- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー システム開発
Ruby開発とは?できることやサービス事例・開発の流れを解説【2024年最新版】
企業でシステムの運用・管理を担当しながら、新規事業の立ち上げのためを検討していて、Rubyによる開発を検討している方もいるかと思いますが、
「Ruby開発でできること・作成できるものを知りたい」
「Ruby開発のサービス事例を知りたい」
「Rubyの開発の流れがわからない」
などの悩みを抱えている方もいるでしょう。
Rubyは、Webアプリ開発では比較的有名な言語であり短いコードで実現できると定評があります。汎用性が高い言語であり、さまざまなシステム・アプリ開発でも利用されています。新規事業の立ち上げにおいて、Rubyによる開発を検討しているケースもあるでしょう。
しかし、今までにRubyを含めたシステム開発の経験がないと、何を開発できるのか、どのような流れで開発を進めるのかがイメージしづらいです。Ruby開発をする前に実現できることや、開発の流れを把握するのが重要です。
そこで、本記事ではRuby開発で実現できることを中心に、サービス事例や開発の流れを解説します。本記事を読むことで、Ruby開発でできることがわかり、自社のサービス開発に活用可能です。
※Ruby開発について詳しく知りたい方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
Ruby開発でできること
そもそもRubyとは、1995年に日本のソフトウェア技術者が開発したプログラミング言語です。コードの記述量が少なくシンプルで、読み書きしやすい特徴があります。IEC(国際電気標準会議)で国際規格に認証されているのです。
Rubyによる開発でできること・作成できるものは、大きく分けて8つあります。Ruby開発を検討している方は、まず何を実現できるのかを把握しましょう。
Webアプリケーション
画像引用:Google Play
Ruby開発でよく作られているのがWebアプリケーションです。Webアプリケーションで利用される会員登録・サイト内検索などの機能はRubyによって開発できます。食べログやCookPadなどのサイトではRubyが利用されています。
Rubyには「Ruby on Rails」と呼ばれるWebアプリケーションフレームワーク(枠組み)が公開されています。Rubyによるアプリやシステムのほとんどが、このフレームワークによって開発されているため、Rubyで開発する際は基本的にRuby on Railsを用いることが推奨されているのです。
Ruby on Railsには、サイトを構築したり、アプリを作成するために必要となる会員登録といった機能が用意されています。Webアプリケーションを1から開発する必要がなく、膨大なプログラミング言語を記述する必要がありません。
ただし、Ruby on Railsはサーバーへの負荷が大きいと言われています。開発はスムーズに行えますが、完成形のWebアプリケーションは動作が遅い傾向です。大規模サービスや速度を重視するサービスの開発時は、サーバーのリソース確保を行いましょう。
Webアプリケーション開発の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:Webアプリケーション開発とは?外注前に知るべき開発の流れ・費用・注意点を解説
SNS
Rubyはサーバーサイドプログラムを得意としており、SNSも開発できます。SNSの開発で必要となる「ユーザー機能」「ログイン機能」「投稿する機能」などはRubyを使うことで実装可能です。FacebookやTwitterなどもRubyによって開発されました。
Ruby on Railsで開発すると、ユーザー情報の登録・投稿データの管理などに利用されるデータベース連携、ログイン認証を簡単に設定できます。開発経験が浅いエンジニアでも、高性能なSNSを開発できるでしょう。
Ruby on RailsでSNS開発を行う際は「Devise」と呼ばれるgem(ライブラリ)を利用すると、アカウント登録やログイン機能を簡単に実装可能です。メールアドレスとパスワードによる認証に加えて、SNSアカウントを用いた認証も追加できるようになります。
ブログ
画像引用:Qiita
ブログはWordPressで作成されることが多いですが、Rubyを活用することでも構築できます。Rubyには豊富なライブラリがあることから、ブログ内の記事検索・決済など、さまざまな機能の追加・削除が簡単に行えます。例えばエンジニアに関する知識を記録・共有するためのブログサービスQiitaは、Ruby on Railsを活用して作られています。Ruby on Railsを利用すると、テキストエディタ機能(テキストファイルを編集するアプリ)に加えて決済機能・購入機能など様々な機能の拡張がしやすいです。
