ITインフラとは?構築の流れや注意点などをわかりやすく解説

ITインフラとは?構築の流れや注意点などをわかりやすく解説

社内でITインフラを構築したいけれど「どのような設備が必要なのか」「構築手順がわからない」とお悩みの企業は多いかと思います。構築に失敗して事業に支障が出るのは避けたいもの。

本記事ではITインフラに必要な要素、構築手順、注意点などについて紹介します。

なお、ITインフラの構築方法がわからないという方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. ITインフラとは?
    1. 1-1. 通信インフラとの違い
    2. 1-2. 社内インフラとの違い
  2. 2. ITインフラの構成要素
    1. 2-1. ハードウェア
    2. 2-2. ソフトウェア
  3. 3. ITインフラの運用形態
    1. 3-1. オンプレミス
    2. 3-2. クラウド
  4. 4. ITインフラ構築・運用フロー
    1. 4-1. 要求定義
    2. 4-2. 要件定義
    3. 4-3. 基本設計
    4. 4-4. 詳細設計
    5. 4-5. 構築
    6. 4-6. テスト
    7. 4-7. 運用
  5. 5. ITインフラ構築・運用時の注意点9つ
    1. 5-1. システムの速度・操作性を考慮する
    2. 5-2. セキュリティ対策を実施する
    3. 5-3. リモート環境を整える
    4. 5-4. 障害発生時のフローを整備する
    5. 5-5. BCP(事業継続計画)を策定する
    6. 5-6. 常時ネットワークを監視する
    7. 5-7. サーバーの負荷を分散させる
    8. 5-8. ITインフラに長けた人材を確保する
    9. 5-9. 外注も視野に入れる
  6. 6. 【まとめ】ITインフラの概要と構築の流れ等について紹介しました

ITインフラとは?

ITインフラとは、IT基盤を支えるデバイスや設備全般のことを指し、構成要素もサーバやパソコン、ネットワークまで様々です。多くの企業において、これまで紙や手作業で行ってきた業務がIT化されており、ITインフラは拡充傾向にあるといえます。

通信インフラとの違い

通信インフラとの違い

ITインフラと似た用語で通信インフラという言葉もよく使われます。両者の違いは以下の通り。

  • 通信インフラ:ITインフラを支える回線や機器、電波塔などを指す
  • ITインフラ:通信関連だけでなくOSアプリも含む

通信インフラはその名の通り、離れた部署、事業所とコミュニケーションを取るための基板です。一方、ITインフラは通信設備だけでなく、パソコンやサーバーなどのハードウェア、アプリといったソフトウェアを含める点が特徴。端的にいえば、通信インフラありきでITインフラが成り立っているといえるでしょう。

社内インフラとの違い

社内インフラもITインフラとよく混同される用語です。両者の違いは以下の通り。

  • 社内インフラ:企業活動を支えるインフラ全般(建物、ガス、電気、)
  • ITインフラ:ITに関わる物のみ

社内インフラとは、企業活動を行う上で必要な基盤全体のことです。例えば電気やガス、水道、消防設備、通信網など多くの設備が社内インフラといえます。一方、ITインフラは文字通りITに関わる基盤のみを示します。

端的にいえば、社内インフラがITインフラを内包しているイメージ。近年はDX(※)化の影響で、社内インフラにおいてITインフラが占める割合が増えています。

※DX:デジタル技術を活用して自社の競争力を高めること

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ITインフラの構成要素

ITインフラの構成要素

ハードウェア

ハードウェアとは、システムを構築するために必要な機器類のことです。人に例えると、人間そのものがITインフラで、腕や筋肉、骨などがハードウェアといえるしょう。ITインフラで使われる主なハードウェアを4つ紹介します。

主なハードウェア4つ

パソコン・タブレット端末

パソコンやタブレット端末は、ITインフラにおいて重要なハードウェアの1つ。端末の性能が業務の処理速度に大きく影響するからです。

また、端末の操作性も見過ごせないポイント。例えば画面が小さいと入力ミスに繋がりかねません。機能が複雑で使い方を覚えるのに時間がかかると、本来の業務が滞ります。操作性と処理速度を考慮して端末を選びましょう。

