- 更新日 2023.12.12
- カテゴリー システム開発
スパイラル型システム開発の特徴・メリット・デメリットは?アジャイル・プロトタイプとの違いも解説【2024年最新版】
スパイラル型とは、どのようなシステム開発手法なのか?自社プロジェクトの推進を任された企業・店舗のIT担当者の方であれば調べているはず。
・スパイラル型は一般的な開発手法となにが違う?
・スパイラル型を採用するメリットやデメリットは?
・同じプロトタイプを活用するプロトタイピングとの違いは?
プロジェクトが目指すべき理想のシステムを開発するためには、適切な開発手法を採用することがポイント。そのためにも、IT担当者なら、あまり一般には知られていないスパイラル型の概要も把握しておかなければなりません。
そこで本記事では、IT担当者なら知っておきたいスパイラル型システム開発モデルの概要を徹底解説します!
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スパイラル型システム開発とは
重要な機能から改善を繰り返しながら完成を目指す手法
まずスパイラル型の特徴を簡単に紹介し工程、メリット・デメリットを、最もメジャーな開発手法であるウォーターフォール型との比較で説明します。
スパイラル型システム開発は、開発対象となるプロダクトの仕様を機能ごと(サブシステム)に分割し、重要な機能から「設計」>「開発」>「テスト」>「レビュー」を繰り返し、改善しながら完成を目指していく手法です(反復型システム開発手法)。
反復の形が螺旋状(スパイラル)に見立てられることからスパイラル型(スパイラルモデル)と呼ばれています。
1回の反復(スパイラル)ごとにプロトタイプ(試作品)を制作し、クライアント・ユーザーのレビューから得られたフィードバックを、次の工程に活かしていく特徴を持ちます。
スパイラル型と似た反復型システム開発手法には「アジャイル型」が、プロトタイプを活用するシステム開発手法には「プロトタイプ型」が挙げられますが、それぞれの手法でプロダクトに対する考え方や開発の方向性は異なります。
開発手法の選択肢は主に4つ。ウォーターフォール型、アジャイル型、プロトタイプ型、そしてスパイラル型(本記事で解説)です。この記事ではスパイラル型を他の3つの手法と比較し、違いを明確にしながらその特徴を解説します。
関連記事:システム開発の手法4つの特徴・メリット・デメリットを解説!【比較表付き】
スパイラル型システム開発の工程・流れ
開発全体
次に、スパイラル型システム開発の工程を、主流のシステム開発手法であるウォーターフォール型と比較しながら、紹介していきます。ウォーターフォール型の場合、上記の図のようにおおまかに「要件定義」>「設計」>「開発」>「テスト」>「リリース」>「運用・保守」という工程を順番に実施し、基本的に工程の後戻りは想定されていません。
スパイラル型でも大枠の工程は変わりありませんが、上述したように「設計」から「テスト」までの工程を反復し、都度レビューを実施することが大きな違いです。
※ウォーターフォール型システム開発についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ウォーターフォール型システム開発とは?開発工程・メリット・アジャイル型との違いを解説!
要件定義
開発するプロダクトの目的・ゴール、プロダクトに求められる要求をもとに、必要となるシステム要件をまとめ、仕様書に落とし込むのが要件定義フェーズです。下のような項目を決めます。
・予算
・必要な機能
・用いられる技術
・スケジュール(納期)
・必要な人員(工数)
・実装手順
ウォーターフォール型はこの段階で仕様を細部まで作り込みます。一方、スパイラル型ではウォーターフォール型ほど細かくは作りません。また、このステップでシステム全体を機能ごと・サブシステムごとに分割し、重要度の高い順番に並べておくこともウォーターフォール型との違いです。
※要件定義についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!
設計
基本設計…「どのようにつくるか?」概要を発注者・開発者向けにまとめる
詳細設計…「どうやって実現するか?」開発者側への具体的な設計
要件定義のあとは基本設計、そして詳細設計を行います。必要な機能や画面のレイアウトの設計ですが、前者は発注者にもわかるように、後者は開発者向けの設計です。
ウォーターフォール型では、最初からシステム全体の機能を設計します。
一方、スパイラル型システム開発の設計フェーズでは、実際に開発に取りかかる機能・サブシステムのみを設計するのが特徴です。つまり、要件定義フェーズで分割された機能・サブシステムのうち、もっとも重要度の高いものから順次、設計作業が行われます。
関連記事:システム開発の基本設計とは?重要性・発注者としての関わり方を解説!