WordPressよりも機能のカスタマイズの自由度が高いブログを開発できます。ただし、ブログを構築するスピードはWordPressのほうが圧倒的に早いです。大規模なブログでさまざまな機能追加が必要になる場合にRuby開発が向いています。
ECサイト
画像引用:Shopify
Rubyではユーザーの情報登録やログイン機能に加えて、決済機能を実装したECサイトを開発できます。商品管理画面・商品登録といった機能も実装可能です。例えば、手軽にネットショップを構築できるShopifyはRuby on Railsが活用されています。
Ruby on Railsを利用することで、1からサイトを開発する必要がなく、技術力が高くなくてもAmazonや楽天市場のような大規模ECサイトを開発できます。Ruby on RailsでECサイトを開発する際は、spreeというライブラリがおすすめ。
画像引用:spree
spreeはRails上で動くECサイト構築用のフレームワークであり、決済機能も簡単に実装できます。
スクレイピング
Rubyには、スクレイピング用のライブラリが公開されているので、複雑なコードを記述せずに実装できます。スクレイピングとは、Web上のhtmlデータを抽出する技術です。例えば、検索サイト上の商品データを収集することで、価格一覧表を作成できます。
Rubyには「Nokogiri」と呼ばれるライブラリが公開されています。
画像引用:Nokogiri
Ruby開発の経験が浅いエンジニアでも短時間でスクレイピングを実装できるでしょう。
API
Rubyでは、サーバーサイドで処理するプログラム「API」を実装できます。APIとは、ネットワークを通じてアプリケーション・システムの機能を第三者が作成したソフトウェアと自社で開発したソフトウェアで共有する仕組みのこと。例えば、テレビの番組表はAPIをプログラムから呼び出すことで、取得した情報をユーザーに表示しています。
Ruby on RailsにはAPIをシンプルに作成できるGrapeと呼ばれるライブラリがあります。ルーティングやレスポンスの設定が簡単にできるので、複雑なコードを記述する必要がありません。
※ルーティング:あるURLにリクエストが来たときにどのAPIを呼び出すかを設定すること。リクエストURLと呼び出すメソッドを結びつける設定。
ただし、APIはソフトウェア同士の連携を行うインターフェースであり、バグが発生した際にバグの原因がAPIなのか連携先のソフトウェアにあるのかがわかりにくいです。API運用後はシステムの仕様変更が難しいことから、アプリケーションの設計を慎重にする必要があります。設計ではどの機能がどの入力データに何のデータを返すのかを明確にしましょう。
ゲーム
Rubyにはゲーム開発用のライブラリが用意されています。なかでも2Dゲームの開発を得意にしています。例えば、第11回中高生国際Rubyプログラミングコンテストでは、タイピングが苦手な人・初心者でもスゴロクを組み合わせて楽しく練習できるゲームにRubyが活用されています。
※参考:こどもとIT
また、DXRubyはゲーム開発初心者向けDirectXを扱うための拡張ライブラリで、Windows用の2Dゲーム開発に利用可能。
画像引用:DXRuby
「画像の読み込み・描画」「キーボード・マウス・パッドの入力」「FPS(1秒間あたりに表示される画像数を表す単位)の自動調整」などの機能が提供されています。
※DirectX:Microsoftが開発したWindows対応のパソコンゲームといったマルチメディアコンテンツ(ゲームや動画など様々なコンテンツ)向けのAPIのこと
DXRubyは初心者が楽しくゲーム開発をするために作られているので、あまりゲーム開発経験がなくても使うことが可能です。ただし、RubyはUnityと比較して処理速度が速くないことから、高速な処理が要求される3Dゲーム開発に向いていません。3Dゲーム開発を行うなら、Unityといった他のプログラミング言語を使用してみてください。
チャットボット
Rubyを活用すると、自動返信するチャットボットの作成が可能です。RubyのLitaというチャットボット開発ツールを利用することで作成できます。ビジネスチャットツールSlackで、自動返答するチャットボットが開発可能です。
LitaはチャットボットのToDoリストを管理する「lita-todo」や、利用者を癒す効果がある猫のgifを表示する「lita-catgif」といったさまざまなプラグインが開発されているのが特徴です。開発者は必要に応じて機能を追加するだけで、自由度の高いチャットボットを作れるでしょう。
