- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー 業務システム
農業で生産管理システムを導入するメリットとは?注意点と比較ポイント、おすすめのシステム5選も紹介【2024年最新版】
・農業に生産管理システムを導入しようか迷っている
・農業で生産管理システムを使う上で、注意すべきことは何?
・自社の農業に合う生産管理システムを選びたい
農作業や事務作業の負担を減らしたい、農業の生産性を上げて経営効率を高めたい。そのために、生産管理システムを導入しようと検討している農家は多いでしょう。しかし、具体的なメリットが見えてこないため、導入をためらっている人もいるはずです。
そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
・生産管理システムの概要
・メリットと注意点
・比較ポイント
・おすすめの生産管理システム
この記事を読めば、自社の農業に適した生産管理システムを選ぶヒントが見つかるので、ぜひ最後までお読みください。
※自社に合う農業生産管理システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのシステムを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な生産管理システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
そもそも農業生産管理システムとは何か?
画像引用:生産支援システム「みのり」
まず生産管理についておさらいしましょう。
生産管理とは、一般的に製品を製造するにあたって受注から生産、納品までを計画・管理するプロセスのことを指します。生産管理では、製品を作るにあたって次の3つを最適化することが目標です。
・品質(Quality)
・原価(Cost)
・納期(deliverty)
そして、これらの要素を一括で管理するシステムのことを生産管理システムといいます。
農業の生産管理システムで管理できる項目
農業の生産管理システムで主に管理できる項目を以下に挙げました。
管理できる項目 |
主な機能 |
生産計画 |
農作物の生産量と収穫時期、見込み費用、作業員の動きを管理 |
在庫管理 |
肥料や農薬、耕作機械の燃料等の在庫を管理 |
生産工程管理 |
農作物の生産工程を管理 |
圃場管理 |
圃場マップの自動生成、圃場の面積と距離の計測、農薬散布・ 収穫などの作業を記録 |
原価管理 |
原価や再生産価格を適切に把握し、最適な出荷価格の設定が可能 |
販売管理 |
農作物の販売量を予測 売掛管理からJAなどクライアントへの請求も可能 |
仕入れ管理 |
発注、支払を管理 発注先の納期遅れや納品ミスに対応可能 |
予算管理 |
農業の予算全体を最適化 過去の実績と比較して予算計画を策定 |
生産管理システムは、受注から納品に至るまでの情報とモノのフローを把握することで、品質と生産性の向上の実現に貢献します。
また近年では、経営計画と紐づけて事業を効率化するために、会計システム、顧客管理システムなどと連携した生産管理システムも開発されています。
農業で生産管理システムを導入するメリット
生産管理システムを導入するメリットを確認します。
今は生産管理システムが多様化しているため、自社にとってのメリットを把握することで最適なサービスを見つけやすくなります。
人手不足の解消
画像引用:agri-note
生産管理システムを導入することで、これまで人の手で行ってきた作業を、システムで自動化・省力化できるため、人手不足の解消につながります。例えば以下のようなことができます。
・農業日誌の自動集約
・タブレット端末による遠隔地からの情報入力
・農薬の使用履歴をExcelに自動抽出
・農作物の再生産価格をグラフ化
農業では、作業者の高齢化と後継者不足が深刻になっています。
農林水産省の調査によれば、2021年の農業従事者は130.2万人と、2015年の175.7万人より約23%減少しています。さらに、65歳以上の高齢者の割合は、農業人口全体の69%と高い水準です。
一方、新規の農業従事者の数は2015年~2021年で50~60万人と、ほぼ横這い。このことから、将来に渡って農業従事者の人材不足と高齢化が加速することは、想像に難くありません。
ですが、生産管理システムを導入すれば今より少ない人手で農業を継続できる可能性があります。
農場の生産性向上
画像引用:agri-note
