【システム開発の最新トレンド】開発の手法と方法について解説【2024年最新版】

【システム開発の最新トレンド】開発の手法と方法について解説

IT業界は日々進化し続けており、システム開発におけるトレンドの変化も目まぐるしいものがあります。今まで当たり前だったことも古い情報へと変わっていくため、ビジネスでは常に新しい情報をインプットすることが重要です。

・システム開発の最新トレンドは?
・どんな開発手法や方法が注目されている?

本記事では、システム開発の手法と方法のトレンドをご紹介します。おすすめのツールも確認しながら、進化し続けるIT業界の最新情報をチェックしましょう。

※システム開発では発注する側も新しい情報を入手しておくことが大切です。トレンドを押さえながら、自社に合う言語・開発手法を採用できる開発会社を選びましょう。開発会社を自分で探すのが大変という方はシステム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが目的や予算にあった最適な会社をご紹介します。
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目次
  1. 1. システム開発手法のトレンド
    1. 1-1. アジャイル開発
    2. 1-2. 開発チームと運用チームが協力する「DevOps」
    3. 1-3. DevOpsにセキュリティを組み込んだ「DevSecOps」
  2. 2. システム開発方法のトレンド
    1. 2-1. 1.ノンプログラミング
    2. 2-2. 2.マルチプラットフォーム
    3. 2-3. 3.クラウドネイティブ
  3. 3. 【まとめ】最新のシステム開発トレンドをインプットしよう

システム開発手法のトレンド

システム開発手法のトレンド

従来、システム開発で採用されていたのは「ウォーターフォール開発」でした。最初の段階で全体の計画を立てて、開発・実装を後戻りすることなく進める手法です。そのため途中で計画変更ができず、要求ミスや漏れがあると追加費用や納期延長のリスクがありました。

ウォーターフォール開発に代わり、最近注目されている開発手法が「アジャイル開発」です。

アジャイル開発

アジャイル開発

アジャイル(Agile)には「機敏な、素早い」という意味があります。アジャイル開発は従来のウォーターフォール開発と比べて、素早く開発に着手でき、効率的でスピード感ある開発が可能です。

「プロジェクトに変化はつきもの」のという前提で開発が進められ、最初の段階で綿密に仕様を決める必要がありません。仕様変更や機能追加に強く、柔軟に対応できる開発手法です。

開発の流れは、優先度の高い要件から「イテレーション」といわれる小さい機能単位ごとに「計画→設計→実装→テスト」を繰り返し、リリースします。リリースの度に発注側のフィードバックを得ながら、システム開発することが可能です。

前のイテレーションまでのシステムは完成しているため、不具合が発生した場合は、イテレーション内を戻る工数分で対応できます。不具合の影響範囲が小さいうちに修正できるので、被害が少ないうちに対処でき、効率的でスピード感ある開発が可能です。

アジャイル開発が向いているプロジェクト

アジャイル開発は、以下のようなプロダクトに向いています。
・市場の反応を見ながら成長させたい新規事業・サービス開発プロジェクト
・実装する機能の優先度が変更される可能性のあるプロジェクト

具体的には、ECサイトやSNSなどのWebサービス・アプリケーション、モバイルアプリ・ゲームなど、市場動向が予測しにくく、ライフサイクルが早いプロダクトなどです。

アジャイル開発について詳しくは、下記の記事をご覧ください。
関連記事アジャイル開発とは?メリット・デメリット、発注側の注意点を解説
関連記事アジャイル開発のおすすめシステム開発会社11選【2022年最新版】

ウォーターフォール型の開発が向いているプロジェクトもある ウォーターフォール型の開発は開発全体のプロセスを事前に計画しやすく、機能要件や仕様が明確なプロジェクト、予算・納期に余裕のある大規模プロジェクトには向いています。詳細は下記の記事を参考にしてください。
関連記事ウォーターフォール型システム開発とは?開発工程・メリットなどを解説!

