- 更新日 2024.06.27
- カテゴリー システム開発
業種別システム開発開発を成功に導く鍵は開発会社への理解【2024年最新版】
調査会社IDC Japanの調査報告書によると、2024年度のシステム市場規模は12兆7,665億円になると言われています。DX推進が加速していますが、多くの企業がビジネス革命のためにシステム開発に取り組んでいるのです。この記事をお読みになっている方も検討していることでしょう。
・業種別のシステムにはどのようなものがあるのだろうか?
・システム開発会社にはどこまで依頼ができるのだろうか?
・システム開発のトレンドってあるのだろうか?
この記事では、業種別のシステム開発事例と開発前に把握しておきたいシステム開発会社の仕組みについて詳しく解説します。
システム開発の流れや工程、役割などの基本的な知識についてはこちらにまとめたので、あわせて確認してみてください。
※システム開発会社選びにお悩みの方はシステム幹事にご相談ください。専任のコンサルタントがあなたに最適な会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
【業種別】システム開発の事例
システム開発で期待以上の成果を出すためには、開発事例や業界の動向への理解が不可欠です。開発を依頼する前に2つについて理解を深めておきましょう。
1.医療業
日本医師会は医療現場のIT化を推進しており『日医標準レセプトソフト(医療カルテを管理するシステム)』を無償で提供しています。このような診療支援を実現するシステムをはじめ、医療データを活用した健康寿命を伸ばしていくための健康増進プロジェクト(HealthTech)などにもITが活用されています。医療業でもシステムを積極的に活用していく動きが出てきているため導入をしていきましょう。
【システム事例】
電子カルテシステム |
医師の診療録を一元管理する |
オーダリングシステム |
医師や看護師の指示内容を電子的に管理する |
生理検査システム |
内視鏡検査のデータや画像を一元管理する |
放射線治療管理システム |
治療計画・治療装置管理・画像管理を連携させて |
在宅アセスメントシステム |
訪問看護データとAIを活用して |
医療システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:医療システムの開発に強い会社10選!【2021年最新版】
2.介護業
介護現場はスタッフの業務負担が重たく離職率が高いため、システムを活用して業務効率化を図らなければいけません。高齢者の見守りやバイタルサインチェック(脈拍・対応・呼吸・血圧・意識を測定すること)などシステムで効率化する動きが出てきています。優秀な介護スタッフを雇用するためにも、スタッフの業務負担を軽減して働きやすい環境を整備していく必要があります。
【システム事例】
介護記録システム |
介護サービス利用者のデータ共有をして業務効率化を図る |
シフト管理システム |
諸条件(希望の休み、従業員のスキルなど)を設定して、 |
センサーシステム |
ベッドに取り付けることで、バイタルサインチェックの |
高齢者見守りシステム |
カメラやセンサーマットで介護者の居場所を把握する |
画像診断支援システム |
過去の診断結果を参考にし、 |
介護システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:介護システムの開発に強い会社8選!【2021年最新版】
3.金融業
金融機関には24時間365日止まらない信頼性と保全性を保ったシステムが必要です。ITを活用し、融資審査業務を効率化したり、オンライン完結型のサービスを提供したりして、顧客満足度の高いサービスを提供する取り組みが行われています。
【システム事例】
電子決済システム |
クレジットカードや電子マネーで決済を実現する |
勘定系システム |
銀行口座や融資の残高管理、利息計算など |
債権管理システム |
取引における債権を管理する |
資産運用業務システム |
株式投資などの窓口販売業務を効率化する |
代理店管理業務システム |
自社と代理店でデータを共有し意向を擦り合わせて、 |
金融システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:金融(銀行・証券)システム開発に強い会社10選!【2021年最新版】
4.物流業
従来は人の手で処理しなければならなかったピッキング業務をロボットに任せて自動化し、業務効率化する動きが始まっています。物流業界葉人材不足の問題が深刻化しているため、ITを活用した運用に切り替えていく必要があります。
【システム事例】
配送管理システム |
出荷から配送完了までの各工程や配送状況を |
在庫管理システム |
在庫の過不足を失くすために、正確な在庫情報を管理する |
貨物追跡システム |
配達中の貨物がどこにあるかを追跡する |
