個人でアプリ制作する方法|開発の手順や必要な環境・プログラミング言語を解説!

個人でアプリ制作する方法|開発の手順や必要な環境・プログラミング言語を解説!

アプリで実現したいアイデアはある。しかし、個人でもアプリ制作は可能なのか?アプリ開発にはなにが必要なのか?そんな方に向け、開発に必要な環境、プログラミング言語から手順まで、個人でアプリ制作するための基礎知識を解説していきます。

なお、アプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】アプリ開発会社を紹介してもらう

目次
  1. 1. 個人でもアプリ制作は可能なのか
    1. 1-1. 主なアプリの種類
    2. 1-2. モバイルアプリの種類
  2. 2. モバイルアプリ制作に必要な環境と費用の目安
    1. 2-1. iOSアプリ制作に必要な開発環境
    2. 2-2. iOSアプリ公開に必須のApp Store
    3. 2-3. Androidアプリ制作に必要な開発環境
    4. 2-4. Androidアプリ公開に必須のGoogle Play
    5. 2-5. ゲームアプリ制作に必要な開発環境
  3. 3. モバイルアプリ開発で利用されるプログラミング言語
    1. 3-1. Swift(iOSアプリ)
    2. 3-2. Kotlin(Androidアプリ)
    3. 3-3. Java(Androidアプリ)
    4. 3-4. C#(ゲームアプリ)
  4. 4. モバイルアプリ制作の開発手順
    1. 4-1. モバイルアプリの企画 / 目的の明確化
    2. 4-2. 設計図の作成 / 素材の収集
    3. 4-3. プログラミング
    4. 4-4. テスト
    5. 4-5. モバイルアプリを公開
  5. 5. モバイルアプリにバックエンド機能を追加するには
  6. 6. 個人のアプリ制作におすすめの選択肢
    1. 6-1. ノーコードツールでネイティブアプリ制作
    2. 6-2. Web技術でハイブリッドアプリ制作
  7. 7. 【まとめ】個人でアプリ制作する方法を紹介しました

個人でもアプリ制作は可能なのか

そもそもアプリとは、アプリケーションソフトウェアの略称です。アプリケーションソフトウェアとは、ある特定の機能を実行させるため「OSの機能を応用(Application)するプログラム」のこと。たとえば、Webページを閲覧するためのWebブラウザ、ドキュメントを作成できるGoogleドキュメントなどがアプリに該当します。

複数メンバーでチーム開発するイメージの強いアプリ制作ですが、個人で開発することも可能です。ただし、PCにインストールするWebブラウザ、クラウドで利用するGoogleドキュメントなどに代表されるように、アプリは実に多種多様。どのようなアプリを制作するかによっては、個人での開発が適切だとはいえない場合もあります。

主なアプリの種類

アプリの種類

特徴

業務アプリ

クライアントPCとサーバをネットワーク接続して利用するタイプのアプリ。

クライアントサーバモデルとも呼ばれる

デスクトップアプリ

デスクトップPCのOSにインストールして利用するタイプのアプリ

Webアプリ

インターネット経由でサーバにアクセスし、

端末のWebブラウザで閲覧 / 操作するタイプのアプリ

モバイルアプリ

スマートフォン / タブレット端末にインストールして利用するタイプのアプリ

 主なアプリの種類のなかでも、個人での開発に向いていると考えられるのはモバイルアプリです。たとえば、多機能が求められるデスクトップアプリ開発には高度なスキルが必要。アプリ開発以外にも、サーバ構築やインフラ整備の必要な業務アプリ / Webアプリは、チームでの開発に向いています。

 一方、機能をシンプルにまとめやすいモバイルアプリなら、プログラミングスキルに乏しい個人でも開発可能。大規模開発になるケースは少ないため、多くの個人がモバイルアプリ制作に参入しています。

モバイルアプリの種類

ただし、端末にインストールするという共通点はあるものの、モバイルアプリは大きく「ネイティブアプリ」「ハイブリッドアプリ 」「PWA」の3つに分類できます。

モバイルアプリの種類

特徴

ネイティブアプリ

特定のモバイルOSで動作することを目的としたアプリ。

iOS / Androidアプリ。動作が高速、オフラインでも利用可能な一方、

OSに特化した開発環境を整える必要がある

ハイブリッドアプリ

モバイルOSの「WebView機能」とWeb技術を応用したアプリ。

1つのアプリでiOS / Androidどちらでも動作し、

Web技術を流用できる一方、動作が重くなる傾向にある

PWA

Webアプリをそのまま「モバイルアプリ」として端末にインストールする技術。

ストアを経由せずにインストールできることが特徴

 比較的新しい技術であるPWAは、インストールの前提となるWebアプリが必要。このため、個人がゼロからモバイルアプリを制作するのなら、ネイティブアプリ / ハイブリッドアプリのどちらかを選択することが一般的です。

