- 更新日 2023.10.27
- カテゴリー 業務システム
エクセル(Excel)勤怠管理の課題|勤怠管理システムを導入して合理化を進めよう【2024年最新版】
・エクセルで勤怠管理表を作る方法は?
・エクセルでの勤怠管理に問題はない?解決すべき課題は?
・エクセルと勤怠管理システムではなにが違う?
勤怠管理システムを導入するほど従業員数が多くない、タイムカードで勤怠管理するのは手間がかかる。そう考えている企業・店舗担当者の方であれば、エクセルの活用を考えているかもしれません。たしかにエクセルで勤怠管理表を作成することは可能ですが、できれば最初から勤怠管理システムの導入を検討することがおすすめ。それはなぜか?
そこで本記事では、エクセルを活用した勤怠管理にどのような課題があるのか、勤怠管理システムが課題をどのように解決するのかを徹底解説!
エクセルの活用を考えている方におすすめできる勤怠管理システムも紹介していきます。
※勤怠管理システムの開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。目的や予算などから最適な開発会社をご紹介します。相談料・紹介料は無料で開発会社からの営業もありません。
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エクセルで勤怠管理表を作成する方法
まずは、エクセルを活用した勤怠管理を考えている方の参考になるよう、エクセルで勤怠管理表を作成する方法を簡単に紹介しておきます。
エクセル関数・マクロを使って自作
エクセル関数やマクロを使うことで、勤務時間を自動集計できる勤怠管理表を作成可能です。勤怠管理表に使える主な関数を紹介しておきましょう。
エクセル関数 |
概要 |
SUM関数 |
指定範囲の合計値を表示 |
HOUR関数、MINUTE関数 |
指定した時刻から時間・分の値を返す |
FLOOR関数 |
指定した基準値でデータを切り捨て。分単位のまるめなど |
COUNT関数 |
数値の入っているセルの数を数える。出勤日数など |
「開発」メニューから「Visual Basic」をクリックすることで、マクロを組むことも可能。IF関数などを併用することで、残業時間の自動集計もできます。
エクセル勤怠管理表テンプレートを活用
画像引用:bizocean
空のシートからエクセル勤怠管理表を作成する際には、自分自身で関数を指定したり、マクロを組まなければなりません。
もっと簡単に勤怠管理表を作りたいという方であれば、「bizocean」「Microsoft」「みんなのExcelテンプレート」などで掲載されているエクセルテンプレートの活用がおすすめ。勤怠管理表を無料で提供しているエクセルテンプレートサイトは確認しておきましょう。
エクセルを活用した勤怠管理運用
勤怠管理とひとことにいっても、出勤・退勤時刻の記録から、勤務時間の集計、出勤簿の作成まで、やるべきことも異なれば担当者も異なります。エクセルで作成した勤怠管理表をどのように活用していくか?運用方法を決めておかなければなりません。
勤怠の記録・勤務時間の集計
勤怠管理をするためには、大前提として出勤・退勤時刻を記録する必要があり、従業員本人による記録が原則です。一般的にはタイムカードを活用して出勤・退勤時刻を打刻し、作成したエクセル勤怠管理表に転記・集計していくことになるでしょう。
勤怠記録にもエクセルを活用したいニーズがある場合は、
勤怠管理表とは別にエクセルで出勤簿を作成して従業員に配布、締め日以降に出勤簿を収集して勤怠管理表にデータをペーストして集計していくという流れが考えられます。
いずれの場合も、エクセルで作成した勤怠管理表は、法定三帳簿のひとつである出勤簿として利用できます。
エクセル勤怠管理の課題
出退勤時刻から勤務時間を自動計算・集計できるなど、ある程度の業務効率化が見込めるエクセル勤怠管理ですが、解決すべき課題は少なくありません。
以下に、エクセル勤怠管理の具体的な課題を挙げておきましょう。
勤怠管理業務を合理化・効率化できない
- タイムカードとエクセル勤怠管理表を併用する
- 従業員に出勤簿を配布してエクセルに転記する
いずれの場合も勤怠管理業務を合理化・効率化できているとはいえません。
