- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー ECサイト開発
自社ECサイトを開発するには?知るべき仕組み・言語・構築方法も解説【2024年最新版】
「ECモールへの出店である程度の成果が得られたが、さらなる成長に向けて自社ECサイトを開発したい」
このように考えているあなたは、以下のような疑問を感じていませんか?
・ECサイトを開発するには?どんな構築方法がある?
・ECサイト開発に必要なプログラミング言語は?
・構築方法によって開発言語は変わる?
そこで本記事では、一見複雑に感じるECサイトの仕組みやプログラミング言語を含むECサイト開発の基礎知識、ECサイトの主要な構築方法を紹介します。
自社ECサイトの開発を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
※ECサイト開発に豊富な実績のある優秀なECサイト開発会社を探している方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
ECサイト開発で使われるプログラミング言語
ECサイト開発で使われるプログラミング言語について、作業範囲ごとに以下の表にまとめました。
作業範囲 | 開発言語 |
フロントエンド | ・HTML ・CSS ・JavaScript |
バックエンド | ・PHP ・Ruby ・Java ・Python |
データベース |
RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム) ・MySQL ・SQLServer ・PostgreSQL ・Oracle など |
ECサイトを開発するには、各言語の特徴や基本も押さえておかなければいけません。以下から、それぞれを簡単に解説していきます。
フロントエンドの開発言語は主に3つ
フロントエンドの主な開発言語は、以下の3つです。
- HTML
- CSS
- JavaScript
HTML
Webページを記述するために使われるマークアップ言語の一種です。見出しタグ(<h1>など)や段落タグ(<p>など)でテキストを囲い、Webブラウザに文書の構造を表現させる機能のほか、ほかの文書へのリンク(ハイパーリンク)や画像などを埋め込むハイパーテキスト機能を持ちます。ホームページを作成する際は、ただ文字を書くのみではコンピュータが理解できず、ブラウザに表示されません。HTMLで正しい記述して初めてブラウザに文字を表示できるようになります。
下記に代表的なHTMLのタグを一部紹介します。
タグ名 |
タグの意味 |
hタグ |
見出し |
imgタグ |
画像の埋め込み |
ul/ol/liタグ |
リスト |
brタグ |
改行 |
aタグ |
アンカーリンク |
pタグ |
段落 |
tableタグ |
表を設定 |
titleタグ |
ページのタイトル |
meta descriptionタグ |
ページ内容の要約 |
altタグ |
画像の代替テキスト |
CSS
背景やテキストなど、HTMLタグで囲われた要素をどのような見た目に装飾するのか指定するために使われる言語。マークアップ言語である「HTML」でWebページのテキスト構造・レイアウトを指定し、スタイルシートである「CSS」で装飾。CSSはHTMLとセットで使うことが基本です。
ただし、言語は人によって記述されるソースコードをバイナリコード(機械語)に変換する実行環境が必要。そこに、HTMLやCSSはWebブラウザがその役割を担います。したがって、最新のHTML5やCSS3などでコードを記述すると、ブラウザのバージョンによっては正しく表示されない場合もあるため注意しましょう。
JavaScript
HTML / CSSがページの構造・表示を担うのだとすれば、JavaScriptはWebページの動きを指定するための開発言語。JavaScriptでページに動きを加えて、ECサイトのインターフェース(フロントエンド)が形作られます。画像をスライドさせたり、文字をポップアップさせたりもできるのです。HTMLとCSSだけのホームページに華やかさを加えられ、ユーザーが興味を持ちやすくなるでしょう。動きを加えたホームページを作成したい方は、JavaScriptの学習が必須です。
JavaScriptの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:JavaScriptはどんなアプリを開発できる?必要な開発環境やフレームワークも解説