 本記事では、モバイルアプリの主流である「ネイティブアプリ」を中心に、個人でアプリ制作する方法を解説していきます。

 ネイティブアプリの開発については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:ネイティブアプリ開発のメリット|必要な言語・環境・向いている業種も解説

【無料】アプリ開発会社を紹介してもらう

モバイルアプリ制作に必要な環境と費用の目安

モバイルアプリ制作には、大前提となるインターネット環境のほか、開発ターゲットとなるOSに適した環境を整えなければなりません。以下から「iOSアプリ」「Androidアプリ」「ゲームアプリ」それぞれに必要な環境、および環境整備にかかる費用目安を簡単に解説していきます。

iOSアプリ制作に必要な開発環境

iOSアプリを制作するには、最低限、以下の環境が必要です。

  • 8GB以上のメモリを搭載したMac
  • テスト用のiPhone端末、もしくはエミュレータ
  • Xcode
  • アプリの登録 / 公開に必要なApp ID

App Storeで公開するiOSアプリを制作するには、IDE(統合開発環境)である「Xcode」が必要です。Xcodeにはアプリのビルドを含む開発ツールが統合されているため、macOSアプリやiPadアプリ、Watchアプリなども開発可能。無償でダウンロードできますが、XcodeをインストールするにはMacが必要です。

高価なMacを導入するのはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。しかし、最新のmacOSが動作し、8GB以上のメモリを搭載するMacなら、高スペックのものでなくても問題ありません。1〜2世代前の中古品を含め、10万円程度の予算でMacを調達可能です。

テスト用のiPhone端末がなければ、Xcodeのエミュレータを利用することも可能ですが、アプリの完成度を高めるためにも実機でのテストをおすすめします。

Xcode

Xcode

画像出典:Apple

iOSアプリ公開に必須のApp Store

制作したiOSアプリを公開するには、Apple Developer Programに参加し、App Storeへアプリ登録しなければなりません。大まかな手順は以下の通り。

  • Apple Developer Programに参加
  • App Identifire(App ID)の作成
  • 証明書・プロビジョニングプロファイルの作成
  • App Store Connectにアプリ情報を登録
  • iOSアプリをアップロード
  • 審査を経て公開・リリース

Apple Developer Programの年間登録料は99ドル。プログラム参加時だけではなく、毎年99ドルの支払いが必要です。

参考:Apple Developer Program

iOS・iPhoneアプリ開発については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:iPhone・iOSアプリ開発ガイド|必要なもの・種類・言語・開発環境・方法など徹底解説

Androidアプリ制作に必要な開発環境

Androidアプリを制作するには、最低限、以下の環境が必要です。

  • 8GB以上のメモリを搭載したPC、またはMac
  • テスト用のAndroid端末、またはエミュレータ
  • Android Studio
  • Google Playデベロッパーアカウント

従来のAndroidアプリ制作は、複数のツールを組み合わせて環境を構築していましたが、現在ではAndroid StudioをIDEとして利用する場合がほとんど。テンプレートを利用し、最小限のコードでAndroidアプリを制作できる上、無償でダウンロード / インストールできます。

また、MacにインストールできることもAndroid Studioの特徴。Androidアプリだけでなく、iOSアプリも制作した個人の方なら、Macを用意することで「Xcode」「Android Studio」双方を利用できます。Windows PCなら費用を抑えられますが、中古を含め、Macの購入を検討した方がいいでしょう。

Android Studio

Android Studio

画像出典:Android Developers

Androidアプリ公開に必須のGoogle Play

開発したAndroidアプリを公開するには、Google Playデベロッパーアカウントを作成してアプリを登録しなければなりません。大まかな手順は以下の通り。

  • Google Playデベロッパーアカウントを作成
  • デジタル署名したアプリのパッケージファイルを用意
  • GooglePlayにアプリを登録
  • 承認を経て公開・リリース

Googleデベロッパーへの参加にも費用は発生するものの、登録時のみであることがApp Storeとの違い。登録料も25ドルと比較的安価です。

参考:Google Play Console

Androidアプリ開発については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:Androidアプリ開発に必要な環境・言語・手順

ゲームアプリ制作に必要な開発環境

Xcode / Android Studioを活用することも可能ですが、本格的にゲームアプリを制作したい個人の方には、ゲームエンジン「Unity」の活用がおすすめ。マルチプラットフォーム対応のUnityなら、iOS / Androidだけでなく、Win / Mac / Xbox / Play Station対応のゲームアプリを制作できます。