人手不足解消だけではなく、農場の生産性向上も期待できます。
例えば、システムによって、手書きの日誌をスマートフォンでの記録に切り替えれば、転記やファイリングの手間がなくなるばかりか、情報を素早く集計・分析・共有することも可能になり、作業の改善につながります。
また、カメラやセンサーでネットワークを構築すれば、気候や土壌の変化に合わせて適切な水やりの量、農薬の散布量を調整できます。その結果、より少ない労力で農作物の生産量を上げられるでしょう。
このように、作業の省力化だけではなく、人の手ではできなかったきめ細かい管理が可能になり、農場の生産性向上が可能になります。
生産ノウハウを効率的に蓄積できる
画像引用:agri-note
生産管理システムを導入することで、農作物の生産ノウハウを効率的に蓄積できます。
従来の農作業は、ベテランの経験とカンに頼る部分が多くありました。
例えば、収穫のタイミングを農作物の色合いで判断したり、水やりの量や時期もベテランの直感に委ねられたりしているケースは珍しくありません。
新規の就農者がこれらの能力を短期間で磨くことは難しく、いかにノウハウを正確かつ効率的に蓄積できるかが課題となります。またベテランスタッフがいる農場であっても、そのノウハウをいかに多くのスタッフが身に付けられるかは経営上の大きな課題です。
生産管理システムを使えば、人の経験やカンに頼ってきた作業を、データを基準に行えます。例えば、生育目標と出荷の基準値、生育状況の実測値を基に、収穫に最適な日を算出することで、経験が浅い作業者でも適切なタイミングで収穫できます。
このように、人の知識と経験に依存することなく、農業の生産技術を蓄積できる点で、生産管理システムは魅力的です。
的確な経営方針を立てられる
生産管理システムを活用すれば、より精度の高い経営計画を立てられます。なぜなら、意志決定に役立つ多くのデータを効率的に得られるからです。例えば以下のデータを得ることができます。
・耕作地ごとの収穫量
・肥料と農薬の内訳
・耕作機械の稼働量
・農作物の売上
・従業員の作業履歴
例えば、農作物ごとの肥料の使用量をグラフにできれば、ある作物に対しての肥料の過剰投資が判明するかもしれません。農作物ごとに過去の売上を集計すれば、売れ筋とそうでない商品が明確になり、翌期の生産計画に反映させることができます。
また、従業員の作業履歴をリアルタイムで得られると、以下も見極められるため、人材配置や人材育成の方針も立てやすくなります。
・どの作業に時間がかかっているか
・作業者ごとの得意不得意
このように、生産管理システムでデータを蓄積すれば、今後の経営計画の手助けになります。
農業で生産管理システムを導入する際の注意点
農業生産管理システムは、ただ導入すればよいというものではありません。ここでは導入する際の注意点を2つ紹介します。
コストが高くなるケースが多い
生産管理システムを導入する際は、少なからずコストが発生します。システムのタイプによりますが、初期費用は数万円から数百万円と幅が広いのが特徴。
のちに詳しく説明しますが、「クラウド型」システムを採用する場合や、システム会社に導入後のサポートを希望する場合は、毎月のランニングコストもかかります。
そのため、システムを導入する際は、導入による生産性向上によって、コストが回収可能か、十分に考慮する必要があります。
生産管理システムの費用について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:生産管理システムの費用を徹底解説!導入で失敗しないためのポイントも紹介
もし、費用の負担が厳しい場合、後に紹介する補助金も視野に入れましょう。予算が厳しい農家でも、高性能なシステムを安く導入できるかもしれません。
作業者への研修が必要
生産管理システムを使う際は、作業者にシステムの概要や端末の使い方を教える必要があります。
近年では手持ちのスマートフォンやタブレットにアプリをインストールしてそのまま使えたり、T機器に不慣れな人でも扱いやすくなっています。
しかし圃場の特徴によって特殊な端末を使う場合もあり、そもそもの端末の使い方は覚える必要があります。
ITに不慣れな作業者が多いと、研修に時間がかかり、慣れるまで一時的とはいえ研修コストと現場の負担が増えることに留意が必要です。また、システムの仕様や、欲しいデータを入力するために、これまでに馴染んだ作業フローの変更を伴ったり、作業項目が増える可能性もあります。
作業者の負担が増えすぎないように、作業者にとって使いやすいシステムを選ぶことも重要です。
