- 更新日 2023.10.25
- カテゴリー 業務システム
受発注管理システムとは?解決できる課題・メリット・おすすめサービスも紹介【2024年最新版】
「意外に煩雑な受注業務・発注業務を受発注管理システムで効率化したい」と考えている企業・店舗担当者の方なら、以下のようなことを知りたいはず。
・受発注管理システムとはどんなシステム?
・受発注管理システムで解決出来る課題・メリットは?
・受発注管理システムを導入するには?
受発注管理システムを導入すると、リソースの最適化による生産性向上・コスト削減などのメリットがあります。
本記事では、導入によって解決できる課題・メリットや、導入方法・おすすめのサービスまで、知っておきたい受発注管理システムの基礎知識を徹底解説!受発注管理システム導入の際に気をつけておきたい注意ポイントも紹介していきます。
※受発注管理システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なサービスや、理想の受発注管理システムを開発できるおすすめのシステム開発会社を選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
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受発注管理システムとは
画像引用:COREC
受発注管理システムとは、「モノ」を販売して利益を得るビジネスに欠かせない「受注管理」「発注管理」を、Web技術を利用して合理化・効率化するITシステムのこと。具体的には、顧客(発注者)や仕入先がインターネット経由でアクセスし、発注・受注できる仕組みを持ったシステムのことです。受発注に限定されたECサイトをイメージするとわかりやすいでしょう。
ビジネスにおける受注と発注の位置付け
受注・発注は「販売管理」の一部業務として位置付けられており、業種やビジネスモデルによっても異なりますが、一般的には以下のようなプロセスで業務が遂行されます。
■受注の業務プロセス
1.発注先(得意先など)からの在庫・金額問い合わせ対応
2.見積書の作成・送付
3.発注書の受け取り・在庫引き当て
4.注文請書の作成・送付・納期連絡
5.納品書・請求書の作成・商品発送
6.入金確認
■発注の業務プロセス
1.仕入先(受注側)へ在庫・金額を問い合わせ
2.見積書の受け取り・確認
3.発注書の作成・送付
4.商品の受け取り・在庫登録
5.請求書の処理・支払い
多くの業務プロセスが必要な受注・発注ですが、販売管理システムのほとんどには受注機能・発注機能が搭載されています。多くの企業・店舗で販売管理システムが導入されていることを考えれば「受発注管理システムは必要ないのでは?」と考える方も少なくないでしょう。
販売管理システムだけでは合理化できないこと
たしかに、販売管理システムにも受注・発注機能は搭載されていますが、それぞれの業務プロセスを見れば「人手の介在が必要な業務」が多いことにお気付きのはずです。
例えば、取引条件を含む問い合わせ対応、FAXで受け取った発注書の内容をシステムに転記するなどは、販売管理システムでは合理化できません。電話発注時の聞き間違い、システムへの転記ミスなどがトラブルにつながることもあります。受発注管理システムには、販売管理システムでは合理化できない業務を補完する役割があるのです。
受発注管理システムの概要・仕組み
受注・発注の窓口を、基幹システム(販売管理システム)と連携した受発注管理システムに絞り込むことで、人手の介在が必要な業務のほとんどを効率化・自動化可能。これは、各種マスターと連携した受発注管理システムが「顧客」「取引先」それぞれに最適化したWebページを提供できる仕組みになっているからです。
例えば、顧客(得意先など)ごとに「販売可能な商品」「販売価格」を変更するなどが可能。顧客はPC / スマホ / タブレットなどを利用していつでも発注でき、仕入先は発注書の内容をCSVなどで一括で基幹システムへ取り込むことが可能です。
受発注管理システムで解決できる課題・メリット
それでは、受発注管理システムを導入することによって、具体的にどのような課題を解決できるのか。それによってどのようなメリットが得られるのかを、以下から簡単に解説していきましょう。
煩雑な受発注業務の効率化・自動化