バックエンド(サーバーサイド)の開発言語は主に4つ
バックエンド(サーバーエンド)の主な開発言語は、以下の4つです。
- PHP
- Ruby
- Java
- Python
PHP
HTMLに組み込んで動的にWebページを作成できるスクリプト言語(可読性が高く比較的簡単に記述できる言語)。WebページとWebページで遷移する際の情報の受け渡しなどを担います。データベースとの連携も得意なため、バックエンドの代表的な開発言語の一つです。
ただし、記述の自由度が高いため、セキュリティに気を配る必要があったり、大規模システムには向かないことに注意しましょう。
Ruby
まつもとゆきひろ氏が開発した日本発のオブジェクト指向プログラミング言語。他の言語と比べ、ソースコードの記述量を減らせるシンプルな文法で、簡単にコードを再利用・流用できます。そのため、効率的でスピーディーな開発が可能です。Webサービスのバックエンド開発のほか、モバイルアプリ、データベースを組み合わせた基幹システムの開発などにも使える汎用性もあります。
Rubyの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:Ruby開発とは?できることやサービス事例・開発の流れを解説
Java
TwitterがJavaで開発されているなど、Webシステムとの相性のよさを持つプログラミング言語。ほかにも、大規模システムに最適で処理も高速で、堅牢性・セキュリティ性に優れています。
Web・モバイルアプリなどにも活用できる汎用性の高さ、堅牢性・セキュリティ性の高さを持つのも大規模システムに適する所以。TwitterもJavaで開発されています。
Python
誰が記述しても読みやすく、ソースコードの可読性に優れる特徴を持つオブジェクト指向プログラミング言語。コードがシンプルで、少ない工数で多数の処理を行える特徴があります。システム・アプリのベースプログラムを利用できて開発が容易であるため、様々な開発に応用できます。
Pythonの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:Pythonでのアプリ開発が注目される理由とは?特徴・開発例・フレームワークも紹介!
ただし近年では、PHPであれば「Larabel」、Rubyであれば「Ruby on Rails」など、アプリケーション開発のベースとなるソフトウェア「アプリケーションフレームワーク」を利用して開発コスト・工数を節約する方法が王道のやり方となっています。フレームワークとは、開発に必要な機能(クラスや関数)の用意された骨組みとしてのプログラム。サイト・システム開発に必要な汎用的な機能が網羅されたフレームワークを活用すれば、開発効率をより高められるため、開発現場では愛用されています。。
画像引用:Ruby on Rails
※フレームワーク:開発のベースとして利用できる、基本的な機能がパッケージ化されたプログラム
システム開発で利用される主な開発言語の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:システム開発の主要言語を解説!業務アプリケーションによく使われている言語は?
データベースの開発言語は「SQL」
画像引用:MySQL
ECサイトのバックエンド開発で必須のデータベースは、MySQL / SQLServer / PostgreSQL / OracleなどのRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)を利用する場合が一般的。これらのRDBMSを構築する際に使われるプログラミング言語が「SQL」です。リレーショナルデータベースに蓄積した大量データを効率的に取得したり更新などができます。
ただし、SQLはシステムがデータベースを制御するのに必須の言語ではありますが、構築自体は「MySQL Workbench」などのグラフィカルなGUIツールを活用する場合も少なくありません。GUIツールがあれば、マウスで接続するだけで、簡単にリレーショナルデータベースをデザインできたりできるのです。
MySQLデータベースサーバやGUIの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:サーバ構築に欠かせないMySQLとは?サーバにおけるMySQLの役割・仕組み・基本を解説!
