- 更新日 2024.05.16
- カテゴリー アプリ開発
【目的別】アプリ開発に最適なプログラミング言語の選び方と特徴を徹底解説【2024年最新版】
近年、アプリケーション開発のニーズが急速に高まっていますが、良質なアプリを効率的に開発するためには、適切な開発言語を選択する必要があります。
「アプリで使用する開発言語について提案を受けたが、最適なのかわからない」
「開発会社とスムーズに連携するために、開発言語に関する知識を得たい」
「使いたいプログラミング言語に精通した会社に発注したい」
といったニーズをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、アプリを作りたいがどのプログラミング言語を採用すればいいのか悩んでいる人向けに
- アプリの種類に応じた開発言語の紹介
- アプリの目的別おすすめの開発言語一覧
- 開発言語ごとの特徴やメリット・デメリット
- アプリ開発に関する費用の相場
- アプリ開発で失敗しないための注意点
などを分かりやすくまとめました。
開発会社にアプリ開発を外注する際の参考にしていただければ幸いです。
現在アプリ開発を検討中の方は、システム幹事へお気軽にご相談ください。企画内容をもとに最適な開発言語の選定、要件定義(設計)、おすすめのアプリ開発会社など必要にあわせたご提案をさせていただきます。相談料や紹介料は無料です。
アプリ開発に役立つ記事もご覧ください アプリ開発かんたんマニュアル!おすすめ言語、開発の流れ、ツールまで解説
- 1. アプリは3種類に分けられる!それぞれの特徴
- 2. アプリ開発の言語の選び方
- 3. アプリ開発の目的別おすすめプログラミング言語一覧
- 4. スマホアプリ開発向けプログラミング言語(ネイティブ言語)
- 5. PCアプリ開発向けプログラミング言語(ネイティブ言語)
- 6. Webアプリ開発に最適なプログラミング言語
- 7. クロスプラットフォーム開発ができるフレームワーク
- 8. アプリ開発をするならどの種類のアプリがおすすめ?
- 9. 【目的別】アプリ開発に必要な費用・相場
- 10. 発注者がアプリ開発言語を知っておく意味
- 11. アプリ開発で重要なセキュリティ対策
- 12. アプリ開発の流れ
- 13. アプリ開発を失敗させないための注意点
- 14. アプリ開発に必要なスキル、知識、プログラミング言語選びまとめ
アプリは3種類に分けられる!それぞれの特徴
現在さまざまな種類のアプリがリリースされていますが、それらは大きく分けて、ネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリの3つに分類されます。
それぞれのアプリは仕様が大きく異なるため、アプリ適したプログラミング言語にも違いがあります。まずは、開発するアプリがどの種類に分類されるのかを把握し、適切な開発言語を選択しましょう。
以下では、3分類のアプリごとの最適な開発言語、それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
ネイティブアプリ
ネイティブアプリは、スマートフォンやパソコンにインストールして利用できるアプリケーションです。
App StoreやGoogle Playストアなどから直接デバイスにインストールするため、
- デバイス固有の機能を使いやすい
- 動作速度が速く軽快
- 高度な表現が可能
などのメリットがあります。
一方、ネイティブアプリは開発規模が大きくなりやすく、
- 開発期間やコストが高騰しやすい
- OSアップデートの影響を受けやすい
などのデメリットに注意が必要です。
また、スマートフォン向けアプリを開発する場合、リリース時にプラットフォームの審査を受ける必要があり、アプリ内課金に手数料が課せられる場合もあります。
関連記事:【iOS・Android】アプリの審査情報まとめ!審査手順や期間、基準を満たすためのポイントを解説
ネイティブアプリ開発に用いられる主なプログラミング言語 |
|
言語 |
プログラミング言語の特徴 |
C言語 |
・1972年に開発された汎用プログラミング言語 ・高級言語と低級言語の特徴を併せ持つ ・自動車や家電などの組み込み系や実行速度が求められるスーパーコンピュータなど 幅広いシーンで利用されている ・近年ではエッジAIなどの最先端技術の開発にも利用・機械語の影響が色濃く 文法は難解である |
C++ |
・C言語の機能や特徴を継承し拡張した汎用プログラミング言語 ・抽象化やオブジェクト指向などの特徴を有する ・基幹システムからスマートフォン向けアプリなど幅広いシーンで利用されている |
C# |
・マイクロソフトが開発したプログラミング言語 ・C++やJavaと同様のオブジェクト指向言語 ・Windowsで動作するGUIアプリケーションの開発に利用・Unityのプラットフォームを 活用したゲーム開発にも利用 |
VisualBasic |
・マイクロソフトが開発したオブジェクト指向の言語 ・Windowsアプリとの連携が得意で業務アプリの開発に利用 |
ASP |
・マイクロソフトが開発したスクリプト言語 ・動的にWebページを作成することができる ・業務アプリケーションの開発によく利用されている |
Java |
・1996年に開発された汎用プログラミング言語 ・仮想マシンで実行されるためプラットフォームに依存しない ・ネイティブアプリだけでなくWebアプリや情報家電など幅広いシーンで利用されている |
Objective-C |
・C言語を拡張したオブジェクト指向プログラミング言語 ・macOSやiOSで動作するアプリの開発に利用 ・現在では後続のSwiftにその座を譲りつつある |
Swift |
・2014年にアップルが発表したオープンソースの言語 ・Objective-Cと互換性がありC言語やC++との混在も可能 ・今後のmacOSならびにiOSネイティブアプリ開発の主流となることが予想される |
※現在、 ネイティブアプリの開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を無料でご紹介します。
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Webアプリ
Webアプリは、Webブラウザを通してどこでも利用できるアプリケーションです。
基本的にはWebブラウザさえ動けば動作するため、パソコンやスマートフォンなど、デバイスを選ばず利用可能です。
- OSアップデートの影響を受けにくい
- プラットフォームの審査を受ける必要がない
