オープンソースを利用した開発とは?利用するメリットや注意点を解説【2024年最新版】

オープンソースを利用した開発とは?利用するメリットや注意点を解説

「オープンソースでどのように開発をするの?」
「オープンソース開発を行うメリットとは?」
「オープンソース開発を行う際の注意点とは」

新たなシステム導入や開発を検討している担当者の中には、上記をはじめとする疑問を持っている方もいませんか。

システムやアプリケーション開発において、Microsoft Power Appsやkintoneといった有料の開発ツールを利用する方法がありますが、ライセンスの新規購入や利用料などの費用がかかります。
一方で、オープンソースを利用してシステム開発を行うと、無償公開されているソースコードを利用するため、初期費用やランニングコストが抑えられます。

ただし、オープンソースの利用にはいくつかの注意点もあり、オープンソースでの開発経験がないと、メリット・注意点をイメージしづらいでしょう。まずはオープンソースでシステム開発をする際の基本情報を把握するのが重要です。

本記事ではオープンソースを利用した開発についてメリットや費用相場、注意点を解説します。

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目次
  1. 1. オープンソースを利用した開発とは?
    1. 1-1. 代表的なオープンソースソフトウェア
  2. 2. オープンソースを利用して開発するメリット
    1. 2-1. ソースコードを無料で利用できる
    2. 2-2. 自由にソースコードをカスタマイズできる
    3. 2-3. 継続性が高い
    4. 2-4. 信頼性がある
    5. 2-5. 情報が豊富にある
    6. 2-6. 特定の製品に依存しなくてよい
    7. 2-7. 【素朴な疑問】開発社側がオープンソースを公開するメリットは?
  3. 3. オープンソースを利用した開発にかかる費用
  4. 4. オープンソースを利用して開発する際の注意点
    1. 4-1. 一定の制約がある
    2. 4-2. サポート体制が十分でない可能性がある
    3. 4-3. バグが放置されていることもある
  5. 5. 【まとめ】オープンソースによる開発を活用しよう

オープンソースを利用した開発とは?

オープンソースを利用した開発とは?

オープンソースとは、無償で全てのソースコードが公開されているソフトウェア(OSS)のことです。オープンソースを利用した開発とは、無償で公開されているソースコードを利用して、システムやアプリケーションなどを効率的に開発することを指します。

オープンソースのソースコードは自由にソフトウェアを利用・改変・再配布などをできる仕様になっており、システム・アプリケーション開発に活用可能です。また、すでに公開されているソースコードを使って開発を行うため、1からプログラミングをする必要がありません。システム・アプリケーション開発にかかる工数を削減することが可能です。例えば、在庫管理・受発注管理といった基幹系システム、グループウェア・社内SNSといった情報系システムにオープンソースが使われることが多いです。

オープンソースの在庫管理システムの詳細は、下記記事もご参照ください。
関連記事:オープンソース在庫管理システムとは?無料から使えるおすすめツールも紹介!

代表的なオープンソースソフトウェア

オープンソースソフトウェアには、さまざまな種類が公開されています。代表的なオープンソースソフトウェアは以下のとおりです。

オープンソースソフトウェア

概要

Linux

OSの一種

サーバーや組み込みシステム開発などに活用されている

MySQL

データベース管理システムのこと

 Webアプリケーションや企業サイト、

メディアのデータベース管理ができる

Java

プログラミング言語の一種

システム開発やアプリケーション開発など

幅広いシーンで活用できる

Firefox

タブやツールバーのデザインを

自由に変えられる Webブラウザ

WordPress

CMS(コンテンツ管理システム)のこと

PHPで開発されたサービスで、

ホームページやブログを簡単に構築できる

例えば、LinuxはOSの一種であり、NTTコムウェア株式会社の人事情報管理システムはLinuxで動作するアプリケーションソフトウェアとして開発されています。MySQL製品を利用することで、アンリツネットワークス株式会社の統計情報を一元管理してネットワーク可視化を実現しています。

Javaはシステム・アプリ開発など様々なシーンで活用されており、世界的に有名なゲームMinecraftに活用されています。WordPressは多くの企業のサイトに使われており、博報堂のコーポレートサイトはWordPressで構築されています。

このように、世界中で利用されていることが多く、オープンソースソフトウェアを活用することで高品質のシステム開発を実現できます。

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オープンソースを利用して開発するメリット

オープンソースを利用して開発するメリット

ソースコードを無料で利用できる

オープンソースはライセンス料が発生しないので、コスト削減をしながらシステム開発を行えます。システム開発を行う際にkintoneといった有料の開発ツールを利用する方法もありますが、ライセンスを新規購入する初期費用や保守といったランニングコストがかかります。例えばkintoneの場合は、最低5ユーザーからの契約で、1ユーザー月額780円の費用が必要です。加えて、ライセンス数が多くなるほど管理する手間が増えたり、ライセンスの不正利用を防止するための対策をしたりする必要があるのです。一方でオープンソースは無償で利用できることから、どんなにソースコードを利用しても費用がかかりません。