従来の受発注作業では、品目の種類分の商品入力・受発注後の在庫の確認が煩雑です。とくに電話やFAXなどを使った発注方法では、受注先の担当者が席を外している時はつながらず、発注業務がスムーズに行われない場面もあるため、マンパワーに頼らざるを得ない課題があります。また、海外の企業などで現地と時差がある際はやりとりできる時間が限られてしまいます。受発注のためだけに社員を配置したり、受発注データの送受信だけで何時間もかかってしまう問題点も生み出していました。しかし、受発注システムによって入力作業を自動化できたり、送受信はWeb上で完結できます。そのため、電話やFAXによる待ち時間も生まれなくなるのです。
スマホやタブレットなどで外出先でも注文状況を確認できれば、場所や時間を選びません。外出先の営業から話を聞いてすぐに発注できるのです。しかも納期ギリギリまで受発注を待てるようにもなるので、発注後に大量注文が入った場合などにも24時間365日対応しやすくなります。そのため、営業時間内しか対応できないという制限から解放されます。
また、基幹システムと連携することで、出荷指示、出荷メール配信なども自動化可能で、受発注内容も自動反映されます。顧客に最適化したWebページを用意し、取引条件に応じた金額・在庫数を明確にしておけば、自社従業員が問い合わせに対応する必要もありません。
ヒューマンエラーの排除
受発注業務は単純で膨大な作業をこなさなければならず、1つでも発注数を間違えることもできません。人的ミスは商品廃棄・販売機会損失にもつながります。また、発注側が発注依頼を送信しても受信側はそれを受け取っていない、あるいは膨大なデータの中に埋もれる問題も起こりえます。
受発注システムには、従来と比べて発注数が極端に変化した際に警告してくれる機能や、データの送受信がうまくいっていなければアラートが起きる機能もあります。人的ミスを防止し、正確な受発注業務を行うことが可能です。
リソースの最適化による生産性向上・コスト削減
特にBtoB取引の場合、営業・商談だけでなく、受発注に関する業務も営業担当の役割であることは珍しくありません。これは個々の営業担当に大きな負荷をかける要因でもありましたが、受発注管理システム導入によって効率化・自動化を実現できれば、受発注業務に割いていた人的リソースを本来の業務に割り振れます。結果的に、受発注業務にかかるコストの削減と同時に、本業に集中することによる生産性向上という相乗効果が期待できます。
受発注管理システム導入時の注意点
もちろん、導入メリットの大きな受発注管理システムといえども万能ではありません。導入を検討する際に念頭に置いておきたい、デメリットともいえる注意点があります。
取引先が利用してくれるとは限らない
受発注管理システムは、すべての顧客・仕入先に利用してもらうことで導入効果を最大化できます。取引先にもシステムを導入してもらうことで、はじめて受発注データなどの共有が双方でできるようになるからです。
受発注管理システムは、顧客・仕入先にとっても合理的なソリューションではあるものの、業務フローを変えたくない層が一定数以上存在するのも事実。できる限りユーザーフレンドリーな使いやすいシステムを導入する、一定期間キャンペーンなどの価格的なインセンティブで使いやすさを理解してもらうなどの対策が必要になるでしょう。
コミュニケーションの減少に注意
業務効率化・自動化を実現できる受発注管理システムですが、電話 / FAX / メールなどのやり取りがなくなることで、顧客とのコミュニケーションが希薄になる傾向があります。取引先とのコミュニケーションが減ると、急なトラブルが発生した際に、柔軟な対応を依頼しづらくなる恐れが生じます。また、取引先が持つ自社商品への不満や業界に関する独自情報などを教えてもらいにくくなることにもつながる可能性もあります。
間接業務がなくなる分、むしろ顧客との関係性を保つための営業に力をいれる必要があるでしょう。定期的にオンライン電話をしたり、過去注文してもらった商品の派生商品を紹介するなどして関係維持に努めましょう。
受発注管理システムの導入方法
受発注管理システムの導入効果を最大化するためには、受発注業務のプロセスを自動化して人の手の介在を極力なくすのがポイント。そのためには、既存の基幹システム(販売管理システム)とシームレスに連携できる受発注管理システムを導入するのが理想です。
それでは、受発注管理システムを導入する方法にはどのようなものがあるのか、それぞれにどのような特徴があるのか。以下から簡単に解説していきます。
SaaS型
クラウド環境に構築された受発注管理システムを、インターネット経由で利用する「SaaS(Software as a Service)型」を導入する方法です。初期費用が比較的安価で、毎月の利用料金を経費に算入できるメリットがあるため、手軽に短期間で受発注管理システムを導入したい企業・店舗にとっては筆頭の選択肢となるでしょう。