自社に適したEC開発方法の選び方
自社に適したEC開発方法は、以下の基準で選ぶと見つけやすくなります。
- 用意できる予算に合わせる
- ECサイトで達成したい目標に合わせて決める
- 運用・保守の開発体制から選ぶ
1.用意できる予算に合わせる
自社で用意可能な予算によっても、適したEC開発方法は異なります。予算によって、搭載できる機能やカスタマイズの範囲が決まってくるためです。
ECサイトに独自の機能やカスタマイズの範囲が多い場合、比例して必要な費用が高額となります。構築費用以外に、メンテナンスや再構築など中長期的な運用を見越した予算も必要です。
無理に多くの機能を搭載したりカスタマイズしたりすると、予算を回収できない恐れもあります。予算に合わせて、無理のない開発方法にすることが重要です。
2.ECサイトで達成したい目標に合わせて決める
ECサイトの開発方法を決める前に、ECサイトで達成したい目標を固めましょう。達成したい目標によって、どのようなECサイト・開発方法が良いか変わってくるためです。
仮にビジネスマン向けのオーダーメイド商品を扱うなら、オーダーメイドに対応したシステムの構築が必要。色やサイズなどであれば、拡張性の低いECプラットフォームでも対応できる場合があります。
しかし、デザインのフルカスタマイズのように多くの機能を搭載するなら、ECパッケージやオープンソースで構築しなければいけません。
どのような目標達成のためのECサイトかをはっきりさせた上で、EC開発方法を検討するのがおすすめです。
3.運用・保守の開発体制から選ぶ
自社におけるECサイト運用・保守の開発体制も、重要なポイントです。ECサイトは構築して終わりではなく、ソフトウェアの更新やサーバー保守などを日々行う必要があるためです。
運用・保守自体はECサイトの利益につながらないため、可能な限り運用・保守の負担を減らすことが求められます。
- デザイン変更
- セキュリティ管理
- アプリケーションの更新
上記のような作業は、自社で行わず外注するのも有効です。運用・保守の手間も考慮して、ECサイトの開発方法を選ぶことをおすすめします。
自社開発で重要! ECサイトの基本的な仕組み
ECサイトもWebアプリ ・動的Webサイト(条件に応じて異なる情報を表示するWebサイト)の一種です。そのため、自社ECサイトの開発・構築を検討しているのなら、Webアプリや動的Webサイトの仕組みや使用する開発言語など、Webアプリの基本を理解することが重要です。
ECサイトを含むWebアプリは、クライアント端末(PCやスマートフォン)のWebブラウザを使い、サーバに構築されたアプリケーション本体にインターネット経由でアクセスして利用します。アプリケーション本体は、Web3層構造と呼ばれる以下3つから成り立っています。
- プレゼンテーション層
- アプリケーション層
- データベース層
それぞれが異なる役割を果たすことでユーザーのリクエストを処理しています。Web3層構造の役割は、以下の表の通りです。
構造 |
役割 |
プレゼンテーション層 |
・ユーザーの目に触れる操作画面(ユーザーインターフェース)を クライアント(Webブラウザ)に表示する ・クライアントとアプリケーション層とのやりとりを仲介 |
アプリケーション層 |
プレゼンテーション層から受け取った リクエストを処理してレスポンスを返す |
データベース層 |
・各種データを保管・管理する ・データを保持できないアプリケーション層のリクエストに応じて データを登録・更新・削除・加工・検索しレスポンスを返す |
ECサイトはWeb3層構造で開発されることが基本ですが、上記3つをひとつの物理サーバに格納することも可能です。ただし、物理サーバが1台のみの場合は、大規模なECサイトへの対応が困難な場合もあります。
ユーザーからの大量なアクセスが想定されるECサイトの場合、各層を3台の物理サーバに割り振り、それぞれのパフォーマンスを最大化する方法がおすすめです。
Webアプリを含むアプリ開発についてより詳しく知りたい方は下記記事をご参照ください。
ECサイトはWeb3層構造で開発されることが基本ですが、「プレゼンテーション層」「アプリケーション層」「データベース層」をひとつの物理サーバに格納することも可能です。ただし、物理サーバが1台のみの場合は初期費用を抑えながらECサイトを構築できるメリットがある一方、大規模なECサイトへの対応は困難な場合もあります。ユーザーからの大量なアクセスが想定されるECサイトの場合、各層を3台の物理サーバに割り振り、それぞれのパフォーマンスを最大化する方法がおすすめです。
ECサイトの主な開発・構築方法
ここまでで、WebアプリであるECサイトが動作する仕組み、ECサイト開発で利用される主なプログラミング言語を紹介してきましたが、ECサイト構築には開発言語の知識・スキルが必須ではありません。自社ECサイトの開発・構築方法は主に以下の5つがあり、プログラミング言語を使ったプログラム開発を必要としない場合もあります。
・SaaS(ASP)
・オープンソース
・パッケージ
・クラウドEC