オープンソースは無料で利用できますが、ソフトウェアごとにライセンスが宣言されており、利用には一定の制限が設けられていることに注意しましょう。オープンソースによる開発は、初期費用・ランニングコストを抑えたい方に適したシステム開発の方法です。

自由にソースコードをカスタマイズできる

通常、Firefoxのオリジナルテーマを作成できるFirefox Colorや、複数ファイル一括印刷ソフトBulkPrinterといったフリーソフトウェアを使うと無料で開発できますが、ソースコードの改変には制約があります。ある程度決められた枠組みの中でシステム開発をすることになるので、オリジナリティが出せないでしょう。

一方で、オープンソースとして公開されているソースコードの多くは、利用者が自由に修正できる仕様になっています。既存のソースコードを利用し自社の用途にあわせてカスタマイズすることで、オリジナルのプロダクトを開発することが可能です。

フリーソフトウェアとオープンソースの違いは「ソースコードが公開されているか」です。フリーソフトではソースコードが公開されていませんが、オープンソースは公開されています。

自社の独自システム・アプリケーションを開発したい企業は、自由にソースコードをカスタマイズして使うことがおすすめです。

ただし、オープンソースにはコピーレフトに準拠したライセンスがあります。コピーレフトとは、プログラムやその他の著作物をフリーにして、プログラムの改変・拡張されたバージョンもすべて自由に使えることを要求する手法。自社でオープンソースをカスタマイズして開発したシステムのソースコードも、他者が自由に使えるようにしなければならない可能性があるため注意しましょう。

継続性が高い

他の企業から購入したソフトウェアを利用している場合、その企業が倒産したり吸収合併されてしまった際には、サポートやサービスが終了する可能性があります。するとソフトウェアを使えなくなってしまい、他のソフトウェアにて再度一からシステム開発しなければならないでしょう。
一方で、オープンソースはそのソースコードを利用しているユーザーがいる限り、有志のコミュニティによってメンテナンスが継続されます。提供元の事業者に依存しないので、長期的にソースコードを利用することができます。

ただし、オープンソースを利用する開発者が急激に減少している場合、プロジェクトが終了する可能性があります。オープンソース開発を行う際は、コミュニティが活発に稼働しているものを選ぶと良いでしょう。

信頼性がある

オープンソースはソースコードが公開されていることで、誰でも不正プログラム・脆弱性などのセキュリティリスクを確認できます。また、オープンソースの利用者コミュニティがあることによって脆弱性やバグなどは定常的に監視されています。万が一セキュリティリスクが発見されても、すぐにコミュニティ内で言及されるため、一定の信頼性が担保された状態になっていると言えます。

ただし、オープンソースのコミュニティは有志の集まりなので、セキュリティリスクがあっても言及されるとは限らないので注意しましょう。

情報が豊富にある

利用者が多いオープンソースは、コミュニティが活発に動いており豊富な情報が共有されています。オープンソースによる開発の中でわからない部分や上手くいかない部分があった場合、コミュニティ内の情報を確認すれば解決できる可能性があります。自力でも素早く問題を解決できるため、システム開発をスムーズに進められるでしょう。

一方で開発ツールを利用する際は、問題が発生したら提供元の事業者に問い合わせをしなければなりません。質問によっては回答まで時間がかかるケースがあり、システム開発に遅延が生じる可能性もあります。オープンソースによる開発を行う際は、コミュニティが活発に動いていたり、有益な情報が共有されていたりするプロジェクトを活用しましょう。

ただし、オープンソースに関する情報が日本語とは限りません。英語で情報がまとめられていることがあるので、翻訳アプリを使用すると内容を理解しやすいです。

特定の製品に依存しなくてよい

特定ベンダー(メーカー)の技術に依存した製品・サービスを採用したシステム開発を行う場合、技術面・費用・時間などの観点から他社のソフトウェアに乗り換えて、今あるシステムを再構築することが困難になります。特定の開発会社しかシステム開発・変更を行えなくなり、ランニングコストが高くても今あるシステムを使い続けるしかないといった問題が発生します。

オープンソースによる開発は、誰でもソースコードを確認したり利用できるため、特定の技術に依存することを回避できます。ただし、メーカーが提供するサービスとは異なり、基本的にはサポートは無いことが多いので、社内にオープンソースの知識があるエンジニアが必要になります。

【素朴な疑問】開発社側がオープンソースを公開するメリットは?

オープンソースを公開することは利用者だけでなく、開発者側にもメリットがあります。オープンソースを公開すると、エンジニアコミュニティの形成につながります。他社のエンジニアがオープンソースをダウンロードして利用した結果、気に入ってもらえるとさまざまな場面で使ってもらえます。すると、機能を改善する提案やドキュメント作成などを手伝ってもらえる可能性があり、オープンソース開発社側の工数を減らしながら、より洗練されたソースコードに改善できるでしょう。

オープンソースコードを公開することで、その分野での技術力をアピールすることが可能です。先駆者としての地位を確立できるので、企業イメージの向上に貢献して問い合わせを増加させる効果があります。

オープンソースによるシステム開発の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:オープン系システム開発とは?特徴・活用される技術や汎用系・Web系との違いを解説!