- 課金に手数料がかからない
点もメリットとして挙げられます。一方、
- 通信環境が必須
- リッチな表現が難しい
などのデメリットもあります。
Webアプリ開発に用いられる主なプログラミング言語 |
|
言語 |
特徴 |
HTML/CSS |
・HTMLはテキストの構造を定義する言語 ・CSSはWebページの装飾的なスタイルを定義する言語 ・Webページの基礎となる言語で必ず利用される ・フロントエンド技術の一つ |
JavaScript |
・動的コンテンツが作成できるスクリプト言語 ・フレームワークが充実している ・フロントエンド技術の一つ |
PHP |
・データベース連携が容易でページ遷移時の値の受け渡しなどを担う スクリプト言語 ・フレームワークが充実している ・人気CMSであるWordPressに採用されている ・バックエンド技術の一つ |
Java |
・大容量データを迅速に処理可能なプログラミング言語 ・セキュリティ面での信頼性が高い ・大規模開発に向いている ・バックエンド技術の一つ |
Ruby |
・日本発のオブジェクト指向スクリプト言語 ・ソースコードがシンプルで記述性と可読性に優れる ・フレームワーク「Ruby on Rails」で簡単にWebアプリの開発が可能 ・バックエンド技術の一つ |
Python |
・統計処理に秀でたインタプリタ型プログラミング言語 ・近年AIや機械学習などの分野で特に注目されている ・バックエンド技術の一つ |
Go |
・Googleが2009年にリリースしたプログラミング言語 ・高速処理に秀でている ・ツール群が充実しモバイルアプリやクラウドアプリの開発が容易 ・バックエンド技術の一つ |
Rust |
・2015年に「Mozilla」によって誕生したプログラミング言語 ・C言語やC++言語の上記問題点を克服するように設計 ・処理が高速 |
R |
・1995年にS言語をベースに開発されたプログラミング言語 ・統計解析に向いている言語 ・集計データのグラフを作成する機能が備わっている ・「shiny(シャイニー)」によって、GUIのWebアプリを簡単に作れる |
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ハイブリッドアプリ
ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリの特徴を併せ持ったアプリケーションです。ネット環境さえあればデバイスを選ばず利用でき、カメラやGPSなどのデバイス固有の機能にもアクセス可能です。
UIやデバイス固有の機能についてはネイティブアプリと同様に作り込み、コンテンツについては都度Webから取得する仕組みとなっています。
クロスプラットフォームでの開発には向いていますが、
- プラットフォームごとの審査を受ける必要がある
- アプリ内課金に手数料がかかる
などのデメリットは認識しておきましょう。
ハイブリッドアプリの開発には、後述するクロスプラットフォームフレームワークが用いられるケースが目立ちます。
ハイブリッドアプリに用いられる主な開発言語 |
HTML、CSS、JavaScript、Pythonなど (基本的にWebアプリと同様の言語を使用) |
※現在、ハイブリッドアプリの開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を無料でご紹介します。
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アプリ開発の言語の選び方
前述の通り、アプリ開発に使えるプログラミング言語は多種多様で、それぞれ異なる特徴を持っています。豊富な選択肢の中から、あなたのプロジェクトに最適な言語を選ぶためのポイントを丁寧に解説します。
プラットフォームに応じた言語の選定
特化型アプリを開発する場合、プラットフォームに応じた言語を選定するとより効率的に開発を行えます。一例ですが、以下のようにまとめました。
- iOSアプリ:「Swift」が最適で、直感的な構文が特徴。
- Androidアプリ:「Kotlin」が推奨され、Javaよりも効率的。
- 複数のプラットフォーム:「Flutter」や「React Native」などのクロスプラットフォーム技術が推奨。
プラットフォームに特化するのか、複数に対応するのか、開発の目的にあわせて、言語を選定しましょう。
パフォーマンスに合わせた言語の選定
高いパフォーマンスが求められるアプリには、実行速度が速い「C++」や「Go」が適しています。特にゲーム開発にはC++が好まれます。実行効率の高さと、ハードウェアへの直接的なアクセスが可能であるのが理由です。
一方、ビジネスアプリでは開発の迅速さを優先して「Python」や「Ruby」が使われることがあります。しかし、計算処理が多いアプリケーションでは、実行速度の遅さやメモリ使用量の増加等、パフォーマンスに限界があります。
高いパフォーマンスを求めるのか、開発の迅速さをを求めるのか、目的にあわせて言語を選定しましょう。
将来性と持続可能性を考慮した言語の選定
長期的な視点で選ぶべき言語は、活発なコミュニティや豊富なライブラリを持つものです。例えば、「JavaScript」はその汎用性で知られ、「Python」はAIやデータサイエンス分野で強みを発揮します。
活発なコミュニティや豊富なライブラリを持つ言語は、多くの開発者や現場で支持を得て、使用されているため、将来的に廃れにくい言語といえるでしょう。また、時代にあわせて発展していく可能性や、何かあった際のサポートも充実しているというメリットも挙げられます。
技術の将来性や持続可能性を考慮した言語を選ぶということは、開発したアプリの持続性に直結します。アプリの将来性を考えた上で、言語を選びましょう。
これらの適切なプログラミング言語を選ぶことで、リソースを効率的に活用し、市場で競争力のあるアプリケーションを作成することが可能になります。繰り返しにはなりますが、プラットフォーム、パフォーマンス、将来性を総合的に考慮し、最適な言語を選定しましょう。
アプリ開発の目的別おすすめプログラミング言語一覧
開発したいアプリは決まっているけれど、どのプログラミング言語を選べばいいか迷ってしまうでしょう。そこでここでは、開発するアプリの目的別にどのような言語を選べばいいのかを参考として紹介しています。
あなたが作成したいアプリの目的から、どのプログラミング言語を選んでアプリ開発を進めればいいのか検討する参考としてみてください。
目的のアプリ別おすすめプログラミング言語一覧
