- 更新日 2023.12.13
- カテゴリー 業務システム
RPAとは?注目される背景やAIとの違いについて簡単に解説
煩雑な業務プロセスに時間を取られて、以下のようなことにお悩みではないでしょうか?
・請求書業務や受発注業務でミスが多い
・残業時間も増えている
そこで本記事では、各ホームページをチェックした上、業務を効率化できるRPAツールを厳選しました。自社に合う会社を選びやすいよう、おすすめポイントや過去実績、料金などを整理しています。
なお、RPAツールの探し方・選び方がわからない!という方はお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適なツールを厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が行ってきた業務を機械に代替し、自動化する技術のことです。たとえば、毎月発生する請求処理、顧客データを更新するといった作業を自動化すれば、業務にかかる労力を大幅に減らせるでしょう。
RPAのよいところは、プログラミング能力のない人でも簡単にプロセスを自動化できる点です。画面操作を記録して自動実行したり、連続した作業を登録して実行させたりできます。これにより、ヒューマンエラーを抑止しながら、業務効率を大幅に改善できるのが特徴です。
RPAとAIはどう違う?
RPAとAIの違いは、RPAが定型作業しかできないのに対し、AIは非定型の作業にも対応できる点です。具体的に請求書処理を見てみましょう。請求書は取引先ごとにフォーマットが異なります。RPAは決められたフォーマット(定型)の請求書は処理できますが、バラバラのフォーマット(非定型)の請求書は処理できません。
AIは、非定型フォーマットであっても、振込金額、振込先口座を自分で判断し、データを抽出できます。最近はAIを搭載したRPAも出てきており、より高度な処理を任せられるようになってきました。
RPAとVBAはどう違う?
VBA(Visual Basic for Applications)がMicrosoftのOfficeアプリケーション上でしか実行できないのに対して、RPAはパソコン上で行われる作業のほとんどに対応可能な点が異なります。
VBAは、ExcelやWord、Accessなどで実行できるプログラミング言語です。VBAを使えば、細かい条件や複雑な処理を自動化可能です。しかし、Offceアプリケーション以外の作業に対応できないのが弱点といえるでしょう。
RPAが注目される背景
RPAが注目される背景として「日本国内での労働力不足」が挙げられます。日本が超高齢化社会になったのは有名な話です。高齢者が増加していくということは、生産年齢人口(15歳~65歳)が減少していくことを意味します。
労働力が減少し、国の生産性が低下すれば国力が衰えてしまうのは免れません。つまり、労働力不足を解決するため、RPAによる自動化、労働生産性の改善が注目されているのです。RPAは多くの日本企業で導入が進んでおり、今後はAIなども活用したツールもたくさん登場すると考えられています。
RPAを導入するメリット
ここでは、RPAを導入するメリットを見ていきます。
ヒューマンエラーを回避できる
RPAは決められた工程を機械が自動実行するため、単純入力ミスや勘違いによるミスが発生しません。そのため、ヒューマンエラーが発生する確率を大幅に減らせます。
人間はその日の体調やモチベーションによって集中力が続かない日がありますが、RPAは一貫して高精度でタスクを実行可能です。また、人間は急ぐとミスをする可能性が上がりますが、RPAは高速実行しながらミスも出ません。
生産性が向上する
RPAは24時間休まず作業できることに加え、スピードが非常に高速。RPAを使うことで、従業員が手動で行うよりもはるかに速く、かつ高精度で業務プロセスが完了します。業務内容によっては複数プロセスを同時実行することも可能です。
そのため、従業員はほかの業務にリソースを集中し、組織の生産性を大幅に高めることが期待できます。少ない人数で高い生産性を出すには最適なツールであるといえるでしょう。
コストが削減できる
RPAは単純作業を自動化できるため、従業員の作業時間を短縮できます。人間よりもはるかに早く正確にタスクを完了できるということは、作業時間の短縮だけでなく、ミスによる手戻りの発生もなくなるのです。
膨大な単純作業が発生したとしても、RPAがあれば新たに従業員を雇い入れる必要もなく、少ない人数で業務を回すことができるでしょう。従業員を雇えば、トレーニングにもコストがかかりますが、RPAは導入してしまえば安定してアウトプットを出してくれる点も魅力です。
RPAを導入する際のポイント
RPAを導入しても失敗しないように、ポイントを把握しておきましょう。RPA導入のポイントは以下のとおりです。
運用ルールを明確にする
RPAを導入する際には、明確で一貫性のある運用ルールを策定することが重要です。たとえば、以下のようなルールがおすすめです。