サーバー

サーバーとは、端末から何らかの要求をした際に、データやサービスを提供するマシンのこと。ECサイトを例に挙げると、欲しい物と金額のレンジを入力したら、候補の商品が一覧表示される仕組みに当たります。

後に詳しく解説しますが、サーバーは運用形態によって導入のハードル、コストなどが大きく変わります。 

関連記事:サーバーとは?パソコンとの違いから仕組み・種類を簡単に紹介

ストレージ

ストレージ

画像引用:Lenovo

ストレージとは、データを保存するための装置です。コンピューターの電源を落としても保存した写真や書類が消えないのは、ストレージに保存されているからです。ストレージには主に以下の2種類あります。

ストレージの種類

概要

メリット

HDD

円盤に磁気データとして保存

保存容量が大きい

低コスト

SSD

メモリーチップにデータを保存

故障リスクが低い

読み書きが拘束

静音性が高い

サイズコンパクト

 ITインフラを構築する際には、予算やデータ容量にあわせてストレージを選びましょう。

ネットワーク機器

古河電工

画像引用:古河電工

ネットワーク機器とは、組織内のパソコンやプリンター、サーバーなどを繋ぐマシンのことを指します。主なネットワーク機器として以下のようなものが挙げられます。

主なネットワーク機器

用途

ネットワークケーブル

ツイストペアケーブル

同じフロアでLAN(※)を構築

光ファイバー

建物を跨いでLANを構築

LANスイッチ

LANに複数のデバイスを接続

ルーター

インターネットに

複数のデバイスを接続

 ネットワーク機器があれば、社内でLANを構成できるだけでなく、Webのような外部ネットワークに繋ぐことも可能です。

 ※LAN:同一の建物、敷地内で使うネットワーク

 関連記事:ネットワーク構築とは?主な種類と構築の流れ・注意点・外注のポイントも紹介【2023年最新版】

ソフトウェア

ソフトウェアとは、ハードウェアを動かすために必要なプログラムのこと。どれだけ優れたパソコンやサーバーがあっても、ソフトウェアがなければ起動しません。ここでは、代表的なソフトウェアを3つ紹介します。

主なソフトウェア3つ

OS

OS(オペレーティングシステム)は、パソコンの操作やアプリの起動に必要なソフトウェア。代表的なOSとして、WindowsやmacOSなどが挙げられます。主に以下のような役割を果たします。

  • タスク・メモリ管理:アプリを使う際の作業順序やメモリの割り当て管理
  • ファイル管理:ファイルの保存形式、保存場所などの管理
  • 周辺機器の管理:マウス、プリンターなど周辺機器の接続管理

アプリ

アプリ

アプリとは、特定の目的を達成するために造られたソフトウェアのこと。種類も、勤怠管理や電子決済(PayPay)、SNS、ゲームなど多岐に渡ります。一般的に、ソフトウェアは複数の機能が統合され、アプリは特定の目的のために単機能のプログラムが集約されています。しかし、利用者側では以下のように区別されて使用されることも少なくありません。

  • ソフトウェア:PC向けのアプリ
  • アプリ:スマホ・タブレット端末向けのアプリ

ITインフラを構築する際には、アプリが何を示すのか定義付けするとコミュニケーションがスムーズに進みます。

デバイスドライバー

デバイスドライバーとは、マウスやキーボード、プリンターなど周辺機器とパソコンを連携させるためのソフトウェア。キーボードから入力した文字列を画面上に表示できるのも、デバイスドライバーのおかげです。デバイスドライバには、周辺機器に梱包されているCD-ROMやWeb経由で入手できるソフトウェアなどがあります。

【参考】ミドルウェア

ミドルウェアとは、アプリ機能を補完するためのソフトウェアで、OSとアプリの間に位置します。

大きなメリットは、複数のアプリで使う共通の機能を提供できること。例えば、動画配信サービスで映画を見ながらWeb会議をする際には、どちらもストリーミング機能(ネットに繋ぎながら動画などを再生できる機能)が必要になります。このような複数のアプリで利用される機能を提供するのが、ミドルウェアの役割です。