月額185ドルから(年間プラン)の「Unity Pro」のほか、無償で利用できる「Personal」も選択可能。無償版でも2Dはもちろん、リッチな3Dゲームアプリを制作できます。

Unity

Unity

画像出典:Unity

【無料】アプリ開発会社を紹介してもらう

モバイルアプリ開発で利用されるプログラミング言語

モバイルアプリ開発で利用されるプログラミング言語

Xcode / Android Studioにはテンプレートが付属しており、簡単なものであれば最小限のソースコードを記述するだけでアプリを開発可能です。しかし、思う通りにアプリの動作をコントロールしたいなら、開発するアプリに適したプログラミング言語の習得が必須。

以下から、iOS / Android / ゲームアプリ、それぞれで利用されている主要なプログラミング言語を紹介していきます。

Swift(iOSアプリ)

「Swift」とは、Appleが開発したオブジェクト指向のコンパイラ型プログラミング言語のこと。Appleの主要開発言語「Objective-C」を置き換える形で2014年に発表され、翌年以降はオープンソースとして公開。iOSアプリの主要開発言語として世界中で利用されているほか、macOSアプリを含むApple製品向けアプリも開発できます。

モダンなコンパイラ言語でソースコードもシンプルなSwiftは、動作が高速で初心者でも学びやすいという特徴を持ちます。iOSアプリを開発したい方には必須の言語ではありますが、Apple製品向けアプリ開発以外の汎用性は高いとはいえません。

Kotlin(Androidアプリ)

「Kotlin」とは、2011年に発表されたオブジェクト指向のコンパイラ型プログラミング言語のこと。JVM(Java仮想マシン)で動作する、JavaのコードをKotlinで呼び出せるなど、Javaとの親和性の高さが特徴です。

Androidアプリの開発言語としてGoogleから推奨されるなど、事実上の標準言語として世界中で利用されており、コードがシンプルなため学習しやすいこともポイント。ただし、Androidアプリ開発に特化した側面があるため、汎用性は高くありません。

Java(Androidアプリ)

「Java」とは、1995年に発表されたオブジェクト指向のコンパイラ型プログラミング言語のこと。JVMで動作するコンピューティングプラットフォームという一面を持ち、OSを問わず、JVMの動作する環境すべてに対応するマルチプラットフォームを実現しています。

Kotlin登場以前は、Androidアプリ開発の主要言語として利用されており、Javaで開発されたAndroid Studioとの親和性も抜群。Androidアプリ以外にも応用できる汎用性の高さもJavaの特徴ですが、Kotlinに比べると学習コストは高めです。

Javaを使ったAndroidアプリ開発については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:JavaでAndroidアプリ開発するには?Android Studioのインストールや設定方法も解説

C#(ゲームアプリ)

「C#」とは、Microsoftが開発したオブジェクト指向のコンパイラ型プログラミング言語のこと。名称からC / C++の後継に思われがちですが、2000年に公開された比較的新しい言語であり、C / C++との互換性もありません。.NETを仮想マシンとして利用するなど、どちらかというとJavaに近い特徴を持つマルチプラットフォーム言語です。

コンパイラ型ならではの高速処理、Javaよりも高機能かつ高い汎用性を持ち、Unityのデフォルトに設定されるなどゲームアプリ開発には欠かせない言語です。ただし、Swift / Kotlinはもちろん、Javaと比較しても学習コストは高め。初心者が習得するには時間を要します。

モバイルアプリ制作の開発手順

モバイルアプリ制作の開発手順

iOS / Android / ゲームアプリ制作に必要な開発環境、プログラミング言語を把握できたところで、モバイルアプリ制作の開発手順を簡単に解説していきましょう。どのような種類のアプリを制作するにしても、大まかな流れは以下の通りです。

モバイルアプリの企画 / 目的の明確化

どのようなプラットフォームで、どのようなアプリを制作するのか。アプリ制作の目的を定め、ゴールを達成するため「モバイルアプリの企画」を立案しましょう。個人で楽しみながらアプリ制作したい場合でも、目的意識を持って企画書を作成することは重要。企画書があれば、迷走することなくアプリ開発を進められるからです。

アプリ開発の企画書については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:アプリ開発の企画書の役割・作り方・盛り込みたい項目

設計図の作成 / 素材の収集

企画書をもとに、画面レイアウト / 遷移、機能のわかる設計図を作成し、制作するアプリに必要なロゴ、画像、ボタンなどの素材を収集します。個人でアプリ制作するのであれば、手書きの設計図があれば充分。ユーザビリティを考えながらシンプルにまとめることがポイントです。

