- 更新日 2024.03.15
- カテゴリー 業務システム
在庫管理システムの機能一覧|知っておきたい在庫管理業務と機能の関係を解説【2024年最新版】
「在庫管理システムの機能一覧を眺めてみても、その機能が自社に必要なのかどうかわからない」在庫管理システム導入・開発の検討段階で悩んでいる企業・店舗担当者の方は少なくないかもしれません。
そんなときは原点に立ち返って、自社の在庫管理業務を見直してみることがベスト。
業務プロセスごとに問題点を明らかにし、システムで解決するために必要な機能はなにか?考えればいいのです。そのためにも、在庫管理の業務・在庫管理システムの機能との関係性を把握しておくことが重要。
そこで本記事では、一般的な在庫管理システムの持つ機能一覧を紹介するとともに、それが個別の在庫管理業務にどう関連しているのか?機能と業務の関係性を解説!
最後までご覧いただければ、在庫管理システムに必要な機能一覧をイメージできます。
※在庫システムの導入を検討している方は、システム幹事にご相談ください。専任のコンサルタントが最適なツールや開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
現代のビジネスに必要な在庫管理システムとは?
利益の源泉となる商材を適切に管理するための在庫管理は、企業・店舗経営の根幹となる業務です。特に、効率的な経営が求められる現代ビジネスでは、在庫の回転率を高めて現金化を進める一方、余剰在庫が生じないよう、適切に管理・コントロールしていくことが求められています。
そのためには、在庫の状況をリアルタイムに把握し、適切な経営判断を下すための材料を提供できる、高機能な在庫管理システムが必要。そして、機能を理解・把握したうえで、自社に適切な在庫管理システムを導入・開発することが重要なのです。
※在庫管理システムの基本を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:在庫管理システムとは?種類・メリット・導入ポイント・おすすめのツールや開発会社を紹介!
在庫管理システムの機能一覧
機能 |
概要 |
---|---|
在庫一覧 |
実在庫や在庫ロケーションをリアルタイムに 確認・管理、検索や帳票出力も可能 |
入出庫管理 |
入荷予定・出荷予定の商材を管理する機能。 入荷商材用のバーコードラベル印刷も可能 |
検品管理 |
入荷・出荷商材の検品を管理する機能。 バーコード・ハンディターミナルなどを活用した業務効率化をサポート |
返品管理 |
商材の返品が生じた際の対応を効率化する機能 |
マスター管理 |
製品・仕入先・担当者・顧客情報などの データをマスター登録して管理する機能 |
在庫分析 |
入出庫や実在庫に関連するデータを集計・分析する機能 |
データ・システム連携 |
CSV入出力、外部システムとの連携を実現する機能 |
棚卸し |
実在庫とデータを一致させる棚卸し業務を効率化する機能 |
在庫管理システムの機能一覧それぞれの概要を簡単に解説していきましょう。
在庫一覧機能
画像引用:TreasureBox2
在庫一覧機能とは、商品ごと・ロケーションごとなど、さまざまな切り口で在庫商材を管理できる、在庫管理システムのポータルともいえる機能のこと。商材の入出庫に伴う在庫量をリアルタイムで確認できるのはもちろん、強力な検索機能で特定条件の商材を抽出することも可能です。
ピッキングリスト・出荷リスト・各種帳票の出力・プリントなどの機能も、在庫一覧に統合されている場合がほとんどです。
入出庫管理機能
入出庫管理機能とは、入荷予定・出荷予定の商材を管理し、商材の流れ・在庫数の整合性を担保する機能のこと。
入荷予定の商材検品に必要なバーコード出力・プリント機能、出荷予定の商材検品に必要な出荷票の出力・プリント機能など、入出荷時に必須の検品をサポートする機能も備えています。
検品管理機能
検品管理機能とは、入出荷時の検品作業を効率化し、正確に在庫を管理するための機能のこと。一般的には、商材と紐付けられたバーコードをハンディターミナルやスマートフォンでスキャンし、品目・数量に間違いがないか?在庫管理システムとデータ照合する形で実施されます。
商材に元から付与されているバーコードを活用する管理方法、自社独自のバーコードを商材に付与する管理方法がありますが、どちらの場合もデータの整合性がとれなければリアルタイムでエラー警告してくれます。
※バーコードを活用した在庫管理についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:在庫管理システムでのバーコード活用は必須なのか?メリット・デメリットや活用場面・使い方を解説!