そのため、開発者は別のインフラ機能の開発に集中できます。料理に例えると、必要な食材を一から育てるのではなくスーパーで取り寄せるイメージ。また、トラブルが起きた際にアプリとミドルウェアのどちらに原因があるのか切り分けしやすい点も魅力です。

主なミドルウェアを以下にまとめたので参考にしてください。

  • DBMS:データベース(※)の構築、データの追加、削除、修正などを実行する
  • Webサーバー:Webブラウザからのリクエストに応じて、コンテンツを返す
  • アプリケーションサーバ:アプリの実行環境や、データベース接続を提供する

関連記事:ミドルウェアとは?アプリ・システム開発との関係・仕組み・役割・具体例を解説【2023年最新版】

※データベース:構造化された情報の集まり

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ITインフラの運用形態

ITインフラの運用形態

 ITインフラは主にオンプレミスとクラウドの2つの運用形態があります。予算や導入のしやすさ、セキュリティリスクに関わることなので、参考にしてもらえばと思います。

オンプレミス

オンプレミスとは、必要なソフトウェアやハードウェアを自前で構築・運用する形態のことを指します。メリットは自由にカスタマイズできることで、自社の特徴にあわせてITインフラを構築できます。また閉鎖的な構造にできるため、不正アクセスやサイバー攻撃などのセキュリティリスクを抑えられる点も魅力。

一方、自社で開発しなければいけない分、工期とコストがかかりやすい点がデメリット。また自社に設備を保有する分、内部不正によるセキュリティ被害や自然災害のリスクも考慮する必要があります。

クラウド

クラウドとは、インターネットを介して事業者のサービスを利用する運用形態。代表的なクラウドサービスとして、AWS、GCP、Azureなどが挙げられます。

オンプレミスのようにサーバーやソフトウェアを自前で用意しなくてよいため、導入のハードルを下げられる点が魅力。初期コストも低く、いざトラブルが発生しても事業者側が対応してくれます。

デメリットは、カスタマイズの自由度が限られていること。事業者側が提供するサービス以外の機能は利用できません。多機能性を求めると、その分利用料も高額になります。またシステムはインターネットを介して構築されます。そのため、閉鎖性を保ちやすいオンプレミスと比べるとサイバー攻撃や不正アクセスの脅威は高めといえるでしょう。

関連記事:クラウド開発とは?AWS, Azure, GCPなどの特徴や依頼する会社の選び方を解説【2023年最新版】

ITインフラ構築・運用フロー

ITインフラ構築・運用フロー

ここではITインフラを構築するフローについて紹介します。ただし一口にITインフラといっても、システムの中身は多岐に渡るのが特徴です。ここではネットワーク構築を例に紹介します。

また、構築フローは外注を前提に解説しますが、自社開発でも参考になる内容です。

要求定義

要求定義

要求定義とは、発注者のニーズをヒアリングすること。以下の表のように、どのような課題があり何を解決できるのかを明らかにします。

明らかにする項目

ネットワーク構築の場合

現状の課題

経費申請するために出社する必要がある

出張先から社内資料を閲覧できず業務が滞る

理想の状態

端末上でコミュニケーションを完結

社外から社内ネットワークにアクセス

必要な機能

社外からのアクセス機能

チャット機能

共有フォルダ

メールサーバー

なお、より具体的に要求定義の内容を固める際には、RFPを作成しましょう。RFPとは、外注先に開発してほしいシステムを提案してもらうための書類。以降のステップで外注先とのコミュニケーションがスムーズに進みます。自社開発の場合でも、どのようなシステムにしたいか意思統一しやすくなります。

