- 更新日 2023.02.27
基幹業務システムおすすめ11選比較|導入メリット・ERP選定のポイントも解説!
・基幹業務システムを導入したいがなにを選べいいかわからない
・そもそも基幹業務システムはどんなことができる?
・おすすめの基幹業務システムを比較検討したい
競争の激化するビジネス市場を勝ち抜くためには、経営状態を可視化できる基幹業務システムが有効。しかし、どのようなサービスを選べばいいのかわからない。そもそも基幹業務システムとはなにか、ERPとは違うのか、導入によってどのような効果が得られるのか、漠然としたイメージしか湧かない方も多いはずです。
そんな方に向け、本記事では基幹業務システムの基本や導入メリットを解説するとともに、おすすめの基幹業務システム / ERPをカテゴリーごとに比較紹介!適切な基幹業務システムを選定するためのポイントも解説していきます。
※自社に合う基幹業務システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な基幹業務システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
そもそも基幹システムとは企業経営に不可欠なシステムのこと
企業・組織を運営していくためには、経営を支える基盤・根幹となる必要不可欠な業務(基幹業務)というものがあります。基幹システムとは、こうした企業経営に不可欠な個別の基幹業務をITで管理するシステム。
おすすめの基幹業務システムから早く見たい方は下記をクリック! 『おすすめの基幹業務システム比較6選:統合ERP』に移動
一般的には、以下のようなシステムが「基幹システム」として挙げられます。
・人事給与システム
・財務会計システム
・販売管理システム
・在庫管理システム
・生産管理システム
「人事」「財務」「販売」など、企業経営の重要な資源となる「ヒト」「カネ」「モノ」を管理するシステムが「基幹システム」に該当することがお分かりでしょう。基幹業務が停止すれば経営がストップしてしまうのと同じように、システムが停止すると経営がストップしてしまう重要なシステムが「基幹システム」に該当します。
基幹システムはビジネスモデルに応じて異なる
ただし、近年では「ヒト」「カネ」「モノ」以外に「情報・データ」が重要な企業資源と見なされる傾向があり、実際にシステム開発など「モノ」を扱わないビジネスモデルを基本とする業種もあります。
どのような企業でも人事・財務・会計などは基幹業務ですが、業種や企業個々のビジネスモデルによって何が基幹業務に該当するかは異なります。つまり、基幹システムの定義は固定されたものではなく、企業の基幹業務に応じて異なるものだといえるでしょう。
たとえば、プロジェクト単位で営業案件を進める業種、商材ではなくサービスを提供する企業などであれば、在庫管理システムは基幹システムとはなりません。商材を仕入れて販売するビジネスモデルであれば、生産管理システムは必要ありません。
基幹システムが解決できる経営課題
経営に必要不可欠な基幹業務をシステム化した基幹システムは、企業・組織が抱えがちな経営課題を解決する効果・メリットが得られます。
基幹業務を効率化
基幹システムを導入・活用することで、これまで人手の介在が必要だった個別の基幹業務を効率化でき、人為的なミスの削減も期待できます。
たとえば、紙やExcelを使った在庫管理では、入庫・出庫にともない商品データを手入力で追記・転記する必要があります。しかし、ハンディターミナルを活用した在庫管理システムであれば、バーコードをスキャンするだけです。入力ミスを削減できるだけでなく、工数削減・作業時間の短縮による効率化を実現できます。
在庫管理システムがそもそもどのようなシステムかについては、下記記事をご参照ください。
※関連記事:在庫管理システムとは?種類・メリット・導入ポイント・おすすめのツールや開発会社を紹介!