・スクラッチ開発
開発・構築方法それぞれの特徴を把握し、ECサイトに求める自社ニーズ、開発に関する自社リソースと照らし合わせながら、最適な開発方法を選定することが重要です。
SaaS(ASP)
SaaS型のECサイト構築プラットフォームを利用して、自社ECサイトを開発・構築する方法です。SaaS(Software as a Service)とは、クラウド環境に構築されたアプリケーションをインターネット経由で利用するサービスのこと。SaaSを提供するプロバイダーのことをASP(Application Service Provider)と呼びますが、サービスそのものをASPと呼ぶ場合もあります。
すでに構築されているアプリケーションを利用するため、自社でサーバを用意する必要がなく、各種設定・商品登録を済ませればすぐにECサイトを開設できます。利用料金として毎月の月額費用がかかるほか、初期費用が必要な場合もありますが、個人事業主でも手軽に利用できるようリーズナブルに設定されている場合がほとんど。GMOメイクショップ株式会社が提供する「MakeShop」がSaaS型の代表です。
画像引用:MakeShop
SaaSの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:【2022年】ECサイト構築のASPカート12選を徹底比較
SaaS(ASP)の特徴 / プログラミング言語
SaaSの特徴は、手軽かつ低価格でECサイトを開設できること、サーバを含むシステムの管理・メンテナンスが不要なこと、常に最新バージョンが使えることです。その反面として、カスタマイズの自由度は低く、オリジナルなECサイトを開発するのには適していない一面があります。
例えばMakeShopの場合、エンタープライズプランであれば、基幹システム連携などの各種オプション機能を追加可能ですが、カスタマイズの範囲はベンダーに依存します。自社ニーズを満たすカスタマイズに、100%応えられるとは限らないことに留意しておくべきでしょう。また、フロントエンドとなるECサイトのデザインは、テンプレートをベースに編集していくのがSaaSの基本。プログラミング言語の知識・スキルは必要とされませんが、より高度な編集をしたい場合は、HTML / CSS / JavaScriptを使ったコーディングが必要です。
オープンソース
画像引用:EC-CUBE
ソースコードが公開されているオープンソースプログラムを利用して、自社ECサイトを開発・構築していく方法です。オープンソース自体は誰でも無償で利用できますが、プログラムの開発・構築からサーバの構築まで、ECサイトに必要な環境整備はすべて自社で賄う必要があり、メーカーサポートなどもありません。
代表的なオープンソースとしては、ネットショップ構築に特化した「EC-CUBE」、汎用のCMSとして幅広く利用される「WordPress」などが挙げられます。オープンソースでの構築方法は、自社内にエンジニアがいて、なるべく費用をかけずに自由にカスタマイズしつつECサイトを作りたい企業におすすめです。
オープンソースの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:オープンソースを利用した開発とは?利用するメリットや注意点を解説
オープンソースの特徴 / プログラミング言語
オープンソースの特徴は、デザインテンプレートである「テーマ」、機能を拡張するソフトウェア「プラグイン」を追加して、ニーズに応じたECサイトを構築できること。特に利用者の多いEC-CUBEやWordPressは、有償 / 無償を問わずテーマ・プラグインが豊富に揃っているため、通常の利用であれば機能面で不足を感じることはないでしょう。
ただし、テーマ / プラグインを活用するには、ある程度の専門知識が求められることも事実。OS / プログラムのアップデート、セキュリティパッチを適用することで、プラグインが動作しなくなるといったことも珍しくありません。また、SaaSに比べてカスタマイズの自由度が高いのもオープンソースの特徴ですが、オリジナルデザインのECサイトを開発するのなら、HTML / CSS / JavaScriptの知識・スキルが、プログラム本体をカスタマイズするのならPHPの知識・スキルが必要です。
パッケージ
画像引用:EC-ORANGE
既製品として販売されているパッケージソフトウェアを利用して、自社ECサイトを開発・構築していく方法です。中〜大規模ECサイト向けの製品が多く、カスタマイズ、運用・保守などの各種サポートサービスが用意されている場合がほとんど。株式会社エスキュービズムが開発・提供する「EC-ORANGE」などが、EC構築パッケージの代表例です。パッケージは、自社内にエンジニアがいて、ある程度予算もあり自由にカスタマイズしつつECサイトを作りたい企業におすすめです。
パッケージの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:パッケージ開発とは?メリット・デメリット、スクラッチ開発との違い・選び方のポイントを解説!