農業で生産管理システムを導入する際のポイント
ここまで、農業で生産管理システムを導入するメリットと注意点を紹介しました。
ここからは、システムを導入する際のポイントを5つ紹介します。
システムを導入する目的を明確にする
最初に、システムを導入する目的を明らかにしましょう。よくある目的には以下のようなものがあります。
・農作物の生産量を増やしたい
・肥料や耕作機械の燃料費などの経費を削減したい
・手作業をシステムやロボットに任せたい
・経営に役立つデータを集めたい
目的を明確にすると、余分な機能をつけて開発費が膨らんだり、端末の機能が複雑になったりといったリスクを避けられます。
システムで実現したいことを明確にする際は、現場の意見を聞くことが大切。
例えば、農業の作業負担を減らしたいのであれば、作業者にどんな作業に時間がかかっているのか、体力的・心理的負担が大きい作業はなにか、などをヒアリングする必要があります。
このように、システムに関わる人の声も聞き、導入の目的をしっかり言語化することが大切です。
システム化したい業務を可視化する
農場全体のフロー図の例。
画像引用:econoshift.com
システム導入の目的が決まったら、実際にシステムにしたい業務をビジュアル化しましょう。具体的には作業全体の業務フロー図を作ります。そうすることで、
・どこがシステム化できるのか
・どのタイミングでどんなデータをシステムに入力するのか
・導入後のフローはどう変わるのか
システム導入に必要な情報が整理され、導入後のイメージも明確になります。導入にあたってシステム会社に依頼する場合も、このフロー図があるとスムーズにコミュニケーションが図れます。
そして、業務フロー図の作成には思わぬ副産物もあります。フロー図を元に作業を見直すことで、生産管理システムの導入を待たずに生産性向上を実現できる場合があります。
・無駄な作業そのものを無くす
・複数の作業をまとめる
・作業順序を変える
例えば上記のアクションで、業務改善が行えるケースも珍しくありません。
無料版で試験的に始める
無料版やトライアル版がある場合は、それらを利用し、小さく始めましょう。想定していたシステムと実際の動きのギャップを把握できます。
・端末の使いやすさ
・得られるデータ
・マシンの性能
上記の項目は、実際に運用してみないと分からないケースがほとんどです。本格導入した後に「想定していたシステムではない」「予期せぬ問題が起こった」となれば、機能改修に費用がかかります。
無料版がない場合も、一部の圃場で試験的に試し、関係者からフィードバックをもらってから本格的に導入するなど、段階的に導入すれば、スムーズに運用できるでしょう。
完璧なシステムを求めない
システムを導入する際は、完璧なものを求めないようにしましょう。
こだわるべき所と妥協すべきところを見極めないと、開発費用がどんどん膨らみます。機能が複雑になると、実際の運用で支障をきたす場合もあります。絶対に必要な「must」の機能と、欲しい「want」の機能の2つに分けるといいでしょう。
システムを導入する際は、以下の観点で必要な機能を検討しましょう。
・生産性はどのくらい上がるのか
・システム化によるメリットがデメリットを上回るのか
補助金を活用できないか検討する
システムを導入したいけれど資金に余裕がないという農家は、ぜひ補助金の活用を検討してください。今は農業のDX化で、政府や地方自治体が多様な補助金を用意しています。採用されたら経費の半分から全額が補助されるケースもあります。
主な募集例を以下に挙げました。
・スマート農業総合推進対策事業費補助金(農林水産省)
・スマート農業による働き方改革産地実証事業(宮崎県)
・スマート農業等導入支援事業(兵庫県)
・IT導入補助金(中小企業基盤整備機構)
なお補助金を申請する際は、自社のビジネスプランに合ったものを選んでください。申請書類で募集要項と趣旨が違うと判断されると、採択されません。
また、受給後も補助金が正しく使われているかチェックされることもあります。
補助金は申請のハードルが高いと思われがちですが、自己資金では購入できないシステムを導入できることや、銀行の融資に頼らなくていいといったメリットがあります。
「お金がないから・・・」と諦めず、これらの補助金を獲得できないか検討しましょう。補助金について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:システム・アプリ開発の補助金はどれを選ぶ?採択率50%を突破する秘訣!
