- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー 業務システム
オープンソース在庫管理システムとは?無料から使えるおすすめツールも紹介【2024年最新版】
・オープンソースで使える在庫管理システムはある?
・オープンソース在庫管理システムにはどのような特徴がある?
・おすすめのオープンソース在庫管理システムは?
クラウド型では物足りない、スクラッチ型ではコストがかかりすぎる。ならば無償で利用できるオープンソース在庫管理システムがあれば、導入コストを削減できるのでは?そんな企業・店舗担当者の方は多いはず。
しかし、そもそもオープンソース在庫管理システムなどあるのか?あるならどんな特徴・導入メリットがあるのか?疑問は尽きません。
そこで本記事では、オープンソース在庫管理システムとはなにか?特徴や種類から導入メリットまでを徹底解説!おすすめのオープンソース在庫管理システムや、導入サポートのできるシステム開発会社も紹介していきます。
※オープンソース在庫管理システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適なツールや開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
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オープンソース在庫管理システムとは?
そもそもオープンソースとは
在庫管理システムをはじめとしたコンピュータープログラムは、PHP / Java / Pythonなどのプログラミング言語を使った「ソースコード」を記述することで作られています。一般的なプロダクトの場合、このソースコードが公開されることはありませんが、ソースコードを広く一般に公開しているプログラムのことを「オープンソース」といいます。
プログラミング知識・スキルを持つ方であれば、公開されているソースコードを見ながら独自機能を追加する、プログラムを使いやすくカスタマイズすることも可能。つまりオープンソース最大の特徴は、プログラムの改変・カスタマイズの自由度の高さにあるといえるです。
オープンソースの在庫管理システムの概要
オープンソース在庫管理システムとは、在庫管理業務に必要な機能を搭載したオープンソースプログラムのこと。
オープンソースというと、Webサイトを簡単に制作できる「WordPress」を思い浮かべる方が多いかもしれません。Webサイト制作に特化したWordPressに対し、在庫管理システム制作に特化したものが「オープンソース在庫管理システム」だと考えれば間違いありません。
※在庫管理システムについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:在庫管理システムとは?種類・メリット・導入ポイント・おすすめのツールや開発会社を紹介!
オープンソース在庫管理システムの種類
ツールに応じて無償で使い続けられるもの、商用利用向けの有償バージョンが用意されているものなど、オープンソース在庫管理システムといっても特徴や機能はさまざま。
大きくは「在庫管理特化型」「ERP型」の2つに分類できます。
在庫管理特化型オープンソースプログラム
※画像引用:SASO
取扱商材の入庫・保管・出庫を含む、在庫管理業務に特化したオープンソースプログラムです。一部、販売管理機能を有するものもありますが、ベースとなる機能が比較的限定されていることが特徴。公開されているツールはそれほど多くないため、選択肢の幅は狭くなりがちです。
ERP型オープンソースプログラム
※画像引用:iDempiere
在庫管理だけでなく、倉庫管理・販売管理・仕入管理・顧客管理など、ビジネスに欠かせない基幹システムを包括した「ERP(企業資源計画)システム」という形で提供されるオープンソースプログラムです。
在庫管理を中核に据えてビジネス全体の流れ・業務を一元管理できる機能を持つことがERP型の特徴。ただし、海外製品が大多数であるため、コミュニティへの参加も含めて導入・カスタマイズするためには英語力が必要です。一部、日本のパートナー企業が存在するツールもあります。
オープンソース在庫管理システムの特徴
在庫管理特化型、ERP型オープンソースプログラムは、それぞれが対応する業務範囲に応じて搭載する機能が異なるという特徴があるものの、システムの構成面に関しては共通点も少なくありません。以下から、両者で共通する主な特徴を簡単に解説していきます。
Webシステムが主流
オープンソース在庫管理システムの主流は、Webブラウザを活用する「Webシステム」です。これは在庫管理システムに限らず、オープンソースプログラム全般に共通する特徴。オープンソースの代表ともいえる、WordPressを思い浮かべてみれば理解しやすいでしょう。
オンプレミス・クラウドでの展開に対応
Webシステムが主流となるオープンソース在庫管理システムの多くは、ニーズに応じてオンプレミス、あるいはクラウドでの展開が可能。クラウドベースを採用する場合は、セキュリティ面に配慮したシステムを選ぶことが不可欠ですが、サーバ・ネットワークを含めたインフラ環境構築が不要というメリットも得られます。
在庫管理システムにオープンソースを活用するメリット
ここまでの解説をまとめる形で、在庫管理システムにオープンソースを活用する主なメリットをデメリットともに挙げておきます。
オープンソースのメリット |
オープンソースのデメリット |
プログラムを無償、 または安価に利用できる |
システム構築・メンテナンスは自己責任 |
プログラムの改変・カスタマイズの 自由度が高い |
改変・カスタマイズにプログラミングの 知識・スキルが必要 |
業務にシステムを合わせられる |
明確な業務設計が必要 |
※オープンソース在庫管理システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適なツールや開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
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おすすめのオープンソース在庫管理システム3選!
