドできます。

Pythonベースのハイブリッドアプリを開発するには

Pythonベースのハイブリッドアプリを開発するには

ここまでは、Pythonを使ったネイティブAndroidアプリ開発の基本、手順を解説してきました。それでは、Pythonベースのハイブリッドアプリは、どのように開発すればいいのか?簡単に紹介しておきましょう。

PythonでWebアプリを開発

Pythonベースのハイブリッドアプリを開発するには、大前提として「Pythonで開発されたWebアプリ」が必要です。

そもそも、AI / ディープラーニングの印象の強いPythonは、近年、Webアプリの開発言語としても注目が高まっています。なぜなら、Django / Bottleなど、Python向けの強力なWebアプリケーションフレームワークが多数登場したからです。

これからWebアプリを開発するのであれば、Pythonを活用することで、ハイブリッドアプリはもちろん、ネイティブアプリにもPythonの知見を活かせます。

Django(Python / バックエンド)

画像出典:django

フレームワークでハイブリッドアプリのGUIを開発

Pythonで開発されたWebアプリがあれば、ハイブリッドアプリを開発するのは簡単。なぜなら、ハイブリッドアプリはHTML / CSS / JavaScriptといったWeb技術で作られるから。Pythonで開発したWebアプリのバックエンドに、ハイブリッドアプリというフロントエンドを開発するイメージです。

たとえば、ハイブリッドアプリ開発用のフレームワーク「APACHE CORDOVA」や、アプリ開発ツール「Monaca」などを利用可能。Pythonを使ったWebアプリ開発のスキルさえあれば、新たな技術を習得する必要もありません

Monaca

画像出典:Monaca

【まとめ】PythonでAndroidアプリ開発する方法を紹介しました

KotlinやJavaを学習することなく、PythonでネイティブAndroidアプリを開発したい。そんな方に向け、必要な開発ツールから環境の整え方、開発の手順まで、PythonでAndroidアプリ開発する方法をわかりやすく解説してきました。

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