- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー インフラ構築
ネットワーク構築のやり方・手順を紹介!外注時の注意点も【2024年最新版】
「社内ネットワークを構築したいけれど、どんな機材が必要?」
「構築のスケジュール感が分からず、工期が遅れないか心配」
「ベンダーに構築を依頼したいが、どこを選べばよい?」
新たに事務所を開くからパソコンをネットワークに繋ぎたい、プロバイダーとの契約満了が近いから開発会社を代えたい、そのためにネットワーク構築を検討している企業は多いでしょう。
しかし構築の流れや必要な設備を把握できず、何から始めたらいいか分からない会社は少なくありません。ネットワーク構築となると影響が全社に及ぶこともあるため、導入時の失敗は避けたいもの。
そこでこの記事では、以下の内容について紹介します。
- ネットワークの種類
- 主な機材
- 構築の流れ
- 開発会社に依頼するときのポイント
この記事を読めば、スムーズに社内ネットワークを整備するためのヒントが見つかるので、ぜひ最後までお読みください。
※ネットワーク構築に不安がある方は、システム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、最適な開発会社を提案します。相談料・紹介料は一切かかりません。
ネットワーク構築とは
ネットワーク構築とは、同じ建物や敷地内もしくは遠隔地の端末をつないで、情報通信できるようセットアップすることです。
パソコン・スマートフォン・タブレットなどの通信端末を介して、情報収集や業務処理などに活用されます。例えば職場や一般家庭、学校のインターネット環境はネットワークの一種です。
また、ネットワークは大まかにLAN(ローカルエリアネットワーク)とWAN(ワイドエリアネットワーク)の2つに分けられ、LANの中にも無線LANと有線LANの2種類があります。
ネットワークの技術は国際規格としてルールが定められており、ネットワーク構築には基礎知識としてTCP/IPやWi-Fi、イーサーネットなどの知識が必要です。
ネットワークの構築の種類は主に2つ
LAN
画像引用:TechTerms
LANとはLocal Area Networkの略称で、同じ建物もしくは敷地内専用で使うネットワークのことです。イントラネットと呼ばれることもあります。
LANを構築すれば事務所内のパソコンや印刷機、サーバーなどと相互に通信できます。
- パソコンで作った書類を印刷機でプリントアウト
- PC内のフォルダを隣のPCに転送
LANには有線LANと無線LANの2種類あり、それぞれの概要とメリットは以下の表の通りです。
タイプ |
特徴 |
メリット |
有線LAN |
パソコンやプリンターなどの 機器をケーブルで接続 |
電波、建物の影響を受けない セキュリティ性が高い |
無線LAN |
無線で機器同士の通信が可能 |
電波さえあればどこでも接続 短期間で導入可能 |
有線LANはケーブル配線の工事など手間と費用がかかりますが、通信が安定しており、強固なセキュリティ性がメリット。そのため大容量のデータのやり取りが発生する、顧客情報のようなデリケートなデータを扱う、という企業に向いています。
無線LANは専用のルーターを設置すればケーブルなどの機材を使わずにネットワークを構築できるため、短期間での導入が可能。通信が不安定であったり電波を乗っ取られるリスクは残りますが、安くかつスピーディにネットワークを構築したい企業にはぴったりです。
WAN
画像引用:IPXO
WANとはWide Area Networkの略称で、同じ建物や敷地内に留まらず遠方の支社や工場を跨いで構築するネットワークです。複数の拠点を持っている企業のほとんどはWANを導入しています。
WANと混同されやすいインターネットですが、大きな違いは、WANは自社で独立したネットワークを築けること。インターネットは外部のネットワークに接続できるのみで、自社だけで情報をやり取りできるネットワークを構築できません。
WANのメリットは、複数の拠点を繋いで社内ネットワークを構築できること。例えばとある工場で設備が不具合を起こした際に、別の工場から図面を取り寄せるといった対処ができます。また遠方の技術部門で蓄積された知見を、インターネットのような漏えいリスクの高い手段を使うことなく送信が可能。
このように、拠点を跨いで安全にデータをやり取りできる点がWANの魅力です。
LANとWANのどちらが良いのか?