基幹業務の標準化・品質向上
基幹システムの導入・活用は、手順があいまいになりがちな基幹業務の標準化を促進し、結果的に業務品質を向上させることにも役立ちます。
基幹業務がシステム化されていない場合、担当するスタッフに応じて手順や結果にばらつきが生じることが少なくありません。基幹システムでロジカルに業務手順を整理すれば、誰が担当しても同じ結果を期待できます。経験・スキルなどの属人的な要素も排除できるため、組織全体の業務品質も高められるでしょう。
コア業務への集中・生産性向上
基幹システムの導入・活用は、業務効率化・標準化・品質向上によって、余裕の生じた人的リソースをコア業務へ割り振れます。結果的に、生産性の向上につながるという効果が得られるのです。
生産性向上をビジネスの成長・拡大につなげられれば、デメリット面としてあげられることのある導入コストも問題ではありません。
ERPとの違い
基幹システムと混同して使われる場合のある「ERP」についても理解しておく必要があります。
企業資源計画という意味を持つ「ERP(Enterprise Resource Planning)」は、企業資源を扱う基幹システムのデータを「マスターデータベース」に集約し、ビジネスを計画的に成長させていくために活用されるシステムです。
基幹システムに該当するすべてのアプリケーションが、マスターデータベースに集約された情報を参照しています。ERPが「統合基幹システム」「基幹業務システム」と呼ばれることがあるのはこのためです。
基幹業務システムの基本の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:基幹システムとは?業務システムやERPとの違い・解決できる課題・導入ポイントを解説!
おすすめの基幹業務システム比較6選:統合ERP
それでは、基幹業務システムの導入で競争力を高めていきたい企業担当者の方に向け、おすすめの基幹業務システム / ERPをタイプ別に比較紹介していきましょう。
まずは、統合ERPシステムです。
統合ERPとは、人事・会計・財務に加え、販売・生産・調達など、企業経営に必要な機能をひとつに統合した基幹業務システム / ERPのこと。業種にあわせたパッケージが用意されているタイプのほか、必要な機能を組み合わせてシステムを構築できる「コンポーネント型」と呼ばれる基幹業務システム / ERPもあります。
システム名 |
特徴 |
料金 |
おすすめの企業 |
SAP Business ByDesign |
・グローバル拠点の業務オペレーション ・製造業向け、商社・卸向け、 |
月額40万円程度 |
グローバル展開したい企業 |
SAP Business One |
・BI機能搭載 ・企業経営を網羅する統合ERPとしての機能搭載 |
初期費用は 個別見積もり ユーザー1人あたり |
段階的にシステムを統合したい企業 |
ORACLE NetSuite |
・19言語・190通貨に対応 ・中小・スタートアップ企業から中堅・大規模企業まで カバーするラインナップ |
月額20万円~ |
CRM / ECを 統合したい企業 |
GRANDIT |
・BI・ワークフロー・ECなどの拡張機能が標準搭載 ・幅広い業種に対応できるオールインワンERP |
※要問い合わせ |
日本の商習慣に適合したシステムを 導入したい企業 |
GLOVIA iZ |
・富士通が提供する ・経営・会計・人事給与・就業・販売・貿易・生産という 7つの基幹業務をカバー |
176万円 (利用ユーザーが 300IDの場合) |
日本の商習慣に適合したシステムを 導入したい企業 |
Microsoft Dynamics 365 |
・マーケティングオートメーションツールや 営業支援・CRMツールなどを用意 ・ノーコードツールによるアプリ開発も可能 |
月額5,440円~ |
Office 365とシームレスに連携した作業環境を 実現したい企業 |
以下ではクラウド型とオンプレミス型いずれかのシステムを紹介しています。
※クラウド型:Googleスプレッドシートなどのように、クラウド環境に構築されたシステムにユーザーがインターネット経由で接続・利用する形態
※オンプレミス型:用意した自社サーバにパッケージソフトウェアをインストールして利用する形態
SAP Business ByDesign
※画像引用:SAP Business ByDesign