開発チームと運用チームが協力する「DevOps」

「DevOps」

アジャイル開発が主流になる近年、新たに注目されているのが「DevOps(デブオプス)」です。

DevOpsはDevelopment(開発)とOperations(運用)を組み合わせた造語で、「開発チームと運用チームが連携・協力しながらスピーディーに開発を行う」という概念。DevOpsを導入することで、バグの減少や市場投入までの時間を短縮できます。

システム開発において、開発チームはより良い新システムを導入しようとし、運用チームは仕様を維持して安定的なシステムを求めようとします。そのため、両者のチームの意見が対立することも少なくありません。

DevOpsではツールを用いて開発・運用のプロセスを自動化し、フィードバックしやすい環境により効率化、円滑化を図ります。具体的には以下のようなツールを用いて、DevOpsに利用します。

仮想化ツール

実行環境の仮想化や実行環境を自動的に構成するツール

本番と同じ環境を再現し、テストや動作確認を行う、本番環境へ反映させる

インフラ管理ツール

サーバー立ち上げの際の設定作業を自動化できるツール

CI/CDツール

データ変更時にビルド、テスト、リリース、デプロイ(システムを利用可能な状態にすること)を自動化するツール

タスク管理ツール

メンバーのタスク割り振りやプロジェクトの進捗管理ができるツール

コミュニケーション

ツール

チャットツールなど、開発チームと運用チームが円滑にコミュニケーションを図るためのツール

バージョン管理

ツール

ファイル変更を管理するツール

データの作成者、作成日時、変更者、変更日時を確認でき、過去の状態に復元できる

監視ツール

サーバーやアプリケーションなどのシステムを自動で監視するツール

開発と運用の協力関係は、ソフトウェアの初期計画、実装、ビルド、テスト、リリース、デプロイ、運用、監視のすべての工程において続きます。そして、発注側からの意見や要望を継続的に受け取りながら、開発プロセスにフィードバックさせることが可能です。

◎DevOpsのメリット

信頼性の向上

  • ・ツールによる作業の自動化により、ヒューマンエラーを防止

生産性の向上

  • ・ツールにより開発・運用チーム間の連携が自動化されスムーズに
  • ・効率的に連携できることで、開発もスピーディーに
  • ・市場にリリースされるまでの時間が短縮

品質の向上

  • ・小規模での開発により大きな不具合が減る、バグを発見しやすく修復しやすい
  • ・ツールにより、ユーザーからのフィードバックがすぐに得られる
  • ・フィードバックから早期にサービスの改善点や不具合を発見・改善できる

DevOpsとアジャイル開発の違い

DevOpsはアジャイル開発の一種であり、同時に導入されることも多いです。混同されがちですが、表しているコンセプトがそれぞれ異なります

・DevOps:開発チームと運用チームとの協力体制を表している
・アジャイル開発:システム開発の進め方を表している

同時に採用している会社であれば、DevOpsにより開発チームと運用チームの連携・協力を取りながら、アジャイル開発でスピーディーで柔軟な開発を行うことができます

DevOpsにセキュリティを組み込んだ「DevSecOps」

「DevSecOps」

さらに最近注目されているのが「DevSecOps(デブセックオプス)」で、DevOpsにセキュリティ(Security)を加えた概念です。

セキュリティチェックは、検出された脆弱性(ぜいじゃくせい)の確認・管理を行うセキュリティチームにより、リリース直前に行うのが一般的です。

しかしアジャイル開発ではサイクルごとにリリースを行うため、その度に手動でセキュリティチェックを行うと、コスト増やリリース遅延につながります。また、セキュリティの問題が発生しても、リリースを優先させると、その場しのぎの対応となり、品質が低下してしまいます。

DevSecOpsは、「セキュリティチームとDevOpsチームが開発の初期段階から協力する」という概念。要件定義、設計、実装、デプロイなどDevOpsの各工程にセキュリティ対策を組み込みながら、開発を進めます。
両チームの作業を効率化しながら、安全性の高い開発を行うことが目的です。