従業員の側からすれば、本人による記録が原則となるため、タイムカードを打刻しにオフィスに戻る必要があります。エクセル出勤簿の場合も、自身で出退勤時刻を記録しなければなりません。
管理者の側からすれば、タイムカードの勤怠記録をエクセルに転記する、出勤簿の回収・エクセル転記の手間がかかります。
正確性・客観性を担保できない
タイムカード・出勤簿を活用するエクセル勤怠管理では、正確性・客観性の担保が困難です。
タイムカードから目視で転記する、出勤簿からコピー&ペーストするエクセル勤怠管理では、必ず人の手が介在します。そのため、人為的ミスを完全に排除できません。タイムカードの打刻忘れ、出勤簿への記載忘れなど、従業員側のミスが多くなる傾向もあります。
さらに、簡単に修正できてしまうエクセル出勤簿では「悪意ある改ざん」が行われることも否定できません。
柔軟な働き方への対応が困難
裁量労働制やフレックスタイムなど、多様かつ柔軟な働き方を容認する方向にある現代では、エクセルを活用した勤怠管理は理想的な方法だとはいえません。
たしかに関数やマクロを活用すれば、柔軟な働き方に対応できるエクセル勤怠管理表を作成できるかもしれません。しかし、運用が複雑化してしまうことは避けられず、イレギュラーな状況への対応も困難です。
エクセル勤怠管理表自体のメンテナンスも属人化しがちであり、担当者の退職などで後継の勤怠管理担当が対応しきれず、混乱を招く可能性もあります。
残業を含む勤怠管理が困難
エクセル勤怠管理の場合、勤怠管理表への転記・集計は締め日以降となることが基本。このため、従業員の残業時間を把握して働き過ぎを防ぐなど、健康管理を含む適切な勤怠管理はエクセルでは事実上不可能だといえます。
また、労働基準法第37条では22時~翌日5時までは、深夜手当として25%以上の割増率で残業代を社員に支払う必要があります。すると、社員によって深夜残業をする者と深夜帯ではない時間帯で残業をする者が混在するので、残業代の計算・管理が一層難しくなります。
※参考:厚生労働省
NAS(Network Attached Storage)を活用してエクセル勤怠管理表を共有する方法はあります。しかし、ファイル共有を前提としないエクセルの場合、ファイルが壊れる、ロックされてしまうことも。仮にうまく共有できたとしても、合理化・効率化につながるわけではありません。
法令遵守が困難
順次施行されている働き方改革関連法案には、使用者(労働者を管理する実態を持つ人)に「労働者の労働時間を適正に把握する」責務があると明記されました。具体的には、始業・終業時刻の確認・記録の原則的な方法として、以下のいずれかの方法を挙げています。
・使用者が自ら現認することにより確認して記録
・タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認して記録
エクセル勤怠管理表は、明らかに上記の条件を満たしていないことがわかります。働き過ぎの抑制を含む勤怠管理が困難なこととあわせ、エクセル勤怠管理では法令遵守は困難であるといえるでしょう。
参考:厚生労働省「労働時間の適正は把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」
エクセルの課題を解決する勤怠管理システムのメリット
こうしたエクセル勤怠管理の抱えがちな課題を解決する、最適なソリューションとなり得るのが「勤怠管理システム」です。
勤怠管理業務の効率化・柔軟な働き方への対応
データベースに勤怠情報が集約される勤怠管理システムは、関連する業務の大幅な効率化が可能。打刻時刻を管理表に転記する必要もなく、勤務時間の集計も自動化できます。
CSV出力やAPIによる給与計算ソフトなどの外部システムとの連携や、集計結果を出勤簿として出力できるため、関連業務の手間を大幅に省けるでしょう。
また、ICカードをはじめとしたさまざまな打刻方法に対応する勤怠管理システムは、柔軟な働き方を実現するためにも最適です。医療機関など複雑な勤務体系に対応するシステムも多数存在し、スマホを活用したGPS打刻なら営業先からの直帰も可能。従業員がわざわざオフィスに戻る必要もありません。
とくに複雑な勤務体系の医療機関におすすめのシステムの詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:病院向けのおすすめ勤怠管理システム9選!医療機関の勤怠管理課題を解決するサービスは?