「SAP Business ByDesign」は、ERPのリーディングカンパニーとして知られるドイツSAP社が開発・提供する、中堅・中小企業向けクラウド型基幹業務システム / ERPです。
大企業向けERP「SAP S4/HANA」のテクノロジーを活用したインメモリデータベース(データをメモリから呼び出すことで高速処理を実現する技術があるデータベース管理システム)によるリアルタイムアクセスを特徴とし、グローバル拠点の業務オペレーションをひとつに統合可能。世界130か国以上の企業から活用される基幹業務システムです。
経理・財務、マーケティング・セールス・顧客関係管理、勤怠・労務・給与・人事、プロジェクト管理、調達・購買、製品開発・製造・サプライチェーン管理(供給者から消費者までの商品の流れをマネジメントすること)を統合可能。製造業向け、商社・卸向け、BtoB向けなどのパッケージも用意されています。
料金は月額40万円程度です。(最小構成の目安の価格)
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド |
対応する企業規模 / 業種 |
中堅・中小企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
グローバル展開を推進したい企業 |
SAP Business One
※画像引用:SAP Business One
「SAP Business One」は、SAP Business ByDesignのパッケージ版ともいえる、中堅・中小企業向け基幹業務システム / ERPです。
クラウドでの展開だけでなくオンプレミスでの導入にも対応。
インメモリデータベースによるリアルタイムアクセスができ、ビジネスを加速させる知見の得られるBI機能(企業が蓄積している大量データから必要な情報を集めて経営の意思決定に活用する機能)も統合されています。
SAP Business Oneの特徴は、企業経営を網羅する統合ERPとしての機能を持ち、企業の成長に応じて段階的に拡張していける柔軟性にあります。POSシステムと連動した小売業の業務統合、営業チームの活動を効率化するモバイルアプリの活用も可能。他のアプリを追加できる機能拡張にも対応できます。
初期費用は個別見積もり、ユーザー1人あたり月額11,550円からです。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド・オンプレミス |
対応する企業規模 / 業種 |
中堅・中小企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
段階的にシステムを統合したい企業 |
ORACLE NetSuite
※画像引用:ORACLE NetSuite
「ORACLE NetSuite」は、世界28,000社以上から活用されるクラウド型統合ERPのパイオニアともいえる基幹業務システムです。
中小・スタートアップ企業から中堅・大規模企業までカバーするラインナップを誇り、組み合わせやカスタマイズも自由自在。
導入初日から使えるBI機能を標準搭載し、19言語・190通貨に対応するグローバルERP。ORACLE傘下となった2017年以降もその進化はとどまるところがありません。
財務・予算・注文・生産・倉庫・サプライチェーンを統合したNetSuite ERPを核に、マーケティング・見込み顧客管理を含むNetSuite CRM、グローバルEC対応のNetSuite e-Commerce、プロジェクト・リソース・経費管理を統合したNetSuite PSAのほか、中小・スタートアップのバックオフィス業務を合理化するNetSuite SuiteSuccessも登場。初期費用なし、月額20万円代からの利用も可能です。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド |
対応する企業規模 / 業種 |
中小・スタートアップ・中堅・大規模企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
CRM / ECを統合したい企業 |
GRANDIT
※画像引用:GRANDIT
「GRANDIT」は、東京都港区に本社を構えるSI企業、GRANDIT株式会社が開発・提供する、純国産の基幹業務システム / 統合ERPです。
自社内に設置するオンプレミス型、パブリッククラウドを活用するIaaS型、SaaSで利用できるクラウド型、サブスクリプション型が用意され、自社ニーズ・予算にあわせて導入形態を自在に選べることが特徴です。