- 効果が出やすいプロセスからRPAを適用する
- RPAで取り扱うデータのセキュリティポリシーを決める
- エラーが発生した場合の対応策やシステム監視ルールを定義する
こうしたルールを明確にすることで、RPAの安定的かつ効果的な運用が可能になるでしょう。
導入サポートを活用する
RPAの導入には専門的な知識やスキルが必要です。そのため、導入サポートを活用することが成功への近道といえます。もし、RPAの提供元からサポートを受けられるのであれば積極的に活用しましょう。サポートを受けることで、試行錯誤の時間を短縮し、効果的なシステムを短期間で構築できます。
また、不明点があるままRPAを構築すると、従業員から使いにくいといわれてしまったり、ツールがなかなか浸透しなかったりします。サポートを活用しながら不明点を潰していくのがポイントです。
スモールスタートを意識する
RPAの導入は複数部門にまたがる大きなものではなく、一部門の小さなプロセスからスタートしましょう。RPAは導入に成功すれば大きな効果を生み出しますが、はじめから複数部門を巻き込んだシステムを構築すると、問題が発生した場合の対処が複雑になるだけでなく、利用者の印象も悪くなってしまいます。
そのため、まずはスモールスタートで検証を重ね、トラブル対応や運用の知見が溜まってから大きく展開するのがおすすめです。
おすすめのRPAツール10選
RPAはたくさんありますが、RPAツールのなかでおすすめの製品をご紹介します。
Power Automate
※画像引用元:Power Automate
Power Automateのおすすめポイント
- ローコードかつドラッグ&ドロップで誰でも自動化プロセスを構築可能
- プロセスをビジュアルマップで分析できる
- GPTを利用してシナリオを構築できる
Power Automateは、日本マイクロソフト株式会社が提供するRPAソリューションです。プロセスを自動化するだけでなく、約500の外部サービスと連携。プロセスをビジュアルマップで可視化しながらドラッグ&ドロップだけでRPAを構築でき、生成AIを活用したシナリオ作成支援も利用できます。
Power Automateの概要・実績・価格感
会社名 |
日本マイクロソフト株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
月額費用: Power Automate プレミアム 1,875円 Power Automate プロセス 18,750円 ※税込み価格は要問い合わせ |
実績詳細 |
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WinActor
※画像引用元:WinActor
WinActorのおすすめポイント
- ユーザーフレンドリーなUI設計
- 国産RPAツールでサポートが充実
- 機械学習による判断支援を自動化できる
WinActorは、NTTアドバンステクノロジ株式会社が提供する国産RPAツールです。ドラッグ&ドロップで利用できるユーザーインターフェースで、使いやすい点が特徴。また、サポート体制も充実しており、シナリオ作成代行やヘルプデスクなどが利用可能です。機械学習(AI)も搭載されているので、効率的にシナリオを実行できます。
WinActorの概要・実績・価格感
会社名 |
NTTアドバンステクノロジ株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
要問い合わせ |
実績詳細 |
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ASTERIA Warp
※画像引用元:ASTERIA Warp
ASTERIA Warpのおすすめポイント
- 業種を問わずに対応可能
- 10,000社以上の企業での導入実績
- ノーコードで誰でもシステム開発が可能
ASTERIA Warpは、専門知識がない非ITの人でもRPAシステムが構築できるツールです。システム構築は専門家に依頼すれば膨大な費用がかかりますが、自社の従業員でも任せられるのは嬉しいポイント。
これまで10,000社を超える企業への導入実績があり、業種を問わず多くの企業で利用されているのも安心材料でしょう。
ASTERIA Warpの概要・実績・価格感
会社名 |
アステリア株式会社 |
主な機能 |
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価格感 ※税込み |
ASTERIA Warp Core:月額33,000円 ASTERIA Warp Core +:月額66,000円 ASTERIA Warp Standard:要問い合わせ ASTERIA Warp Enterprise:要問い合わせ |
実績詳細 |
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AUTOジョブ名人
※画像引用元:AUTOジョブ名人
