在庫管理システムは自作できる?Excelの限界・FileMakerを活用した作り方を解説【2024年最新版】

在庫管理システムは自作できる?Excelの限界・FileMakerを活用した作り方を解説!

・自動集計してくれる簡単な在庫管理表・ツールを自作したい
・Excel管理に限界を感じているが在庫管理システムを自作する方法はある?

本記事をご覧いただいている企業・店舗担当者の方なら、上記のように悩んでいるはず。既存ツール・サービスが導入される場合の多い在庫管理システムですが、業界・業種によって理想の在庫管理方法が異なるうえ、企業・店舗の規模によってはツールを導入するほどではない、逆にツールでは物足りない場合もあるからです。

システム開発・プログラミングの知識がなくても、自社業務に最適化された在庫管理システムを自作できないものだろうか?
そんなニーズのある方に向け、本記事ではExcelを活用した在庫管理表・ツールの作り方、FileMaker Proを活用した在庫管理システムの作り方を解説!在庫管理システムを自作する際の重要ポイント、Excel管理の限界も紹介していきます

※自作すべきか迷っている方はシステム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが在庫管理システムの開発におすすめの会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

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目次
  1. 1. そもそも在庫管理システムとは?自作は可能?
    1. 1-1. Excel / Accessで在庫管理表・ツールを自作
    2. 1-2. Claris FileMaker Proで在庫管理システムを自作
  2. 2. Excel / Accessのテンプレートによる在庫管理表・ツール自作方法
    1. 2-1. 関数・マクロでカスタマイズ
  3. 3. Excelで在庫管理システムを自作するメリットとデメリット
    1. 3-1. Excelのメリット
    2. 3-2. Excelのデメリット
  4. 4. Excel / Accessでの在庫管理には限界がある理由
    1. 4-1. 理由1:管理できる量
    2. 4-2. 理由2:管理できる機能の限界
    3. 4-3. 理由3:セキュリティ管理の限界
  5. 5. Excel以外で在庫管理システムを自作する方法
    1. 5-1. 1.スプレッドシート
    2. 5-2. 2.クラウドベースサービスを利用した自作
    3. 5-3. 3.プログラミング言語を使用した自作
  6. 6. Claris FileMaker Proを活用した在庫管理システムの自作方法
    1. 6-1. 1.テーブル・レイアウトの作成
    2. 6-2. 2.フィールドの作成
    3. 6-3. 3.フィールドを指定してレイアウトに配置
    4. 6-4. 4.フィールド・テーブルの設定
    5. 6-5. 5.レコード作成・インポート
    6. 6-6. 6.新規テーブルを作成してリレーションさせる
    7. 6-7. 7.バーコードを活用する
  7. 7. FileMaker Proでの自作が難しい場合はどうする?
    1. 7-1. 株式会社テクニカル・ユニオン
  8. 8. 在庫管理システムを自作する際に注意すべきポイント
    1. 8-1. 目的とゴールを明確にする
    2. 8-2. 在庫管理業務の棚卸しをする
    3. 8-3. 課題に対する必要な機能を見極める
    4. 8-4. 業務の流れ・必要な要素を図式化する
  9. 9. 在庫管理システムの自作まとめ

そもそも在庫管理システムとは?自作は可能?

在庫管理システムとは、個別の商材をデータと紐付け、商材の在庫状況を一元的に管理して利用者間で共有するシステムのこと。基本となるのは情物一致(データとモノを一致させること)およびデータ共有であり、在庫管理システムを自作する際のポイントにもなります。

プログラミングの知識・スキルなしに、基本を押さえた在庫管理システムを自作するには、大きく「Excel / Accessで在庫管理表・ツールを自作する」「Claris FileMaker Proで在庫管理システムを自作する」2つが考えられます。

在庫管理システムの基本をより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:在庫管理システムとは?種類・メリット・導入ポイント・おすすめのツールや開発会社を紹介!