RFPに盛り込む項目を以下にまとめたので、参考にしてください。

システム概要

開発の背景・目的

解決したい課題

既存システムシステムとの関連

会社・組織の概要

新システムのユーザー

開発予算

依頼事項

システムの構成、性能、品質、運用条件

納期スケジュール

納品条件

開発体制

プロジェクト管理方法

開発言語、必要な設備・機材

開発手法

既存システムからの切替方法

費用見積もり

開発の条件

RFPに対する問い合わせ先

提供資料、選定方法

契約事項

支払い条件、保証年数、機密事項、著作権

 関連記事:システム開発における要求定義の重要性|要件定義との違いや要求定義の実態・改善ポイントを解説【2023年最新版】

要件定義

要点定義とは、要求定義で具体化したニーズをシステム側でどう実現するか決めるフェーズです。明らかにする項目は以下の通りです。

  • 開発目的:新しい工場のネットワーク構築
  • ターゲット:工場の従業員
  • 予算:1,000万円以内
  • 必要な機能:チャット、電話、メール、VPN(※)
  • 用いられる技術:Java、C
  • スケジュール(納期):年度末、上期末など
  • 必要な人員(工数):10人
  • 実装手順

要件定義は開発に着手する上で重要なステップ。要件定義が疎かだと「工期が伸びる」「作ったITインフラが使い物にならなかった」といった問題に発展するからです。以降のステップで出戻りを防ぐためにも外注先(自社開発の場合は開発チーム)と密にコミュニケーションを取りましょう。

※VPN:ネットワークへ安全に接続する技術

関連記事:システム開発の要件定義とは?進め方や事例をわかりやすく解説(サンプル付)【2023年最新版】

基本設計

基本設計とは、要件定義で明らかにしたニーズを実現するためにシステムの機能を明確化するステップ。基本設計でやるべき作業は以下の通りです。

  • 必要な機能を洗い出す
  • 処理するデータを整理する
  • 端末のレイアウトを決める
  • 必要となるデータを具体化する

外注する場合だと、発注側が関われる最後のチャンス。自社開発だと、エンジニアに主導権が渡ります。後に「思っていたシステムではなかった」と悔やまないよう、納得できるまで擦りあわせしましょう。

関連記事:システム開発の基本設計とは?その位置付け・重要性・発注者としての関わり方を解説【2023年最新版】

詳細設計

詳細設計

画像引用:沼津高専電子制御工学科

基本設計の中身を実現するために、システムに必要な機能の内部仕様を決めるステップです。プログラマーへの指示書と考えてよいでしょう。設計書に記載する項目は以下のようなものです。

  • クラス図:システムを構成するクラスの関係を示す
  • モジュール構成図:各機能の処理に必要な処理をモジュール(※)ごとに示す
  • アクティビティ図:ユーザーの操作・処理の流れを示す
  • シーケンス図:データのやり取りを時間軸に沿って示す
  • IPO(処理機能記述):入力・処理・出力の流れを表す
  • 開発方針・ルール:開発言語の指定、実装上の取り決めを行う
  • 単体・結合テスト設計:単体・結合テストの仕様書・設計書などを作成する

詳細設計は開発側が主体になって進めます。発注者が関わることは少ないですが、コミュニケーションを円滑に進めるために、大まかな知識は押さえておきましょう。

関連記事:システム開発の詳細設計とは?プロジェクトの位置付け・役割をわかりやすく解説【2023年最新版】

※モジュール:機能をひとまとめにしたプログラム

構築

詳細設計まで固まったら、いよいよ構築です。予め決めた開発言語と機材を使い構築しましょう。発注側(自社開発なら依頼側)が関わることはあまりありません。何をしているか把握する程度でOKです。

なお構築の際には関係者に周知しましょう。いきなり構築を始めると定例の業務に支障が出る恐れがあります。導入するシステムの規模にも寄りますが、概ね1ヶ月くらいから周知すれば、スムーズに構築できます。

