- 更新日 2024.02.27
- カテゴリー 業務システム
ワークフローシステム導入の手順|導入で気を付けるポイントも【2024年最新版】
「いい加減、紙ベースの業務フローを効率化したい」と考える企業担当者は多いのではないでしょうか。
しかし、いざワークフローシステムを導入しようとしても、
- ワークフローシステムの導入手順がわからない
- どのワークフローシステムがいいのかわからない
-
ワークフローシステムで自社の課題を解決できるのかイメージがわかない
といった悩みも出てきます。本記事では上記の悩みを解決するワークフローシステムの導入手順や選び方、導入成功のポイントを解説します。ぜひご活用ください。
※ワークフローシステムを導入すべきか迷っている、どのシステムを選ぶべきかわからないという方はシステム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
ワークフローシステムとは
「ワークフローシステム」とは、稟議や決裁などの申請・承認フローを電子化したものです。英語では「Workflow Management System (WFMS)」と呼ばれます。申請者と承認者はシステム上で「申請」および「承認・決済」ができ、関係者は承認状況がひと目で確認できるようになります。
紙ベースのワークフローでは、承認状況が可視化されずフローの停滞を招きがちです。それだけでなく、申請書の回付に社内便を使う場合はタイムラグも発生します。
ワークフローシステムを導入すれば、承認までの時間短縮のほか、コンプライアンス強化にも役立ちます。また、パソコンやスマートフォンがあればどこからでも作業できるため、承認フローの停滞を防ぎ、業務効率を大幅に改善可能です。
上記のほかにも、ワークフローシステムには様々なメリットがあり、以下で紹介します。
ワークフローシステムを導入するメリット
ワークフローシステムには以下のメリットがあります。
- 業務効率化の向上
- 業務プロセスの見える化
- 申請・承認作業の手間削減
- 紙文書を管理する手間やコストの削減
- 内部統制・コンプライアンスの強化
- 受理完了までの遅延の防止
- 多様な働き方の推進(DX)
従来の紙ベースのワークフローにはない、多くのメリットがあります。
とくにリモートでも業務が進められる点は、業務遂行・管理の面でも大きな恩恵をもたらしてくれるでしょう。
関連記事:ワークフローシステムのメリットについては、「ワークフローシステムのメリットとは?課題や対策、選び方もわかりやすく解説」をあわせてご覧ください。
ワークフローシステムの導入手順
ワークフローシステムを実際に導入するには、どのように進めればいいのでしょうか。
ここでは、ワークフローシステムの導入手順について解説します。
- 導入目的を明確にする
- 導入の担当者を選定する
- 申請・承認フローを洗い出して整理する
- システムへ移行する申請・承認フローを決める
- ワークフローシステムを決める
- ワークフローシステムの設定を行う
- テスト導入する
- 全社で導入する
1.導入目的を明確にする
何を目的としてワークフローシステムを導入するのかが明確ではないと、せっかくシステム導入をしても
- 想定していた効果が得られない
- 自社の承認フローとシステムが合わず使い勝手が悪い
- あまり従業員に浸透しなくて使われずに終わる
という結果になる可能性があります。
目的がわからない場合は、自社が抱えている課題を洗い出せばよりイメージしやすくなるでしょう。
- 業務スピードが遅く、意思決定に影響が出ている
- 支社間で申請書をやり取りするのに時間がかかっている
- 申請書類を作成・送付・管理するのにコストがかかっている
など、課題を明確にすることで、おのずと目的が見えてくるはずです。
関連記事:具体的にワークフローシステムでどのような課題が解決できるのかがわからないという場合は、「楽楽販売の事例8選|導入で改善される業務を解説」をあわせてご覧ください。
2.導入の担当者を選定する
ワークフローシステム導入を主導する担当者を選定します。担当は情報システム部門に一任するのではなく、管理部門はじめシステムを利用するすべての部門からメンバーを選抜し、プロジェクトチームを結成することをおすすめします。
