販売管理システムの導入メリット・デメリットを解説|選び方や導入事例も紹介【2024年最新版】

販売管理システムの導入メリット・デメリットを解説|選び方や導入事例も紹介

販売管理システムの導入をご検討している方の中には、以下のような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

  • 販売管理システムで何ができるのか分からず、導入するべきか判断できない
  • 販売管理システムは機能が多く、どのような観点で選ぶべきか判断できない
  • 販売管理システムを導入して本当に成果があるか分からず、導入に踏み切れない

本記事では販売管理システムとは何か、導入手順やメリット、デメリット、選び方について解説します。本記事を読むことで、自社の業務効率を改善するためにどのようなツールを選べばいいか判断の指標が分かるようになります。

どの販売管理システムを導入すればいいか分からない場合は、システム幹事にご相談ください。システム幹事では、貴社が抱えている課題を丁寧にヒアリングし、最適な販売管理システムをについてアドバイスさせていただきます。

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目次
  1. 1. 販売管理システムとは
  2. 2. 販売管理システムを導入するメリット
    1. 2-1. 業務効率化が可能になる
    2. 2-2. コスト削減につながる
    3. 2-3. データ共有が円滑になる
    4. 2-4. 経営状況が可視化できる
  3. 3. 販売管理システムを導入するデメリット
    1. 3-1. 使いこなすまで時間がかかる
    2. 3-2. カスタマイズする必要がある場合もある
  4. 4. 販売管理システムの選び方
    1. 4-1. オンプレミス型かクラウド型か
    2. 4-2. 業種や業態に適したシステムか
    3. 4-3. 費用対効果に問題はないか
    4. 4-4. サポート体制が整っているか
    5. 4-5. カスタマイズができるか
    6. 4-6. 共有人数に制限はないか
  5. 5. 販売管理システムの導入までの流れ
  6. 6. 【業界別】販売管理システムの導入事例5選
    1. 6-1. 【卸売】ハウスホールドジャパン株式会社
    2. 6-2. 【医療機器販売】シーマン株式会社
    3. 6-3. 【アパレル】有限会社サーチディストリビューション
    4. 6-4. 【鉄鋼・非鉄金属】株式会社カネキ
    5. 6-5. 【士業】社会保険労務士法人飯田橋事務所
  7. 7. まとめ

販売管理システムとは

販売管理システムとは、商品やサービスの受注から納品までの、販売に関連する管理をサポートするシステムです。できることは導入するシステムによって様々ですが、大まかに以下のように分けられます。

販売管理

見積機能

受注管理機能

売上、売掛管理機能

請求管理機能

在庫管理

出荷管理機能

入荷管理機能

購買管理

発注管理機能

仕入管理機能

支払管理機能

販売管理とは、見積・受注・売上・請求など販売に関するデータの入力や検索機能などをサポートする機能です。在庫管理機能は、商品の出荷や在庫状況を確認できます。購買管理機能は、発注や仕入れデータの入力を管理できる機能です。

以上の情報を効率的に入力でき、必要に応じてオンラインで現在の販売管理に関する状況を把握できます。

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販売管理システムを導入するメリット

販売管理機能を導入することで、以下のようなメリットがあります。

販売管理システムを導入するメリット

以上のメリットにより、業務の無駄やミスが減少し、会社の経営状況をスムーズに確認することが可能です。

業務効率化が可能になる

販売管理システムを導入することで、販売管理に関わる様々な業務を効率化できます。販売管理では様々な管理があり、人の手で管理しているとミスが起きてしまいがちです。

しかし、販売管理システムを導入すれば、販売に関する伝票処理や計算を自動化できます。その結果、伝票処理時間も短縮され、業務の効率化が可能です。

例えば、株式会社ナガヨでは、見積もり作成作業をはじめとした業務を効率化したことで、残業時間1.5時間/日 の削減につながりました。
紙媒体の書類で起きがちな書類の紛失も防げ、検索の手間もかかりません。

また、伝票処理や計算処理などの仕事が単純作業化し、業務の進捗状況をクラウド上で共有できるため、特定の人しか対応できないような業務の属人化を防げます。

コスト削減につながる

販売管理システム導入のメリットは、コスト削減につながることです。具体的には以下のコストが削減されます。

  • 紙での印刷が不要になり、印刷代と保管場所代がかからない
  • 費が削減される

紙代、印刷代や保管場所代は会社の規模が大きいほど、負担が大きくなります。上記で触れたように、業務効率化ができることで、販売管理に関する労働時間が短縮されることで、残業の抑制や人材削減により、コスト削減が可能です。