Excel / Accessで在庫管理表・ツールを自作

在庫管理システムを自作するもっとも簡単な方法は、Excel / Accessで在庫管理表・ツールを作成すること。

インターネットで幅広く公開されているテンプレート・ツールを利用できるほか、関数・マクロの知識があれば、プログラミングなしでシンプルな在庫管理表・ツールを自作できます。VBA(MicrosoftがOfficeの拡張機能として提供するプログラミング言語)のプログラミングスキルがあれば、シート上に操作しやすいインターフェースを作成することも可能です。

Claris FileMaker Proで在庫管理システムを自作

Claris FileMaker Proを活用した在庫管理システムの自作方法

※画像引用:Claris FileMaker Pro

複雑かつ規模の大きな業務にも対応できる、柔軟な在庫管理システムを自作したい場合は、Claris FileMaker Pro(Appleの子会社が開発したデータ管理システム)の活用がおすすめ。

単なる在庫管理システムを自作できるだけでなく、顧客管理・仕入管理・販売管理を統合した業務システムも構築可能。プログラミングの知識・スキルがなくても、ドラッグ&ドロップの簡単操作で理想のアプリケーションを自作できます。

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Excel / Accessのテンプレートによる在庫管理表・ツール自作方法

ゼロから在庫管理表・ツールを自作する方法もありますが、Excel / Accessで在庫管理したいのであればテンプレートの活用がおすすめです。インターネットにはExcel / Access向けのテンプレートが幅広く公開されており、使い慣れたExcel / Accessであればアレンジして活用することもさほど難しくないでしょう。

下記はテンプレートが用意されているページです。
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関数・マクロでカスタマイズ

関数・マクロでカスタマイズ

※画像引用:Excel塾TOP

テンプレートでは物足りない、処理を自動化したいニーズがあるならば、関数・マクロを活用したカスタマイズがおすすめです。在庫管理表を作成する際に、Excel / Accessで使われる関数をいくつか挙げておきます。

SUMIF関数

SUM関数に条件を付加

VLOOKUP関数

特定のデータに合致する数値を抽出

IF関数

設定した条件に応じて表示する値を変更

マクロ

個別の操作を記録して自動化

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Excelで在庫管理システムを自作するメリットとデメリット

在庫管理を担当者1人で行うならExcelで十分かもしれませんが、担当者の数が増えたり、在庫管理の量や種類などが増えたりすると、問題がある場合が多いです。Excelで在庫管理システムを自作するメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

Excelのメリット

  • 無料で使える
  • 使いやすい

エクセルのメリットで主なものは上の2つでしょう。人件費はかかりますが、Excel自体は無料で使えます。また、世間一般に普及しているものなので、エクセルの使い方を学んでいる人は多く、使いやすい仕様になっています。多機能は要らず、自分が編集しやすければいい場合はExcelでの在庫管理が向いているでしょう。

Excelのデメリット

  • 複数人が同時に触れない
  • データの保存量の上限がある

エクセルの大きな弱点は上の2つです。データの保存量に限界があるのは、そこまで規模の大きな在庫管理でなければ問題ないかもしれませんが、問題は同時に複数の人間が触れないことです。在庫管理の担当者が複数人になった場合、同時に編集することができなくなります。コピーをとっても数が増えてしまうと、どれが正規版なのか混乱したりします。

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Excel / Accessでの在庫管理には限界がある理由

Excel / Accessは優秀なソフトウェアであり、在庫管理業務を行う上で効率化や自動化にとても有効なツールですが、ビジネスが大きくなると管理が難しくなり業務に支障がでる可能性があります。

理由1:管理できる量

ExcelやAccessを利用した在庫管理システムは、小規模事業向けには有効ですが、大量のデータを扱う際には不向きです。

なぜなら、データ量が増えるほどツールの処理速度は低下するためです。特にExcelの場合、1つのシートで扱えるデータ量に制限があるため、数万行を超えるデータを処理しようとすると格段に性能が落ちます。

また、複数のユーザーが同時にデータを編集すると、データの整合性維持が困難になり、重複や更新ミスの原因になります。

そのため、大規模な在庫を効率的に管理するためには、在庫管理を目的としたシステムの検討が推奨されます。

理由2:管理できる機能の限界

ExcelやAccessを使用して在庫管理システムを自作する場合、システムとして実装できる機能に限界があります。例えば、Excelだけで実現を考えた場合、在庫の自動注文システムやリアルタイム在庫追跡のような高度な機能の実装は難しいでしょう。

Excelはもともと表計算用のツールであり、複雑な在庫管理システムの構築には不向きで、ツールを使った高度なシステム開発にはプログラミングの知識等の専門的なスキルが必要になります。