それでは、実際に活用できるオープンソース在庫管理システムにはどのようなツールがあるのか?まずは、在庫管理特化型のおすすめオープンソースプログラムを厳選して紹介していきましょう。
SASO
※画像引用:SASO
「SASO」は、アパレルの通販事業を展開する日本標準機構が開発・提供する、在庫管理特化型オープンソースプログラムです。
Linux / apache / MySQLなどのデータ管理システムでシステム構築できるシンプルな構成を持っています。PHPでソースコードが記述されているため、カスタマイズにも柔軟な対応が可能。機能制限なしに完全無料で使えます。
なにが・どこに・いくつあるのか?という在庫管理の基本に特化した機能を持ち、アパレル業に有効な入れ子管理などにも対応。商品ラベルの印刷、バーコードリーダーを活用した棚番管理が可能なのは、アパレル企業が開発したツールならではの特徴です。Twitter Bootstrap(Twitter社が開発したCSS)によるデザイン性の高いインターフェースも好評です。
動作環境 |
Linux、apache、PHP、MySQLもしくはPostgreSQL |
クライアント環境 |
Webブラウザの動作するPC |
主な機能 |
商品管理・分類管理・ バーコードによる数量管理 / 棚番管理・ラベル印刷など |
Olut(オルット)
※画像引用:Olut
「Olut(オルット)」は、外食事業を手掛ける株式会社ニュー・トーキョーの物流子会社、NTCで活用される販売管理・在庫管理システムです。
株式会社テクノナレッジによって開発されたOlutは、現在オープンソースとして公開され、誰でも無料でソースコードを活用できます。
シンプルにまとめられた機能、カスタマイズ性の高さといった点ではSASOと共通するものの、物流向けに開発された在庫管理システムならではの機能を搭載していることが特徴。買掛・仕入先管理を含む販売管理機能や、商品別出荷一覧表示、帳票出力機能が充実しています。
動作環境 |
Linux / Win32系、apache、PHP、MySQL もしくはPostgreSQL |
クライアント環境 |
Webブラウザの動作するPC |
主な機能 |
入出庫・在庫登録・倉庫移動、荷渡・ 買掛金明細、入出庫実績表示、請求・納品・棚卸帳票出力など |
SalesCube
※画像引用:SalesCube
「SalesCube」は、株式会社アーク情報システムが自社顧客用に開発したネット通販向け販売管理システムを、オープンソースプログラムとして公開した無料の在庫管理システムです。
見積書・発注書の出力から入出金管理までの売掛・買掛機能が充実しているのは、ネットショップを意識したシステムならでは。仕入・販売の実情に従って在庫管理を自動化できます。
標準機能が豊富なことに加え、カスタマイズの自由度が高く、連携可能な他システム数が多いことも特徴。他システムからのデータ入出力にも対応できるほか、海外仕入先を想定した外貨機能も標準で搭載されています。
動作環境 |
Linux、apache、Java、MySQL |
クライアント環境 |
Webブラウザの動作するPC |
主な機能 |
売掛機能、買掛機能、在庫・入出庫機能、 レポート・マスター管理機能など |
おすすめのオープンソースERP2選!
海外発のオープンソースプログラムを2つ紹介しますが、日本でも豊富な導入実績のある使いやすいオープンソースです。
Odoo(オドゥー)
※画像引用:Odoo
「Odoo(オドゥー)」は、ベルギーを本拠地にするOdoo S.A.社が開発・提供するオープンソースの業務アプリケーションスイートです。
世界1,800社以上が利用する人気の高いオープンソースERPであり、多通貨・多言語サポートをはじめとした豊富な機能を搭載。無償のコミュニティ版のほか、リーズナブルに利用できるエンタープライズ版が用意されています。(最低でも日本円で毎月約2,400円の利用料金)
PostgreSQLデータベースを軸にした構成を持つOdooは、人気のプログラミング言語Python / JavaScriptを使って書かれており、在庫管理はもちろん販売・顧客・生産・会計・購買・人事・経費・POS・ECサイト運営までを統合可能。コミュニティが充実しているため、世界中のエンジニアが開発する機能をアプリストアで入手することも可能です。
動作環境 |
PostgreSQL、Python、JavaScript |
クライアント環境 |
Webブラウザの動作するPC |
主な機能 |
在庫管理、販売管理、顧客管理、生産管理、 会計、購買、人事管理、経費管理、POS、ECサイト運営など |
iDempiere(アイデンピエレ)
※画像引用:iDempiere
「iDempiere(アイデンピエレ)」は、1999年にリリースされた「Compiere」を原点とするオープンソースERPソフトウェアです。
プラグイン追加による機能拡張に対応したことが大きな特徴。多言語・多通貨サポート・レスポンシブ対応など、使いやすい仕様を持つのが魅力です。
在庫管理のほか購買・販売・生産・会計・顧客管理を含む豊富な機能が標準搭載され、基幹システムとして商用ERPに見劣りしないこともポイント。iDempiere(ライセンス料無料で使えるオープンソースERP)をベースに独自業務アプリケーションを開発できるなど、フレームワークとして活用することも可能です。