農業で生産管理システムを選ぶ際の比較ポイント
農業で生産管理システムを導入する場合、次章で紹介するツールの導入がおすすめです。自社で専門の人材や技術を用意する必要がないからです。
しかし、市場には多種多様なシステムが開発されているため、何を基準に選べばいいか分からない人も多いでしょう。
ここでは、農業における生産管理システムの選定ポイントを4つ紹介します。自社に合った外注先を選びましょう。
システム化の範囲
まずは、どの範囲までのシステム化に対応しているか確認しましょう。
農場のニーズによって生産管理システムにどこまでの機能が必要かは変わります。単に作業データを集計できればいいのか、営業システムや会計システムなどと連携させたいのか、どこまでのシステムを構築できるかは、開発会社によって異なります。
したがって、開発会社の対応範囲を正しく理解しないと、想定していたシステムが構築できなかったり、追加開発に多額のコストがかかる、といったリスクが考えられます。
自社でシステムを導入する目的を明確にし、何をシステム化したいかを明確にすることが大切です。
サポート体制の有無
生産管理システムは、導入だけでなく運用も重要ですので、サポート体制の有無はチェックしなければなりません。ここでの運用は、システムの動作確認や作業者のシステムに対する理解度の向上のようなことが該当します。主なチェックポイントは以下の通りです。
・対応可能な時間帯(平日のみ・24時間対応・土日対応可など)
・相談方法(現地訪問・電話・チャットツール・FAX)
・サービスの関連情報の提供
・セミナーやイベントの開催など
また、サポートによっては追加費用が発生する場合もあります。自社の従業員で対応可能かどうかなども検討し、必要なサポートを吟味しましょう。
オンプレミスかクラウド
オンプレミス |
クラウド |
|
メリット |
情報漏えいに強い カスタマイズ性が高い |
データを消失するリスクが低い 初期費用が安い |
デメリット |
サーバーが破損すると修復が困難 導入コストが高くなりがち |
セキュリティ性は相対的に低い 自社にピッタリのサービスとは限らない |
オンプレミスとは、サーバー(システムや蓄積したデータの保管場所)を自社の施設に置くタイプで、企業秘密が漏れにくく、またシステムのデザインや機能などのカスタマイズ性が高いといったメリットがあります。
クラウドとは、インターネットを利用してシステムを使用する方法で、ソフトのインストールが不要、データを消失するリスクが低い、導入費用が安いといった強みがあります。しかし、クラウドはインターネットにつながっている分、情報が漏れるリスクがオンプレミスに比べて高いのがデメリット。
両方のメリット・デメリットを把握したうえで、システムを選ぶ必要があります。
例えば、農場が急斜面や河川の近くなど災害によって被害を受ける可能性が高いところはクラウドが向いているかもしれません。災害でサーバーが損傷し、データが丸ごとなくなるリスクがあるからです。
逆に、将来圃場を拡大したり新しい農作物の栽培に挑戦する可能性が高いなら、カスタマイズ性の高いオンプレミスが適しているかもしれません。
製品によっては混合タイプもあるので、選定に迷ったらプロに相談するのがおすすめです。
端末のタイプ
システムが同じでも、以下のように現場で使える端末のタイプが異なるケースもあります。
・iPad
・スマートフォン
・パソコン
・ハンディーターミナル
端末は、現場の作業性に合わせて選ぶことが大切です。例えば収穫作業で日誌を記入する場合、パソコンを持ち歩くのは現実的ではありません。
また、端末の耐久性も見過ごせないポイント。なぜなら、農作業で端末が水や土、機械の油で汚れる可能性が高いからです。端末の操作性と耐久性の両方を考慮して、システムを選びましょう。
※ここまで読んで自社に合う農業生産管理システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのシステムを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、最適な生産管理システムを選定します。相談料・紹介料など一切かかりません。
農業におすすめの生産管理システム5選
ここでは農業に役立つ生産管理システムを5つ紹介します。
先に紹介した比較ポイントを参考に、自社の課題解決に合ったシステムを選んでください。
AGRIOS
AGRIOSは、神奈川県藤沢市に本社を構える株式会社井出トマト農園(以下、井出農園)が開発・提供している生産管理システムです。
井出農園で培った管理ノウハウが詰まっており、徹底した作業者目線で開発されている点が魅力のポイント。
・スマホのタップで報告書を自動入力