ロゴ / ボタンなどの素材は、Photoshop / Illustratorなどで自作する方法のほか、素材サイトなども利用可能。アプリの動作が重くならないよう、画像を圧縮するなどの工夫も必要です。

プログラミング

設計図、素材が揃ったら、制作するアプリに適した開発環境を構築し、プログラミングに取りかかります。書籍、オンラインスクールなど、プログラミング言語の学習は、いくつかの方法から選択可能。たとえば、iOSアプリであれば「Swift Playgroundアプリ」を活用し、学習しながらアプリ開発できます。

テスト

完成したアプリの動作に問題がないか、テストを実施します。XcodeやAndroid Studioのシミュレーターを活用する方法もありますが、iPhone / Android端末を使ったテストの実施がベスト。ユーザーの立場でアプリの使い勝手を確認できます。

モバイルアプリを公開

制作したアプリに問題がなければ、App Store / Google Playに登録し、審査を経て公開です。アプリストアへ公開するには、Xcode / Android Studioで登録可能な形式へアプリをビルドしておく必要があります。

モバイルアプリにバックエンド機能を追加するには

スマートフォン本体の機能のみ利用するシンプルなものであれば、ネイティブアプリの開発のみで問題ありません。しかし、プッシュ通知を送りたい、ユーザー情報を管理したいなど、高度なアプリを制作するには「バックエンド機能」が必要です。

具体的には、モバイルアプリとWeb APIで連携し、必要な機能を提供するプログラムを開発し、外部サーバで運用する必要があります。実装したい機能にもよりますが、個人で制作するアプリでは、費用対効果の面でAWSなどのパブリッククラウドは使いにくいことも事実。

そんな場合に利用を検討したいのが、mBaaS(mobile Backend as a Service)です。mBaaSとは、文字通りモバイルアプリ向けのバックエンドサービス。管理・保守の不要なサーバレス環境が用意され、多彩なツールから必要なものだけをチョイス可能。代表的なサービスとしては「Firebase」が挙げられます。

Firebase

Firebase

画像出典:Google

Firebaseの詳細については以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:アプリ開発を効率化するFirebaseとは?活用するメリット・注意点・アプリとの関係性を解説

個人のアプリ制作におすすめの選択肢

個人でアプリ制作してみたいが、プログラミング言語を学習するのはハードルが高すぎる。そんな方であれば、アプリ制作ツールを活用するのも1つの方法です。

ノーコードツールでネイティブアプリ制作

ノーコードツールとは、ソースコードを記述することなく、アプリ開発できるツールのこと。パーツをドラッグ&ドロップで配置し、必要な機能を定義していくだけのため、プログラミングスキルの乏しい初心者でもモバイルアプリを制作可能。

たとえば、アプリプラットフォーム「yappli(ヤプリ)」なら、iOS / Androidのネイティブアプリをノーコードで制作可能。50以上の機能を組み合わせることで、店舗 / 施設、EC向けアプリを開発できるため、簡単にモバイルアプリを制作したい法人の方にもおすすめです。

yappli

yappli

画像出典:yappli

Web技術でハイブリッドアプリ制作

Webサイト / アプリの開発経験はあるが、SwiftやKotlinを学習する時間はない。そんな方であれば、Web技術を応用できるハイブリッドアプリ制作がおすすめ。端末のWebView機能を利用するハイブリッドアプリなら、HTML / CSS / JavsScriptで制作可能です。

たとえば、アプリ開発プラットフォーム「Monaca」なら、ハイブリッドアプリ制作だけでなく、既存のWebアプリを活用したPWAも制作可能。アプリ制作を支援してくれる、開発サポートサービスが充実していることもポイントです。

Monaca

Monaca

画像出典:Monaca

【まとめ】個人でアプリ制作する方法を紹介しました

アプリで実現したいアイデアはある。しかし、個人でもアプリ制作は可能なのか?アプリ開発にはなにが必要なのか?そんな方に向け、開発に必要な環境、プログラミング言語から手順まで、個人でアプリ制作するための基礎知識を解説してきました。

開発環境さえ整えれば、個人でアプリ制作することはそれほど難しくありません。ただし、知識 / スキルによっては、学習に時間とコストを費やす必要があり、アプリが完成する頃にはアイデアが古くなってしまうことも。できる限り早くアイデアを形にしたいニーズがあれば、アプリ開発会社に依頼することも1つの方法です。

なお、アプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】アプリ開発会社を紹介してもらう