ピッキングシステム |
倉庫や工場で行われるピッキング作業を効率化する |
運送管理システム |
各拠点を連携させて、保有している車両を適切に管理する |
物流システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:物流・流通システムの開発に強い会社9選!【2021年最新版】
5.不動産業
不動産業では、ITで業務効率化を図るだけではなく、仕事の方法を大きく変える取り組みが開始されています。インターネットを利用して重要事項説明を行う『IT重説』や『電子契約』など、働き方革命が起きています。不動産業界でITを上手く活用できなければ業界内で取り残されてしまいかねないため、積極的に活用して行く必要がありますね。
【システム事例】
物件情報管理システム |
「入退去管理」「契約更新」「請求・入金」「滞納督促」 |
仲介業務支援システム |
「物件」「見込客・営業支援」「売買仲介契約」 |
物件検索システム |
ホームページ上で物件検索を行えるようにする |
不動産査定システム |
不動産売却を検討している物件の売却価格が簡単に査定できる |
不動産会員システム |
ホームページや来場でお問い合わせしてきた顧客の情報を一元管理できる |
不動産システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:不動産システムの開発に強い会社8選!【2021年最新版】
6.製造業
製造業はAIやIoTの最新技術を活用して、製造工程の効率化・自動化の取り組みが始まっています。製造装置にIoTを搭載して製造現場の状況を可視化して、運用効率化に取り組む企業が増えてきています。
【システム事例】
生産管理システム |
納期や数量、場所、工数を計画・管理する業務を効率化する |
受発注管理システム |
注文受付や受注後の処理を自動化する |
工程管理システム |
納期に間に合うように在庫管理や作業条件、進捗を管理する |
不具合検知システム |
製造現場の機器の故障を予兆する |
遠隔監視システム |
製造現場の装置をPCやスマートフォンで監視・制御する |
製造システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:製造業向けシステムの開発に強い会社7選!【2021年最新版】
7.水産業
震災で漁獲量が大幅に減った水産業では、漁業データを取得して運用を見直していく必要があります。養殖漁場の栄養状態や海の情報を取得し、漁獲量を増やす取り組みが行われており、若者の水産業への参入が増えてきていると話題です。
【システム事例】
養殖管理システム |
稚魚から出荷に至るまでのデータを一元管理する |
水産仲卸システム |
販売業務・購買業務・在庫業務を一元管理する |
環境情報提供システム |
漁師が持つ知識や経験、漁場の情報を共有する |
魚健康カルテシステム |
地域別・時期別の魚病を把握する |
水域情報可視化システム |
海域の水温、溶存酸素などの水域情報を把握する |
水産システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:水産業向けのおすすめシステム開発会社7選!【2021年最新版】
8.農業
農業では深刻な労働者不足に陥っており、労働人口も高齢化。このような背景により、IT・ロボットを活用した超省力化や高品質生産を実現するスマート農業の取り組みが始まっています。
【システム事例】
農業生産システム |
農業の生産工程管理をして業務改善を促進する |
農業金融支援システム |
農業融資を受けるための手続きを支援する |
リモートセンシング |
GPSにより生育状況を測定する |
土壌センサー |
気温・室温・風速・降雨量を測定し土壌の水分状態を分析する |
搬送ロボット |
収穫物の搬送を支援する |
農業システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:農業向けのおすすめシステム開発会社6選!【2021年最新版】
9.小売業・卸売業
小売業は新型コロナウイルスの影響で店舗利用機会が減少したため、ITを活用した販路拡大や業務効率化を考えていく必要があります。支払のキャッシュレス化やデジタルサイネージを活用した接客などは定着していますが、さらなるITの活用が求められています。
【システム事例】
POSレジ |
会計情報を記録・集計する機能を搭載したレジ |
販売管理システム |
販売業務に関する情報(受注・出荷・納品・検収・請求など) |
在庫需要予測システム |
過去の販売データから市場の需要を予測して、 |
電子決済システム |
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済を実現する |
顧客管理システム |
顧客情報を適切に管理する |
10.飲食業