・作業・薬散履歴をリアルタイムで反映
・Excelシートへのデータ自動抽出
利用者のコメントを読むと、「終了した作業をスマホでクリックするだけなので使いやすい」「作物の生産性をダッシュボードですぐ調べられる」と高く評価していました。
またAGRIOSの導入で、月100時間以上あった井出農園の社長の残業時間が改善されたり、社員のスキルアップの時間が取れたりなどの成果も出たようです。
AGRIOSは「社員の負担を減らしたい」「より経営に集中できる農園にしたい」という人におすすめです。
月額費用 |
農園アカウント:税抜3,980円 1スタッフアカウント:税抜1,000円 |
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サポート |
データ活用支援:6万円/6ヶ月 法人経営支援 :税抜20万円+成功報酬/年 |
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主な機能 |
入力 |
作業、コメント、使用農薬、 出荷選果記録、ベトナム語対応 |
作型管理 |
作型、栽培歴計画実績 |
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集計 |
作業一覧、収穫実績、作業別個人順位一覧、作業別割合、 個人作業入力時間 |
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グラフ |
圃場別生産量 |
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コメント |
作業入力時に記録したコメント |
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マスタ管理 |
圃場、作物分類、品種工程、作業内容、農薬、 肥料、出荷、選果規格 |
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タイプ |
クラウド |
みのり
「みのり」は、東京都に本社を構える株式会社FUSE SYSTEMが開発・提供している生産支援システムです。
オンプレミス、クラウドの両タイプを提供しているため、柔軟なシステム設計が可能。
対応作物も幅広く、米麦、野菜、果樹、花き、茶など多様な品目を管理できるのもおすすめポイントです。
また、みのりの最大の特長が、国に登録されている農薬をベースに栽培基準を自動生成してくれること。システムで適用作物を選択すると、駆除対象の害虫、農薬の散布量、使用回数、使用時期を一目で確認できます。
農薬の取り扱いは農薬取締法で厳しい使用基準が設けられています。使用量を間違えると、作物の生産高に影響するだけでなく、法律違反として厳しく処罰されます。
しかし、みのりを使えば作物や農薬ごとに適切な使用基準を確認できるため安心です。
主な機能 |
栽培基準/帳票の制作 栽培日誌・防除履歴等の登録 回収状況 防除の判定確認 集計出力/実績印刷 GAPサポート |
オプション機能 |
FAXOCRでの生産履歴データの取込 施肥管理 種苗履歴管理 生産履歴データ 登録サポート |
タイプ |
クラウド、オンプレミス |
アグリノート
アグリノートは、新潟県に本社を構えるウォーターセル株式会社が開発・提供している生産管理システムで、実際の生産者の声から生まれたものです。
カンや経験に頼りがちな農業を、正確な記録として残せるように、さまざまな機能が搭載されています。
・GPS機能で作業した圃場を自動判定
・同じフォーマットを用いた作業日誌の標準化
・農作物の生育状況、収穫量、出荷状況をチャートで表示
アグリノートを導入した企業のコメントを読むと、以下のように評価していました。
・バラバラだった日報の記載内容を統一でき、細かい作業内容まで確認できた
・資材を使うか、新しく作業員を採用するか、コスト面で客観的な判断ができた
・従業員の作業履歴を正確に掴めるため、次の工程を組みやすくなった
先述の通り、農業ではベテランの知識や経験に依存するケースはたくさんあります。また経営計画においても、客観的なデータに基づいて方針を決める会社はそう多くありません。
しかしアグリノートを使えば、正確な記録を基に、効率的に農業のノウハウを蓄積できるしょう。
初期費用 |
無料 |
年間費用 |
税込6,600円 |
記録できる項目 (基本設定項目) |
圃場 作付 作業項目 農薬 肥料 機械 資材 作業者 土地・不動産情報 生育調査項目 単価 |
主な端末 |
タブレット、パソコン |
サポート |
導入前のオンラインデモ |
タイプ |
クラウド |
クラウド農業生産管理システム