ネットワーク構築において、LANとWANはニーズにあわせて様々な場面で導入されています。どちらが良いかは、具体的な要件・目的によって異なります。
- LAN:同一の拠点内で構築
- WAN:広範囲をカバーできるネットワーク
LANは同一の拠点内で構築されるため、家庭や小規模オフィス内のネットワークで導入されるのが一般的です。
一方、WANは広範囲に及ぶ地域や複数拠点をカバーし、遠隔地のオフィス間の通信や大規模なデータ転送に適しています。海外に事業展開している企業や複数拠点をもつ大企業に向いています。
新たにネットワークを構築する際は、上記の特徴を理解した上で、自社に適したネットワーク形態の選択が重要です。
ネットワーク構築で使う機材
社内でネットワークを構築するためには様々な機材が必要です。ここでは最低限の機材と、あればなおいい機材に分けて紹介します。どの機材もECサイトや家電量販店などで購入できます。
必須の機材4つ
ネットワークケーブル
パソコンやプリンター、サーバー間でデータのやり取りをするためにはネットワークケーブルが必要です。主な種類は以下の2つ。
- ツイストぺアケーブル:屋内の同一フロアでLANを構築する際に使用
- 光ファイバー:屋外で配線したり建物を跨いでデバイスを接続する際に使用
ツイストペアケーブルは主にLANケーブルで使用されます。長さは最長100m程度で落雷などの高電圧に弱いのが特徴。そのため、同じフロア内で機器同士を接続する際に使用します。
光ファイバーは高速かつ大容量の通信が可能なのが特徴。落雷時にも影響を受けにくいため、屋外に敷設する際には重宝されます。また数km離れた箇所へ配線できるので、離れた建物間でネットワークを構築したい企業に必要です。
LANスイッチ
画像引用:FS Japan
LANスイッチとは、LANに複数のデバイスを繋ぐ際に使う中継器のことです。ポートと呼ばれる挿し口が複数あり、前述のツイストケアケーブルを使って、必要な機器の数だけ接続できます。
ポート数を超えてデバイスを接続する際には、下の図のようにLANスイッチを増やしてネットワークを拡大できます。
後にネットワーク構築の流れで紹介しますが、要件定義の段階で必要なLANスイッチの数を決める必要があります。
サーバー
サーバーとは、メールやファイルなどネットワーク上でやり取りするデータを保存する機器。サーバーとはWebサイトのデータ保存や、Webサイトを閲覧する人に画面を表示するもの。また、データ読み出しや書き込みなどの処理の他、悪意ある第三者からの侵入を防ぐ役目も担います。主なサーバーの種類と特徴、メリットは下の表のとおり。
タイプ |
特徴 |
メリット |
オンプレミス |
自社にサーバーを設置・運用 |
自由にカスタマイズできる 拡張性が高い 高いセキュリティ性 |
クラウド |
インターネットを介して 業者のサーバーを利用 |
初期費用が安い 短期間で導入可能 業者がメンテナンス |
オンプレミスとは自社にサーバーを設置・運用する方式。自社でサーバーを用意するので、自社の方針や目的によって拡張、修正できるのが魅力です。またネットワーク環境が閉鎖的なため、情報漏えいやハッキングなどのセキュリティリスクを抑えられる点も安心材料です。
デメリットは、サーバーやネットワーク機器のライセンスなど、導入・運用コストが高くなること。そのためオンプレミスは「多少お金がかかってもいいから拡張性、セキュリティを確保したい」という企業に適しています。
クラウドとは、インターネット経由で業者が提供するサーバーを利用する方式です。自社でサーバーを設置・運用する必要がないため、低コストで運用が可能。オンプレミスより短期間で利用でき、ネットワークが小規模な場合は即日導入も可能です。
デメリットは拡張性に限界があること。クラウドは、業者のサービスプランによって容量や契約期間が決まっています。そのため、いざ通信容量の増加やネットワークの再構築の際にも、オンプレミスと比べると柔軟性に欠けます。
以上の点からクラウドは「低コストでネットワークを構築したい」「拡張性は重要ではないがすぐにでもサーバーが必要」という企業におすすめです。