AUTOジョブ名人のおすすめポイント
- 受発注業務に特化したRPAツール
- 大幅な業務効率、生産性アップにつながる
- 基幹システム(経理・総務・物流など)連携業務も自動化可能
AUTOジョブ名人は、受発注とトリガーとする業務プロセスを自動化するRPAツールです。受注業務は、煩雑な作業が多くミスも発生しやすいもの。AUTOジョブ名人で自動化すれば、生産性は大きく向上可能です。
さらに、姉妹ソフトウェアのAUTOメール名人とくみあわせれば、自動化の幅は大きく広がります。基幹システム(経理・総務・物流など)に関わる業務にも対応しています。
AUTOジョブ名人の概要・実績・価格感
会社名 |
ユーザックシステム株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
要問い合わせ |
実績詳細 |
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UiPath
※画像引用元:UiPath
UiPathのおすすめポイント
- 豊富なコンポーネント(部品)で素早くシステム構築
- ローコード開発で素早くシステム開発ができる
- 多様な文書を正確に、素早く意味を理解して処理できる
UiPathは、国内大企業への導入実績も豊富なRPAツールです。様々な業種に対応可能なバリエーションに富んだコンポーネントが用意されており、誰でも素早くシステムを構築できるのが特徴。自然言語処理やAIによって、文書を解析して処理を決定するなど、作業効率を高める仕組みが搭載されていて、高い精度でプロセスが自動化できます。
UiPathの概要・実績・価格感
会社名 |
UiPath株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
要問い合わせ |
実績詳細 |
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Biztexcobit
※画像引用元:Biztexcobit
Biztexcobitのおすすめポイント
- 国産ツールならではのサポート体制
- 各種SaaSと連携可能
- マウス操作だけでシステム構築可能
Biztexcobitは、BizteX株式会社が提供する国産RPAツールです。中長期にわたる個別レクチャーを無償提供してくれ、RPA事業が軌道に乗るまでをサポート。マウス操作するだけでRPAシステムが構築できるだけでなく、操作アシストもついています。また、各種SaaSと連携もできるため、これまでの業務を変更することなく自動化が可能です。
Biztexcobitの概要・実績・価格感
会社名 |
BizteX株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
要問い合わせ |
実績詳細 |
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アシロボ
※画像引用元:アシロボ
アシロボのおすすめポイント
- 官庁への導入実績がある
- シンプルで使いやすいデザイン
- 月額5万円から使える価格
アシロボは、国土交通省、防衛省などの官庁や大企業にも採用されているRPAツール。とくにシンプルで使いやすいデザインは採用理由に挙げる企業が多いほど見やすく、使いやすいのが特徴です。また、価格も1契約でパソコン2台分まで利用可能なので、スモールスタートしたい場合にもおすすめです。サポートも、導入から操作説明会など充実しています。
アシロボの概要・実績・価格感
会社名 |
ディヴォートソリューション株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
月額:5万円~ ※詳細な価格は要問い合わせ |
実績詳細 |
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batton
※画像引用元:batton
battonのおすすめポイント
- IT知識不要で使えるユーザーインターフェース
- ECや人事、営業、経理など様々な業種に対応可能
- 1ライセンスで社内全体に適用できる
battonは株式会社battonが提供する国産RPAツールで、1ライセンスで社内に適用できるコスト感が魅力です。国産ツールなのでサポートも受けやすく、Slackで常時質問しやすいのも強み。多様な業種に対応できるように開発されています。AIも搭載していて業務効率化作業を違うパソコン上で再現できます。
battonの概要・実績・価格感
会社名 |
株式会社batton |
主な機能 |
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価格感 ※税込み |
月額148,000円 |
実績詳細 |
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BizRobo!
※画像引用元:BizRobo!