関連記事:システム開発の主要言語を解説|業務アプリケーションによく使われている言語は?【2023年最新版】

テスト

構築を終えたら設計、要件定義通りに動くかテストします。テストの種類は以下の4つで、それぞれ検証するべき項目が決められています。

単体テスト

詳細設計通りに動くかテスト

実装段階で実施することもある

結合テスト

単体テストで確認したプログラム同士を繋いでテスト

基本設計通りに動くかチェック

システムテスト

要件定義通りに動くか確認

受入テスト

本番環境で正常に動くかテスト

 関連記事:システムテストとは?テスト工程、その他のシステム開発のテストとの違いを解説【2023年最新版】

運用

運用とは、構築したITインフラを安定稼働させるために管理・監視することを指します。主にやるべき業務は下記の通り。

運用業務

主にやるべきこと

システム監視

ネットワークやサーバーが正常に動くようにデバイス、設備を監視

機器の稼働状況やメモリの使用・残りの空き容量などを確認

異常発生時のログを記録

マルウェアや不正アクセスなどサイバー攻撃を監視

日常メンテナンス

プログラムの更新・改修してセキュリティを担保

機能追加や修正などによってシステムを改善

保守

障害の予兆を発見したときの対応

ITインフラは、構築したら自然と稼働し続けるわけではありません。デバイスや設備は時間とともに経年劣化します。ネットワークにおいても、常にサイバー攻撃の脅威が付きまとうでしょう。

このような脅威からITインフラを守るためにも、運用業務は疎かにできません。

関連記事:インフラ運用とは?作業内容・保守との違い・外注時のメリットや注意点を解説【2023年最新版】

ITインフラ構築・運用時の注意点9つ

ここではITインフラを構築・運用する際の注意点を9つ紹介します。

  1. システムの速度・操作性を考慮する
  2. セキュリティ対策を実施する
  3. リモート環境を整える
  4. 障害発生時のフローを整備する
  5. BCP(事業継続計画)を策定する
  6. 常時ネットワークを監視する
  7. サーバーの負荷を分散させる
  8. ITインフラに長けた人材を確保する
  9. 外注も視野に入れる

システムの速度・操作性を考慮する

システムの速度・操作性を考慮する

ITインフラを運用する上で、システムの速度・操作性は重要です。システムを利用する際に遅延が大きいと業務に支障が出るからです。

また先述したように、端末の操作性も大事。操作性が悪いとストレスになるだけでなく、ミスの遠因になり得るからです。端末やアプリを選ぶ際には、実際に使う社員に使ってもらい「使い勝手はよいか」「他に必要な機能はないか」などをヒアリングしましょう。

セキュリティ対策を実施する

ITインフラは外部に接続されているケースが多いので、少なからずセキュリティ上の脅威に晒されています。セキュリティ対策を怠ると、機密情報が漏えいしたり、システムそのものがハッキングされて事業が立ち行かなくなったりします。セキュリティが破られると顧客に謝罪しなければいけない上に、事後対策に莫大な費用と時間を費やすことになるでしょう。

下記に主な対策方法を載せました。いきなり全てを実行するのは難しいので、できることから始めましょう。

  • 技術対策:ウイルス対策ソフトを導入、システムのアップデートなど
  • 物理対策:入退室管理、盗難防止キットの活用など
  • 人的対策:社員教育、社内ルールの策定など

関連記事:中小企業のセキュリティ対策の重要性|対策・注意点を紹介!

リモート環境を整える

社外から自社のITインフラを利用できるよう、リモート環境を整備することをおすすめします。出社しないと閲覧できない情報を扱えたり社外から決裁を進めたりできれば、業務の生産性が上がるでしょう。社員の多様な働き方に応えられるため、優秀な人材の確保も期待できます。

関連記事:テレワークに必要なもの|環境整備で考慮しておきたいこと・推進のポイントも解説!

障害発生時のフローを整備する

残念ながら100%完璧なITインフラを構築することはできません。障害が発生しても早期に復旧できるよう、下記のようなフローを用意しましょう。

  1. 原因の切り分け:監視ツールでログを分析する
  2. 問題部分の特定:CPUの稼働率、サーバーへのアクセス数などピンポイントに絞る
  3. 復旧:サーバーの増設、データベースの改修など
  4. 再発防止策を検討する

なお、障害発生時は情報共有を怠らないでください。チャットツールやオフィスのホワイトボードなどを活用し、対応漏れやダブりのないよう連携しましょう。

BCP(事業継続計画)を策定する

BCPとは事業継続計画のこと。自然災害やサイバー攻撃で被害を受けた際に、必要最低限ビジネスを継続できるようにまとめた計画書のことです。

どれだけ高品質なITインフラでも、自然災害やサイバー攻撃などでダウンする可能性は考えられます。いざというときに被害を最小限に食い止めるために、BCPを策定しましょう。BCPに盛り込む主な項目は以下のようなもの。

