- 更新日 2024.03.15
- カテゴリー 業務システム
勤怠管理システムの導入メリット・デメリット|タイムカードとの違いは?【2024年最新版】
「勤怠管理システムを導入したい」と手作業の勤怠管理に限界を感じている企業、人事担当者なら検討していることでしょう。そのような方なら、以下のようなことを知りたいはずです。
・勤怠管理システムを導入するメリットとは?
・タイムカードから勤怠管理システムに切り替える効果はどれぐらい?
・勤怠管理システムを導入するデメリットはないの?
業務フローがどのように改善されるのか?適切なシステムを選ぶにはどうすべきなのか?判断するためにも基本を理解しておきましょう。
本記事では、手作業からシステムへ切り替えることによるメリットから導入時のポイントまで解説します。おすすめの勤怠管理システムまで紹介しているため、ぜひ、参考にしてみてください。
※勤怠管理システムの導入を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的から最適な勤怠管理システムを選定させていただきます。相談料などは一切かかりません。
勤怠管理システムのメリット
業務効率化が図れる
勤怠管理システムにある打刻や申請承認(残業や休暇の申請をシステム上で行える機能)などの機能を利用すれば、以下の人事業務が効率化できます。
【業務効率化できる業務】
・勤怠データの集計
・シフト作成
・予実管理
・残業や休暇の申請・承認
・給与計算(※給与計算システムと連携した場合)
ここでは、勤怠管理システムを活用して、どのように業務効率化ができるのか具体的に説明していきます。
勤怠データの集計
勤怠管理システムを導入すれば、従業員が打刻したら始業・就業の時刻がシステムへ登録されます。打刻時刻を基に労働時間が自動計算されます。後で勤怠表を修正すると、手作業の場合は労働時間を再集計しなければいけません。
しかし、勤怠管理システムであれば自動で再集計されます。また、打刻忘れや勤怠異常などエラーがあれば表示されるため、締め日に打刻忘れの従業員に勤務時間を確認するなど煩わしい業務から開放されます。
実際に従業員規模50名の会社は、手作業からシステム導入に切り替え、勤務管理の作業時間を3時間から1時間に減らすことに成功しました。
シフト作成
勤怠管理システムを導入すれば、シフト作成業務が効率化できます。その理由は、各従業員の「所属」「雇用区分」「勤務可能時間」などを登録しておけば、スケジュール表に割り当てるだけで簡単にシフト作成ができるようになるためです。
具体例をあげると、従業員400名の企業では、手作業からシステム導入に切り替えることで作業時間が2時間20分になりました。
手作業でシフト作成をする場合は、各従業員の勤務形態を加味しながら、スケジュールに偏りが生じないように調整しなければいけません。また、経験と勘でシフト作成できる人事担当者が離職すると、引き継ぎなども大変になります。このようなシフト作成の問題を解決するために、勤怠管理システムが導入されているのです。
予実管理
勤怠管理システムを導入すれば、経営管理に活かすための予実管理が行えるようになります。システム上で作成したスケジュール(予定)と勤務実績の差異をリアルタイムで確認できるようになります。
また、システムであれば「日別」「週別」「月別」の単位で比較ができることも魅力。どれぐらいの人件費のギャップが生じているかを管理できます。店舗や拠点ごとに集計することもできるため、経営管理を強化できます。このような細かな予実管理ができるのは、分析力に強みを持つシステムならではの魅力です。
残業や休暇などの申請・承認
従業員は有給休暇取得ができますが、休暇申請などの承認手続きにも手間がかかります。例えば、従業員の有給休暇の残日数を質問されたり、申請期限を質問されたりすることがあり1つ1つに応えていると疲れてしまうでしょう。
勤怠管理システムを導入すれば、各従業員が取得できる有給休暇の残日数や申請期限が分かるようになっています。また、システム上で申請・承認することで口頭により言った言わないのトラブルまで防止できます。
給与計算(※給与計算システムと連携させた場合)
勤怠管理システムと給与計算システムを連携させれば、給与計算を自動化できます。とくに給与計算は昇給や降給をした場合や、パートから正社員に雇用契約が切り替わった場合などの社会保険の月変処理が難しいです。