経理・債権・債務・販売・調達・在庫・製造・人事・給与・資産管理・経費という基本10モジュールで構成されるGRANDITは、標準でBI・ワークフロー・ECなどの拡張機能も搭載。幅広い業種に対応できるオールインワンERPであるほか、共同事業体として活動するSI企業の拡張機能も追加可能。業種別に最適化されたソリューションをベースに、日本の商習慣にあわせた統合環境を構築できます。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / オンプレミス・クラウド・SaaS |
対応する企業規模 / 業種 |
中小・スタートアップ・中堅・大規模企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
日本の商習慣に適合したシステムを 導入したい企業 |
GLOVIA iZ(ハイブリッド)
※画像引用:GLOVIA iZ
「GLOVIA iZ(グロービアアイズ)」は、富士通が開発・提供する、純国産ハイブリッド型基幹業務システム / 統合ERPです。
独自業務が多くなる販売・在庫などはオンプレミスで、自社内に設置する人事・会計など頻繁な法改正へ対応が必要なものはクラウドに設置するなど、自社環境にあわせたシステム構築が可能。
データベース・システムがどこにあるのかを気にする必要のないハイブリッド型ERPを実現できます。
経営・会計・人事給与・就業・販売・貿易・生産という7つの基幹業務をカバーするシステム、および現場業務と基幹業務をつなぐフロント基盤がラインナップされ、経営状態をひと目で確認可能。すべての業務を一括して導入する「ビッグバン型」、必要な業務から導入していく「ベストプラクティス型」を選択できます。
料金は利用ユーザーが300IDの場合176万円です。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド・オンプレミスのハイブリッド |
対応する企業規模 / 業種 |
中堅・大規模企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
日本の商習慣に適合したシステムを 導入したい企業 |
Microsoft Dynamics 365(クラウド)
※画像引用:Microsoft Dynamics 365
「Microsoft Dynamics 365」は、Microsoft社が開発・提供するクラウド型基幹業務システム / 統合ERP + ビジネスアプリケーションの総称です。
販売・購買・会計・サプライチェーン管理・生産管理・流通業務を統合した基幹業務システム「Dynamics 365 Finance and Operation」を核に、さまざまな業種の業務ニーズを満たす複数アプリケーションが用意。必要な機能から段階的に導入していくことが可能です。
用意されているのは、マーケティングオートメーションツールである「Dynamics 365 for Marketing」、営業支援・CRMツールである「Dynamics 365 for Sales」、在庫管理・eコマース連携のできる凝り業向け「Dynamics 365 for Retail」、タレントマネジメントシステム「Dynamics 365 for Talent」など。使い慣れたOffice 365と連携した業務効率化・生産性向上が期待できるほか、ノーコードツールによるアプリ開発も可能です。
月額5,440円から利用可能です。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド |
対応する企業規模 / 業種 |
中小・中堅・大規模企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
Office 365とシームレスに連携した作業環境を実現したい企業 |
おすすめの基幹業務システム比較3選:特定業種向けERP
個々の企業の業種・ビジネスモデルに応じて、基幹業務のあり方は変化します。業種によっては、基幹業務システム / 統合ERPでは「使わない機能」が出てきてしまう場合も。そんなときに比較検討の候補に挙げておきたいのが、特定業種向けERPです。
本章では「案件・プロジェクト単位のビジネス向け」「製造業、小売・卸売を含む流通業向け」「食品・化学業界向け」の基幹業務システム / 特定業種向けERPを比較紹介していきます。
システム名 |