カスタマイズの自由度に欠けるデメリットがあるSaaS型ですが、受発注管理システムの場合、オプション / カスタマイズで基幹システム(販売管理システム)連携が可能なサービスが多いのもポイント。顧客からの発注 / 自社の受注に特化している、機能面でのカスタマイズが難しいというサービスもあるため、自社のニーズを満たす機能を搭載しているかを見極めることが重要です。
パッケージ開発
既存のパッケージソフトウェアを購入して、受発注管理システムを導入する方法です。基幹システム連携はもちろん、機能面のカスタマイズが比較的柔軟なメリットがあります。そのため、SaaS型では機能面でのニーズを満たせない企業・店舗におすすめです。
SaaS型に比べれば、パッケージ型の導入はコストが高額になりがちです。既存のツールを導入し、それを自社向けにカスタマイズ(アレンジ)する場合の費用は50万~200万円が目安。受発注に特化したECサイトとも言える受発注管理システムは、パブリッククラウドやホスティングサービスの利用料金というランニングコストも必要です。オンプレミスで運用するならインフラ構築の費用もかかります。
パッケージ開発の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:パッケージ開発とは?メリット・デメリット、スクラッチ開発との違い・選び方のポイントを解説!
スクラッチ開発
受発注管理システムをゼロから新規開発して導入する方法です。SaaSや既存パッケージではどうしても自社ニーズを満たせない企業・店舗の選択肢となりますが、受発注管理システムのみをスクラッチ開発することはあまりありません。なぜなら、受発注自体が比較的標準化されている業務だからです。
むしろ、業界・業種によってフローが大きく異なる販売管理システムなどの新規開発でスクラッチ型が採用される場合が多く、その際に受発注管理機能を追加するというパターンは考えられるでしょう。開発コストがもっとも高額になり、導入までの期間がもっとも長期になる傾向にあるのもスクラッチ開発の特徴です。比較的ミニマムなシステムでも半年〜1年、規模が大きくなればリリースまでに数年かかることもあります。大規模システムの開発コストが数千万円になることも珍しくありません。
スクラッチ開発の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:スクラッチ開発とは?知っておきたいシステム開発の基本・構築方法の違いや選び方を解説!
おすすめの受発注管理システム
それでは、比較的導入しやすいSaaS型、パッケージ型の受発注管理システムには、どのようなものがあるのか。以下から、おすすめの受発注管理システムをいくつか紹介していきます。
Aladdin EC
画像引用:Aladdin EC
「Aladdin EC」は、大阪市北区・東京都港区に本社を構えるシステムベンダー、株式会社アイルが開発・提供するパッケージ型受発注管理システムです。その名の通り、BtoBに特化したECサイトを構築できることが特徴。販売管理 / 在庫管理システム「Aladdinシリーズ」で培ったBtoB取引のノウハウを活かした機能が搭載され、パッケージ型ならではの柔軟なカスタマイズが可能です。
標準でも得意先別の商品表示、単価表示、決済制御をはじめとした充実の受注機能、仕入先への通知、明細共有、納期 / 出荷回答をはじめとした充実の発注機能を搭載しており、個別のニーズに応じたカスタマイズにも柔軟に対応。SAP / GROVIAなどのERP、WMS、送り状発行システムとの連携も可能です。カスタマイズを含むパッケージはデータセンターにデプロイ(展開)してくれるため、SaaS感覚で利用できるのもポイントです。
e受発注
画像引用:e受発注
「e受発注」は、東京都港区に本社を構えるシステムベンダー、株式会社コスモスネットワークが開発・提供するパッケージ型受発注管理システムです。標準でも充実した受発注機能を備え、顧客の使うユーザーインターフェースを自社CIでデザインしてくれるなど、パッケージとは思えないほどカスタマイズの自由度が高いのが特徴。自社サーバ環境に構築する「自社サーバ版」のほか、初期費用を抑えられる「e発注クラウド」も選択できます。
もちろん、販売管理システムをはじめとした基幹システムとの連携にも対応。受発注データを加工して手動CSV入出力するだけでなく、定時自動バッチ処理で自動化することも可能です。業界ならではの機能を搭載した「e受発注アパレル業界」「e受発注靴業界」などがラインナップされるほか、「受注」のみ「発注」のみ導入することも可能です。