ただし、プラグインを追加するにはRubyを記述しなければなりません。Rubyの記述ができるスキルが必要となります。
※Ruby開発について詳しく知りたい方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
Ruby開発で作られているサービス事例
Rubyによって開発されたサービスの事例を把握することで、自社で作成するもののイメージができます。参考事例を把握して、自社のRuby開発に活用してみてください。
クックパッド
画像引用:クックパッド
クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」ことをコンセプトに、料理レシピの投稿・検索ができるサービスを提供しています。Ruby on Railsによって構築されており、サイト内でユーザーが投稿したレシピ情報や、会員情報などを管理しているのです。クックパッドでは以下のような機能がRubyで開発されています。
・会員登録
・ログイン機能
・検索機能
・オンライン決済
・投稿機能
・ランキング機能
・問い合わせフォーム
クックパッドの事例はECサイトでも同様の機能が必要になるので、活用できるといえるでしょう。
Airbnb
画像引用:Airbnb
Airbnbは空き部屋を貸したい人と借りたい旅人をつなぐWebサービスです。家の空きスペースを活用することや、情熱・興味ごとを共有することを目的にしており、新しい旅の仲介サービスを提供しています。Airbnbでは以下のような機能がRubyで開発されています。
・会員登録
・ログイン機能
・オンライン決済
・問い合わせフォーム
また、AirbnbはRubyのスタイルガイドを無料公開しているので、どのように開発を進めたのかを理解可能です。サンプルソースコードもあるため、自社サービスに活用できるでしょう。
世界的に有名なSNSのTwitterもRubyで開発されていました。ユーザーはTwitter上でアカウント登録することで、自由につぶやき(ツイート)ができます。タイムラインではフォローしたアカウントのツイートの閲覧や、返信、拡散などをして交流できるのが特徴です。Twitterでは以下のような機能がRubyで開発されていました。
・ユーザー管理
・ログイン機能
・投稿機能
・フォロー・いいね機能
・リツイート機能
・DM(ダイレクトメッセージ)
現在ではTwitterの需要が高まったことで、Scalaという別言語に移行して開発されていますが、SNSに必要な機能を網羅しています。
Ruby on Railsを使ったRuby開発手順・流れ
Ruby開発のできること・事例を把握しても、どのように開発を進めるのかを把握しなければ、開発を始められません。スムーズにRuby開発を開始するために、Ruby on Railsを使ったRuby開発手順をみていきましょう。
開発に必要なもの
Rubyによる開発を進める場合、必要となる知識や開発環境の準備があります。あらかじめ準備を行い、スムーズに開発を進めましょう。
必要な知識
種類 |
概要 |
HTML・CSS |
Webサイトを構築する土台を作るために必要 |
JavaScript |
クライアント側の指示で動的に サイト表示を変更するスクリプト |
Ruby |
プログラミング言語の1種 |
あらかじめ知識を身につけておくことで、専門用語やソースコードを理解できます。開発中に都度調べることがないので、スムーズに開発を進められるでしょう。
必要な環境
種類 |
概要 |
Ruby on Rails |
Ruby開発特化型Webアプリケーションフレームワーク |
データベース |
あらゆるデータを一元管理してデータを検索しやすくしたシステム Webサービスを利用する中で、 適切なときに必要なデータを取り出しやすくなる |
エディタ |
Rubyのソースコードを記述するためのソフトウェア Ruby開発はエディタにソースコードを記述して開発を進める |
とくにRubyの開発をする際は、Ruby on Railsを利用することが多いです。Ruby on Railsを利用すると、シンプルで短いコードの記述で開発を行えます。Rubyを利用したシステム・アプリケーションの開発には必須のフレームワークなので、あらかじめ用意しましょう。
開発の流れ
Ruby開発の流れは大きく分けて3ステップです。
企画
まずRuby開発を行うために「どのようなサービスを作るのか」「どのような機能を実現するのか」を決めていきます。企画で開発するサービス像を明確にすることで、ゴールをイメージしやすくなって想定のサービスを開発できる可能性が高まります。企画内容によってはRubyで開発しないで、他言語を使うことも検討してください。言語選択はあくまでも手段で目的をはっきりとしましょう。
企画では以下を初めとする項目を決めます。
・必要な機能