  • バックアップの取得:データはクラウドか遠方のデータセンターに保存
  • 予備のデバイス:普段利用している物とは異なる端末・OSが望ましい
  • 連絡体制の整備:コミュニケーションツール、責任者の指定など
  • CIRSTの設置:セキュリティトラブル発生時の専門チームを作る

より詳しいBCPの立て方を知りたい企業は、内閣官房情報セキュリティセンターが発行しているIT-BCP 策定モデルも参考にしてください。

常時ネットワークを監視する

Zabbix

画像引用:Zabbix

ネットワーク監視も安定したITインフラの稼働において重要です。機器の劣化やサイバー攻撃などネットワーク障害のリスクは常に存在するからです。最低限以下の項目はチェックしましょう。

  • ネットワーク機器が正常に稼働しているか
  • パフォーマンスが落ちていないか
  • 障害の予兆があるか

ただし、人の目で常時監視するのは現実的ではありません。効率よく正確にネットワークを監視するならツールを活用しましょう。上の画像のようにネットワークの状態を一目で把握できるので、障害にも迅速に対応できます。

関連記事:ネットワーク監視とは?メリットや監視方法、おすすめツールも紹介!

サーバーの負荷を分散させる

特定のサーバーに負荷が集中するとシステムの動作が遅くなります。最悪の場合、システム障害に発展しかねません。下記のような方法でサーバーの負荷を分散させましょう。

  • ロードバランサー:サーバーに割り当てる処理量を調節する
  • スケールアップ:サーバー自体の処理能力を上げる
  • スケールアウト:サーバーを増やす

ITインフラに長けた人材を確保する

社内に専門のエンジニアがいると心強いです。特にサーバーやミドルウェア、ネットワークなど、各ジャンルに特化した人材がいればスムーズに運用・保守できます。障害発生時でも委託先から人を呼ぶより早く対応できます。

専門の人材がいない場合は未経験から育成するのも1つの手。役立つ資格をまとめたので、人材育成の足掛かりにしてみてください。

資格名

運営元

特徴

CCNP

シスコ

システムズ

国際標準でネットワークの知識・スキルを証明

LPIC 

Linux Professional Institute

Linuxサーバーの技術者であることを認定

オラクルマスター

オラクル社

データベース業界大手のオラクル社が運営

ネットワーク

スペシャリスト

IPA

設計技法、ネットワークサービスのスキルを認定

マネジメントスキルも証明可能

外注も視野に入れる

自社の力だけでITインフラを構築できない場合は専門業者に依頼しましょう。外注するメリットは3つあります。

ITインフラを外注するメリット3つ

ただし、今は数多くの開発会社が存在するため、よく検討せずに依頼すると後悔するかもしれません。開発会社を選ぶポイントは以下の通りです。

  • 求めるITインフラの開発実績はあるか
  • 経営は安定しているか
  • 担当者とうまくやり取りできるか

なお、開発会社を選ぶ際には4社前後相見積もりを出しましょう。あまり多すぎるとどの会社も似たように見えて、どこがよいのか判断できなくなります。

また、相見積もりする際にはRFPを忘れず準備しましょう。同じ基準で開発を比較できるため、より高い精度で開発会社を選定できます。

関連記事:システム開発は外注すべき?メリット・デメリット、外注先の選び方を紹介【2023年最新版】

【まとめ】ITインフラの概要と構築の流れ等について紹介しました

本記事では、ITインフラの構成要素と構築ステップ、注意点などについて紹介しました。まとめは以下の通りです。

  • ITインフラは運用形態で導入のハードルが変わる
  • 構築する際にはセキュリティ対策を怠らないこと
  • 障害に備えて対応フローとBCPを策定すること
  • サーバーを負荷分散させて障害のリスクを抑えること

ITインフラは企業活動の土台です。1つでも不具合が発生するとビジネスに支障が出るので、本記事を参考に入念な準備をしてください。もし、自社の力だけで構築するのが不安という企業は外注も検討しましょう。

なお、ITインフラに強い会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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