パッケージの特徴 / プログラミング言語
ソースコードが公開されており、柔軟にカスタマイズできるEC-ORANGEのような例外はありますが、フロントエンド / バックエンドのカスタマイズを開発ベンダーに依存する形になるのが、一般的なEC構築パッケージの特徴です。パッケージの対応範囲内で、自社ニーズに応じたECサイトを構築でき、サポートも得られるメリットはあります。ただし、ソースコードを公開しないサービスに関しては、事実上自社開発はできません。パッケージの場合は、どの製品を選定するか、開発ベンダーの対応は充分なのかという観点が重要になります。
クラウドEC
画像引用:Shopify
近年注目の高まっているクラウドECを利用して、自社ECサイトを開発・構築していく方法です。クラウドECの定義はやや曖昧ですが、SaaS型EC構築プラットフォームの手軽さと、オープンソースプログラムの柔軟性・拡張性を兼ね備えたEC構築プラットフォーム、と考えればわかりやすいかもしれません。クラウドECに該当するサービスはそれほど多くありませんが、日本での導入が加速している話題のEC構築プラットフォーム「Shopify」が代表例だといえるでしょう。
Shopifyの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:Shopifyとは?導入すべき人、機能、料金、評判、成功事例を紹介!
クラウドECの特徴 / プログラミング言語
クラウドECの代表であるShopifyの特徴は、サイトデザインを決定するテーマ開発、API接続を基本にしたアプリ開発で柔軟に機能を追加していける一方、コアとなるプログラム自体にはタッチできないことです。これによってカスタマイズの柔軟性・拡張性を確保しながら、常に最新の機能を利用できる環境を実現しています。それぞれの開発で使われるプログラミング言語は以下の通り。
- Shopifyテーマ開発:HTML / CSS / JavaScript / Liquid
- Shopifyアプリ開発:Ruby / JavaScript / Python / Java / PHP
ただし、Shopify開発に使われるプログラミング言語自体は目新しいものではないものの、コアプログラムのソースコードが公開されていないため、自社のみで開発するのはあまり現実的ではありません。独自のアプリ開発を検討している方であれば、Shopifyエキスパートに相談してみるのがおすすめです。
※Shopifyエキスパート:Shopifyの審査を受けて実績などを認められたShppifyのパートナー企業やフリーランス
スクラッチ開発
既存のパッケージやプラットフォームを利用せず、ゼロから自社ECサイトを開発・構築していく方法です。当サイトもこの方法で構築しています。事実上の機能制限がなく、どのようなECサイトでも構築できますが、その分開発コストはもっとも高額で、開発期間も数年など長期に渡る傾向があります。
スクラッチ開発の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:スクラッチ開発とは?知っておきたいシステム開発の基本・構築方法の違いや選び方を解説!