特徴 |
料金 |
おすすめの企業 |
クラウドERP ZAC |
・文書管理・ワークフローを含む ・対応する財務会計・人事給与システムとも シームレスに連携可能 |
※要問い合わせ |
未来の売上利益を正確に予測したい企業 |
FutureStage |
・製造業・卸売業・小売業向けERPパッケージ ・累計で4,000システム以上の導入実績 |
初期費用110万円~ 月額費用165,000円~ |
製造・卸売・小売に特化した 基幹業務システムを導入したい企業 |
Ross ERP |
・化学業界や食品業界など通常の製造業向けシステムでは 対応できない領域をカバー ・販売・購買システム、生産管理システム、 原価管理システム、会計システムの4つが統合 |
※要問い合わせ |
プロセス製造工程を厳密に管理したい、 海外の製造拠点も管理したい企業 |
クラウドERP ZAC
※画像引用:クラウドERP ZAC
「クラウドERP ZAC」は、東京都目黒区に本社を構え、クラウドソリューション事業・DX事業などを展開する、株式会社オロが開発・提供するクラウド型基幹業務システム / ERPです。
システム開発・IT業、広告・イベント・クリエイティブ業、士業・コンサルティング業など、案件・契約・プロジェクト単位でビジネスが進む業種の効率化を促進し、未来の売上利益を正確に予測できる知見を与えてくれます。
販売・購買・在庫・勤怠・工数・工程・経費の各管理機能が統合されたZACなら、案件・プロジェクトごとの収支を可視化可能。文書管理・ワークフローを含むグループウェア機能、BI機能も統合されているため、受注確度を含めた案件管理も簡単。オプションの外部連携機能を追加することで、対応する財務会計・人事給与システムともシームレスに連携できます。
料金は利用人数によって変動します。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
プロジェクト管理型ERP / クラウド |
対応する企業規模 / 業種 |
ベンチャー・中小・中堅・大規模企業 / 案件・契約・プロジェクト単位でビジネスを展開する企業 |
おすすめの企業 |
未来の売上利益を正確に予測したい企業 |
FutureStage
※画像引用:FutureStage
「FutureStage」は、日立製作所のグループ企業で、システムコンサルティング・構築サービスを提供する株式会社日立システムズが開発・提供する製造業・卸売業・小売業向けERPパッケージです。
それぞれの業界向けに3つのパッケージが用意されており、オンプレミス型での導入のほか、製造業・卸売業向けはクラウドでの提供も可能。累計で4,000システム以上の導入実績を誇ります。
生産管理・販売管理・在庫管理をシームレスに連携させた製造業向け、販売管理・購買管理・物流在庫管理を連携させた卸売業向けなど、必要な機能をコンパクトにまとめた使いやすさがポイント。専門店・量販店に対応する小売業向けは、本部・流通機能からPOSシステムまで統合したオールインワン環境を実現できます。
料金は初期費用110万円から、月額費用165,000円からとなります。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
製造業・卸売業・小売業向けERP / |
対応する企業規模 / 業種 |
中堅・大規模企業 / 製造・卸売・小売業界の企業 |
おすすめの企業 |
製造・卸売・小売に特化した |
Ross ERP
※画像引用:Ross ERP
「Ross ERP」は、日立製作所のグループ企業で、システムコンサルティング・構築サービスを提供する、株式会社日立システムズが開発・提供するプロセス製造業向けERPパッケージです。
化粧品・医薬品・石油化学・ロールフィルム加工などの化学業界、食品加工・精油・製粉・飲料加工などの食品業界といった、通常の製造業向けシステムでは対応できない領域をカバーできることが特徴。国内だけでなく海外企業も含むグローバルな導入実績を誇ります。
販売・購買システム、生産管理システム、原価管理システム、会計システムの4つが統合されるほか、BI・分析、帳票出力、物流ワークフロー、営業支援機能を追加できる外部システム連携にも対応。オンプレミス型ながら、サーバ・データベースを容易にバージョンアップできることもポイントです。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