なぜなら、現場メンバーから管理者まで、システムを利用・運用する人間が納得できるものを選ぶ必要があるからです。部署をまたいでチームを組むことで、より自社にマッチしたワークフローシステムの導入が期待できます。
3.申請・承認フローを洗い出して整理する
プロジェクトチームを結成したら、社内で利用されている申請・承認フローを洗い出します。このとき、フローに問題点や改善点がないかを確認し、同時にどのフローから対応するのか優先順位付けも実施してください。優先順位付けは、改善効果がより高そうなフローから着手するために行います。
フローの問題点や改善点は、各部門の承認者にヒアリングを実施します。
- 実はあまり運用されていない申請がある
- 用途が似ている申請があるのでまとめたい
といった、現場のリアルな課題感を共有してフロー全体を見直すことが重要です。
4.システムへ移行する申請・承認ルートを決める
どの申請・承認フローをシステム化するか、またどのような承認ルートにするかを決定します。
一気にすべてのフローをシステム化することも考えられますが、急激なシステム化は現場に混乱を招きかねません。そのため「よく使われる」「効果が期待できる」承認フローから段階的に移行するのがおすすめです。
また、申請書を利用する部門で
- 申請する人
- 承認する人
- 確認・閲覧する人
が何人いるのかを事前に把握することでどの程度大きなシステムが必要か、費用感もわかります。
5.ワークフローシステムを決める
手順1の「導入目的」と照らし合わせ、自社の課題にあったワークフローシステムを選定しましょう。
比較検討の際には、以下の点もポイントになります。
- 使いやすいか
- 柔軟性があるか
- セキュリティは十分か
- 既存システムと共存できるか
重要なのは、自社で運用している状況が明確にイメージできるシステムであることです。無料トライアルや問い合わせサポートを活用して自社に合ったシステムかを確認してください。
「なんとなく良さそう」で選ぶと失敗する可能性が高くなるため、いくつか候補を出し、比較検討しましょう。
6.ワークフローシステムの設定を行う
システム導入後は各種設定を行います。具体的には以下のような設定です。
- 申請フォーマットの画面設定:申請書に必要な各種入力項目を作成します
- 申請・承認ルートの作成:申請書ごとに承認ルートを作成します
- ユーザー権限設定:ユーザー単位で申請・承認・閲覧・代理申請などの権限を付与します
7.テスト導入する
システム設定まで完了したら、一部の部門で試験的にテストを実施します。
システム導入では大なり小なり課題が出てきます。たとえば、
- 管理者に申請通知が届かない
- 申請項目がわかりにくい、使いにくい
- 適切なユーザー権限が割り振られていない
などが考えられます。部分導入で課題を洗い出し、よりブラッシュアップした状態で全社に導入したほうが社内への浸透もスムーズです。また、トラブルが発生した場合のサポート窓口を設置しておけば、課題の収集が一元化されて対応がスムーズになるのでおすすめです。
8.全社で導入する
テスト導入で問題が解消されれば、いよいよ全社導入に進みます。
誰でもスムーズに利用できるように運用マニュアルを充実させましょう。ほかには勉強会を開催すると理解が進みやすくなります。
本番導入後も細かい改善は必要です。実際に利用した感想をフィードバックしてもらい、改善しながら運用精度を上げていくことで業務スピードがよりアップします。
ワークフローシステム導入成功のポイント
ワークフローシステム導入成功のポイントは以下の2つです。
- ベンダーからのレクチャーを受ける時間を作る
-
利用範囲や権限・役割を明確にする
ベンダーからのレクチャーを受ける時間を作る
テスト導入をする前は、ベンダーからレクチャーを受ける時間を作るようにしましょう。
ベンダーから直接レクチャーを受けることで、より具体的な運用方針が定まるだけでなく、本当に目的を達成できるのかを検証できます。
レクチャーはオンライン・オフライン形式で提供されているものもあります。
利用範囲や権限・役割を明確にする
ワークフローシステムでは、申請者と承認者にそれぞれ適切な権限を与えますが、誰にどこまでの権限を与えるかは要検討です。承認ルートと付与した権限が間違っていると、運用開始時にトラブルの原因になるためです。ほかにも、閲覧権限や編集権限をプロセス単位、申請書単位で細かく設定すれば、不正を防止し内部統制の強化が期待できます。