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オープンソースを利用した開発にかかる費用

オープンソースコードは無償で使えますが、自社でシステム開発を行う人材がいないと外注費用がかかります。あらかじめオープンソースを利用した開発にかかる費用を把握することで、社内の予算申請をしやすくなるでしょう。

例えば、オープンソースのCMSを使った開発費用は以下のとおりです。

CMSを使ったWebサイトの構築方法

費用相場

オープンソースCMSで自社構築

月額1万円〜

(サーバの確保、独自ドメインの取得など)

オープンソースCMS構築を依頼:

店舗集客目的の小規模サイト(5ページ〜)

初期費用30万円〜

月額1万円〜

オープンソースCMS構築を制作会社に依頼:

中規模企業のコーポレートサイト(15ページ〜)

初期費用50〜100万円

月額2万円〜

オープンソースCMS構築を制作会社に依頼:

ページ数の多い採用・企業サイト(30ページ〜)

初期費用150万円〜

月額3万円〜

構築するページ数が多くなる程、初期費用や月額費用が高くなります。自社のニーズに合わせて費用相場を確認して、予算確保の参考にしましょう。

オープンソースを利用した開発を外注する際は、相見積もりを取得するのがおすすめです。複数社の見積もりを比較することで、費用が安い会社に依頼することが可能です。ただし、あまりにも多くの会社から見積もりを取得すると比較する時間が増えてしまうので、3〜4社に絞ると効率的に検討できます。

CMSサイト構築の費用相場を詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
関連記事:CMSサイト構築の費用相場は?種類ごとの構築方法・費用やHTMLサイトとの違いを解説!

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オープンソースを利用して開発する際の注意点

オープンソースを利用して開発する際の注意点

オープンソースによる開発には注意点があり、あらかじめ把握していないとトラブルが発生する可能性があります。思わぬトラブルを回避するため注意点を把握しましょう。

一定の制約がある

オープンソースは基本的に無償で利用できますが、ソフトウェアごとにライセンスが宣言されています。オープンソース利用者はライセンスに準拠した利用が求められ、必ずライセンスを確認しなければなりません。

例えば下記のような制約があります。
・オープンソースを利用して開発したシステムのコードを公開すること
・オープンソースの開発者を明示すること

ライセンスによって他にもさまざまな制約があります。ライセンス違反をすると、ソフトウェアの利用停止といった罰則を受ける可能性があるので注意しましょう。

サポート体制が十分でない可能性がある

企業が提供するソフトウェアには、使い方マニュアルや問い合わせサポートが用意されています。
しかし、オープンソースは無償で公開されていることから、基本的にマニュアルや問い合わせといったサポートがありません。オープンソースの使い方や問題点などを解決するには、自分で調べて開発を進める必要があるのです。

オープンソースは世界中で公開されており、英語で情報提供されることが多いです。日本語の情報が少なかったり、情報が古かったりするので注意が必要です。英語が苦手な方はGoogle翻訳といった翻訳アプリを使用してみましょう。

バグが放置されていることもある

オープンソースは基本的に開発元のサポートが受けられず、問題が発生しても自分で解決する必要があります。場合によっては、利用者が確認できていないバグが放置されていることもあるのです。
バグについて知らずにオープンソースを利用すると、開発したシステムがうまく動作しなくなる可能性があります。

オープンソースのバグを見つけた場合、自分で修正したり、自分では直せないものであればコミュニティに報告をする対処が必要です。すると、放置されていたバグを解消でき、利用者が快適にオープンソースを使えるようになるでしょう。また、コミュニティに参加する利用者が、ソースコードを監視してより精度の高いコードを完成させていくこともあります。

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【まとめ】オープンソースによる開発を活用しよう

オープンソースとは無償で全てのソースコードが公開されているソフトウェアのことです。オープンソースを利用してシステム開発をすることで、有料ライセンスにかかる初期費用やランニングコストを抑えながら開発を進められます。

また、オープンソースは非常に継続性に優れており、利用者がいる限りメンテナンスが継続されます。ただし、オープンソースを活用するにしても、一定の開発リソースは必要になります。
オープンソースでの開発になれたエンジニアが社内にいない場合、システム開発会社に依頼するのも1つの方法となります。

オープンソース開発に強い会社を知りたい方は、システム幹事にご相談ください。

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※オープンソース開発に強い会社を知りたい方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な会社を選定します。相談料も紹介料も一切かかりません。

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Q. オープンソース開発とは何ですか?

オープンソース開発とは、無償で公開されているソースコードを利用して、システムやアプリケーションなどを効率的に開発することを指します。システム・アプリケーション開発にかかる工数を大幅に削減できるのが特徴です。

Q. オープンソースを利用した開発のメリットは?

オープンソースを利用した開発のメリットは「ソースコードを無料で利用できる」「自由にソースコードをカスタマイズできる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。