以下は本記事で紹介しているアプリと開発言語まとめです。
一覧表をもとに採用するプログラミング言語の目星をつけていただき、後述する各プログラミング言語の解説とあわせて参考にしてみてください。
目的アプリ別おすすめ開発言語一覧
目的 |
おすすめプログラミング言語 |
iOSアプリ | Swift、Objective-C |
macOSアプリ | Swift、Objective-C |
watchOSアプリ | Swift |
tvOSアプリ | Swift |
Androidアプリ | Kotlin、Java |
Webアプリ | Kotlin、Java |
組み込み | C言語 |
エッジAI | C言語、Python |
業務アプリ | C++、Visual Basic、ASP、Python |
基幹システム | Java、C++ |
Windows | C# |
ゲーム | C# |
ECサイト |
ASP、HTML/CSS、JavaScript、PHP、Ruby |
会計ソフト | ASP |
SNS | HTML/CSS、JavaScript、PHP、Ruby |
動画サイト | JavaScript |
チャット | JavaScript |
ブログ | HTML/CSS、PHP、Ruby |
掲示板 | PHP |
大規模サイト | Java |
モバイルアプリ | Go |
クラウドアプリ | Go |
※システム幹事独自の基準です。あくまで一つの判断指標としてご活用ください。
スマホアプリを開発したい場合、iOSアプリは基本的に「Swift」「Objective-C」を活用することになりますので選択するとよいでしょう。Androidアプリは「Kotlin」「Java」がアプリ開発言語の候補となります。
EC、SNS、ブログ等のWebアプリ(Webブラウザを活用したサービス等)では、HTML/CSSが広く活用されています。Webのデザイン性を高める場合にも必要になってきますので選択は必須といえるプログラミング言語です。
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もし、開発したいアプリが決まっているけれど、どのプログラミング言語を採用すればいいのかわからないという場合は、「システム幹事」にお気軽にご相談ください。
アプリの企画内容をもとに、適切なプログラミング言語の提案から、必要なコスト、頼れるアドバイザーとなるアプリ開発会社まで無料でご案内いたします。
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スマホアプリ開発向けプログラミング言語(ネイティブ言語)
ここからは、開発するアプリの種類別に活用されるプログラミング言語を解説していきます。まずはスマホアプリ(ネイティブアプリ)の解説です。
スマートフォン向けネイティブアプリケーションの開発は、OSごとに異なる開発言語が利用されています。
ここでは、
- iOSアプリ開発向け言語:Swift、Objective-C
- Androidアプリ開発向け言語:Kotlin、Java
について、特徴とおすすめのアプリジャンルを紹介します。
【iOSアプリ開発向け】Swift
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・iOSアプリ ・macOSアプリ ・watchOSアプリ ・tvOSアプリ |
・コードが洗練されており記述性・可読性が高い ・処理速度が高速 ・アップル製品で横断的に利用可能 |
Objective-Cの後継としてアップルにより開発されたSwiftは、macOSやiOSだけでなくApple WatchやApple TVなど、アップル製品全般で利用可能です。
Swiftで開発された代表的なアプリとしては「LinkedIn」や「メルカリ」などがあります。
言語仕様が洗練され記述性・可読性が高まっているだけでなく、処理速度も高速化しているため、今後のアップル製品向けネイティブアプリケーション開発の標準プログラミング言語になると予想されます。
【iOSアプリ開発向け】Objective-C
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・iOSアプリ ・macOSアプリ |
・C言語やC++などのレガシーコードが利用可能 ・新規でアプリを作成するならSwiftがおすすめ ・一部のライブラリなどでObjective-Cを呼び出す場合もある |
Objective-Cは、C言語を発展させたオブジェクト指向プログラミング言語で、アップル製品で広く利用されてきました。オブジェクト指向とは、それぞれが役割を持った「モノ」を組み合わせてシステムを構築するという考え方です。
C言語やC++と混在利用可能であり、過去の資産を有効活用できる点がメリットです。ただし、言語仕様は複雑で独特なコード記述が求められるなどのデメリットには注意しましょう。
初期のiOSアプリ開発はほとんどObjective-Cで行われていましたが、現在ではSwiftにその座を譲りつつあります。
メルカリやYahoo!ショッピングアプリなども、Objective-CからSwiftへと移行しました。
【Androidアプリ開発向け】Kotlin
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・Androidアプリ ・Webアプリ |
・Javaの仮想マシンで動作する ・Javaのコードを共用可能 ・Javaに比べシンプルなコード記述が可能 |
KotlinはJavaの仮想マシンで動作するオブジェクト指向プログラミング言語です。Javaのコードと互換性はありませんが、Javaの仮想マシンで動作するため、過去のJavaのコードを共有し活用できる点が大きな特徴です。また、Javaに比べシンプルなコード記述が可能だと言われています。
2017年にAndroidの公式開発言語に追加され、注目度が高まっています。日本で人気のメッセンジャーアプリLINEもKotlinで開発されました。
【Androidアプリ開発向け】Java
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・Androidアプリ ・Webアプリ |
・Androidアプリ開発の事実上の標準言語 ・「Android Studio」の利用で効率的にアプリの開発ができる |
JavaはAndroidの公式開発言語の一つで、デファクトスタンダード(業界標準)になっています。現在、公開されている大多数のAndroidアプリはJavaで開発されています。