「クラウド農業生産管理システム」は、群馬県高崎市に本社を置くクリエイトシステムズ合同会社が開発・提供するクラウドタイプのシステムです。
初期費用無料、低価格ながらも、機能はバラエティに富んでおり、経営指標に役立つ情報を得られます。
・マップによる圃場管理
・農業日誌の記録
・出荷管理
・再生産価格の集計
・作業情報の一括登録・履歴検索
・タブレット端末の対応
・要望に合わせてプログラムを改修
「できれば面倒な導入作業はやりたくない」「安価で多機能なシステムがほしい」という方に、クラウド農業生産管理システムはおすすめです。
初期費用 |
無料 |
月額料金 |
プロフェッショナル版:税抜5,800円(無料期間30日あり) カスタマイズ版:税抜18,000円~ |
推奨の動作環境 |
パソコンOS: Microsoft Windows 8/ 7 / Vista WEBブラウザ: Google chrome、Firefox、Safari、 Microsoft Internet Explorer 11以降(最新バージョン) 必要なソフト: Microsoft Excel 2007 以上 |
サポート |
メール |
タイプ |
クラウド |
畑アシスト
畑アシストは、大手通信事業のNTTドコモ株式会社が開発・提供している農業サポートのプラットフォーム。
計画や日々の作業記録など一般的な生産管理システムの機能に加え、通信インフラの強みを活かしたセンサーネットワークが、大きな特長です。
例として、AIを活用した自動水やり機能の「かん水オート」を提供しています。
ビニールハウスに設置したセンサーからデータを集約し、AIがタイミングを判断して自動的に水やりをしてくれます。そのため、作業員を巡回させる時間とコストを削減できる点が魅力。
センサーは組立てと設置が簡単なため、広範囲に農場が分散していたり山間部であったりしても、安心してシステムを構築できます。
畑アシストは「広い圃場をカバーできるシステムが欲しい」「なるべく手軽に設備投資したい」という人におすすめです。
利用料金 |
税込450,000円~ |
提供メニュー |
センサー、プラットフォーム |
主な機能 |
センサデータの閲覧 栽培管理 収穫管理 資材管理 農作業計画 作業分担 |
対応ブラウザ |
Google Chrome |
タイプ |
クラウド |
農業生産管理システムまとめ
この記事では、農業で生産管理システムを導入するメリットと注意点、システムの比較ポイントなどについて紹介しました。
生産管理システムは農業の人手不足や作物の生産性向上、経営方針の策定などあらゆる面で助けになります。最後にもう一度、記事の内容で特に重要な点をおさらいしておきます。
・農業で生産管理システムを導入する際のポイント
・導入する目的を明らかにする
・完璧なシステムを求めない
・使用者の意見を聞く
・生産管理システムの比較ポイント
・システム化の範囲
・サポート体制
・端末のタイプ
紹介したポイント、おすすめのシステムを参考に、自社に適したシステムを導入してください。
迷ったらプロに相談がおすすめ
もし「自社では決められない」「適したシステムが見つからない」という方は、システム幹事にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリングし、予算にあった最適な開発会社を選びます。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
必ず開発会社に発注する必要はありません。システム開発の相場の情報から最適な会社選びまで無料でサポートします。お気軽にご相談ください。
Q. 農業で生産管理システムを導入するメリットは?
農業で生産管理システムを導入するメリットとして「人手不足の解消」「農場の生産性向上」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. 農業で生産管理システムを導入するメリットは?
農業で生産管理システムを導入するメリットは「人の手で行ってきた作業を、システムで自動化・省力化できるため、人手不足の解消につながる」「農作物の生産ノウハウを効率的に蓄積できる」などです。詳しくは、記事をご参照ください。
この記事を書いた人
喜多村道秋
専門分野: ITインフラ
新卒で大手インフラ企業に入社。約10年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。2018年からSEOブロガー・ライターとして活動を開始。「相手に伝わる文章を書く」を信条に執筆しています。
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