しかし、給与計算システムを利用すれば、社会保険の月変処理まで自動化できます。そのため、給与計算の業務を効率化できます。
正確な勤怠状況を把握しやすい
勤怠管理システムを導入すれば、以下のような不正打刻を防止できて勤怠状況が把握しやすくなります。
【不正打刻の例】
・欠勤・遅刻・早退の事実を隠すために同僚に打刻を依頼する
・打刻し忘れて、不正な時刻を手書きする
・タイムレコーダーを不正に操作して、事実と違う打刻をする
不正打刻は、給与計算に影響が出るだけでなく、管理監督不足として会社の信用を落として損害にも繋がります。勤怠管理システムの打刻方法には「生体認証」「ICカード」「パソコンのログ履歴」などがありますが、これらを活用するとなりすまし行為ができなくなるため、不正打刻の防止に最適です。
多様化する働き方に対応できる
勤怠管理システムは、多様化する働き方の実現をサポートしてくれます。近頃は、業務委託や時短勤務者などの雇用形態なども増えてきています。このように雇用形態が複雑化すると、勤怠管理が難しくなるでしょう。
しかし、勤怠管理システムは、スマホ打刻(GPS付き)やパソコンのログ履歴による打刻が選択できるため、多様化する働き方に対応できます。例えば、リモートワークを導入する際の問題として勤務状況がわからず、サービス残業が増えるなどの問題があります。
しかし、パソコンのログ履歴を取得すれば、勤務状況が可視化できるようになるためサービス残業を抑制できるようになるでしょう。また、パソコンのログ履歴から稼働状況がわかり、人事評価が行いやすくなります。
労務管理の法令遵守に活用できる
勤怠管理システムを導入すれば、勤務時間が可視化されるから法令遵守に活用できます。働き方改革で36協定届(従業員に残業させる場合に労働基準監督署に提出するもの)が新しくなりました。
時間外労働の上限規定 |
1ヵ月:45時間 1年間:360時間 (※特別な事情がある場合は年間720時間) |
年次有給休暇の取得 |
年5日以上 |
上記の内容を守らなければ、刑罰(6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科せられるため注意してください。
勤怠管理システムのデメリット
業務効率の改善に役立つ勤怠管理システムですが、デメリットもあります。
- 導入コストがかかる
- 社内に浸透するまで時間がかかる
- 勤怠管理システム選びが難しい
導入コストがかかる
勤怠管理システムを導入する場合は「導入費用」「月額料金」などのコストがかかります。
システムによって金額は異なりますが、目安は下記の表の通り。
クラウド型勤怠管理システム |
導入費用 |
0円~50万円 |
月額料金 |
1人につき200円/月~<一例> |
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オンプレミス型勤怠管理システム |
導入費用 |
50万円~200万円 |
月額料金 |
1~3万円/月(※) |
(※)アップデート対応の依頼は別途料金が発生します。
勤怠管理システムには、クラウド型とオンプレミス型があり、大きな違いは「サーバーをどこに設置するか」
・オンプレミス型…自社の施設内にサーバーを設置して使う
・クラウド型…インターネットを使って共通のシステムを使う
それぞれに以下のようなメリット・デメリットがあります。クラウド型は手軽さで、オンプレミス型はセキュリティを重視したい方におすすめです。
オンプレミス型 |
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クラウド型 |
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費用に関してはオンプレミス型のほうが高額な傾向にあります。
社内に浸透するまで時間がかかる
2つ目のデメリットは、社内に浸透するまで時間がかかること。勤怠管理システムを導入後、従業員に打刻方法や各種申請の方法を説明しなければいけないため、操作に慣れるまで時間がかかります。勤怠管理システムの使用方法に関するマニュアルを配布して操作ができるようになるとは限りません。場合によっては、システム操作方法の説明会を開催する必要も出てくるでしょう。
自社に合う勤怠管理システム選びが難しい