販売管理システムを導入すると、導入費用とランニングコストがかかりますが、上記のコスト削減効果と比較すると、長い目線でみると、一定の節約効果が期待できます。

データ共有が円滑になる

販売管理システムを導入するメリットは、データ共有が円滑になることです。

販売管理システムは受発注に関わる書類や伝票を機械で自動で読み取り、データとして処理できます。部署間で違うフォーマットを使用している場合でも、処理が可能で、会社全体の販売管理の情報を円滑に共有可能です。

販売管理システムで入力した情報はクラウド上で管理されるため、工場と本社など場所が離れていても、リアルタイムで情報共有できます。

経営状況が可視化できる

販売管理システムで入力された情報を統合することで、現状の売上状況や今後の売上予測をより高い精度で可視化できます。

販売管理システム導入前であれば、部署ごとに売上情報が共有されるのを待つ必要がありました。しかし、販売管理システムであれば、入力と同時に売上に反映されます。そのため、リアルタイムでの経営判断が可能です。

AIが導入されている販売管理システムであれば、商品や材料に過不足があった場合の自動発注や予約にも対応できます。

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販売管理システムを導入するデメリット

販売管理システムを導入する際には、以下のデメリットもあります。

販売管理システムを導入するデメリット

以上のデメリットはありますが、事前に理解し対策しておくことで、販売管理システムがもつメリットを存分に活用できます。

使いこなすまで時間がかかる

販売管理システムを新しく導入する場合、使いこなすのに時間がかかる点がデメリットです。以前から販売管理システムを利用している場合でも、新しいシステムであれば操作方法に違いがあり、慣れるまでには一定の時間が必要です。
仮に使いにくい販売管理システムを導入してしまうと、かえって工数が増えてしまい、業務効率が悪化する可能性もあります。

上記のデメリットは無料プランやデモ版がある製品を選択し、事前に使用感を確かめておくことで、回避可能です。

カスタマイズする必要がある場合もある

販売管理システムは企業規模や業種によって、会社ごとのカスタマイズが必要になることもあります。
販売管理システムの多くは会社の現状の業務フローに、ピッタリ当てはまるわけではありません。そのため、システムのカスタマイズと同時に、システムに合わせた社内業務フローの見直しも必要になる場合があるでしょう。

しかし、後々のカスタマイズを避けるために、無闇に高機能な販売管理システムを入れてしまうと、費用が高額になり、コストカット効果を十分に発揮できません。

以上のような事態を回避するために、事前に業務フローを洗い出し、導入後のフローについても一定のシミュレーションをしておきましょう。今後必要になる機能を追加する可能性を見据えて、拡張性が高いシステムを導入することも重要です。

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販売管理システムの選び方

販売管理システムは様々な機能があるため、何を基準に選ぶべきか事前にポイントを押さえておくことで、より自社の状況に合わせたシステムが導入できます。
ここでは、販売管理システムの選び方について解説します。

オンプレミス型かクラウド型か

販売管理システムは、大まかにオンプレミス型とクラウド型に分かれます。

オンプレミス型とは、システム起動に必要なサーバーや設備を自社で保有し管理する手法です。クラウド型はシステムがクラウド上のサーバーに存在し、自社での導入は必要ありません。

オンプレミス型の場合に、情報共有をリアルタイムで行うためには、社内イントラネットが必要になる、管理の手間がかかるなどの問題があります。

クラウド型よりもオンプレミス型はコストがかかるため、クラウドの方が使い勝手はいいでしょう。オンプレミス型にするべき理由がないのであれば、クラウド型のシステムを選べば問題ありません。

業種や業態に適したシステムか

販売管理システムの中には、特定の業界や業種に対応したものもあり、業種ごとに求められる機能は変わります。そのため、自社の業務や業態に適したシステムかどうか見極めが必要不可欠です。