プロセス製造業向けERP / オンプレミス |
対応する企業規模 / 業種 |
中堅・大規模企業 / 化学業界・食品業界のプロセス製造企業 |
おすすめの企業 |
プロセス製造工程を厳密に管理したい、 海外の製造拠点も管理したい企業 |
おすすめの基幹業務システム比較2選:オープンソースERP
統合ERPでは機能が多すぎる、特定業種向けERPでは物足りない、しかし自社に最適化された基幹業務システムを導入したいという企業であれば、オープンソースERPを活用するという方法があります。
オープンソースERPとは、ソースコードが公開されていて自由にカスタマイズできるERPのこと。商用利用の場合はライセンス料が必要な場合もありますが、プログラムにかかるコストを最小限に抑えられることがポイントです。
システム名 |
特徴 |
料金 |
おすすめの企業 |
Odoo |
・多通貨・多言語サポートをはじめとした 豊富な機能を標準搭載 ・POS・ECサイト運営を統合可能 |
コミュニティ版:無料 エンタープライズ版:月20$/ユーザー |
海外展開している企業 |
iDempiere |
・プラグイン追加による機能拡張に対応 ・開発のベースとなるフレームワークとして活用可能 |
初期費用・ライセンス料:無料 ※導入時のテクニカルサポートを |
「長年世間で使われているシステムを使いたい」 |
Odoo
※画像引用:Odoo
「Odoo(オドゥー)」は、ベルギーに本社を構えるOdoo S.A.が開発・提供するオープンソース業務アプリケーションスイート / ERPです。
世界1,800社以上から利用される、人気の高いオープンソースERPであり、多通貨・多言語サポートをはじめとした豊富な機能を標準搭載。無償のコミュニティ版のほか、リーズナブルに利用できるエンタープライズ版が用意されています。
海外展開している企業におすすめです。
PostgreSQLデータベースを軸にした構成を持つOdooは、Python / JavaScriptを使ってソースコードが書かれているため、開発・カスタマイズも比較的容易。販売・顧客・生産・在庫・会計・購買・人事・経費管理に必要なベース機能を持ち、POS・ECサイト運営を統合することも可能。世界中のエンジニアが開発するアドオン機能をアプリストアで入手することも可能です。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド・オンプレミス |
対応する企業規模 / 業種 |
中小・中堅企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
海外展開している企業 |
おすすめの開発パートナー企業 |
iDempiere
※画像引用:iDempiere
「iDempiere(アイデンピエレ)」は、1999年にリリースされた「Compiere」を原点とするオープンソースERPソフトウェアです。
2011年にOSGiアーキテクチャを採用した「iDempiere」として登場し、プラグイン追加による機能拡張に対応したことが大きな特徴。多言語・多通貨サポート・レスポンシブ対応など、現代でも使いやすい仕様を持つ魅力的なERPパッケージです。「長年世間で使われているシステムを使いたい」と考える企業におすすめです。
購買・販売・生産・在庫・会計・顧客管理を含む豊富な機能が標準搭載され、基幹業務システムとして商用ERPに見劣りしないこともポイント。iDempiereをベースに独自業務アプリケーションを開発するなど、開発のベースとなるフレームワークとして活用することも可能です。
基幹業務システムのタイプ / 導入形態 |
統合ERP / クラウド・オンプレミス |
対応する企業規模 / 業種 |
中小・中堅企業 / あらゆる業種 |
おすすめの企業 |
「長年世間で使われているシステムを使いたい」と考える企業 |
おすすめの開発パートナー企業 |
基幹業務システム選定のポイント
多種多様な選択肢があるなか、自社に最適な基幹業務システム / ERPを選定するには、どのようなことに注意すればいいのか?以下から、基幹業務システムを選定する際のヒントとなるポイントを紹介していきます。
【選定前に】導入の目的・自社業務の全体像を明確にする
基幹業務システム / ERPを導入する最大のメリットは、業務データの一元管理で迅速かつ的確な経営判断を下せる知見を得られることです。目的が個別業務の効率化であるなら、基幹業務システムの導入が最適だとは限りません。