COREC
画像引用:COREC
「COREC」は、東京都中央区に本社を構えるEC関連企業、株式会社ラクーンコマースが開発・提供するSaaS型受発注管理システムです。顧客ごとの注文フォームを作成して簡単に受注できる「受注」サービス、簡単に発注書を作成してブラウザからFAX / メールできる「発注」サービスが用意されており、初期費用無料で導入可能。シンプルに受発注業務を効率化したい企業・店舗におすすめです。
「受注」サービスは、CSV形式で受注データをダウンロードすることで、基幹システムとの連携が可能ですが、開発者向けに用意された「COREC API」を利用することも可能。受注であれば販売管理システムと、発注であれば在庫管理システムや倉庫管理システムと連携できます。機能制限のある無料プランも用意されています。
MOS / MOS Lite
画像引用:MOS / MOS Lite
「MOS / MOS Lite」は、石川県金沢市に本社を構えるシステムベンダー、株式会社アクロスソリューションズが開発・提供するパッケージ型受発注管理システムです。柔軟なカスタマイズに対応し、クラウド環境で利用できる「MOS」および、基本機能に特化したSaaS型「MOS Lite」をラインナップし、ニーズに応じて選択可能。顧客からの発注 / 受注に特化したサービスです。
MOS Liteでも受発注基本機能、CSV連携が可能ですが、AWSや同社のデータセンターで提供されるMOSパッケージなら、基幹システムとの自動連携が可能。包装資材、医薬品卸、化学品など、業種・業態に応じた形でカスタマイズ可能です。思わず使いたくなる、電話 / FAXに戻れないともわせる、発注者支店に立った受発注管理システムです。
CO-NECT
画像引用:CO-NECT
「CO-NECT」は、東京都千代田区に本社を構えるシステムベンダー、CO-NECT株式会社が開発・提供するSaaS型受発注管理システムです。受発注管理、出荷管理、請求書を含む伝票作成までを簡単に実行できる手軽さで、食品・医療・建築・アパレルなど、約25,000社から導入される人気を誇るサービス。発注書を簡単に作成して、仕入先にFAX / メールできる発注管理機能が無料で使えるのもポイントです。
CSVデータカスタマイズを含む標準搭載オプションが使える「プロフェッショナル」「エンタープライズ」のほか、分析レポート、API連携などのオプションを追加できる「アルティメット」の各プランを用意。自社の業務フローに合わせてカスタマイズしたいという方に向けた「カスタム」プランも用意され、ニーズに応じてオンプレミスでの構築にも対応できます。
おすすめの受発注管理システムの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:受発注システム比較12選!機能や料金を特徴別に紹介
受発注管理システムまとめ
受発注管理システムとはなにか?煩雑な受発注業務を効率化できるのか?知りたい方に向け、本記事では、導入によって解決できる課題・メリットや、導入方法・注意ポイント・おすすめのサービスまで、知っておきたい受発注管理システムの基礎知識を解説してきました。
業務効率化のポイントは、自動化できる業務をシステムに任せること。その意味においても、ルーティンワークになりがちな受発注業務をシステム化するのは非常に有効です。
※受発注管理システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なサービスや、理想の受発注管理システムを開発できるおすすめのシステム開発会社を選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
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Q. 受発注管理システムとは何ですか?
受発注管理システムとは「受注管理」「発注管理」を、Web技術を利用して合理化・効率化したITシステムを指します。顧客(発注者)や仕入先がインターネット経由でアクセスし、発注から受注までできるのが特徴です。
Q. 受発注管理システムのメリットは?
受発注管理システムのメリットは「煩雑な受発注業務の効率化・自動化」「リソースの最適化による生産性向上・コスト削減」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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