株式会社カネキの事例では、鉄鋼業に特化した販売管理システムを導入したことで、ほぼカスタマイズ不要の状態で導入でき、導入コストを大幅に抑えることに成功しています。

上記の事例のように、特定の業界に特化したシステムを導入することも選択肢です。

費用対効果に問題はないか

費用対効果が悪ければ、導入しても費用がかさんでしまうため、事前に費用対効果を確認することが重要です。導入コストに加え、ランニングコストを同時に確認しましょう。

販売管理システムの導入によって、どの程度業務効率が改善でき、どの程度のコスト削減になるかを比較する必要があります。

ただし、短期的な目線でみれば、システム導入の方が高くなることがほとんどです。販売管理システム導入の費用対効果は、長期的な目線で考えましょう。

特にオンプレミス型で導入する場合は、クラウド型よりもコストが高くなるため、慎重な検討が必要です。

サポート体制が整っているか

サポート体制について、サポートの内容や対応可能な時間、サポートの満足度などについて確認しましょう。システムを運用しはじめると、不具合が発生する、操作がわからなくなるなどの問題が発生します。

たとえば有限会社サーチディストリビューションの事例では、以前別の販売管理システムを導入していましたが、適切なサポート体制が整っていませんでした。その結果、同社では、販売管理システムを選び直すなどの問題が生じています。

カスタマイズができるか

導入した販売管理システムのカスタマイズができるかどうかは、システムが長く使えるかどうかに関わります。

どんなシステムでも、年月の経過に伴い、新たな課題が発生する、必要な機能が増えるなどの事態への対応が必要になるためです。カスタマイズ可能な販売管理システムを導入すれば、今後発生する課題にもスムーズに対応できます。

後述するハウスホールドジャパン株式会社の事例では、自社での取扱商品が多く、販売管理システムにカスタマイズ性が求められていました。
取引先に合わせたカスタマイズがしやすい「FutureStage」を導入することで、柔軟に機能をアップデートし、業務への悪影響を最小限に抑えています。

一方で、社会保険労務士法人飯田橋事務所の事例で導入した「楽々販売」では、定期的に機能がバージョンアップされています。その結果、自動処理の精度が上がり、日々の使い勝手が向上し、ストレスなく販売管理システムが利用できています。

共有人数に制限はないか

販売管理システムの中には、共有人数に制限があるものもあるため、確認が必要です。導入するシステムによっては、システムを利用できる人数や規模に制限があるものがあります。

会社の規模に合わないシステムを導入すると、かえって手間が増えてしまい、業務効率化につなげられません。

共有制限によって起きる事態を回避するためには、事前に業務フローと担当者を明確にしておくことが必要です。必要な規模を確認した上で、条件に合った販売管理システムの導入を検討しましょう。

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販売管理システムの導入までの流れ

販売管理システムの導入は、会社によって多少の違いはありますが、大まかに以下の流れで導入されます。

販売管理システムの導入までの流れ

システム環境の整備とは、会社で使用しているIT機器やセキュリティ体制などの環境を整備することです。

次にマスターデータを整理します。マスターデータとは、企業が販売管理システム導入前に使用する業務上のデータのこと。販売管理システムの導入時には、顧客情報や会計情報上の残高データなど、既存のマスターデータを移動させる必要があります。

販売管理システムを新しく導入する際には、システムの使い方や販売管理システムを使った業務フローについて、事前に教育しておくことも必要です。
教育後に、販売管理システムを実際に使いながらテスト稼働させ、問題なく運用できる目処がたてば、本番での運用を開始します。

ただし、システム導入時の作業だけではなく、導入前の事前準備も重要です。導入の前には、導入目的を整理し、事前にどのような機能を求めているのか、目的に合ったシステムや機能はどのようなものなのか、ある程度具体化しておく必要があります。
事前に目的や必要な機能を明確にしておくことで、必要かつ十分な機能を備えた販売管理システムの導入が可能です。

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【業界別】販売管理システムの導入事例5選

販売管理システムを導入することで、具体的に成果を出せているのか、気になる人も多いでしょう。ここでは、業界か導入前の事情と、導入後にどのような成果が得られたのかについて解説します。

【卸売】ハウスホールドジャパン株式会社

ハウスホールドジャパン株式会社は、ゴミ袋をはじめ500種類を超える商品を取り扱う会社です。

同社では取扱商品が多いため、社内の業務フローが複雑になりやすく、企業規模の拡大にシステムが追いついていません。その結果部署ごとに業務が属人化し、業務が煩雑になっているという問題がありました。