基幹業務システムを導入するなら、一元管理すべき業務データをすべて洗い出す必要があります。
機能の過不足なく搭載されているか
自社業務および業務データを一元管理していくうえで、必要な機能が過不足なく搭載されているかということ。すでに解説したように、業種・ビジネスモデルによって個々の企業に必要な基幹システムは異なるからです。
まずは、自社の業界・業種向けの基幹業務システムを比較してみることもおすすめ。使わない機能が搭載されている可能性のある統合ERPよりも、ピッタリの特定業種向けERPがあれば、そちらの方が導入コストを抑えることにもつながるでしょう。
拡張性・カスタマイズ性がどうなっているか
経済市場の動向が急速に変化する現代では、ビジネスモデルの変更・修正が必要になる場合も少なくありません。こうした状況でも素早く対応できる基幹業務システム / ERPを導入するためには、拡張性・カスタマイズ性も確認しておくことが重要です。
システム導入時は最低限の機能を搭載させ、ビジネスの成長にあわせて機能を拡張していくことも可能。柔軟なカスタマイズに対応できるシステムなら、細かな点を自社業務に最適化させることも可能です。
定着に向けたサポート体制がどうなっているか
基幹業務システム / ERPに限ったことではありませんが、システムは活用されてこそ目的を達成できるもの。そのためには、現場の活用・定着に向けたサポート体制が整えられている基幹業務システム / ERPを選定することがおすすめです。
たとえば、訪問サポートがあるのか、訪問はなくとも24時間オンライン上で相談可能かなど、サポートの方法や対応可能時間帯はシステムによってさまざまです。
基幹業務システムの導入メリット
基幹業務システムを導入する最大のメリットは「経営状態を可視化できる」ことです。なぜ基幹業務システムが経営状態を可視化できるのか、経営状態を可視化することでビジネスの成長にどのように貢献できるのか、基幹業務システムの仕組みやメリットについて簡単に解説していきます。
業務データの一元管理・リアルタイムの反映ができる
上述したように基幹業務システムは、社内のあらゆるデータを「唯一のデータベース」に集約します。これによって、社内で活用されるすべてのシステムが、唯一のデータベースを参照する「業務データの一元管理」を実現できるのです。
従来のように、異なるシステムごとに同じデータを二重・三重に入力する必要がなくなり、ユニークな業務データを一度だけ入力すれば、変更がすべてのシステムにリアルタイムに反映されます。同じ業務データが分散して保存されることも、入力ミスによる不整合が発生することもなくなるのです。
経営資源を可視化できる
すべての業務データが唯一のデータベースに集約される基幹業務システムは、「ヒト」「モノ」「カネ」という経営資源の現状、過去からの流れ・動き、それぞれの相関関係をリアルタイムに可視化できます。
人事給与、財務会計、生産在庫管理の各システムからデータを抽出し、それぞれを突き合わせて現状を把握するといった必要がなくなるのです。
データにもとづいた迅速な経営判断ができる
経営資源をリアルタイムに可視化できるということは、経営状態をリアルタイムに把握することが実現できるのです。
基幹業務システムで「ヒト」「モノ」「カネ」の過去から現在までの流れ・動きを分析することにより、現在の状況から近未来に起こること・会社経営としてすべきことも予測できるようになるでしょう。
業務の標準化・効率化ができる
基幹業務システムの導入には、各部門の業務標準化・効率化促進が期待できるというメリットもあります。
なぜなら、各部門が独立して導入を進めることの多かった従来の基幹システムは、部門の使い勝手・都合を優先した「属人的なシステム」になりがちだったからです。基幹業務システムへの切り替えにともない、活用・定着を促進していくという課題はあるものの、業務標準化による生産性向上は代え難いメリットとなり得ます。
基幹システムの開発におすすめの会社
株式会社⼤宣システムサービス
株式会社⼤宣システムサービスのおすすめポイント
・保険商材をメインとした基幹システム構築
・業務の自動効率化・モバイルアプリケーション開発にも対応
株式会社⼤宣システムサービスは、大阪府大阪市のシステム開発会社です。東京都・徳島県にも営業拠点を持ちます。
主に保険業界向けのシステム開発を強みとしています。⽣保・損保・代理店のシステム開発ではカード会社や銀⾏との連携も必要になるなど、多岐に渡ります。