正確性・客観性・法令遵守を担保
ICカードをはじめとした勤怠管理システムの多彩な打刻方法は、国からも客観性が高いと認められています。勤務時間の集計などに人の手が介在しなければ、関連業務をミスなく正確に処理できるでしょう。
下記のような勤怠管理システムならではの機能は、働き方改革を促進するのにもピッタリです。
・システムのアラート機能で従業員の働き過ぎを抑制する
・ワークフロー機能でスムーズに残業や有給を申請・承認できる
無料から使える勤怠管理システムも
「従業員数が少ないからエクセル勤怠管理で充分」と考えている事業者・企業の方にこそ、勤怠管理システムはおすすめです。
エクセル勤怠管理の魅力は、普段利用しているアプリケーションで追加料金なしに勤怠管理できること。しかし、勤怠管理システムにも無料プランのあるサービス、無料トライアルを利用できるサービスがあります。
機能に制限のある場合も少なくありませんが、有料プランに切り替えてもコストは1名月額数百円程度。勤怠管理システムのメリットを考えれば、コスト以上の効果が得られるはずです。
※勤怠管理システムについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:勤怠管理システムとは?主要な機能・メリット・デメリット・導入のポイントを解説!
無料でも使えるおすすめ勤怠管理システム
ここまでの解説で、勤怠管理システムに興味が湧いてきた、という方も多いのではないでしょうか?そんな方に向け、以下から、無料プランや無料トライアルの用意された、おすすめの勤怠管理システムをいくつか紹介していきます。
HRMOS勤怠
画像引用:HRMOS勤怠
「HRMOS勤怠」は、東京都港区に本社を構えるIEYASU株式会社が開発・提供するSaaS型勤怠管理システムです。打刻機能・日次勤怠管理機能・シフト管理機能・休暇管理機能など、基本的な機能を網羅しながら、利用人数・期間無制限で利用できる「無料プラン」が用意されていることが最大の特徴。
広告表示・データ保管1年間という制限はありますが、まずは勤怠管理システムを使ってみたいという方におすすめ。制限解除、便利機能の追加された有料プランも用意されています。
打刻方法の基本は、Webブラウザ打刻・アプリをインストールしたタブレット打刻です。さらに、外出先からも打刻でき、アラートのプッシュ通知も受け取れるiOS / Androidアプリも利用可能。Slack / LINE / LINE WORKS / QRコード打刻も選択できます。
スマホ打刻 |
○(アプリ / ブラウザ) |
その他の打刻 |
PC / タブレット / ICカード / パスコード / Slack / LINE / LINE WORKS / QRコード |
主な機能 |
自動集計 / 残業申請・承認 / 残業レポート / 休暇管理 / シフト管理 / 有給自動付与(有料版) / 勤怠アラート(有料版) / API機能(有料版)など |
料金 |
39名まで月額4,180円〜 (従業員数に応じたプランを用意。初期費用無料) |
無料プラン |
あり |
ジョブカン勤怠管理
画像引用:ジョブカン勤怠管理
「ジョブカン勤怠管理」は、東京都渋谷区に本社を構えるクラウドベンダー、株式会社DONUTSが開発・提供するSaaS型勤怠管理システムです。「出勤管理」「シフト管理」「休暇・申請管理」「工数管理」の4つの機能が分割され、必要なものだけ組み合わせて利用できることが特長。機能制限のある無料プランが用意されるほか、すべての機能を30日間無料で使えるトライアルも利用できます。
ICカード、生体認証、Webブラウザのほか、外回り営業スタッフが便利に使えるLINE / Slack打刻やモバイルGPS打刻にも対応。予実管理・予算管理も可能なシフト機能は、3交代制や変形労働時間制にも保冷遵守しながら対応できるよう、社労士の監修のもとで開発されています。
スマホ打刻 |
○(iOSアプリ / ブラウザ) |
その他の打刻 |
生体認証、ICカード認証、セキュアログイン、 Webブラウザ(共有・個人PC)、LINE、Slack打刻など |
主な機能 |
勤怠・残業集計、スケジュール・シフト管理、 有給・休暇管理、通知・アラート機能、 ワークフロー、様式9帳票作成など |
料金 |
プラン1:200円 / 1ID、プラン2:300円 / 1ID、 プラン3:400円 / 1ID、プラン4:500円 / 1ID (機能数に応じて変動、初期費用無料) |
無料プラン |
あり |
オツトメ!
画像引用:オツトメ!