ちなみにAndroidアプリの開発は、Googleによって公開されているプログラミング支援機能やテストツールを含んだ統合開発環境であるAndroid Studioで行われるケースが主流です。
スマホアプリ開発の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:スマホアプリ開発に必要なものは?言語や費用、流れを紹介
iOS/Androidアプリ開発の無料相談受付中
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作りたいアプリに最適なプログラミング言語だけでなく
・アプリ開発に必要なツールやスキル
・人気アプリにするための流行デザイン
・開発で失敗しないための要件定義(設計・検討事項)
・実績豊富なアプリ開発会社のリストアップ(※外注したい場合)
など、無料でご相談いただけます。
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PCアプリ開発向けプログラミング言語(ネイティブ言語)
PC向けネイティブアプリケーションの開発にはC言語やJava、Swiftなどさまざまなプログラミング言語が利用されています。この章ではそれぞれの開発言語の特徴をあらためてご紹介します。
紹介するプログラミング言語
- C言語
- C++
- C#
- Java
- Visual Basic
- ASP
- 【mac】Swift
- 【mac】Objective-C
C言語
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・組み込み ・エッジAI |
・高級言語と低級言語の特徴を併せ持ち細かなチューニングが可能 ・汎用性が高い ・処理が高速 |
C言語は1972年にAT&Tベル研究所のデニス・リッチーが主体となって開発された汎用プログラミング言語です。
制御構文などの高級言語(人間が理解しやすい記述方式が取られた言語)の特徴を持ちつつも、ハードウェアに近しい低級言語(コンピューターが直接読み取れるいわゆる「機械語」で、人間が判別することは難しい)の特徴も持っています。
自動車や家電などの組み込み系や実行速度が求められるスーパーコンピュータなど、幅広いソフトウェア・アプリの開発に用いられています。近年ではエッジAIなどの最先端技術の開発にも利用され注目されました。歴史が古い特徴から機械語の影響が色濃く、文法が難解である点はデメリットと言えるでしょう。
C++
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・業務アプリ ・基幹システム |
・C言語と同様の特徴を持ちつつオブジェクト指向による効率的な開発が可能 |
C++はC言語の機能や特徴を継承し、拡張した汎用プログラミング言語です。専門的な言葉になりますが「抽象化」や「オブジェクト指向」などの特徴を有しており、その結果より効率的にプログラミングできるように改善されています。
C言語同様、ハードウェア寄りの低級言語としての特徴も、複雑なアプリケーションを開発するための高級言語としての特徴も併せ持っており、基幹システムからスマートフォン向けアプリ開発に至るまで、幅広いシーンで利用されています。
C#
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・Windowsアプリ ・ゲーム |
・マイクロソフト製の開発ツールやフレームワークが多数提供されており Windowsとの親和性が高い ・Unityプラットフォームを用いたゲーム開発 |
C#はマイクロソフトが開発したプログラミング言語で、C++やJavaと同様オブジェクト指向言語として知られています。Visual Studioなどマイクロソフトが提供している開発ツールと親和性が高く、主にWindowsで動作するGUIアプリケーションの開発には最適です。
近年ではUnityといわれるプラットフォームが提供されており、ゲーム開発にも利用されています。日米で大ヒットとなったポケモンGoのゲームアプリが有名です。
Java
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
基幹システム |
・仮想マシンで動作するためプラットフォームを選ばない ・セキュリティが高いため基幹システムの開発にも最適 |
Javaは1996年にサン・マイクロシステムズによって開発された汎用プログラミング言語およびソフトウェアプラットフォームの総称です。
仮想マシンで実行されるためプラットフォームに依存しない開発が可能で、ネイティブアプリ開発だけでなくWebアプリやIoT機器など、さまざまな場面で利用されています。
一度プログラムを記述すればあらゆる環境で実行できる半面、複雑なコーディングルールや特殊な記述が多く、習得難易度が高い点はデメリットと言えます。
VisualBasic
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
業務アプリ |
・WordやExcelといったOfficeスイートとの連携が容易 |
Visual Basicはマイクロソフトが開発したオブジェクト指向のプログラミング言語で、Windowsで動作するGUIアプリケーションの開発が得意です。マイクロソフトが提供しているVisual Studioで開発します。
WordやExcelといったWindowsアプリとの連携も容易で、低コストで便利なアプリケーションを開発できるため人気を集めています。業務アプリケーションの開発によく利用されるため、身近な言語の一つです。
ASP
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・ECサイト ・業務アプリ ・会計ソフト |
・動的にWebページの生成が可能 ・Webベースの業務アプリケーション開発に活用されている |
ASPは「Active Server Pages」の略で、マイクロソフトが開発したスクリプト言語の一つです。サーバーの処理をWebサーバー経由でクライアント側に返し、動的にWebページを生成できます。
データベースとの連携が容易で、ECや在庫管理、会計ソフトなどの業務アプリケーションの開発に利用されています。
【mac】Swift
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・macOSアプリ ・iOSアプリ ・watchOSアプリ ・tvOSアプリ |