動作環境 |
Linux、PostgreSQL、Jetty、Java |
クライアント環境 |
Webブラウザの動作するPC、 モバイルデバイス |
主な機能 |
在庫管理、販売管理、顧客管理、生産管理、会計・経費管理など |
オープンソース導入をサポートできるシステム開発会社
オープンソース在庫管理システム最大のメリットは、コアとなるプログラムを無償、もしくは安価に利用できること。しかし、システム開発のリソースを持たない企業・店舗の場合、オープンソースのもうひとつのメリットである改変・カスタマイズは困難です。
そんなときに頼りになるのが、オープンソース在庫管理システムの導入サポートが可能なシステム開発会社。以下から、おすすめのシステム開発会社を厳選して紹介していきましょう。
株式会社システムクレイス
※画像引用:株式会社システムクレイス
株式会社システムクレイスは、東京都港区に本社を構えるシステム開発会社です。
kintone、ZohoCRM、Google Workspaceなどの導入サポート・カスタマイズを得意としており、導入以降の定着サポートにも力を入れていることが特徴。SalesCubeの導入・カスタマイズにも対応しています。
オンプレミス型での導入だけでなく、自社独自のクラウドを利用できるサービスを用意していることもポイント。Aladdin Office、FutureStage、楽楽販売などのパッケージ販売管理・在庫管理システムの導入・カスタマイズにも対応できます。
コタエル株式会社
※画像引用:コタエル株式会社
コタエル株式会社は、香港・東京・福岡にオフィスを構え、Odooの導入サポート・カスタマイズに特化したサービスを提供する「Odooパートナー企業」です。
2013年にアジア地域を対象にしたOdooサポートサービスを開始して以来、活躍の場を世界中に広げており、日本語のみならず英語でのシステム構築に対応可能です。
試験的な環境を安価に整えられ、密なコミュニケーションで最適化のはかれるアジャイル(小単位で実装とテストを繰り返して開発する方法)導入など、充実する導入サポートのほかにも豊富な運用系サービスも提供可能。クラウド環境構築からオンデマンドサポートまで、ニーズに応じたサービスを選択できます。
株式会社オープンソース・イーアールピー・ソリューションズ
※画像引用:株式会社オープンソース・イーアールピー・ソリューションズ
株式会社オープンソース・イーアールピー・ソリューションズは、千葉県印西市に本社を構え、iDempiereの導入・カスタマイズサービスを専業とする会社です。
iDempiereを日本語ローカライズするプラグイン群「JPiere(ジェイピエール)」を開発しており、iDempiereのメジャーコントリビューター(貢献企業)として認証されています。
「企業が抱えている課題を素早く低コストで解決する」をミッションに掲げており、ユーザーがグローバルで競争できるシステム基盤作りをサポート。ERPとしての導入にとどまらず、iDempiereをフレームワークに活用した業務アプリケーション構築にも対応しています。
在庫管理システムオープンソースまとめ
クラウド型では物足りない、スクラッチ型ではコストがかかりすぎる。在庫管理システム導入にそんな悩みを抱える企業・店舗担当者の方に向け、本記事ではオープンソース在庫管理システムとはなにか?特徴や種類から導入メリットまでを解説しました。合わせておすすめのオープンソース在庫管理システムや、導入サポートのできるシステム開発会社も紹介してきました。
コストを抑えながら自社に最適化した在庫管理システムを導入できる、それがオープンソースを活用するなによりも大きなメリット。しかし、自社に適切なベースを選定できていなければ、カスタマイズ費用ばかりがかさんでしまうことになりかねません。
自社業務を効率化させるにはどのような機能が必要か?導入をあせる前に、自社在庫管理業務を見つめ直し、理想と現実のギャップを把握しておくことが重要です。
※オープンソース在庫管理システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適なツールや開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
コンサルタントのご紹介
岩田
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Q. オープンソース在庫管理システムとは何ですか?
オープンソース在庫管理システムとは、在庫管理業務に必要な機能を搭載したオープンソースプログラムのことです。「プログラムを無償、または安価に利用できる」「プログラムの改変・カスタマイズの自由度が高い」等の特徴があります。
Q. オープンソース在庫管理システムのメリットは?
オープンソース在庫管理システムのメリットは「プログラムを無償、または安価に利用できる」「プログラムの改変・カスタマイズの自由度が高い」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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