システム開発から構築、運用、データセンター管理、事務代行にいたるまで、システム開発と業務改善を一体化させたBPO(業務の一部を外部に委託すること)に対応。
一例として保険業界向け顧客管理システム・⼈事情報管理システムは、紙媒体と電子データに分かれた様々な情報(Web・モバイル・紙媒体・電話受付と顧客によって申込手段が異なるなど)をデータベースで一括管理。顧客への案内や、経営・現場で必要とする人事情報の出力(紙・電子問わず)を適切に行えます。
基幹システム開発の他に、スマホアプリの開発や独⾃のRPA(ロボットによる事業プロセスの自動化技術)も提供。RPAを用い、手作業で行われているメールや報告書からシステムへの転記といった「単純作業」を削減することで、業務を⾃動化し作業効率・⽣産性の向上を図るといった利点があります。
株式会社⼤宣システムサービスの概要・実績
TEL |
06-6241-7741 |
会社所在地 |
〒541-0059 ⼤阪府⼤阪市中央区博労町3丁⽬6-1 御堂筋SGビル9F |
設立年 |
1969年4⽉ |
実績詳細 |
保険業界向け 顧客管理システム 保険業界向け ⼈事情報管理システム スマートフォンアプリ開発 RPA(ロボットによる事業プロセスの自動化技術) |
基幹システム開発におすすめの会社の詳細は下記記事をご参照ください。
関連記事:基幹システムの開発に強い会社12選!【2023年最新版】
テクバン株式会社
テクバン株式会社のおすすめポイント
・バックオフィス作業を支える基幹システムを提供
・金融から流通まで、多様な業種のシステム開発に対応
・プライバシーマーク・ISO/IEC 27001取得済み
テクバン株式会社は、東京都港区のシステム開発会社です。
会計・人事・給与・販売管理など多くの業種で共通する基幹システムを提供。勤怠管理システム、旅費経費精算システム、ワークフローシステムの導入支援といった付加的な基幹周辺業務システムの取り扱いもあり、バックオフィスの業務効率改善を支援。
教育系、金融系、公共系、流通系など特定業種向けの基幹システムも多数の導入実績を持ちます。流通業界向けの開発事業では、物流・小売の基幹システムのほか、オンラインショップの構築なども手掛けます。
個人情報や財産・公共性の高い事業を取り扱う上で、プライバシーマーク・ISO/IEC 27001(ISMS)を取得済み。
情報セキュリティーの扱いに対し一定基準を設けた開発環境を整えています。
テクバン株式会社の概要・実績
TEL |
03-5418-8500 |
会社所在地 |
〒108-0022 東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー4階 |
設立年 |
1996年2月29日 |
実績詳細 |
金融系システム(銀行、証券、生損保、信販・リース業界) 公共系システム(旅客運輸、文教、官公庁、公共事業) 流通系システム(流通小売、オンラインショップ、物流業) 基幹業務システム(会計・人事・給与・販売管理) 勤怠管理システム、旅費経費精算システム、ワークフローシステム等の基幹周辺業務システム |
基幹業務システム比較まとめ
どのような基幹業務システム / ERPを選べばいいのかわからない、そもそも基幹業務システム自体がよくわからないという方に向け、本記事では基幹業務システムの基本や導入メリットを解説するとともに、おすすめの基幹業務システム / ERPをカテゴリーごとに比較紹介してきました。
本文内でも解説したように、基幹システム・業務システムを統合した基幹業務システムは、個々の企業の業種・ビジネスモデルに応じて、最適なシステムが大きく異なります。導入の目的を明確にし、自社業務の全体像を踏まえたうえで、過不足のないシステムを選択できるよう、じっくり比較検討することが重要です。
※自社に合う基幹業務システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な基幹業務システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
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初心者の方でも安心してご相談いただけます。
この記事を書いた人

梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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