・ソースコードがモダンで学習コストが低い ・処理が高速 ・アップル製品全般で動作 |
Swiftは2014年にアップルが発表したオープンソースのプログラミング言語です。先行していたObjective-Cは難解で習得が難しかったのに対し、Swiftはシンプルで初心者でも学習しやすいように設計されています。
Objective-Cと互換性があり、C言語やC++との混在も可能です。処理速度が大幅に高速化されており、ネイティブアプリの特徴を遺憾なく発揮できるようになっています。
アップル製品共通の開発言語であるため、一度習得すればmacOSとiOSの両方でアプリ開発が可能です。また、オープンソース言語であるため、今後の汎用性にも期待が持てます。
【mac】Objective-C
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
macOSアプリ |
・コードが独特で学習コストは高い ・新規のアプリ開発にはSwiftがおすすめだが一部のライブラリなどで Objective-Cのコードを呼び出す場合がある |
Objective-Cは、C言語をベースにオブジェクト指向プログラミングを可能とした上位互換言語です。完全上位互換であるため、C言語で記載されたプログラムもそのままObjective-Cの体系で動作させられます。
macOSに標準付属する公式開発言語で、macOSやiOSで動作するアプリ開発に利用されています。アップルが提供している統合開発環境Xcodeで開発されるケースが一般的です。現在では、アップルが新たに開発した開発言語Swiftにその座を譲りつつあります。
Webアプリ開発に最適なプログラミング言語
Webアプリの開発にはHTML/CSSやJavaScript、Javaなど、さまざまな開発言語が用いられます。
まず、Webブラウザ側で処理され、直接ユーザーの目に触れるフロントエンドの開発言語としてはHTML/CSSやJavaScriptが利用されています。
次に、データベースとの連携や、ユーザーが入力した値の正常性の確認などの処理を行うバックエンドの開発言語としては、PHP・Java・Ruby・Python・Goなどが一般的です。
(ちなみに、フロントエンドの開発を担うエンジニアを「フロントエンドエンジニア」、バックエンドの開発を担うエンジニアを「バックエンドエンジニア」と呼ぶので覚えておきましょう。)
紹介するプログラミング言語
- HTML/CSS
- JavaScript
- PHP
- Java
- Ruby
- Python
- Go
- Rust
- R
HTML/CSS
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・SNS ・ECサイト ・ブログ |
・テキスト主体のSNSやECサイトには必須 ・汎用性が高い |
HTMLは「Hypertext Markup Language」の略で、Webページのテキストの各要素をタグによって識別し、構造を定義する言語です。見出しや改行、本文の内容などが定義されます。
一方CSSは「Cascading Style Sheets」の略で、Webページの装飾を定義します。HTMLがWebページのテキストの構造を定義するのに対し、CSSは色やフォントサイズなどのスタイル面の情報を定義します。
JavaScript
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・SNS ・ECサイト ・動画サイト ・チャット |
・動的コンテンツによりリッチな表現が可能 ・便利なフレームワークが充実 ・セキュリティ面では注意が必要 |
HTML/CSSが静的コンテンツであるのに対し、JavaScriptは動的なコンテンツを作成できるスクリプト言語です。
ポップアップの表示や、ユーザーのWebサイトでの行動に応じた動的なコンテンツ生成を可能とします。jQueryやReactなど、便利な機能をまとめたフレームワークが充実している点もJavaScriptの利点です。
PHP
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・SNS ・ECサイト ・ブログ ・掲示板 |
・データベース連携が容易 ・フレームワークが充実 ・人気CMSであるWordPressに採用されている |
PHPは、HTMLに組み込んで動的にWebページを作成できるスクリプト言語です。WebページとWebページで遷移する際の情報の受け渡しなどを担います。データベースとの連携も得意なので、バックエンドの代表的な開発言語の一つです。
文法がシンプルなので学習コストが低い点も特徴で、Webサイトを作成するうえで必要となる一通りの機能をまとめたフレームワークも充実しています。
ブログやWebサイトを低コストで作成できるコンテンツマネジメントシステムの一つで、人気の高いWordPressでの採用も影響して需要が高まっています。
Java
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・大規模Webサイト ・基幹システム |
・セキュリティが高い ・処理が高速 ・大容量データの処理に適している |
Webアプリ開発におけるJavaはバックエンドを担う開発言語として利用されています。前述のPHPは動作速度が遅く、大容量データの処理には向かないのですが、Javaの処理速度はトップクラスに速く、大容量のデータも難なく処理可能です。
また、開発当初よりセキュリティへの配慮がなされているため信頼性も高く、銀行などの基幹システムにも採用されています。難易度は高く一定のスキルは要求されますが、大規模システムの開発には無くてはならない開発言語です。
Ruby
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・SNS ・ECサイト ・ブログ |
・ソースコードがシンプル ・フレームワーク「Ruby on Rails」の利用で低コストでWebアプリの開発が可能 |
Rubyは日本人のまつもとひろゆき氏により開発され、1995年に公開されたオブジェクト指向スクリプト言語です。Webアプリ開発ではバックエンドの開発言語として利用されており、コードがシンプルで記述性と可読性に優れているため、広く普及しています。特に、Webアプリを作成するためのフレームワーク「Ruby on Rails」が人気です。
Python
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・業務アプリ ・AI開発 ・機械学習 |