返品管理機能
返品管理機能とは、返品というイレギュラーになりがちな対応を、統一した操作で実行できるようにする機能のこと。担当者ごとに返品処理が異なることによって生じる、在庫の混乱を避けるために用意されている機能だといえるでしょう。
返品に対する対応は業界・業種はもちろん、取り扱う商材によっても異なるため、自社独自の考え方にもとづいたスクリプトを設定しておく場合が一般的です。
マスター管理機能
マスター管理機能とは、在庫管理システムの根幹となる、各種マスター情報を登録・管理するための機能のこと。
たとえば、在庫管理システムでは商材のバーコードをスキャンするだけで商品名・販売価格・原価などの詳細情報を表示できますが、これはバーコードに紐付けられた個別商材のマスター情報を参照しているからです。
一般的な在庫管理システムの場合、商材の詳細情報を商品マスターに登録する必要があるほか、担当者や仕入れ先情報などもマスター登録されます。販売管理も統合されたシステムの場合、エンドユーザーの顧客情報をマスター登録するケースもあります。
在庫分析機能
在庫分析機能とは、時系列に沿った一連の商材の流れをデータ集計し、さまざまな切り口で検証・分析できる機能のこと。
強力な検索機能を持つ在庫管理システムは、もともと知りたい情報を抽出して経営判断に役立てられる特徴がありましたが、近年ではより詳細な分析機能を搭載するサービスも登場。データ集計・分析に必要な検索スクリプトを用意し、グラフを用いた視覚化をワンクリックで実現するなどの在庫管理システムもあります。
データ・システム連携機能
データ・システム連携機能とは、在庫管理システムにCSVデータ入出力、他システムとのAPI連携などを実現する機能のこと。
たとえば、仕入・販売の金額データをCSVデータで出力して会計ソフトに取り込む、分析データをCSV出力してBIツールに取り込む、CMS(顧客管理ステム)やSFA(営業支援システム)とAPI連携して相互データ参照するなどが挙げられるでしょう。
スピード感の求められる現代ビジネスでは、多様なシステムと連携できるのか?在庫管理システムを選定・開発する際の大きなポイントとなり得ます。統合基幹システム(ERP)の一部として在庫管理システムを据えれば、業務効率化や、迅速な経営判断に大いに役立ちます。
棚卸し機能
画像引用:商蔵奉行クラウド
棚卸し機能とは、定期的に情物一致(データとモノの整合性がとれているか?)を確認するための棚卸し業務を効率化する機能のこと。検品管理機能と同様、商材に紐付けられたバーコードをハンディターミナルやスマートフォンでスキャンする方法が一般的です。
在庫台帳を使った手動の棚卸しに比べ、作業時間を1/3に短縮できたという例も。棚卸しの作業負荷を軽減できる在庫管理システムを導入することで、半期に1度の棚卸しを月次で行い、より正確な在庫管理を実現したという企業も少なくありません。
在庫管理業務とシステム機能の関係性
ここまでで、在庫管理システムに必要とされる機能一覧それぞれの概要を解説してきました。それでは、これらの機能は実際の在庫管理業務にどのように活用されているのか?在庫管理業務の流れに従って、在庫管理システムの機能との関係性を解説してきましょう。
在庫管理業務 |
活用される機能 |
得られる効果 |
---|---|---|
発注業務 |
「在庫分析機能」 |
データを根拠にした発注が可能。 分析から発注業務までをシームレスに統合できることもポイント |
入庫・検品業務 |
「入出庫管理機能」 |
工数・時間を大幅に削減した業務効率化を実現可能。 イレギュラー時の対応も迅速化 |
在庫保管業務 |
「在庫一覧機能」 |
倉庫内のロケーションの変更をバーコードスキャンを活用し 素早くデータに反映・管理可能 |
販売・出庫業務 |
「入出庫管理機能」 |
出荷票の出力や入出庫管理機能と連動した出荷業務まで シームレスに作業を統合することが可能 |
返品対応業務 |
「返品管理機能」 |
担当者によって対応がまちまちにならないルールを定め システムに適用していくことで効率化が可能 |
棚卸し業務 |
「棚卸し機能」 |
バーコードスキャンを取り入れることで、劇的な業務効率化が図れるため ダウンタイムの大幅削減も可能 |
発注業務
活用される機能:「在庫分析機能」「在庫一覧機能」
得られる効果:データを根拠にした発注が可能。分析から発注業務までを統合できる
利益の源泉となる商材の仕入・発注業務では、主に在庫管理システムの「在庫分析機能」「在庫一覧機能」が活用されます。具体的には、在庫分析機能を活用して「発注すべき商材と数量」をデータをもとに特定し、在庫一覧機能を活用して「発注書などの帳票」を出力して手配します。
「販売実績の数だけ発注して在庫補充する」といった考え方もあるかもしれませんが、この方法では売上の傾向を踏まえたタイムリーな発注だとはいえません。場合によっては余剰在庫が生じてしまう要因になってしまうでしょう。