飲食業も新型コロナウイルスの打撃を受けました。非接触型ビジネスはコロナ収束後も求められ、新生活様式に合わせた経営が求められます。また、モバイルオーダーシステムなどを活用した業務革命も行われています。
【システム事例】
モバイルオーダーシステム |
スマートフォン上での注文や決済を可能にする |
オーダリングシステム |
テーブル上で注文が行える |
売上管理システム |
売上金額や売上件数を管理、損益計算などを効率化する |
券売機 |
近頃はキャッシュレス対応が主流となっている |
電子決済システム |
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済を実現する |
飲食システムの開発に強い会社については、下記記事をご参考ください。
※参考記事:飲食業のおすすめシステム開発会社8選!【2021年最新版】
※システム開発会社選びにお悩みの方はシステム幹事にご相談ください。専任のコンサルタントがあなたに最適な会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
【無料】おすすめのシステム開発会社を紹介してもらう
システム開発会社の業種・形態・仕事内容
各業界の主要システムを紹介してきましたが、システム開発会社への理解を深めた上で開発依頼をしましょう。ここでは、システム開発会社の業種・形態・仕事内容について詳しく解説します。
業種
システム開発(システムエンジニア)の業種は証券コード協議会の区分で『情報通信業』に属しています。さらに業種を細かく分類する業界は以下の4つに分類できます。
インターネット業界
インターネットを介して世の中が便利になるサービスを提供しているシステム開発会社が該当します。主にWebサイト制作やWeb広告運用会社を指しているため、システム開発会社との関係性は薄いですが、ネットワーク構築会社はインターネット業界に該当します。
情報処理サービス業界
コンピュータを用いて委託された業務を行うシステム開発会社が該当します。システム設計や開発だけではなく、構築や運用保守まで円滑に業務が進むように企業のサポートをしてくれます。
ソフトウェア業界
ソフトウェアとは、コンピュータ上で処理を行うためのプログラムのこと。ソフトウェアをパソコンにインストールすることで、要望に見合った機能や役割を持つシステムが利用できます。
例えば、経理ソフトをインストールして会計帳簿を作成している方もいるでしょう。この経理ソフトがソフトウェアに該当します。
このようなソフトウェアを開発するシステム開発会社は、ソフトウフェア業界に該当します。
ハードウェア業界
ハードウェアとは、電子機器などの機械や装置のことをいいます。テレビやパソコンなどもハードウェアに該当します。目に見える装置をハードウェア、装置内に組み込むものをソフトウェアと覚えておきましょう。
形態
システム開発会社は『自社開発』『受託開発』『SES』『コンサルティング』と得意分野が異なります。そのため、求めている要望を実現してくれるシステム開発会社へ依頼をしましょう。
自社開発
自社サービスとしてシステム開発を販売するシステム開発会社をいいます。パッケージ製品を販売しており、導入から運用保守までお任せできることが魅力。
受託開発
顧客が求めているシステム開発を形にするシステム開発会社をいいます。発注者オリジナルのシステムが開発できることが魅力。
SES
顧客企業へシステムエンジニアを派遣するサービスのことをいいます。社内でシステム開発を行っているけれど、スキルと労働力が不足した場合の補填ができます。
コンサルティング
顧客企業の業務を見直して、システムを活用して業務効率化の方法を助言する開発会社のこと。どのようなシステムを導入すれば良いか分からず、プロの意見を聞きたいときに頼りになります。
仕事内容
システム開発会社には主に6つの仕事をお任せできます。
1.要求分析 | 顧客が期待している要求内容をヒアリングしたり、 現場の業務を把握した上で効率化する方法を考える |
2.要件定義 | 要求分析で決まった内容を実現するシステムの要件を定義していく |
3.基本設計 | 要件定義に沿ってシステムの基本設計書 (業務フロー、機能、ネットワーク構成図、管理画面イメージ) を作成していく |
4.詳細設計 | 基本設計で決めた内容を実装するための仕組み (機能フローや帳票項目の詳細設計など)を設計していく |
5.プログラミング | 基本設計と詳細設計を参考にしてコーディングしていく |
6.テスト | プログラマーがコーディングしたシステムが起動するか確認する |
7.トレーニング | 従業員がシステムを利用できるように指導する |
関連記事:システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!
関連記事:システム開発の基本設計とは?その位置付け・重要性・発注者としての関わり方
関連記事:システム開発の詳細設計とは?プロジェクトの位置付け・役割をわかりやすく解説!