スクラッチ開発の特徴 / プログラミング言語
SaaS型やクラウドECが高機能化したこともあり、独自性の高いECサイトを開発したい、大規模なシステムが必要ということでもなければ、あまり採用されない方法だともいえます。ECサイト開発に利用される言語、フレームワークは以下の通り。
- フロントエンド開発言語:HTML / CSS / JavaScript
- バックエンド開発言語:Ruby / JavaScript / Python / Java / PHP
- フレームワーク:Laravel / Ruby on Rails
ECサイトの運営で重要な3つのスキル
ECサイト構築はもちろん、運営していくにもスキルが求められます。ECサイト運営で重要となるのは、以下3つのスキルです。
- マーケティングスキル
- フロント業務スキル
- バックエンド業務スキル
1.マーケティングスキル
マーケティングスキルは、ECサイトの販促・集客において重要なスキルです。どんなに良いECサイトでも、扱っている商品が購入されなければ利益につながりません。
マーケティングの基本となるのは、以下の3つです。
- 分析
- 改善
- 情報収集
ECサイトに利用者を集めるには、情報収集し顧客ニーズを分析することが重要です。分析結果と集めた情報をもとにECサイトを改善することで、販促・集客につなげていけます。
また、ECサイトを運用する際は、販促・集客のためにSEO施策の実行や、Google AnalyticsのようなツールでECサイトの解析も行います。
SEO施策の実行や解析ツールの活用も、マーケティングスキルがなければ困難です。そのため、ECサイトを運用する上で、マーケティングスキルは必須と言えます。
2.フロント業務スキル
ECサイトの運営は「フロント業務」と「バックエンド業務」の2つに分けられます。フロント業務スキルは以下のように、ECサイト利用者の目につく部分を対応する業務に関するスキルです。
- 他社分析
- 商品企画
- 集客
- 販促
- キャンペーン
- プロモーション
前述したマーケティングも、やや広義に捉えるとフロント業務に該当します。
上記の業務は、それぞれ異なるスキルが求められます。そのため、各フロント業務を行うためのスキルが必要です。
3.バックエンド業務スキル
バックエンド業務スキルは、ECサイトの根幹を支える以下のような業務で必要となります。
- 梱包
- 発送
- 顧客管理
- 受注管理
- 在庫管理
- 商品登録
- 顧客対応
バックエンド業務を円滑に行えないと、ECサイトの利便性低下につながり利用者が離れてしまう恐れがあります。そのような事態を防ぐためにも、バックエンド業務スキルが重要です。
ECサイトの注文数が増えてくると、バックエンド業務に対応しきれなくなる確率が高まります。自社のECサイトを何度も利用してもらうためにも、バックエンド業務スキルが不可欠です。
EC開発言語まとめ
本記事では、一見複雑に感じるECサイトがどのような仕組みで動作しているのか?プログラミング言語を含むECサイト開発の基礎知識を解説するとともに、ECサイトの主要な構築方法を紹介してきました。
基本的な仕組みが同じであっても、ECサイトの構築方法によってできること、依頼側が開発に携われる範囲が異なることが理解できたのではないでしょうか?重要なことは、ECサイトを開発することではなく、ユーザーにとって使いやすく、自社で管理しやすいECサイトを作ること。ECサイトに求める自社ニーズを明確化し、場合によっては制作会社に任せてしまうのもひとつの方法です。
※ECサイト開発に豊富な実績のある優秀なECサイト開発会社を探している方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. 自社ECサイトを開発・構築する方法は?
自社ECサイトを開発・構築する方法として、主に「SaaS(ASP)」「オープンソース」「パッケージ」等が挙げられます。その他の方法は記事内で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
Q. 自社ECサイトを開発する際の注意点は?
自社ECサイトを開発する際の注意点は「大規模ECサイトのサーバなら複数の物理サーバを用意する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
このライターの記事一覧