◎DevSecOpsのメリット

トラブル対応がすぐできる

セキュリティの問題に早く気づきやすい

生産性が向上する

トラブルが発生してもすぐに解決できるため

セキュリティトラブルに対処する時間とコストを抑えられる

安全なソフトウェアを迅速にリリースできる

DevSecOpsは、各工程でツールなどを用いながら、セキュリティ対策を実践します。以下にセキュリティ対策例を紹介します。

企画

脅威モデリング:開発前にセキュリティ脅威を洗いだし、対策を考える作業

実装

静的コード解析:コードを実行することなく行う検証

ツールを使うことで、ソースコードから重大な脆弱性を発見できる可能性がある

コードレビュー:見過ごされた問題を検出・修正する作業

ソフトウェアコンポジション解析:脆弱性が存在するOSS(オープンソース)を見つける

ビルド

クレデンシャル漏えい防止:不正ログインによるID・パスワード流出を防ぐための対策、多要素認証などを用いる

テスト

動的コード解析:プログラムを実行して、結果からバグ検出や品質評価を行う

デプロイ

脆弱性診断:脆弱性がないか、セキュリティ状態を確認する

運用

インシデント管理:障害発生時の応急処置や復旧作業

監視

不正侵入検知:外部からの不正侵入を検知し、通知すること

ログ監視:記録を監視し、不正操作や情報漏えいを防ぐ

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システム開発方法のトレンド

システム開発方法のトレンド

システム開発を発注したい方は、システム開発方法のトレンドもチェックしましょう。最新の開発方法を知ることで、自社が求めるシステムに採用すべき方法が見つかるかもしれません。

1.ノンプログラミング

金銭的コストがかかるなどの理由から、自社でアプリ開発ができないか検討している方もいるでしょう。小規模なアプリケーションや単一機能のシンプルなアプリケーションであれば、ノンプログラミングツールを用いて自社で開発する方法もあります。

ノンプログラミングは、ツールを使って「プログラミングを行わずにソフトウェアを開発する」ことです。コードを書く必要がなく、ツールを使えばプログラムが自動作成されるので、エンジニアでなくてもアプリケーションが作成可能です。

おすすめのノンプログラミングツール

クラウド型とオンプレミス型があるので、自社が構築したいシステムに合わせて選びましょう。

・クラウド型:自社でシステムを保有せずに運用する形態。社外からさまざまなデバイスでアクセスしたい場合に適している。災害時にも強い。

・オンプレミス型:自社内でシステムやサーバーを運用する形態。セキュリティの安全性が高く、社外秘の情報を扱う場合に適している。自社の都合に合わせて柔軟にカスタマイズできる。

kintone

(キントーン)

サイボウズ株式会社

クラウド型

料金:月額税込み780円から/30日間無料お試し可能


  • ・導入実績は20,000社
  • ・社内の顧客管理、案件管理、問い合わせ管理などが可能
  • ・簡単なマウス操作で直観的に作成できる
  • ・情報の一元管理、全体でのコミュニケーションが可能

UnitBase

(ユニットベース)

株式会社ジャストシステム

オンプレミス型

料金:要問い合わせ/30日間無料お試し可能


  • ・1,300社以上で採用
  • ・簡単なマウス操作で作成できる
  • ・既存のExcel等のデータ読み込みが可能
  • ・情報共有や外部データとの直接連携が可能

Forguncy

(フォーガンシ―)

グレープシティ株式会社

クラウド/オンプレミスどちらも対応

料金:開発ライセンス税込み189,200円

   運用ライセンス税込み59,400円~

   90日間無料お試し可能


  • ・Excelライクな操作性、画面表示で直感的に作成できる
  • ・ExcelやAccessのデータベース読み込みが可能
  • ・予実管理(予算と実績管理)、見積書作成などに活用できる

AppSite

(アップスイート)

株式会社ネオジャパン

クラウド型/パッケージ版

料金:クラウド版 月額税込み440円~

   パッケージ版 ライセンス税込み34,100円~

   30日間無料お試し可能


  • ・紙、メール、Excelで行われる社内業務をシステム化
  • ・データの集計・グラフ化、共有・分析などに利用できる
  • ・案件管理・在庫管理など業務に合わせてカスタマイズ可能

2.マルチプラットフォーム

アプリ開発を発注する場合は、どのような動作環境に対応したシステムを作りたいのか、明確にしましょう。

続いて紹介するシステム開発方法のトレンドが、「マルチプラットフォーム」です。クロスプラットフォームとも呼ばれます。iOS、Android、Windows、macOSなど、さまざまなプラットフォーム(動作環境)を、同じ仕様のアプリケーションで動かすことができるプログラムです。

多様なデバイスが存在する現在、それぞれ別の言語でプログラムを書くのではなく、単一のプログラムで複数の動作環境に対応するソフトウェアが望まれています。

マルチプラットフォームの種類

ネイティブ型

  • ・OSプラットフォームの描画エンジンを使用
  • ・操作性が高い
  • ・処理が高速
  • ・オフライン環境でも利用可能なダウンロード型アプリに向いている