関連記事:システム開発の詳細設計とは?位置付け・役割をわかりやすく解説!
プロトタイプの開発・テスト
試作品・原型機の意味を持つプロトタイプは、最終的な成果物ではないものの「実際に動作してレビューできるプログラム」のこと。ウォーターフォール型では最初から完成形のプロダクトを開発するため、プロトタイプはありません。
スパイラル型では、仕様書・設計書をもとに、改善を前提としたサブシステムのプロトタイプを制作します。
一般的には、サブシステム(機能)をさらに細かい機能に分割し、個別にプログラミングされた機能を結合するというのが開発の流れ。制作されたプロトタイプは、レビュー前のテストも実施されます。
評価・レビュー・改善
開発・制作されたプロトタイプは、クライアント、ときにはエンドユーザーとも共有され、エラーやバグはないか、依頼側・開発側に認識のズレはないか、プロダクトの品質を高めるため、さまざまな角度からの評価・レビューを実施。集められたフィードバックは改善点としてまとめられ、次の設計へと活かされる流れです。
スパイラル型とウォーターフォール型システム開発の工程の違い
工程 |
スパイラル型 |
ウォーターフォール型 |
全体 |
「設計」から「テスト」までの工程を反復し 都度レビューを実施する |
要件定義〜開発〜リリースの工程を順番に実施 基本的に工程の後戻りはなし |
要件定義 |
この段階では細部まで作り込まない システム全体を機能(サブシステム)ごとに分割する |
システム全体を細部まで作りこむ |
設計 |
重要度が高い機能・サブシステム順に設計する |
最初からシステム全体の機能を設計 |
開発・テスト |
重要度が高い機能・サブシステム順に 改善を前提とした試作品を開発 |
プロトタイプはなく最初から完成形を開発 |
評価レビュー |
プロトタイプの評価・レビューを行う フィードバックは次の機能・ サブシステムの設計へ活かされる |
完成形のプロダクトとしての評価・レビューを行う |
スパイラルの繰り返し
ここまでの「設計」>「プロトタイプの開発・テスト」>「評価・レビュー・改善」という流れを「スパイラル」という1つのサイクルとして捉え、プロダクトが完成するまで繰り返し実行されるのがスパイラル型システム開発の大きな特徴です。
スパイラル型システム開発のメリット
スパイラル型システム開発のメリット
・仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能
・プロダクトの品質を確保しやすい
スパイラル型システム開発のデメリット
・開発プロジェクトの全体像を把握しにくい
・開発コストが膨らんでしまうことも
それでは、スパイラル型システム開発を採用することによって、どのようなメリットが得られるのか、ここでも一般的なシステム開発モデルであるウォーターフォール型と比較しながら解説していきましょう。
仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能
最初からプロダクト全体を計画・設計・実装していくウォーターフォール型と比較して、サブシステムごとに順次、開発計画を立てるスパイラル型は、プロダクトの仕様変更、開発スケジュールの変更に比較的柔軟に対応可能というメリットがあります。
これはスパイラル型に
・サブシステムごとに設計とプロトタイプ開発が繰り返される
・スパイラルごとに評価・レビューを実施する
という特徴があるからです。
サブシステムごとに設計とプロトタイプ開発が繰り返されるから、その評価・レビューの結果として生じた仕様変更や追加の要件を、次のスパイラルで受け入れることが比較的容易です。改善点を踏まえたうえで次の計画を立てられるため、開発スケジュールの調整がしやすいのです。