関連記事:オンプレミス・クラウドについて詳しく知りたい方は「オンプレミスとクラウドの違いを比較!適切な選び方や移行のポイントを徹底解説」をあわせてご覧ください。
ルーター
ルーターとはインターネットに複数のデバイスを接続するための機器です。LANスイッチとの違いは外部ネットワークに繋げられるか否か。
LANスイッチは建物内の機器同士でデータのやり取りができるだけで、それだけではインターネットに接続できません。ルーターも繋げて初めて遠方のLANと接続可能。WANを構築する際にはルーターとLANスイッチはセットで用意しましょう。
しかし、現在はLANスイッチとインターネット接続機能が一体になったルーターが普及しています。ケーブルをパソコンに繋げば自動的にインターネットにアクセスできるだけでなく、LANで同じフロア内のパソコン同士でデータのやり取りも可能。
ただし、ISPの契約内容によってインターネットへ自動接続できるかどうかは変わります。ルーターを契約する際にはISPに確認しましょう。
あるといい機材2つ
VPN装置
VPNとはVirtual Private Networkの略称で、自社のみが利用できる専用回線です。インターネット上でデータを送受信する際にカプセル化と呼ばれる保護処理をしています。そのため、悪意ある第三者から情報を盗まれたり、漏えいしたりするリスクを抑えられる点が魅力です。
VPNを利用するために必要な装置は下記の2つ。
- VPNゲートウェイ:LANと外部の境界で暗号化や複合化(暗号解読)
- VPNルーター:通常のルーターにVPN機能を搭載
一般のインターネット回線をそのまま使ってもWANは構築できますが、セキュリティが心配であればVPN装置の導入を強くおすすめします。
関連記事:【簡単】VPNとは?仕組みや種類を初心者向けにわかりやすく解説!
UPS(無停電電源装置)
画像引用:三菱電機
UPS(無停電電源装置)とは、停電した時にネットワーク機器に電気を供給する装置。落雷などで過電流が流れ込んだ際にもパソコンやサーバーなどを保護してくれます。
UPSの主なタイプは下記の表の通り。
タイプ |
概要 |
メリット |
常時商用給電 |
停電時にのみ バッテリーから給電 |
サイズがコンパクト 低コスト |
ラインインタラクティブ |
電圧の変動を抑制 |
機器への電力負荷が小さい |
常時インバーター給電 |
常にバッテリーから給電 |
停電時に機器がダウンしにくい |
医療関係や24時間稼働の工場など、少しでもネットワークの不具合が許されない企業なら、常時インバータ給電がおすすめです。
「落雷などで停電するリスクが低い」「少しの間止まっても業務に支障はない」という場合であれば、常時商用給電や常時インバーター給電のUPSで問題ありません。
ネットワーク構築の流れ
企画・スケジューリング
まず、下記のように何のために社内でネットワークを構築するのか明確にしましょう。
- 事務所の新設に伴ってWANを構築したい
- 出張先からもLANに接続したい
- 工場にパソコンを設置するのでLANを拡張したい
構築したいネットワークが固まったら下記の表のように大まかなスケジュールを策定しましょう。
スケジューリングで大切なことは次の2つ。
- ネットワークの切り替え日から逆算する3
- 予備日を設ける
既存ネットワークの契約更新日は決まっているため、それまでに新たなネットワークに移行する必要があります。事務所や工場を新設する際にネットワークを拡張するなら、施設の開所日までに構築を終わらせなければいけません。このように稼働日は動かせないので、そこから逆算してスケジュールを組む必要があります。
また余裕がないスケジュール設定はNG。後に紹介するテスト段階で不具合が発生したり、構築環境の不都合で工事が予定通りに進まなかったりする可能性があるからです。工程の節目で数日程度の予備日を設けましょう。
要件定義
要件定義とは企画段階で固めたネットワークを技術的にどう実現するのかを具体化するフェーズ。具体的に「どんな環境でネットワークを構築するのか」「必要な機材は何か」を明確にします。