そのため、より高機能な在庫管理を求める場合は、専門の在庫管理ソフトウェア導入の検討をしましょう。より効率的かつ効果的な在庫管理が実現可能になります。

理由3:セキュリティ管理の限界

ExcelやAccessはもともと高度なセキュリティ機能を備えているわけではないため、在庫管理の一環として機密情報を扱う際は注意が必要です。

例えば、Excelファイルにパスワードの設定はできますが、容易に誰でも解除できるため、データ漏洩の危険性があります。Accessにおいても、外部からのアクセスに対して脆弱な場合があり、ネットワーク経由でのデータ共有がサイバー攻撃のリスクを高める可能性もあります。

加えて、多数のユーザーが同時にアクセスした場合、データの一貫性が損なわれる場合もあります。

セキュリティの課題を解決するのであれば、専門の在庫管理システム導入の検討が賢明です。システムによりますがデータの暗号化やアクセス権の厳格な管理など、より高度なセキュリティ対策が可能になります。

まとめると以下のようになります。

■Excel / Accessで自作するメリット

  • ソフトウェア購入費用のみで自作可能
  • 操作に慣れたソフトウェアを活用できる
  • 修正しやすい

■Excel / Accessで自作するデメリット

  • デスクトップアプリケーションのため処理が遅い
  • データの保存量に上限がある
  • リアルタイム更新、同時編集ができない
  • 負荷がかかるとファイルが壊れる可能性がある
  • 編集権限の設定ができない
  • 最新のファイルがわからなくなる

特にデータ保存量に上限がある、負荷がかかるとファイルが壊れる、リアルタイム更新や同時編集ができないというのは、ビジネス規模の拡大に応じて顕著になるデメリットです。

在庫管理表で充分というビジネスモデルもありますが、将来的な事業の成長を考慮に入れ、別の方法で在庫管理システム導入を検討がおすすめです。

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Excel以外で在庫管理システムを自作する方法

1.スプレッドシート

在庫管理システムを自作する際、スプレッドシートは手軽で効率的な選択肢です。スプレッドシートとは、Googleが提供しているクラウドベーの表計算アプリです。

クラウドベースのスプレッドシートは、アクセスのしやすさと操作のしやすさが魅力の1つです。また、情報の見やすさという点でも商品名、数量、入出荷日などの情報を簡単に追跡できます。数式を用いて在庫量の自動計算も可能です。

さらに、スプレッドシートはチームでの共有が容易であり、複数のユーザーが同時に編集や閲覧を行えるため、在庫管理の透明性が確保されます。同時にデータを編集した結果、データの整合性維持できない、重複や更新ミスという人為的ミスの発生を抑えられます。

しかし、スプレッドシートは大量の在庫や複雑な管理が必要な場合には適していない場合もあります。軽さと基本的な機能を求める場合、スプレッドシートは良い選択肢といえるでしょう。

2.クラウドベースサービスを利用した自作

無料で簡単に利用ができる点からスプレッドシートを紹介しました。クラウドベースを利用する点では先ほど同じですが、スプレッドシートでは管理できない量のデータや複雑な管理を行う場合、Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud Platform(GCP)などのクラウドサービスを利用すると良いです。

クラウドベースサービスはインターネットを介してアクセスできるため、自分で物理的なサーバー等を持たずに、複雑な管理が可能になります。

また、ビジネスの成長にあわせてシステムの規模を柔軟に拡張できる点も、クラウドサービスの大きな利点です。さらに、セキュリティ面でも優れており、データの保護やバックアップが手厚くサポートされています。

しかし、クラウドサービスを利用する場合、月額料金やデータ転送量に応じた費用が発生する点に注意が必要です。また、クラウドサービスに依存した場合のサービス停止や障害が直接業務に影響を与えるリスクも考慮する必要があります。

3.プログラミング言語を使用した自作

難易度は高いですが、PythonやJavaなどのプログラミング言語を使用して在庫管理システムを構築する手法があります。

プログラミング言語を使用する利点は、システムの柔軟性と拡張性にあります。既存のサービスでは対応できない、企業独自のニーズにあわせた細かいカスタマイズが可能です。

しかし柔軟性の高いシステムを構築するには、高度なプログラミングスキルが必要なため、社内に適した人材がいない場合は、外部の専門家へ開発を依頼するのが良いです。その際、開発には相応の時間とコストがかかるので、簡単にできないと理解した上で計画を立てましょう。