関連記事:システム開発のテスト工程を徹底解説!システムテストと受け入れテストの違い
システム開発の最新動向
システム開発を成功させるためには、システム開発会社に対する理解のほか、最新動向に関する知識も必要です。そのため、システム開発の最新動向を押さえておきましょう。
多重下請け構造からの脱却
大手システムインテグレーター(企画・構築・運用を一括して請け負うシステム開発会社)は、受注した案件を下請け・孫請けに二次・三次発注しています。
多重下請け構造が起きる主な原因は雇用流動性です。労働基準法では労働者の権利が保証されているため、雇用主側は従業員の解雇が簡単に行えません。このような理由により、一時的な人員増加のニーズに対応しづらいのです。
多重下請け構造は、
(1)トラブル発生時の責任の所在が曖昧
(2)優秀なエンジニアを確保しづらい
(3)下請企業は薄利となる
などの問題点があります。
このような問題を解決するため、パッケージ製品を提供するシステム開発会社も増えてきました。
また、近頃は中小企業でも専門性や技術力を持つシステム開発会社が増えてきました。このようなシステム開発会社に依頼をして、多重下請け構造から脱却することが求められています。
システム開発技法の変遷
従来のシステム開発技法『ウォーターフォール開発』が採用されていましたが、仕様変更に柔軟に対応できることがら『アジャイル開発』に移行しつつあります。各技法の違いは下記の通りです。
ウォーターフォール開発 (Before) |
|
アジャイル開発 (After) |
|
関連記事:ウォーターフォール型システム開発とは?開発工程・メリット・アジャイル型との違いを解説!
システムへのAI技術採用
調査会社IDCの調査報告書「国内AIシステム市場予測」では、AIシステム市場規模は2020年度は約1,580万円で年間平均成長率25.5%で推移して、2025年には約4,910億円になると予測されています。開発したシステムにAIを導入して、業務効率化や生産性向上などの付加価値を考えていく必要があります。
補足:最新動向を踏まえて開発依頼をしよう
システム開発で業務効率化・生産性向上を目指す場合は、依頼前に最新動向を調べましょう。例えば、2021年のITトレンドは下記の通りです。最先端の技術を活用することで、想像以上の成果を生み出せます。
DX(Digital Transformation) | デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革すること |
AI(artificial intelligence) | 人間の知的活動の役割を担う機械 |
5G(5th Generation) |
次世代の通信規格。 5Gが普及するとあらゆるモノにネットワークが接続できるようになる |
IoT(Internet of Things) | モノとモノをインターネットにつなぐこと |
量子コンピュータ |
「ビット」ではなく「量子ビット」と呼ばれる情報単位で情報処理することで、 処理速度を大幅に上げられる |
クラウドサービス | ネットワーク経由で利用者にサービスを提供すること |
ブロックチェーン | 取引履歴を暗号化して、正確な取引履歴を維持するための技術 |
RPA(Robotic Process Automation) | 定形業務を自動化する秘術 |
XR(Cross Reality) |
現実世界と仮想世界を融合することで、 現実にはないバーチャルを知覚できる技術 |
【まとめ】業種別のシステム開発で業務効率化に取り組もう!
今回は業種別のシステム開発事例をご紹介しました。
市場規模の大きさからも分かるように、多くの企業がシステムで業務効率化や生産性向上を目指し取り組んでいます。業界の最新動向を把握しておけば、競合優位性にビジネス機会を得ることができるでしょう。そのため、業界動向は常にチェックしておくことをおすすめします。
導入したいシステムを見つけた場合であっても、システム開発会社選びも慎重に行ってください。
システム開発の目的を明確にして、信頼できるシステム開発会社に依頼することが、システム開発の成功の近道となります。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
もし、どこのシステム開発に依頼すべきか悩んだ方は『システム幹事』までお気軽にご相談ください。専任のコンサルタントがあなたに最適な会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
Q. システム開発の業種分類は?
システム開発会社の業種は、証券コード協議会の区分によると『情報通信業』です。さらに業種を細かく分類する業界として「インターネット業界」「情報処理サービス業界」「ソフトウェア業界」「ハードウェア業界」が挙げられます。
この記事を書いた人