・ソースコードがシンプル ・AIや機械学習などの分野に特に強い |
Pythonは汎用性が高く、Webアプリケーションの開発から組み込み開発、統計処理、機械学習など幅広いシーンで利用されています。Webアプリ開発においてはバックエンドの技術として活用されています。コードがシンプルで、少ない工数で多数の処理を行えるメリットが人気です。
一方、PythonはJavaなどのコンパイラ言語(全てのコードを「機械語」に変換してから実行するタイプ)とは異なり、実行時に1行1行機械語に翻訳するインタプリタ言語であるため、実行速度が遅いといったデメリットには注意しましょう。
Go
こんなアプリ開発に |
プログラミング言語の |
・モバイルアプリ ・クラウドアプリ |
・高速処理が可能 ・ツール群の活用で効率的にモバイルアプリや クラウドアプリの開発が可能 |
GoはGoogleが開発し2009年にリリースした比較的新しいプログラミング言語で、シンプルな記述による高速処理などが注目されています。高速処理可能だという点が重要視されバックエンドの開発言語として人気です。人気動画配信サイト「YouTube」でも採用されています。
また、Go mobileやGo cloudといったツール群が提供されており、モバイルアプリやクラウドアプリ開発も容易にできるようになっています。
Rust
こんなアプリ開発におすすめ |
プログラミング言語の特徴 |
|
|
Rustは、2015年に誕生したプログラミング言語です。Webブラウザの「Firefox」を開発している団体「Mozilla」によって、Webブラウザエンジンを実装するためにRust言語がリリースされました。
C言語やC++言語では、バッファオーバーラン(一時記憶領域に、想定以上の長さのデータが入力されること)などのバグをコード中に埋め込んでしまう場合があります。
Rust言語は、C言語やC++言語の上記問題点を克服するように設計された言語です。Rustの特長は、処理が高速で、プログラムのメモリ安全性を自動的に検査してくれること。また、言語自体に単体テストの仕組みがあることも魅力です。近年、ソフトウェアを堅牢に開発できるプログラミング言語として、産業界で幅広くRustが使用されるようになりました。
R
こんなアプリ開発におすすめ |
プログラミング言語の特徴 |
|
|
Rは、1995年に、S言語(AT&Tベル研究所で開発されたデータ解析用言語)をベースに開発されたプログラミング言語です。近年、データ解析やAI(人工知能)・機械学習の需要が伸びたことで注目されるようになりました。
Rは統計解析に向いている言語であり、主にデータサイエンスの分野で利用されています。R言語の魅力は、集計データのグラフを作成する機能が備わっていることです。なお、AIや機械学習の分野でもR言語が活用されており、Pythonと併用して使われるケースもあります。
また、RStudio社が開発したパッケージ「shiny(シャイニー)」によって、GUIのWebアプリを簡単に作れることもR言語の特長です。今後、ビッグデータの活用が進み、AI・機械学習といったテクノロジーが進化すると、さらにR言語の需要が増すことが予想されます。
クロスプラットフォーム開発ができるフレームワーク
現在、スマートフォン向けのOSはアップルのiOSとGoogleのAndroidがシェアを二分しています。従来、両OSで同一のアプリをリリースする場合、開発言語の違いにより2倍の開発コストがかかっていました。しかし現在では、効率的に双方のOSで動作するアプリが開発できるよう、便利なフレームワークが登場しています。
このような、異なるプラットフォームでも動作するアプリをクロスプラットフォームと言います。ここでは、主要なクロスプラットフォームをご紹介します。
Flutter
Flutterは2018年にGoogleからリリースされたモバイルフレームワークです。JavaScriptの代替言語として開発されたDartという言語でプログラミングし、Google製の統合開発環境であるAndroid Studioで開発を行います。iOSとAndroid向けの豊富な標準UIを持っているため、クロスプラットフォームのネイティブアプリ開発を効率的に進めることができます。
関連記事:Flutter(フラッター)とは?アプリ開発に取り入れるメリットを解説
React Native
React Nativeは、Facebookによって開発されたWebフレームワークであるReactのネイティブアプリ版としてリリースされました。ReactがWebアプリを開発するためのJavaScriptライブラリだったのと同様、React NativeもJavaScriptで開発されます。
Reactの使用経験のあるエンジニアは違和感なくクロスプラットフォームのアプリケーションを開発できます。Reactの発展形であるため、Webアプリケーションとの親和性が高い点も特徴です。
Xamarin
Xamarinはマイクロソフトが提供しているクロスプラットフォームフレームワークです。開発言語としてはC#が用いられ、マイクロソフト製の統合開発環境Visual Studioで開発を行います。
iOSやAndroidといったモバイル向けアプリだけでなく、WindowsやmacOSのアプリも共通のプラットフォームで開発できます。
Unity
Unityはゲームに特化したゲーム開発プラットフォームです。2Dだけでなく3Dグラフィックも扱える点が特徴です。開発言語としてはC#を採用しています。オープンソースではないため、商用利用では月額料金がかかります。
モバイル端末やパソコンだけでなく、PlayStationやNintendo Switchなどのゲーム機でも動作することが特徴です。
ハイブリッドアプリ開発
上記以外にも、ハイブリッドアプリもコンテンツをWebから取得するという特性から、クロスプラットフォームに向いています。
開発言語についても、前述のクロスプラットフォームフレームワークが採用されるパターンが多く、JavaやSwiftといったデバイスごとのネイティブアプリ向け言語を知らなくても開発が可能です。
ハイブリッドアプリの開発にはクロスプラットフォームフレームワークが採用されるケースが多いため、HTML/CSSやJavaScriptといったWebアプリ向けの言語で開発できます。
Javaなどのネイティブアプリ向け開発言語は学習コストが非常に高いため、Webアプリ向けの言語だけで開発できるのは大きな利点です。
アプリ開発をするならどの種類のアプリがおすすめ?