在庫管理システムを活用すれば、データを根拠にした発注が可能。分析から発注業務までをシームレスに統合できることもポイントです。
入庫・検品業務
活用される機能:「入出庫管理機能」「検品管理機能」
得られる効果:工数を大幅に削減した業務効率化を実現。イレギュラー時の対応も迅速化
入荷してきた商材を受け入れる入庫・検品業務では、主に在庫管理システムの「入出庫管理機能」「検品管理機能」が活用されます。具体的には、入出庫管理機能を活用して「入荷リストをバーコードで出力」し、検品管理機能を活用して「ハンディターミナル・スマートフォンでバーコードをスキャン」します。
入庫・検品業務をバーコードスキャンという作業に単純化できるため、手動での入庫・検品処理よりも工数・時間を大幅に削減した業務効率化を実現可能。商材の品目・数量に間違いがあれば、リアルタイムにエラーが通知されるため、イレギュラー時の対応も迅速化できます。
在庫保管業務
活用される機能:「在庫一覧機能」「入出庫管理機能」「マスター管理機能」
得られる効果:倉庫内のロケーションの変更を素早くデータに反映・管理可能
入庫した商材を保管・管理する在庫保管業務では、主に在庫管理システムの「在庫一覧機能」「入出庫管理機能」「マスター管理機能」が活用されます。具体的には、在庫一覧・入出庫管理機能を活用して「どのような商材がいつ入荷したか?どこに保管されているのか?出荷の予定があるのか?」をリアルタイムで確認可能。
これは、マスター管理機能を活用して「商材の詳細情報」「倉庫のロケーション情報」を参照しながら在庫の管理ができるため。倉庫内のロケーションを変更した場合でも、バーコードスキャンを活用して素早くデータに反映・管理可能。商材のピッキングに迷うこともありません。
販売・出庫業務
活用される機能:「入出庫管理機能」「データ・システム連携機能」など
得られる効果:出荷票の出力や入出庫管理機能と連動した出荷業務まで作業を統合できる
商材の販売、それに伴う商材の移動(出庫)を管理する販売・出庫業務では、主に在庫管理システムの「入出庫管理機能」「マスター管理機能」「データ・システム連携機能」「在庫一覧機能」が活用されます。
データ・システム連携機能の充実した在庫管理システムなら「POSシステム・販売管理システムと連動」する形で、在庫の引き当てをリアルタイムに在庫一覧へ反映可能。出荷票の出力や入出庫管理機能と連動した出荷業務まで、シームレスに作業を統合できます。
マスター管理機能に顧客情報を持たせれば、在庫管理システムのデータを顧客の販売履歴と紐付けて管理することも可能です。
返品対応業務
活用される機能:「返品管理機能」「入出庫管理機能」「検品管理機能」
得られる効果:担当者によって対応がまちまちにならないルールを定め、効率化が可能
イレギュラーな処理が求められる返品対応業務では、主に在庫管理システムの「返品管理機能」「入出庫管理機能」「検品管理機能」が活用されます。
顧客都合による返品、不良による返品など、状況に応じて異なる対応が求められる返品対応業務は複雑になりがち。在庫として再登録するのか?メーカー返品するのか?など、担当者によって対応がまちまちにならないようなルールを定め、システムに適用していくことが一般的です。
棚卸し業務
活用される機能:「棚卸し機能」「在庫一覧機能」
得られる効果:バーコードスキャンで、ダウンタイムの大幅削減も可能
定期的に情物一致を確認する棚卸し業務では、主に在庫管理システムの「棚卸し機能」「在庫一覧機能」が活用されます。
機能一覧の解説でも触れましたが、在庫管理システムを活用することにより、棚卸し業務をバーコードをスキャンしていくだけの作業に単純化可能。劇的な業務効率化が図れるため、ダウンタイムの大幅削減も可能です。
たとえば、商材ごと、倉庫内のロケーションごとに棚卸し業務を分割すれば、営業を停止せずに情物一致を徹底させることもできるでしょう。
在庫管理システムの機能まとめ
本記事では、一般的な在庫管理システムの持つ機能一覧を紹介するとともに、それぞれの機能がどのように活用されるのか?在庫管理業務との関連性・有用性を解説してきました。
自社業務にマッチした適切な在庫管理システムは、それ単体でも大幅な業務効率化、コスト削減効果が得られますが、他システムとのシームレスな連携を実現できれば、導入効果はますます高まります。自社ビジネスの成長に貢献できる在庫管理システムを導入・開発するためにも、必要な機能を見極めていくことが重要です。
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Q. 在庫管理システムとは何ですか?
在庫管理システムとは、在庫状況を一元的に管理して関係者間で共有するシステムのことです。有形・無形の個別商材をデータと紐付けられる、といった特徴があります。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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