以上の課題から、本社以外の部署に対しても統制ができるシステムを検討し、日立システムズの「FutureStage」を導入しました。

導入の結果、ビジネスステージに合わせ、柔軟に機能拡張ができるようになり、本社統制も可能に。

自社の業務フローが複雑である場合や、独特の処理が求められる場合には、拡張性が高い販売管理システムを選ぶことで、問題解決につながります。

【医療機器販売】シーマン株式会社

シーマン株式会社は医療用のシステムや消耗品などを販売する会社です。
同社では、当時の基幹システムでは、在庫管理が十分にできず欠品が出やすい状態に加え、グループ会社との連携も取れていない状態でした。しかし、改善のための時間が確保できないことから、「アラジンオフィス」を導入しています。

業務効率の改善効果としてあげられるのは、見積作成にかかる時間の削減です。従来かかっていた作業時間を1/3削減(70時間/月)させることに成功し、伝票漏れや納品ミスもなくなりました。

また、グループ会社にも「アラジンオフィス」を導入することで連携がスムーズにできるようになったことも、成果として挙げられます。グループ会社間でシステムが統合され、会社間での連携が強化されました。

クラウド型販売管理システムであれば、シーマン株式会社のように、グループ会社とのシステム統一も可能です。

【アパレル】有限会社サーチディストリビューション

有限会社サーチディストリビューションはスノーボードや雑貨、アパレルなどの商品を取り扱う会社です。

同社では販売管理システム導入前は商品の受発注をExcel管理しており、ヒューマンエラーが多発していました。関数が壊れることで作業に不具合が出ることもあったようです。

以上のような問題に対応するため、「アラジンオフィス」を導入した結果、受注、発注・仕入・請求等の工程が1つのシステムでできるようになりました。
社員の残業時間も大幅に削減され、以前は深夜残業が多発していましたが、繁忙期でも21時には帰れるようになったそうです。

同社では、一度販売管理システム選びに失敗し、別のシステムを導入することで成功しました。導入後の成果が好ましくない場合には、システムの内容やサポート体制を見てシステム会社を選ぶことで、成功する場合があります。

【鉄鋼・非鉄金属】株式会社カネキ

株式会社カネキは、鉄の加工・販売を行っている会社です。同社では、販売管理システムの導入前は、毎日手書きで伝票管理し、在庫管理はホワイトボードで行っていました。

以上のような課題を改善するため、鉄鋼業界に特化した販売管理システムアラジンオフィス 鐵王」の導入を決定。導入の結果、在庫管理をクラウド上で管理できるようになり、以前はできなかった売上原価計算ができるようになったことで、月次決算が可能になりました。

会社の状態に合わせた販売管理システムを選ぶことで、成功した好例といえるでしょう。

【士業】社会保険労務士法人飯田橋事務所

社会保険労務士法人飯田橋事務所は、人事・労務管理の支援サービスを提供している社会保険労務士事務所です。同事務所では書類の管理を紙で行っており、管理ミスによるミスや無駄が生じ、手数料の計算ミスにより売上にも影響を及ぼしていました。

以上のような課題を解決するため、販売管理システム「楽々販売」を決定しました。「楽々販売」を導入することで、入力した情報をすべてデータベース上で管理できるようになり、自動での集計もできるように。

システム導入前と比較すると、1時間かかっていた集計作業をほぼ時間をかけずに処理できるようになりました。ミスが減少した結果、修正の手間も削減されています。


「楽々販売」では、定期的なバージョンアップがあり、使い勝手が向上していくため、導入時よりも様々な問題を解決できるようになりました。

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まとめ

本記事では販売管理システムとは何か、導入するメリットや選び方、導入事例まで紹介しました。販売管理システムは会社の規模や悩みによって導入するべきツールが変わります

そのため、導入を成功させるためには、自社の課題は何か、現状の業務フローの問題は何か分析することが欠かせません。

どの販売管理システムを導入すればいいか分からない場合は、システム幹事にご相談ください。システム幹事では、貴社が抱えている課題を丁寧にヒアリングし、最適なシステムについてアドバイスさせていただきます。

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Q. 販売管理システムを導入するメリットは?

販売管理システムを導入するのメリットとして「業務を効率化できる」「コスト削減につながる」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

Q. 販売管理システムを導入するデメリットは?

販売管理システムを導入するデメリットは「「使いこなすまで時間がかかる」「企業規模・業種によってカスタマイズが必要になる場合がある」などです。具体的な対策や知っておくべき注意点については、記事をご参照ください。