デバイスの機能をフル活用しリッチな表現が可能なネイティブアプリは、ユーザー体験を高めてくれます。その一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 開発コストが嵩む
- OSアップデートの影響を受けやすい
- プラットフォームの審査を受ける必要がある
- 課金に手数料が発生する
アプリ開発の予算が限られる場合、豊富なフレームワークで低コスト開発が可能なWebアプリで認知度を高めましょう。その後軌道に乗った段階で、ネイティブアプリやハイブリッドアプリをリリースする流れがおすすめです。
【目的別】アプリ開発に必要な費用・相場
ここまでアプリ開発に必要なプログラミング言語スキル・ツールについて紹介してきました。
自分に必要なスキル・ツールがわかり、いよいよアプリを開発する段階になったとき、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。簡単なイメージを紹介していきましょう。
内製(社内)でアプリ開発をする場合の費用相場
内製でアプリ開発をする場合は、エンジニアやプログラマーの人件費が主な費用となります。
企業により異なりますが、月間で~50万円ほど。の報酬(コスト)が発生するイメージです。技術力の高いアプリ開発者であればさらに費用は上乗せされます。
また、大がかりなアプリ開発プロジェクトの場合、チームが組織され、さらにディレクターやデザイナーも必要になるため費用はさらに増えていきます。
外注でアプリ開発をする場合の費用相場
アプリ開発を外注する場合の費用相場です。一例ですが、相場の目安としては以下になります。
※開発するアプリの種類によって異なります。
- メディア系アプリ:180万円~
- EC系アプリ:200万円~
- 店舗系アプリ:200万円~
- 管理ツール系アプリ:200万円~
- SNS位置情報系アプリ:300万円~
- ゲームアプリ:800万円~
- 金融系アプリ:1,000万円~
アプリ開発のコストの大部分はエンジニアやデザイナーなどの人件費です。
人件費・人月単価の相場には幅がありますが、イメージとしては人件費および人月単価の相場は100万円前後となります。
なお、アプリ開発の依頼先がフリーランス、中小企業、大手企業によっても必要な費用は変わってくるので注意しておきましょう。
発注者がアプリ開発言語を知っておく意味
アプリの発注者は、各開発言語の細かな言語仕様などを把握しておく必要はありません。ただし、開発言語の概要やメリット・デメリットといった特徴を知っておくことは非常に大切です。なぜなら、発注先の選定や要件定義、発注先との連携において、開発言語の基礎的な知識を持っているとスムーズに進められるためです。
この章では、発注者がアプリ開発のプログラミング言語を知っておくメリットについて具体的に解説します。
発注先選びに役立てられる
アプリケーションの多様化に伴い、開発言語もさまざまな種類が登場しています。
各アプリ開発会社はすべての開発言語に精通しているわけではなく、それぞれ得意とする開発言語が異なっているため、開発時に使用したい開発言語を得意としている開発会社を調査・選定しなければなりません。
その際、当該開発言語での開発事例を確認し、実績のある企業に依頼する必要がありますが、こういった調査・選定を行うためにも、アプリ開発言語の基礎的な知識が必要です。
アプリ開発者の実力を把握できる
アプリのプログラミング言語を理解しておくことで、開発会社の選定とあわせて、アプリ開発にアサインされる担当者のスキルや実力を正確に把握できる点もメリットです。
開発担当者は自身のポートフォリオ(アプリ開発実績)を公開している場合が多く、実績からどのような言語を使いどの程度のアプリを開発ができるのか理解できるようになります。
アプリの品質は開発担当者の能力に大きく左右されるため、スキルと実績の把握はアプリ開発を円滑に進めるうえで重要です。
アプリの要件設定に役立てられる
アプリ開発において、まず必要となるのが「要件定義」です。要件定義とは、アプリに必要な機能や性能を列挙し、どのような技術を使って実現するかを明確にする作業です。このステップで間違いや漏れがあると、完成したアプリに欠陥が生じてしまいます。
この要件定義の際、どの言語がどんな特徴を持っているかなど、アプリ開発言語に関する知識を持っておくことで、設計がスムーズに進められるでしょう。
関連記事:システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!
エンジニアや発注先とのコミュニケーションが円滑になる
要件定義が完了した後も、アプリ開発では自社の開発部隊のエンジニアや発注先と綿密に連携を取る必要があります。日々の進捗確認から仕様変更、各種レビューなどがこれに当たります。アプリケーション開発は発注先のみで行われるのではなく、発注元も積極的に関わる必要があるのです。
発注者が開発言語の基礎知識を持っておくことで、発注先の提案や説明に対する理解度が高まり、仕様や機能に関するコミュニケーションがスムーズに進められるようになります。
アプリ開発で重要なセキュリティ対策
アプリ開発では、ユーザーが安心して利用できるようセキュリティ対策を講じることも重要です。
具体的なセキュリティ対策は、以下のようなものです。
- 適切な認証基盤を用いる
- SSL/TLSによる暗号化通信を行う
- 不要な情報を扱わない
適切な認証基盤を用いる
アプリの品質を向上させるためにも、適切な認証基盤を用いましょう。認証基盤によって、アプリのセキュリティが変わります。
認証基盤とは、IDやパスワードなどユーザーの認証手段を1箇所に集約するためのものです。利用するID・パスワードが増えても管理しやすくなり、ユーザー・企業双方の負担を減らしつつセキュリティも強化できます。
代表的な認証基盤は、以下のものです。
- オンプレミス:自社内でシステムを保有し運用
- クラウド認証基盤:認証と認可をクラウド上で行う
作成するアプリの動作環境を考慮し、適した認証基盤を選びましょう。
SSL/TLSによる暗号化通信を行う
SSLやTLSを活用し、暗号化通信を行いましょう。データを暗号化し通信することで、不正アクセスや情報漏洩の防止につながります。
SSL・TLSで暗号化通信を行えば、クレジットカード情報や個人情報も安全に取り扱えます。アプリの利用でクレジットカード情報・個人情報を求めるなら、SSL・TLSの実装は効果的です。
また、Googleは暗号化通信を重視しており、SSLやTSLを実装しユーザーの安全を守っているWebサイトは高く評価されています。
同じようにアプリでも安全性が求められるため、セキュリティ強化のためSSL・TLSの活用を検討しましょう。