勤怠管理システムは多くの製品があり、公式サイトを見ても自社に合うものが分からず悩んでしまうかもしれません。勤怠管理システム選びを間違えてしまうと、自社の雇用形態や勤務形態に合わせるためカスタマイズしなければいけなくなります。カスタマイズ料金は高額となるため、必ず自社に見合ったものを導入しましょう。後で詳しく説明しますが、勤怠管理システムの導入では失敗が多いため、注意してください。
※勤怠管理システムの導入を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的から最適な勤怠管理システムを選定させていただきます。相談料などは一切かかりません。
タイムカードと勤怠管理システムを比較
勤怠管理システムのメリット・デメリットを紹介しましたが、タイムカードと比較すると下記の表の通りです。
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タイムカード |
勤怠管理システム |
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コスト |
導入費用 |
印字型:約5万円 データ出力型:約7万円 自動集計型:約20万円 |
導入費用 |
クラウド型: 0~50万円 オンプレミス型: 50~200万円 |
月額料金 |
タイムカード:20円/枚 集計業務費用:20万円/月 |
月額料金 |
クラウド型: 200円/名~ オンプレミス型: 1~3万円/月 |
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打刻修正の申告 |
電話やメールで依頼する |
システム上で修正申告の依頼ができる |
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直行直帰の打刻方法 |
代理の人に打刻を依頼する |
PCやスマホで打刻できる |
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法改正への対応 |
社内で対応 |
アップデートは自動 |
勤怠管理システムの機能を理解しよう
勤怠管理システムのメリット・デメリットは理解して頂けたと思いますが、そもそも勤怠管理システムにはどのような機能があるのでしょうか?主な製品や、勤怠管理システムを導入して業務効率化を実現した事例について簡単に説明します。
勤怠管理システムの主な機能
打刻 |
働き方に合わせた打刻が行える (PC・スマホ・ICカード・指静脈認証・GPS・LINE・Slackなど) |
各種申請 |
休暇申請や申請承認が行える |
シフト作成 |
シフト申請やシフト作成ができる |
集計業務 |
スタッフの勤務状況を自動集計できる |
工数管理 |
プロジェクトやタスクの工数集計ができる |
アラート通知 |
時間外労働状況を一覧で把握することができ、残業時間が超過する 場合は自動アラートで知らせてくれる |
関連記事:勤怠管理システムとは?主要な機能・メリット・デメリット・導入のポイントを解説!
主な勤怠管理システム
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※システム幹事にはおすすめの勤怠管理システムを厳選した記事もあります。各システムの詳しい説明は下記の記事をご参考ください。
関連記事:【労務担当必読】勤怠管理システム比較|比較すべきポイントも解説
導入事例
THE NORTH FACEをはじめ20以上のブランドを手掛ける小売業の株式会社ゴールドウインは、約3,000人の従業員を抱えています。2019年の働き方改革を機会に、法令遵守を徹底するために勤怠管理システムを導入しました。勤怠管理を行う上で打刻漏れや申請漏れなどの課題を抱えており、既存システムの限界を感じていたのです。
勤怠管理システムを導入後、打刻し忘れの連絡や届出の承認、シフト作成など何をすべきかが一目で分かるようになったことが大きな成果だと述べています。また、残業時間の上限を超える恐れがある従業員情報をアラート通知で知らせてもらえるので、法令違反を起こす心配がありません。勤怠管理システムを導入したことで、法令遵守の徹底化が実現できて、不安が払拭されたと述べています。
※勤怠管理システムの導入を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的から最適な勤怠管理システムを選定させていただきます。相談料などは一切かかりません。
勤怠管理システム導入の失敗原因と解決策