自社開発による在庫管理システムは、将来的なビジネスの変化に対応できる柔軟性を持っています。しかし、そのためには適切なリソースの配分と専門技術の習得が必須です。企業の現状と将来のビジョンを踏まえた上で、いかに最適なリソースを配分できるかが重要となります。

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Claris FileMaker Proを活用した在庫管理システムの自作方法

Claris FileMaker Proを活用した在庫管理システムの自作方法

※画像引用:Claris FileMaker Pro

「FileMaker Pro」は、Claris社が開発・提供するローコード開発ツールです。在庫管理システムのコアとなるデータベース、およびユーザーの使い勝手を左右するアプリケーション / インターフェースを、ドラッグ&ドロップの簡単操作で構築できる、アプリ開発プラットフォームだといえるでしょう。

FileMakerで使われる用語「テーブル」「フィールド」「レコード」が、Excelでいう「シート」「行」「列」に相当することが理解できれば、データーベースは比較的簡単に構築できます。
以下から、FileMaker Proの概要とともに、在庫管理システムの自作手順を簡単に解説していきましょう。

※FileMakerのバージョン、Mac / Windowsの違いによって表示されるウィンドウなどは異なります。

データベースの基本についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
※関連記事:在庫管理システムの導入メリットを解説!デメリットを払拭するデータベースの仕組みとは?

1.テーブル・レイアウトの作成

まずは、取り扱い商品のカタログともいえる「商品マスターテーブル」をFileMaker Proで自作してみましょう。FileMakerの特徴は、ファイルを新規作成するとテーブルとともにレイアウトも自動生成されること。

※レイアウト:FileMaker Proで自作する在庫管理システムのインターフェースとなる画面
※テーブル:データベースの大枠となる(Excelで例えた)シート

テーブル・レイアウトの作成

デフォルトの設定でレイアウトが生成されると同時に「商品マスター」テーブルが作成されます。レイアウトにはニーズに応じたさまざまなテーマが用意されており、後から変更することも可能。まっさらな状態からレイアウトをデザインすることも可能です。

テーブル・レイアウトの作成②

2.フィールドの作成

作成されたテーブルは、なにも項目が設定されていない状態であるため、フィールドピッカーを使って「フィールド(Excelで例えた列)」を追加していきます。自作するテーブルが商品マスターであるため、「メーカー名」「商品名」「仕入れ価格」「消費税」「税込仕入れ価格」「定価」「仕入先」フィールドを作成します。

FileMakerを起動して「新規」をクリック、名前を付けて保存場所を指定します。

フィールドの作成

フィールドには「テキスト」「数字」「計算」「集計」などの種類があり、作成するフィールドに合わせて設定可能。たとえば「消費税フィールド」に計算フィールドを割り当て、「仕入れ価格*0.1(仕入れ価格 × 0.1)」で計算結果を自動入力できます。

フィールドの作成②

3.フィールドを指定してレイアウトに配置

必要なフィールドを作成したら、「フィールドツール」を選択してレイアウトにドラッグ&ドロップして配置していきます。「フィールド指定」ダイアログが表示されるため、配置したいフィールドを指定しながらドラッグ&ドロップを繰り返します

フィールドを指定してレイアウトに配置

配置したフィールドは、自在にサイズ・位置の変更ができるため、見やすいインターフェースとなるような工夫が可能。テーブル名を追加する、テーマを変更してデザインをカスタマイズすることも可能です。

フィールドを指定してレイアウトに配置②

ある程度レイアウトを作成できたら、ブラウズモード(作成したファイル内のデータを操作するモード)に切り替え、インターフェースの実際の見え方をチェックしておきましょう。

フィールドを指定してレイアウトに配置③

フィールドを指定してレイアウトに配置④

4.フィールド・テーブルの設定

作成したフィールド・テーブルは、後からでも設定や名前の変更が可能です。レイアウトモード(レイアウト・フィールド・テーブルを作成・編集するモード)に切り替え、「管理」プルダウンメニューから「データベース」を選択します。