「オツトメ!」は、大阪市福島区に本社を構えるシステム開発会社、ネクストライブ株式会社が開発・提供するSaaS型勤怠管理システムです。シンプルなインターフェースと必要最低限に絞り込んだ機能を持ち、利用人数の制限なく完全無料で使い続けられることが特徴です。
使い方は簡単。アカウントを作成して管理者IDでログインし、従業員のデータを登録していくだけ。あとはPCやタブレット、スマホからブラウザにログインし、勤怠を入力していけば、エクセルライクなインターフェースで自動集計・勤怠時間の計算が可能です。
CSV出力にも対応するため給与計算ソフトとの連携もスムーズ。多くの機能は必要ないが、勤怠管理業務を効率化したい、といった企業・店舗におすすめです。
スマホ打刻 |
○(ブラウザ) |
その他の打刻 |
PC打刻(Webブラウザ) |
主な機能 |
勤怠・残業集計、CSV出力、メッセージ機能など |
料金 |
完全無料 |
無料プラン |
あり |
シュキーン
画像引用:シュキーン
「シュキーン」は、北海道札幌市に本社を構えるシステム開発会社、株式会社インフィニットループが開発・提供するクラウド型勤怠管理システムです。勤務体系に合わせて自在にシフトを作成できるシフト機能、勤務時間をグラフィカルに表示・分析できる統計機能を持ち、チームのタイムマネジメントに活用できることが特徴。最大2か月間の無料トライアルを利用できます。
モバイルデバイス用のタイムレコーダーアプリはないものの、外出先からの打刻も可能なWebブラウザ打刻に対応。「かざしてシュキーン」アプリをICカードリーダーと併用すれば、iOS / Android端末をタイムレコーダー代わりに使用可能です。
登録ID数ではなく、打刻のあった従業員数に応じた課金体系になっていることも特徴。コストの最適化に役立ちます。
スマホ打刻 |
○(ブラウザ) |
その他の打刻 |
スマホ / ICカード / ビーコン |
主な機能 |
自動集計 / 残業管理 / シフト作成 / CSV出力 / 休暇管理 / ワークフロー / 統計機能など |
料金 |
1名月額220円 (利用人数のみ課金対象、初期費用無料) 最低利用料金月額2,200円 |
無料プラン |
最大2か月の無料トライアルあり |
kincone
画像引用:kincone
「kincone」は、東京都豊島区に本社を構えるクラウドベンダー、株式会社ソウルウェアが開発・提供するSaaS型勤怠管理システムです。勤怠情報が一目でわかるダッシュボード、さまざまな就業形態・勤務間インターバルへの対応、有給管理、アラート機能など、働き方改革に対応する多彩な機能を持っています。スマホさえあればスタートできる気軽さが特徴。交通系ICカードを活用すれば、打刻だけでなく交通費の読み取りも可能です。
ICカード打刻も、Android / iOS両対応のアプリをインストールした端末を用意するだけ。ブラウザを使ったPCでの打刻やスマホ打刻はもちろん、Slackをはじめとしたチャット打刻も可能です。
1ID月額220円と、コスト的な負担を軽くできることもポイント。最大2か月間無料で利用できるトライアルも用意されています。
スマホ打刻 |
○(アプリ / ブラウザ) |
その他の打刻 |
PC打刻、ICカード打刻、Slack / ChatWork / LINE WORKS打刻 |
主な機能 |
自動集計 / CSV出力 / 有給管理 / 交通費読み取り / 勤務間インターバル / ダッシュボードなど |
料金 |
1名月額220円(初期費用無料) 最低利用料金月額1,100円 |
無料プラン |
最大2か月の無料トライアルあり |
おすすめ勤怠管理システムを比較した内容の詳細は、下記記事をご参照ください。
関連記事:【労務担当必読】勤怠管理システム比較10選|比較すべきポイントも解説
エクセル 勤怠管理システムまとめ
エクセルで勤怠管理を効率化したいと考えている方に向け、本記事では、エクセル勤怠管理表の作り方を紹介するとともに、エクセル勤怠管理にどのような課題があるのか、勤怠管理システムが課題をどのように解決するのかを解説するとともに、エクセルの活用を考えている方におすすめできる勤怠管理システムも紹介してきました。
たしかに、エクセルは幅広い用途に活用できる優秀なアプリケーションですが、万能ではありません。適切に勤怠管理していくためには、それを前提として開発された勤怠管理システムを活用することが合理的です。まずは無料で試し、メリットを充分に確認できてから有料プランに切り替えることがおすすめです。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
※自社に合う勤怠管理システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な勤怠管理システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
Q. エクセルで勤怠管理表を作成する方法は?
エクセルで勤怠管理表を作成する方法として「エクセル関数・マクロを使って自作」「エクセル勤怠管理表テンプレートを活用」「エクセルを活用した勤怠管理運用」が挙げられます。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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