例えば事務所と工場が隣接しており、LANとWANを構築するとした場合、以下のような項目を要件定義書にまとめます。
- 事務所と工場は1つずつ
- 事務所は5階建てのため5台LANスイッチが必要
- 工場には詰め所が3つあるため3台LANスイッチを設置
- 事務所のパソコンのみWANに接続
- 出張先から事務所のLANにアクセス
- 事務所2階のLANは顧客情報を扱っているため、外部に接続させない
要件が固まったら、下の表のように必要な機材の仕様を固めます。
機材 |
仕様 |
LANスイッチ |
8ポートタイプ×3台 24ポートタイプ×5台 全て状態監視機能付き |
ルーター |
各フロアと工場に1台 VPN機能搭載 |
ケーブル |
ツイストペアケーブル:10m/本×30本 光ファイバーケーブル:400m/本×10本 |
企画通りのネットワークを構築するためにも要件定義はとても重要です。要件定義を疎かにすると「予想以上に設計・構築で時間を要した」「無駄に高規格のネットワークになって機材を活用できなかった」などの問題に繋がるからです。後工程での出戻りを防ぐためにも、要件定義には時間とお金を惜しまないでください。
関連記事:要件定義について詳しく知りたい人は「システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!」をあわせてご覧ください。
設計
設計では下記の2ステップに分けて作業を行いますが、小規模なネットワークだとまとめて実施するケースもあります。
- 基本設計:使う装置の機能定義を決める
- 詳細設計:基本設計に基づいて機器の設定値を決定
基本設計では下図のようなネットワーク構成図を作り、要件定義で決めた機材がそれぞれどんな役割を果たすのか明らかにします。
詳細設計では基本設計に基づいて下記のようなパラメーター(機器の設定値)を決めます。
- IPアドレス(各機器のネットワーク上の住所)
- 通信速度
- VPNの認証パスワード
関連記事:設計について詳しく知りたい方は「ネットワーク設計を行う5ステップ|実施時のポイントも解説」をあわせてご覧ください。
構築
詳細設計まで固まったら、いよいよネットワークの構築です。スムーズに進めるポイントは以下の2つ。いずれも筆者の実体験から得られた知見です。
- 構築マニュアルを作成する
- 工事の実施日を周知する
ネットワークの規模にもよりますが、実際に構築するとなると多くの機器を設置しパラメータを設定しなければいけません。1つの誤配線、設定値ミスがネットワーク障害に繋がるので、綿密にマニュアルを作ってスムーズに構築できる準備をしましょう。フローチャート化して印刷・ラミネートし、手に取ってすぐ確認できる状態にするのがおすすめです。
また工事の際には1ヶ月ほど前から関係者への周知を忘れないでください。何の告知も無いと定例業務の妨げになる、工事が遅れるなどの問題に発展します。
テスト
構築が終わったら、ネットワークが正常に動作するかテストします。テスト工程は主に以下の3ステップに分けて行います。
- 単体テスト
- 結合テスト
- 導入・切り替えテスト
単体テスト
ルーターやスイッチなど装置単体で以下のように正常に動作しているか確認します。
- 機器の電源を入れて起動するか
- ブラウザからログインしてプロンプト(システムが入力を受け付ける状態)を表示
単体テストは構築段階で実施することも多いです。
結合テスト
結合テストでは、単体テストが完了した機器同士で正常に通信できるかテストします。例えばパソコンとプリンターを接続し、正常に印刷できるかなどを検証。先述の基本設計を網羅できているか確かめます。
導入・切り替えテスト
全ての機器を接続し、企画で決めた仕様通りにネットワークが構築されているかテストします。全て網羅されていたら実運用に移行しましょう。なお導入・切り替え時には、既存のネットワークに戻すかを判断するタイミングを設けてください。
ネットワーク切り替えは大規模な工事かつイレギュラーが発生しやすいため、万が一スケジュール通りに進まなければ、既存のネットワークに戻さなければいけません。