不要な情報は扱わない
アプリでは、不要な情報は扱わないようにしましょう。個人情報や金融機関情報など情報入力を多く求めると、その分セキュリティリスクが高まるためです。
特にクレジットカード情報や個人情報は狙われやすく、サイバー攻撃の標的になる恐れがあります。
扱うユーザー情報が増えればその分セキュリティ対策も多く必要となり、管理が難しくなります。
ユーザーに求める情報入力は、本当にアプリに必要なものかを確認した上で決めましょう。
アプリ開発の流れ
アプリ開発は、以下の流れで行います。
- 使用する開発言語を決める
- フレームワークを選ぶ
- 開発環境を構築する
- アプリを公開する
使用する開発言語を決める
アプリ開発で使用する開発言語を決めましょう。主流の開発言語は、以下の通りです。
- PHP:Web業界で最もシェアが高い
- Python:AIの分野でも活躍する言語
- JavaScript:アプリ開発向けの優秀なフレームワークが多数
- Java:オプジェクト志向の言語で、どのような環境にも適している
- Ruby:シンプルな文法により綺麗に整ったプログラムの作成が容易
それぞれの開発言語により、向いている開発は異なります。開発したいアプリに合わせて、使用する言語を決めましょう。
フレームワークを選ぶ
アプリ開発で使用するフレームワークを選びましょう。フレームワークとは、アプリやシステム開発に必要な機能をパッケージ化したものです。
主要開発言語ですと、以下のようなフレームワークがあります。
- Laravel(PHP):さまざまなツールで利用可能
- Django(Python):サードパーティー性アプリとの連動が柔軟で拡張性が高い
- Angular(JavaScript):コードの変更と記述を単純化するコンポーネントが豊富
- Ruby on Rails(Ruby):Web開発を効率化する豊富な機能を搭載
フレームワークを使うことで、作業を効率化し迅速なアプリ開発が可能です。使用する開発言語に合わせて、人気のフレームワークを活用しましょう。
開発環境を構築する
開発環境は、アプリ開発に必要なソフトウェアやツールの利用によって構築できます。主な構築内容は、以下の通りです。
- プログラム実行環境の用意
- 開発言語、フレームワークをインストール
- プログラムを書くエディタや統合開発環境の準備
適した開発環境は、アプリによって異なります。SourceTreeやGitHubといったサービスを活用し、適した開発環境を構築しましょう。
なお、複数人での開発を前提としている場合は、バージョン管理の仕組みを導入するのも有効です。
アプリを公開する
アプリ開発が終了しましたら、インターネット上に公開します。レンタルサーバーを借りて公開するだけでなく、AWSやMicrosoft Azureなどのプラットフォームを活用するのもひとつの手です。
アプリストアにも公開できますが、審査に時間がかかるため余裕を持って申請すると良いでしょう。
また、アプリを利用してもらうため顧客への告知も重要です。最低でも半年前には自社サイトやSNSで告知し、利用してもらえるようにしましょう。
アプリ開発を失敗させないための注意点
最後に、アプリ開発時の注意点もいくつか紹介しておきましょう。
アプリの運用費用も見込んでおく
アプリを開発する費用に加えて、アプリの運用費用も必要となります。システムの規模によって変わってきますが、継続的にメンテナンスコストも必要になることを覚えておきましょう。
アプリの開発は安く済んでも、運用費用が思いのほか高くなってしまうと、ビジネスの利益を圧迫してしまいます。
アプリの開発から運用まで長期支店での計画を作成しておきましょう。
権利侵害を防ぐ
アプリ開発を進めていると、意図せず他人の権利を侵害してしまう場合があります。
例として、インターネット上で見つけたキャラクターの画像を使ってアプリを作ったが、実は著作権を侵害していたという場合が考えられます。
また、アプリのデザインやプログラムしたソースコードも著作権の対象となります。
あらかじめ法律に詳しい専門家からアドバイスをもらうと安心です。
要件定義は丁寧に実施する
アプリの要件定義(設計)の段階で、必要な要素は漏れなく検討しておきましょう。
アプリ開発の失敗例として、要件定義を丁寧に作らなかったために、アプリを開発し終えてから重大な欠陥が見つかり、修正のために時間と費用がさらにかかってしまったというケースもあり得ます。
根本的な抜け漏れがあると、一から作り直しという笑えない結果になりえるため、もし自社に専門的なノウハウがないなら開発実績の多いアプリ開発会社に相談しておくことを強くおすすめします。
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アプリ開発に必要なスキル、知識、プログラミング言語選びまとめ
この記事ではアプリ開発におけるプログラミング言語の概要と特徴をご紹介しました。アプリ開発を外注する際も、外注先の選定や要件定義、エンジニアとのコミュニケーションなどに開発言語の知識は欠かせません。
アプリ開発を進めるにあたって
「最適なアプリの種類がわからない」
「どの開発言語で進めれば良いのかわからない」
「要件はだいたい決まったが開発会社が選べない」
とお悩みの方は、ぜひシステム幹事へご相談ください。アプリ開発の専門コンサルタントが御社のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な要件設定と候補企業のご提案をいたします。
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岩田
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Q. スマホのアプリ開発に適したプログラミング言語には何がある?
スマホのアプリ開発に適したプログラミング言語として「Swift」「Objective-C」「Kotlin」「Java」等があります。それぞれの特徴については記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
株式会社Pentagon
専門分野: スマートフォンアプリの開発
東京都のスマホアプリ専門の開発会社。代表が2013年からスマートフォンアプリの開発を行っている。デザイナーが制作をリードし、デザイン性に優れた使いやすいアプリを制作するのが得意。特に、SNSアプリやCtoCアプリの領域において開発実績が豊富にある。
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