勤怠管理システムについて理解を深めて「導入してみたい!」と思った方もいるでしょう。自社に見合うシステムを導入するためにも、よくある失敗原因と対策方法を覚えておきましょう。
自社の運用方法に見合っていなかった
自社の規模に見合わないシステムや、必要な機能を選べずに失敗に終わるケースがあります。機能不足だと一部の業務が手入力になり、結果的に業務が煩わしくなる恐れがあります。
その一方で、自社で使用しない多機能システムを導入するとコストが膨れ上がってしまうので注意しなければいけません。自社に見合うシステムが分からないと悩む企業は多いため、気をつけてください。
【対策方法】現状の運用課題を明確にする
現在の勤怠管理業務の課題を洗い出して、どのように改善していきたいかを考えましょう。候補となる勤怠管理システムをピックアップして、「最低限必要な機能」「欲しい機能」「不要な機能」を書き出しましょう。その上で「操作性」「コスト」「サポート体制」「セキュリティ」を比較すれば、最適な製品が導入できます。
従業員が操作できなかった
勤怠管理システムは人事部門だけでなく、全従業員が使用するものです。そのため、従業員が使いやすく感じる勤怠管理システムを導入してください。また、勤務形態によって最適な打刻方法が変わります。直行直帰や在宅勤務を許可している場合は、そのような働き方でも正確に打刻できる勤怠管理システムを選ばなければいけません。
従業員がシステムの操作方法を理解できずに、社内浸透しなかったという失敗もあるため気をつけてください。
【対策方法】従業員に無料トライアルを体験してもらう
勤怠管理システムには「無料トライアル」が用意されているものもあります。1ヵ月だけ無料体験できるものが多いですが、勤怠管理システム導入前に従業員に操作してもらいましょう。多くの従業員に操作してもらって、問題なく使用できるか確認してみてください。システムに不慣れな人の意見を聞くと参考になります。
他システムと連携できなかった
勤怠管理システムを導入したけれど、給与計算システムや人事管理システムなどと連携できなかった失敗もあります。
勤怠管理システムに応じて連携できるシステムは変わるため注意してください。業務の工数や手間が軽減できなければ、勤怠管理システムのメリットが感じられなくなります。
【対策方法】既存システムを整理しておく
給与計算システムや原価管理システムなど、既存システムを整理しておきましょう。導入したい勤怠管理システムを見つけた際に、担当者に既存システムと連携できるかどうかを確認すれば、導入後に連携できなかったというトラブルは避けられます。
【まとめ】メリットのある勤怠管理システムを導入しよう
勤怠管理システムを導入すれば、以下のようなメリットが得られます。
・業務効率化が図れる
・正確な勤怠状況を把握できる
・多様化する働き方に対応できる
・労務管理の法令遵守に活用できる
勤怠管理システムのメリット・デメリットを把握して、業務効率化が図れると思った方は導入を検討してみてください。
しかし、勤怠管理システムの種類は豊富で、どのような製品が良いかは各社で異なります。勤怠管理システムの導入のポイントは紹介しましたが、それでも悩んでしまう恐れがあります。そのため、自社に見合う勤怠管理システムを探したいという方は「システム幹事」までご相談ください。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
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初心者の方でも安心してご相談いただけます。
※勤怠管理システムの導入を検討している方はシステム幹事にご相談ください。予算や目的から最適な勤怠管理システムを選定させていただきます。相談料などは一切かかりません。
Q. 勤怠管理システムを導入するメリットは?
勤怠管理システムを導入するメリットとして「業務効率化が図れる」「正確な勤怠状況が把握しやすくなる」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. 勤怠管理システムの導入の注意点(デメリット)は?
勤怠管理システムの導入のデメリットは「社内に浸透するまで時間がかかる」「自社に合う勤怠管理システム選びが難しい」などです。具体的な対策や知っておくべき注意点については、記事をご参照ください。
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