工事が予定通り進まないのはよくないですが、障害を最小限に抑えるためにリスクヘッジは怠らないでください。
関連記事:テストについて詳しく知りたい人は「システム開発のテスト工程を徹底解説!システムテストと受け入れテストの違いは?」をあわせてご覧ください。
運用・監視
ネットワークは構築したらそれで終わりではありません。正常にネットワークが働いているか運用・監視する必要があります。ネットワーク運用で必要な業務は以下の通り。
- 定例業務:管理者の権限変更、ユーザー登録など
- 構成管理:機器の追加、廃棄に伴うネットワーク構成図の修正など
- 障害・通信量監視:トラフィック(通信量)を計測して障害が起こっていないか
運用・監視で特に大切なのは障害監視です。トラブルの初動が遅れると被害が拡大するので、ツールなどを活用して不審な挙動が無いか常にチェックしましょう。
ネットワークを構築する際の注意点4つ
自社に適したネットワークを構築する
自社の事業に適したネットワークを構築しましょう。どんなネットワークが必要か明確でないと、下記のような場面に直面するからです。
- 無駄に高規格な機材を導入して予算オーバーになる
- 必要な機能が足りずネットワークとして成り立たなくなる
例えば、屋内でしかネットワークを構築する予定が無いのに、光ファイバーのような高価なケーブルを敷設する意味はありません。また出張が多く外部から社内資料を参照したいのにVPNを設定していなければ業務に支障が出るでしょう。
繰り返しになりますが、企画段階でどんなネットワークを構築したいのか納得できるまで社内で議論を重ねてください。
セキュリティ対策は万全にする
規模や規格に関わらずネットワークは常に下記のようなセキュリティリスクと隣り合わせです。
- マルウェア感染:ウイルスに感染しデータの盗難・不正操作に遭う
- サイトの改ざん:サイトの脆弱性をついて公開情報が書き換えられる
- 社内からの不正操作:意図的にネットワーク構成を変えて脆弱になる
ネットワークに悪意ある第三者の侵入を許すと、機密情報の漏えいやデータの紛失など重大な結果につながりかねません。例えばクレジットカードの個人情報が流出すれば、訴訟沙汰になるかもしれません。裁判に発展しなかったとしても、情報の流出は企業の信頼失墜に直結します。
ネットワークを運用する際は、下記のようなセキュリティ対策を徹底してください。
- 専門業者に脆弱性診断を依頼
- 社員のコンプライアンス教育を実施
- セキュリティソフトをインストール
関連記事:マルウェア感染を防ぐ対策方法やおすすめのセキュリティソフトウェアを紹介
トラブル対応のマニュアルを策定する
画像引用:Microsoft
ネットワークは通信障害やウイルス感染など常にトラブルと隣り合わせです。万が一異常が発生した時でもネットワークの停止時間を縮小するためにマニュアルを作っておきましょう。おすすめは上図のようにフローチャートでビジュアル化すること。専門家でなくても直感的に理解できます。
定期的に通信量を監視する
ネットワーク上のデータ通信量が増えると遅延や通信障害の原因になりえます。また通信量が極端に変化しているば、通信障害の予兆を掴むことも可能。障害が起こってからだと対応が後手に回るので、常に通信量は監視しておきましょう。
おすすめは監視ツールの活用。通信量をビジュアル化できたり異常を検知したらアラートを発信してくれたりします。おすすめのツールを下の表にまとめているので参考にしてください。
ツール名 |
特徴 |
主な機能 |
PRTG Network Monitor |
グラフィカルな画面 200以上の監視項目 100項目まで無料 |
トラフィック監視 死活監視 サーバー監視 イベントログ監視 Windowsサーバー監視 ファイアウォール監視 アプリケーション監視 メディカルIT監視 |
Squeezer |
通信内容を正確にトレース 端末情報を自動的に集約 |
ネットワークのモニタリング 通信監視 キャプチャログの出力 |
WiSAS |
WiFiの脆弱性を可視化 センサー1つで気軽に利用 |