最初からプロダクト全体を計画・設計・実装していくウォーターフォール型ではこうはいきません。開発途中の仕様変更・スケジュール変更は、イコール「開発工程の手戻り」を意味するからです。場合によっては最上流工程である要件定義まで戻らなければならないこともあり、下流工程になればなるほど変更の影響が拡大してしまいます。
プロダクトの品質を確保しやすい
開発のほぼ最終段階まで、クライアントがプロダクトを確認できないウォーターフォール型と違い、サブシステムごとに評価・レビュー・改善していくスパイラルモデルは、最終成果物であるプロダクトの品質を確保しやすいメリットがあります。
これはスパイラルモデルが、開発初期の段階から「実際に動作するプロトタイプを使って評価・レビューする」特徴を持つからです。実際に見て触れるプロトタイプがあれば、開発側は具体的かつ、よりよいフィードバックを得られます。改善点として次のスパイラルに活かしていけば、クライアントニーズを満たすプロダクト品質を確保できます。
一方、受け入れテストまでクライアントがプロダクトを確認できないウォーターフォール型の場合、品質面の問題を解消するため大幅な手戻りが必要になってしまうことも。予算の関係で品質面への妥協を余儀なくされるケースも考えられます。
スパイラル型システム開発のデメリット
ここまでで、スパイラル型システム開発モデルを採用するメリットを解説してきましたが、メリットはときにデメリットと表裏一体であることも。スパイラルモデルであっても、それは例外ではありません。
それではスパイラルモデルにはどのようなデメリットがあるのか、ウォーターフォール型と比較しながら解説していきます。
開発プロジェクトの全体像を把握しにくい
プロダクトをサブシステムに分割し、順番に設計・プロトタイプ開発・レビューを繰り返していくスパイラルモデルには、システム開発プロジェクトの全体像を把握しにくくなるというデメリットがあります。
これは、仕様・スケジュール変更に柔軟に対応できるというメリット面と相反する、スパイラルモデルのデメリットだともいえます。サブシステムごとに計画・設計されるスパイラルモデルは、フィードバック次第で次のスパイラル計画が変更される可能性があるからです。全体像を把握できないまま計画変更が続けば、プロジェクトの目指す方向性がズレてしまうこともあるでしょう。
実装に取りかかる前に、要件から設計までプロダクト全体を細部まで詰めていくウォーターフォール型システム開発なら、プロジェクトの全体像を容易に把握できます。
開発コストが膨らんでしまうことも
スパイラルを繰り返しながらプロトタイプを改善していくスパイラルモデルは、成果物であるプロダクトの品質を高めやすいメリットがある反面、開発コストが膨らんでしまう危険性が高いというデメリットがあります。
開発コストが膨らんでしまうパターンは、レビューの結果、当初の予定よりも必要とされる機能が多いことが判明した、そのためスパイラルの回数を増やさざるを得ないなどが考えられます。
さらに、要件が明確ではない、レビュアー・ステークホルダーが多いなどの要因が重なれば、この傾向がより一層強まることも。試作品とはいえ、動作するプロトタイプを制作する必要があることもコスト上昇の要因です。
ウォーターフォール型でも、思いがけずに開発コストが膨らんでしまうケースはありますが、その要因のほとんどは開発工程の手戻り発生です。要件定義のフェーズから納期・予算を念頭に綿密な全体計画を練っておけば、大幅な予算超過といった事態は避けられるはずです。
スパイラル型とアジャイル型の違い
スパイラル型システム開発の特徴・メリット・デメリットなどを、主流の開発モデルであるウォーターフォール型と比較しながら解説してきました。では、同じ「反復型システム開発手法」であるアジャイル型は、スパイラル型と比較した場合にどのような違いがあるのでしょうか?