BizRobo!のおすすめポイント
- 低コストで始められる
- 導入実績2,600社超
- ローコード開発で自社プロセスを自動化
BizRobo!はローコードで手軽にプロセスを自動化できる国産RPAツール。mini、Lite、Lite+、Basicの4パターンのプランが用意されていて、年間90万円から始められます。1ライセンスでインストールは無制限です。オプションでどんどん価格が上がることがないオールインワンの価格設定。
多くの導入実績を誇り、サポートもしっかりしているので初めての運用でも安心でしょう。
BizRobo!の概要・実績・価格感
会社名 |
RPAテクノロジーズ株式会社 |
主な機能 |
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価格感 |
BizRobo!miniの価格 年間基本利用料:90万円 BizRobo! Liteの価格 初期費用:30万円 年間基本利用料:120万円 BizRobo! Lite+の価格 初期費用:30万円 年間基本利用料:180万円 BizRobo! Basicの価格 年間基本利用料:720万円 ※税込み価格は要問い合わせ |
実績詳細 |
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Automation 360(旧AutomationAnywhere)
※画像引用元:Automation 360
Automation 360のおすすめポイント
- 直感的な操作で誰でも利用可能
- クラウド型だから拡張性が高い
- AIと連携した機能が豊富
Automation 360は、高度なオートメーション機能を簡単に使えるようにしたRPAツール。Webブラウザ上で動作するクラウド型で、どこでも開発・利用できるのが特徴です。また、AIと連携した機能が豊富で、ChatGPTと連携しながら効率的に自動化を進められます。
Automation 360の概要・実績・価格感
会社名 |
Automation Anywhere, Inc. |
主な機能 |
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価格感 |
要問い合わせ |
実績詳細 |
要問い合わせ |
RPAの導入事例
最後に、RPAの導入事例をご紹介します。RPAによって業務効率が上がった企業はたくさんありますが、どのように成功させたのかを参考にしてみてください。
三井住友銀行
三井住友銀行は日本IBMのOCR基盤とRPAツールを活用して、紙帳票のデータ化を自動化しました。SMBC全社にわたるRPA導入プロジェクトは2016年下期にスタートし、2017年10月現在、リテール部門を中心に8部署、13業務でのRPA導入が完了しているとのこと。
本プロジェクトには日本IBMに加えて、以下4社のコンサルティングファームが参画。
- アクセンチュア
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング
- デロイト トーマツ コンサルティング
- PwCコンサルティング
外資系コンサルティングファームは、欧米での導入事例が豊富で各社が導入ノウハウを持っているため、RPA導入支援で大きな役割を果たしました。
サッポロビール株式会社
サッポロビール営業本部流通統括部では、毎日手作業で大量のデータダウンロードが行われ、時間と労力が大きな課題となっていました。同社では、小売業からのPOSデータを利用して売り場づくりや商品開発に活用していましたが、手動でのダウンロード作業には負担がかかり、労働時間の削減やミスの発生などが課題となっていました。
そこで、サッポロビールはRPAソフトウェアを導入。これにより、POSデータの自動ダウンロードが可能になり、1週間に一度しかできなかったデータのダウンロードが毎日行えるようになりました。
Webブラウザ上での操作を自動化するRPAツールの操作が簡単で、導入しやすかったのも成功のポイントです。
東京都葛飾区
東京都葛飾区では、外部スタッフへの報酬支払いにおける源泉徴収の精算処理業務にRPAを導入しました。2017年にはテスト環境でRPAを導入し、源泉徴収精算処理業務における効果を検証。結果、年間444人日の作業工数を削減し、職員の労働時間を削減すると同時に、事務ミスが減少して業務品質が向上しました。
同区は、RPAによるコスト削減の効果を確認したことから2019年1月までの5か月間で本番環境にRPAを導入することを決定しています。
- 作業計画
- 設計
- RPAロボットの構築
- テスト
- 本番稼動のフォロー
- RPA規則案の作成
全体として上記施策を実施しました。
【まとめ】RPAについて解説しました
本記事では、RPAについて特徴やメリット、導入時のポイントなどについて解説しました。RPAを導入すれば、これまで手間とコストをかけていた業務が自動化でき、さらに精度も向上します。導入を検討するのであれば、本記事のポイントや事例を参考にしてみてください。
もし「やっぱり自社でRPAツールを選ぶのは不安が残る」「サポートの充実したRPAツールを選びたい」とお悩みの方は、ぜひ「システム幹事」にご相談ください。専門のコンサルタントが貴社の要望を丁寧にヒアリング・ご提案します。
この記事を書いた人
Y.KURODA
専門分野: IT・取材
ITライター兼Web開発者。
元システムエンジニアとしての経験とSEOの知見を活かした記事を執筆しています。ライター業務を効率化するWebサービス『MOJI-KA』を開発・運用中です。