ハイブリッド型

  • ・ネイティブアプリとWebアプリの両方を組み合わせた開発
  • ・作成はWebベースで、動作はOSに搭載されるWebView※上で
  • ・Web通信を行うため処理速度が遅い
  • ・ネイティブ型の基本的な機能(位置情報やカメラなど)が使える
  • ・ネイティブの高機能は使えないのでネイティブ型と比べて機能が劣る
  • ・Webアプリに端末のネイティブ機能を搭載したいときに向いている

独自レンダラ型

  • ・独自の描画エンジンを使用
  • ・OSに依存しない仕様でマルチプラットフォームを実現
  • ・ゲーム開発に向いている

※WebView:アプリ内でWebページを取得、表示できる機能

マルチプラットフォーム開発用のツール

ネイティブ

Xamarin

(ザマリン)

  • ・Microsoftが提供する開発環境
  • ・iOS、Android、Mac向けのネイティブアプリを作成できる
  • ・開発言語はC#

React Native

(リアクト 

ネイティブ)

  • ・Facebookが提供する開発環境
  • ・Android、iOS向けのネイティブアプリを作成できる
  • ・開発言語はJavaScript

Swift

(スウィフト)

  • ・Objective-Cに変わる言語としてAppleが開発した言語
  • ・iOS、Mac、Linuxで利用できる

ハイブリッド型

Apache Cordova

(アパッチ 

コルドバ)

  • ・Apacheソフトウェア財団が提供する開発環境
  • ・iOSやAndroid向けのネイティブアプリを作成
  • ・開発言語はHTML5/CSS3/JavaScriptなど
  • ・カメラ、位置情報などのモバイルデバイス機能を使った

ハイブリッドアプリの開発が可能

独自

レンダラ型

Flutter

(フラッター)

  • ・Googleが提供する開発環境
  • ・AndroidとiOS向けのアプリを作成できる
  • ・開発言語はDart

3.クラウドネイティブ

オンプレミス?クラウド?

サーバー構築の必要がなく、コストを抑えられるため、オンプレミス型からクラウド型へ既存システムを移行する発注会社が増えています。

中でも最近のトレンドは、クラウドの利点を徹底的に活かしてソフトウェアを構築する「クラウドネイティブ」です。単にプラットフォームとしてクラウドを採用するのではなく、最初からクラウド上で動かすことを前提として、クラウドの特徴を活かせるようにシステムを構築します。

これからシステム開発を発注する方でクラウドを利用する場合は、クラウドネイティブの採用も検討してみましょう。

【クラウドネイティブの3つの特徴】
・機能ごとに稼働領域が分かれている
・アプリケーション開発やアップデートが簡単
・障害が起きても稼働を続けられる

クラウドネイティブは、機能ごとにそれぞれ独立した小さなサービスを組み合わせ、連携させながら動かすことで大きなシステムを構築します。機能ごとに稼働領域を分けることで、システムの複雑化を防ぎ、柔軟に開発・アップデートが可能です。

クラウドサーバーは冗長化(負荷に備えて予備を用意しておくこと)されており、運用はクラウドサービスを提供する企業が行います。アクセス集中や突然の災害が起こった場合でも負荷を分散し、トラブルを回避できるのがメリットです。

システム開発の発注に役立つ情報

システム開発の発注をお考えの方は、トレンド情報の他に下記の記事も参考にしてください。

関連記事システム開発会社の選び方7ポイント!依頼の準備と注意点も解説
関連記事システム開発の費用・相場を徹底解説!料金を抑えるコツも紹介!

【無料】システム開発の最新トレンドについて相談する

【まとめ】最新のシステム開発トレンドをインプットしよう

進化し続けるIT業界では、トレンドも日々変化していきます。最新の情報をインプットしながら、自社にとって有効な方法や手法を採用していきましょう。

今回は、システム開発の方法と手法の最新トレンド情報を紹介しました。

システム開発では、発注側も新しい情報をインプットしておくことが重要です。開発会社任せにせず、発注側も積極的に関わることで、プロジェクトを成功させることができます。

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Q. システム開発の流れは?

システム開発の流れは「?見積もり」「?契約」「?要件定義」「?基本設計」」です。それぞれの詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。

Q. システム開発手法のトレンドは?

システム開発手法のトレンドは「アジャイル開発」「DevOpsやDevSecOps」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。