通常は、社内規定に従って権限を付与することになります。しかし、かならずしも社内規定が適切ではないケースがあるため、社内規定を変更したほうが効率的な承認ルートを作成できるかもしれません。その場合は社内規定を変更することも視野に入れておきましょう。
ワークフローシステムの選び方
ワークフローシステムを選ぶ際には以下の点に注意してください。
- 機能・拡張性は十分か
- 自社に導入形態が合っているか
- コストや使い勝手に問題はないか
機能・拡張性は十分か
導入時には想定していなかった機能が、後から必要になるケースは多々あります。そのため、将来的に必要になるであろう機能を検討すると同時に、ワークフローシステムに搭載されているかを確認しましょう。拡張機能が充実していれば、後から必要になった要件にも柔軟に対応できます。
また、企業が成長する過程で業務プロセスが変化することも考慮したいところです。現場からの要望や承認ルートの見直しが発生した際に、柔軟かつスピーディーに対応できなくては中長期での運用に耐えられないためです。
自社に導入形態が合っているか
ワークフローシステムには、クラウド版とパッケージ版の2種類があります。それぞれ特徴が異なるため、自社で使いやすい導入形態を選ぶようにしてください。
クラウド版
クラウド版は、月額料金制でデバイスを問わず運用するタイプです。カスタマイズ性は高いとはいえず、カスタマイズするには別途費用がかかるケースがあります。導入や乗り換えが短期間で簡単にできるため、スモールスタートで運用したい企業に向いています。
パッケージ版
パッケージ版は、自社サーバーにインストールして運用するタイプです。自社でセキュリティ設定ができ、必要機能のカスタマイズ性が高いのがメリットです。しかし、初期費用は高額に設定されており、メンテナンスは自社で行う必要があります。
コストや使い勝手に問題はないか
ワークフローシステムは、中長期で運用することを前提としたシステムです。そのため、自社の予算に合っているかを確認しておかないと、運用コストが大きくなり維持できない可能性があります。
また、サポート窓口が充実しているか、使い勝手の面も重要です。なにかわからないことがある場合に気軽に問い合わせられると安心して利用できるためです。
ワークフローシステムのおすすめや選び方の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:ワークフローシステム比較企業規模ごと22選!比較ポイント紹介
「どういう製品がいいかわからない」という方はシステム幹事にご相談ください。
ワークフローシステムの導入 まとめ
本記事では、ワークフローシステムについて、導入手順や選び方、導入成功のポイントについて解説しました。
ワークフローシステムを導入すれば、業務スピードを改善できるだけでなくコスト削減も期待できます。ワークフローシステムで承認フローが可視化され、リモートでも対応できるのは大きなメリットとなるでしょう。
まずはワークフローシステムを導入するための目的を洗い出し、自社の課題を解決するシステムの検討から始めてみてはいかがでしょうか。
もし「ワークフローシステムを選ぶ時間がない」「何を選べば良いかわからない」とお悩みの方は、ぜひ「システム幹事」にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリング・ご提案します。相談料はすべて無料です。
コンサルタントのご紹介
岩田
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Q. ワークフローシステムの導入手順は?
ワークフローシステムの導入手順は「?導入目的を明確にする」「?導入の担当者を選定」「?申請・承認フローの整理」「?システム移行の申請」「?承認ルートの決定」「?ワークフローシステムの決定」「?ワークフローシステムの設定」「?テスト導入」「?全社導入」」です。
Q. ワークフローシステム導入成功のポイントは?
ワークフローシステム導入成功のポイントは「ベンダーからのレクチャーを受ける時間を作る」「利用範囲や権限・役割を明確にする」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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