アジャイル型システム開発モデルとは、おおまかなシステム要件・仕様を策定し、1〜4週間程度で実装できる単位に機能を分割したうえで、優先度の高い順に「設計」>「開発」>「レビュー」>「リリース」を1つのサイクルとした「イテレーション(反復)」を繰り返しつつプロダクトの完成を目指す手法のこと。
プロダクトを機能ごとに分割する、分割された機能ごとに開発・制作するという点では共通しますが、開発・制作されたプログラムを「都度リリース」していくことがアジャイル型最大の特徴。
開発・制作されるのがあくまでも「プロトタイプ」であるスパイラルモデルでは、完成するまでプロダクトがリリースされることはありません。
スパイラルモデルが「最終的な成果物であるプロダクトの品質」に重点を置いているのに対し、アジャイルモデルでは文字通り「素早くプロダクトを開発して改善していく」ことに重点を置いているという違いがあります。
スパイラル型とアジャイル型の共通点と違い
開発手法 |
共通点 |
違い |
スパイラル型 |
分割された機能ごとに 開発・制作する点 |
開発されたプログラムはプロトタイプ 品質重視で、リリースは全てが完成してから |
アジャイル型 |
開発・制作されたプログラムをスピード重視で 都度リリースしていく |
※アジャイル開発についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:アジャイル開発とは?メリット・デメリット、発注側の注意点を解説
関連記事:アジャイル開発のおすすめシステム開発会社11選【2022年最新版】
スパイラル型とプロトタイプ型の違い
それでは、「プロトタイプを活用した開発モデル」という共通点のあるプロトタイプ型は、スパイラル型と比較した場合にどのような違いがあるのでしょうか?
プロトタイプ型システム開発モデルとは、改善を前提としたプロトタイプを制作し、フィードバックをもとにした修正・本開発を繰り返してプロダクトの完成を目指す手法のこと。要件定義・設計以降の開発工程は「プロトタイプ制作」>「レビュー・テスト」>「プロトタイプの修正」>「本開発・リリース」となり、設計を詳細まで詰めずに開発に取りかかることが特徴です。
プロトタイプを制作する、改善していくという点では共通していますが、最初からプロダクト全体を網羅したプロトタイプを制作することがプロトタイプ型の特徴。スパイラル型のように、分割されたサブシステムごとにプロトタイプが制作されるわけではありません。
どちらもプロダクトの品質を高めやすい手法だという共通点がある一方、プロダクトの品質をより重視する方向性のスパイラルモデルに対し、プロトタイプ型では「プロダクトの方向性を絞り込むためにプロトタイプを活用する」側面が強いといえるかもしれません。
スパイラル型とプロトタイプ型の共通点と違い
開発手法 |
共通点 |
違い |
スパイラル型 |
プロトタイプを 制作し、改善 |
分割されたサブシステムごとに制作 |
プロトタイプ型 |
プロダクト全体を網羅した プロトタイプを制作 |
※プロトタイプ型システム開発についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:システム開発におけるプロトタイプとは?注目される理由・概要・メリットを解説!
スパイラル型が向いているシステム開発プロジェクト
向いているプロジェクト
・品質重視の大規模プロジェクト(業務システム)
・途中で仕様変更が生じる可能性のある開発
開発工程、重視される考え方・方向性が異なるそれぞれのシステム開発モデルは、目的・ゴール・規模も含めたプロジェクトの性格に応じて、適切な手法を選択することが重要です。それでは、本記事のメインテーマであるスパイラル型には、どのようなシステム開発プロジェクトが向いているのでしょうか?