フィールド・テーブルの設定

フィールドの設定を変更したい場合は、表示されたリストのなかから目的のフィールドをダブルクリックします。
このケースでは「税込仕入れ価格」の計算結果が「テキスト」のままであったため、「数字」に変更しています。

フィールド・テーブルの設定②

また、個別商品を管理しやすくするため、自動で番号が割り振れる「商品No.」フィールドも追加しました。

フィールド・テーブルの設定③

5.レコード作成・インポート

商品マスターのレイアウト・テーブルが完成したところで、データ登録していきましょう。商品マスターはカタログの意味合いを持たせているため、取り扱い商品が100種類あれば、「レコード(Excelで例えた行)」を100個作成していくことになります。「レコード」>「新規レコード」、もしくはショートカットでレコードを作成していきます。

レコード作成・インポート

メーカー名・商品名・仕入先・仕入れ価格を入力すると、自動計算で消費税・税込仕入れ価格が入力されます。「商品No.」が設定に従って自動割り振りされていることもおわかりでしょう。

レコード作成・インポート②

もちろん、Excelなどに登録した商品情報があれば、CSVとしてデータインポートすることも可能。XML形式、ODBCデータソースもインポート可能です。

レコード作成・インポート③

6.新規テーブルを作成してリレーションさせる

カタログである商品マスターがあるだけでは、実在庫の管理ができません。そこで、新規テーブル(「在庫管理」テーブル・データベース)を作成し、商品マスターと関連付けさせます。これで、商品マスターの個別レコードと紐づけられた在庫を一覧表示できるようになります。

新規テーブルを作成してリレーションさせる

商品マスターレイアウトにボタンを設置し、スクリプト(Excelで例えたマクロ、Photoshopで例えたアクション)を設定しておけば、個別商品の発注(入荷予定の在庫管理レコードを作成)の自動化も可能。スクリプトは必要なだけ作成して登録することが可能なため、当日の売上集計などの検索スクリプトを登録し、日々の定型業務をボタンクリックのみで実行させることもできます。

新規テーブルを作成してリレーションさせる②

また、FileMaker Proではひとつのテーブルに複数のレイアウトを持たせ、必要に応じて切り替えることも可能。入荷予定・出荷予定商品をリスト表示させてプリントアウトすることも簡単です。

新規テーブルを作成してリレーションさせる③

7.バーコードを活用する

入庫・出庫・検品業務を効率化するために欠かせない「バーコード」を活用した在庫管理システムも、FileMaker Proなら簡単に自作できます。従来からFileMaker向けのバーコード作成ソフトが販売されていましたが、FileMaker Pro 19.1から標準のアドオンが利用できるようになりました。

JANコードをそのまま使えるほか、FileMakerで生成した独自の「在庫No.」をバーコードに変換することも可能。CODE128をはじめとした主要なバーコードをFileMakerだけで自作できます。

下記のClaris社公式ページにて、FileMaker Pro 19.1からアドオンでバーコードを利用する方法が説明されています。
関連記事:Claris FileMaker のアドオン - バーコードジェネレータ他編

下記ページから、バーコード作成ファイルメーカープラグインソフトを購入できます。
関連記事:ローラン株式会社 FileMaker®でバーコード作成!SakuraBar PLUS

※自作すべきか迷っている方はシステム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが在庫管理システムの開発におすすめの会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

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FileMaker Proでの自作が難しい場合はどうする?

在庫管理システムの自作にハードルの高さを感じるという場合は、Clarisパートナーのシステム開発会社にシステム構築を依頼することも可能。ゼロからプログラミングする必要のないFileMakerを活用すれば、コストを抑えながら理想の在庫管理システムを開発することも可能でしょう。

株式会社テクニカル・ユニオン

株式会社テクニカル・ユニオン

※画像引用:株式会社テクニカル・ユニオン

株式会社テクニカル・ユニオンは、Claris Platinumパートナーの認定を受けるシステム開発会社です。FileMakerの開発・ホスティングサービス、サポートサービスである「FM Care」などを網羅的に提供するほか、自社開発の在庫管理システム、倉庫管理システムも提供可能。得意とするスクラッチ開発を含め、さまざまな業界・業種の企業に最適なソリューションを提案可能です。

ソフトウェア開発のほかにも、ネットワーク・サーバを含むハードウェア、モバイルにも対応し、サポートを含むトータルな対応が可能なことも同社の強み。100%自社開発のため、企業規模に応じたオーダーにも柔軟に対応できます。