脆弱性診断 管理外アクセスポイントの監視 脅威の自動検知・遮断 |
ネットワーク構築に強い開発会社を見極めるポイント
構築実績が豊富な会社か
開発会社を選ぶ際には、ネットワーク構築の実績が多い企業を探しましょう。なぜなら、高い構築力を保持している可能性が高いからです。
実績を確かめるポイントは、会社の創業年数や取引先の業種。特に、自社と同じ業界でネットワーク構築の実績が豊富であれば信頼できます。特定の企業でネットワークの構築・運用歴が長ければ、品質は担保されていると見なしていいでしょう。
開発会社の業績に問題はないか
ポータルサイトの会社概要や沿革を見て、業績が安定しているか確認しましょう。ネットワークは構築すると切り替えまで5年は運用するのが一般的です。運用まで任せるとなるとそれなりに業績が安定していなければ、意図しない切り替えを迫られかねません。
歴史の浅い開発会社が悪いわけではありませんが、スタッフの数、社歴の長さは有効な判断材料です。あくまで目安ですが、社員30人以上、設立5年以上をベンチマークに選んでください。
アフターサポートは充実しているか
繰り返しになりますがネットワークは運用してからが本番です。サポート体制がずさんだとトラブルの際に復旧が遅れたりアップデートが追いつかなかったりします。
- 24時間対応してくれるか
- 緊急時は現地訪問も含めて対応してくれるか
- 多様なメーカー製品に対応しているか
- ネットワーク運営のコンサルティングもあるか
いい開発会社は構築をゴールにはしません。安定してネットワークを運用できるか考えた上でアドバイスしてくれます。自社のネットワークを一緒に造る仲間だという自覚があるか見極めましょう。
関連記事:おすすめの開発会社について詳しく知りたい人は「ネットワークの構築に強いシステム開発会社8選!【2022年最新版】」をあわせてご覧ください。
ネットワーク構築の種類や必要な機材について紹介しました
この記事ではネットワークの種類と必要な機材、構築の流れ、注意点などについて紹介しました。
- 社内ネットワークはLANとWANに大別される
- 構築したいネットワークによって必要な機材が変わる
- どんなネットワークが必要か言語化する
- ネットワーク構築時はセキュリティ対策を万全にする
ネットワーク構築は多様な機材が必要で、慣れていないと自力で構築は難しいかもしれません。自社の力だけでネットワークを構築するのが難しいと感じたら、プロに外注することをおすすめします。開発会社選びに困った場合は、システム幹事にご相談ください。予算や目的から最適な会社をご紹介します。相談料などは一切かかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
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初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. ネットワーク構築とは何ですか?
ネットワーク構築とは、同じ建物・敷地内もしくは遠方の支社や工場を跨いでネットワークを構築することです。LANを構築すれば事務所内のパソコンや印刷機、サーバーなどと相互に通信できます。またWAN環境を整えれば、複数の拠点を繋いで社内ネットワークが構築可能です。
Q. ネットワーク構築する際の注意点は?
ネットワーク構築する際の注意点は「セキュリティ対策は万全にする」「トラブル発生時のマニュアルを策定する」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
喜多村道秋
専門分野: ITインフラ
新卒で大手インフラ企業に入社。約10年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。2018年からSEOブロガー・ライターとして活動を開始。「相手に伝わる文章を書く」を信条に執筆しています。
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