プロダクトの品質を確保するため、ウォーターフォール型とアジャイル型のメリットを組み合わせたともいえるスパイラルモデルは、要求水準の高い大規模システム開発プロジェクトに向いているといえるでしょう。
トップダウン設計(全体から詳細に落とし込む)では全体が把握し切れないこともある大規模プロジェクトでは、ボトムアップ設計(パーツの詳細を詰めて結合する)の要素を兼ね備えたスパイラルモデルが解決策として有効な場合があるからです。
ただし、プロジェクトの規模が大きくなる分だけ、開発コストが膨らみやすいというスパイラルモデルのデメリットが顕在化する可能性も。開発コストの変動に対応できる、潤沢な予算があることがスパイラルモデル採用の前提となります。
ウォーターフォール型が向いているシステム開発プロジェクト
向いているプロジェクト
機能・予算・納期が明確なプロジェクト
・大規模な業務システムの開発(銀行や公的機関など)
ウォーターフォール型は、必要な機能や要件、予算・納期が明確なプロジェクトに最適なシステム開発手法です。
具体的には、業務要件が決まっている業務アプリケーション・システムや、汎用系のシステムなどです。また、エンジニアの動きを管理しやすいため、銀行や公的機関など大規模システム開発にも向いています。
一方で、柔軟性が低く、一つの工程が遅れた場合は、後の工程に大きく障害が出るリスクがあります。そのため、ITやWeb業界など、市場やニーズの変化が激しく、プロジェクトの進行中に仕様の変更など生じる可能性のあるものには向かない傾向にあります。
アジャイル型が向いているシステム開発プロジェクト
向いているプロジェクト
Webサービスやアプリケーション
モバイルアプリやゲーム
機能ごとに小さく開発・リリースを繰り返すアジャイルモデルは、スモールスタートさせて市場・ユーザーの反応を見ながらプロダクトを成長させていく新規事業、サービス開発プロジェクトに向いています。
具体的には、Webサービスやアプリケーション、モバイルアプリやゲームなど、方向性は見えているものの、要件や仕様が固まっていない、将来的な市場の動きを読むのが難しく、優先的に開発する機能に変更が生じる可能性のあるプロジェクトが適していると考えられます。
ただし、素早く開発できる反面、方向性のブレやすいアジャイルモデルは、大規模プロジェクトにはあまり向いていません。プロジェクトをやり遂げるというクライアント側の強い意志と、開発チームへのコミットメントも求められます。
プロトタイプ型が向いているシステム開発プロジェクト
向いているプロジェクト 中規模の開発プロジェクト
スパイラルモデルと同様にプロトタイプを活用するプロトタイプモデルは、前例のないサービスや新規事業の立ち上げ、あるいはシステム開発に慣れていないクライアントが主導する中規模程度までのプロジェクトに向いています。
これは、要件や機能が固まっていなくても早期にプロジェクトを始動できる、プロトタイプを活用することによって依頼側、開発側の認識のズレを修正しやすいというプロトタイプモデルの特徴があるからです。
一方、大規模プロジェクトには向いていません。要件・機能を固めずにプロトタイプを作り始めるため、ステークホルダーの多い大規模プロジェクトでは収拾がつかなくなる、開発コストが膨らむというデメリット面が強調されてしまいます。
4つの手法それぞれに向いているシステム開発
手法 |
向いているシステム開発 |
スパイラル |
・品質重視の大規模プロジェクト(業務システム) ・途中で仕様変更が生じる可能性のある開発 |
ウォーターフォール |
・機能・予算・納期が明確なプロジェクト ・大規模な業務システムの開発(銀行や公的機関など) |
プロトタイプ |
・前例のないWebアプリケーション・システムなどの開発 ・全体をコントロールしやすい小〜中規模プロジェクト |
アジャイル |
・要件や仕様が固まっていないプロジェクト ・ECやSNSなどのWebサービス、モバイルアプリやゲームなど |
まとめ:プロジェクト成否のカギは目的・ゴールの明確化
本記事では、IT担当者なら知っておきたいスパイラル型システム開発モデルの概要・メリット・デメリットを、主要な開発モデルとの比較を交えながら解説してきました。
全体像を把握しにくい、コストが膨らんでしまうというスパイラル型のデメリットは、多くの場合、依頼側が明確にプロジェクトの目的・ゴールを設定していない、それによってステークホルダーの意思統一ができていないことが要因です。これはスパイラル型に限らず、ほかのシステム開発手法にも共通する「プロジェクトが失敗してしまう原因」でもあります。
こうした失敗をしないためには、プロジェクトの目的・ゴールを明確にしておくことが重要。方向性がブレることなく定まっていれば、適切なシステム開発モデルを選定するのも容易です。あとは、イメージを具現化してくれる、パートナーとしてのシステム開発会社を選定するだけです。
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Q. スパイラル型システム開発のメリットは?
スパイラル型システム開発のメリットとして「仕様・スケジュール変更への柔軟な対応が可能」「プロダクトの品質を確保しやすい」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. スパイラル型システム開発の注意点(デメリット)は?
スパイラル型システム開発のデメリットは「開発プロジェクトの全体像を把握しにくい」「開発コストが膨らんでしまうこともある」などです。具体的な対策や知っておくべき注意点については、記事をご参照ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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