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在庫管理システムを自作する際に注意すべきポイント

在庫管理システムを自作する際に注意すべきポイント

在庫管理システムを自作してみたものの、誰にも使われないシステムになってしまった、というのはよくある失敗パターンです。
こうした失敗をしないためには、自作に取りかかる前の事前準備が重要。

以下から、事前準備の段階で注意しておくべきポイントを紹介していきます。自作する際のみに限らず、システム開発会社に在庫管理システム開発を依頼する場合にも重要となるポイントです。

目的とゴールを明確にする

在庫管理システムの自作を検討しているということは、なんらかの目的・ゴールを達成したいという動機があるはず。

たとえば、2人がかりで30分かかっていた入庫業務を、1人10分で済ませられるようにしたい、在庫商品の入庫・予約・出庫ステータスをリアルタイムで確認したいなど。できる限り具体的な目的・ゴールを定めておくことが重要です。

在庫管理業務の棚卸しをする

在庫管理システムを自作する目的・ゴールに対し、現状はどうなっているのか?在庫管理業務を棚卸してどのような問題点・課題があるのかを把握しましょう。
在庫管理に関するそれぞれの業務がどのようなステップで行われているのか、どのようなツール(Excelなのか、紙の在庫台帳なのかなど)を使って作業されているのか整理するとともに、現場で作業するスタッフの意見も聞きながらどこがボトルネックになっているのかを明らかにしていきます。

課題に対する必要な機能を見極める

明らかにした現状と、在庫管理システム導入によって実現したい状態を比較し、現状の不足部分をどのように埋めていくのかを検討することが3つめのポイント。

たとえば、入庫作業を劇的に効率化したのであれば、バーコードを活用した商品管理が必須。リアルタイムに在庫ステータスを共有・確認・編集したいのであれば、Excelによる在庫管理表では不充分です。
作業ステップごとの課題を解決するにはなにが必要なのか、一つひとつ明確化していく作業だといえるでしょう。

業務の流れ・必要な要素を図式化する

ここまでの注意点を踏まえ、実現したい在庫管理状態になるにはどうあるべきなのか?業務の流れ・それぞれのステップで必要になる要素を含めて業務設計を行い、設計図として図式化していくことが4つめのポイント。

たとえば、FileMakerで在庫管理システムを自作する場合、単なる在庫管理機能を持たせるだけでも、商品マスター・在庫管理という2つのテーブルが必要。それぞれのテーブルでどのような情報を表示させるのか、必要なフィールドも洗い出しておかなければなりません。

行き当たりばったりで在庫管理システムを自作しても、FileMakerなら後からフィールド・テーブルの追加・編集はできますが、レイアウトが複雑化してしまうことは必至。最初から業務設計ができていれば、シンプルかつ使いやすい在庫管理システムを自作できます

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在庫管理システムの自作まとめ

プログラミングの知識はないが、在庫管理システムを自作してみたいというニーズのある方に向け、本記事ではExcelを活用した在庫管理表・ツールの作り方、FileMaker Proを活用した在庫管理システムの作り方を解説してきました。

理想の在庫管理のあり方は100社あれば100通りともいわれており、システム化するまでもなくExcelで充分な場合もあれば、既存のサービスではどうしても自社業務に最適化できない場合もあります。そんなときにフィットする可能性が高いのが在庫管理システムの自作。

特にFileMaker Proを活用すれば、プログラミングスキルがなくても柔軟性の高い在庫管理システムを自作可能です。自社で開発することが難しいなら、Clarisパートナーを頼ることも可能。コストを抑えて理想の在庫管理システムを導入した企業・店舗の方なら検討の余地ありです。

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Q. Claris FileMaker Proで在庫管理システムを開発する流れは?

Claris FileMaker Proで在庫管理システムを開発する流れは「?テーブルの作成」「?フィールドの作成」「?レイアウト」「?テーブルの設定」「?レコード作成・インポート」「?リレーション」「?バーコードの活用」」です。それぞれの詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。

Q. 在庫管理システムを自作する際に注意すべきポイントは?

在庫管理システムを自作する際の注意点として「在庫管理業務の棚卸しをする」「業務の流れ・必要な要素を図式化する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。