・使用言語
・スケジュール
・必要な人員
企画で検討する内容は、社内の他部署の従業員でもわかるように具体的に決めましょう。
設計
設計では、企画で検討した内容に基づいて、どのようにサービスを開発するのかを具体化します。設計を行わないとスムーズに開発(プログラミング)ができないので、不可欠な工程です。設計は大きく分けて以下の2種類があります。
・フロントエンド:画面レイアウト・機能など、ユーザーが目にする部分の設計
・バッグエンド:機能の実装、エラー発生時の対応など、ユーザーから見えない部分の設計
フロントエンドの設計はインターフェースや使い勝手を通して、ユーザーの満足度に影響があるので、しっかりと仕様を定めましょう。関係者間で認識の齟齬が発生しないように、全員が納得するまで話し合いをしましょう。
バッグエンドの設計ではプログラマーがどのようにシステムを実装するのかを決めていきます。
次工程の開発は設計書に基づいてプログラミングするため、必要な要件を確認しながらシステムの全体像を構築します。
開発
構築するサービスの設計が終わったら、実際に開発(プログラミング)をしていきます。使用するプログラミング言語はRubyで、フレームワークのRuby on Railsを使用してコーディングを進めます。コードはVisual Studio CodeやAtomなどのテキストエディタに記述しましょう。開発は以下の流れで進めます。
1.Rubyをインストール
2.Ruby on Railsをインストール
3.アプリケーションを作成
4.gem(ライブラリ)を追加
5.モデルを作成
6.コントローラを作成
7.ルーティングを作成
8.ビューの作成
最後に本番環境に反映するとRubyでの開発が完了です。
Ruby開発を行う際の注意点
Ruby開発を行う際は注意点を把握していないと「思っていたのと違う」となる可能性があります。スムーズにRuby開発を行えるように注意点を把握しましょう。
専門知識が必要になる
Ruby開発を行うにはプログラミング言語やRuby on Railsの知識が必要になります。フレームワークを使えば1からコードを入力しなくて良くなりますが、コードの意味を把握していなければ想定するサービスの開発ができません。
Rubyの知識がないと開発するのに苦労します。また、Rubyの勉強をする場合は技術を習得するまでに時間がかかるでしょう。専門知識がなければすぐにRuby開発をできないです。そのため、Ruby開発ができるエンジニアの採用や制作会社への依頼などを検討しましょう。
必要に応じて外注する
Rubyの知識がない方が技術を習得するには時間がかかります。すぐにでも開発を進めたいなら、外注をするのも1つの方法です。開発会社のRubyエンジニアにサービスを開発してもらえるので、自社で行うよりも高品質のものを作れる可能性が高いです。
外注する開発会社を選ぶ際は「開発実績」「得意分野」を確認するのが重要となります。とくに過去に自社の依頼内容と同じようなRuby開発を行っている場合は、過去の経験からスムーズに開発を行えて高品質のサービスを作ってもらいやすいです。
【まとめ】Ruby開発を把握してサービスを作ろう
Rubyは汎用性の高いプログラミング言語です。Rubyによって開発できるサービスには、Webアプリケーションを中心にブログやSNSなど、さまざまなものがあります。
Rubyを使用して開発されたサービス事例には、クックパッドやAirbnbといった世界・国内で有名なサービスが豊富にあります。Ruby開発を行う際は、参考事例をもとにしてどのような機能が実現できるのかを把握しましょう。
ただし、Ruby開発には専門知識が必要になります。自社で開発できる人材がいないのであれば、制作会社に外注してみてください。
Ruby開発の外注を検討しているなら、システム幹事にご相談ください。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
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初心者の方でも安心してご相談いただけます。
※Ruby開発について詳しく知りたい方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。
Q. Rubyとは何ですか?
Rubyとは、1995年に日本のソフトウェア技術者が開発したプログラミング言語を指します。コードの記述量が少なく、シンプルで読み書きしやすいのが特徴です。
Q. Ruby開発のメリットは?
Ruby開発のメリットは「短いコードで実現できる」「コードの記述量が少なくシンプルで、読み書きしやすい」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人