- 更新日 2024.03.18
- カテゴリー 業務システム
生産管理システムを自作する方法と開発の流れを徹底解説|注意点も紹介【2024年最新版】
「生産管理システムを自作したいが、どんな方法があるのか知りたい」
「生産管理システムを自作する流れを知りたい」
「生産管理システムを自作する際に気を付けるべきポイントは何?」
生産管理システムで生産性を上げたいが、開発コストはなるべく抑えたい。そのために生産管理システムを自作しようと考えている企業は多いですよね。
しかし、その方法や、開発フローがよく分からないため、自作をためらっている会社もあると思います。そこでこの記事では、以下の内容について解説します。
・生産管理システムを自作する方法
・自作の手順
・自作する際の注意点
・自作が難しい場合のおすすめシステム
この記事を読めば、生産管理システムをスムーズに自作するためのヒントを得られますので、ぜひ最後までお読みください。
※生産管理システムの開発を検討している方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な生産管理システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
生産管理システムを自作する方法は主に3つ
生産管理システムを自作する方法は主に次の3つです。
・Excel
・Accsess
・プログラミング
それぞれの方法にメリットデメリットがあるので、詳しく解説していきます。
Microsoft Excel(エクセル)
画像引用:製造部
生産管理システムを自作する上で、Excelには以下のような便利な機能が装備されています。
・VBA
・ガントチャート
・バーコード
VBA
画像引用:株式会社ライブウェイシステムズ
VBA(Visual Basic for Applications)とは機能拡張用のプログラミング環境で、これを使えば、条件分岐や在庫集計などの複雑な処理を簡易化できるといったメリットがあります。
ガントチャート
画像引用:Microsoft
ガントチャートとはプロジェクトのスケジュール管理表のこと。ガントチャートの使用により、担当者や、タスクの開始と終了、目標の達成率などを一目で把握できます。
バーコード
画像引用:ローラン株式会社
Excelでは、関数を利用してバーコードの作成・出力が可能です。ハンディターミナルと、製品や部品パッケージに添付したバーコードを用いた在庫集計・管理の導入は、生産管理業務を大きく改善します。
Excelのメリット
Excelで生産管理システムを自作するメリットは以下の2つです。
・低コストで運用できる
・研修の負担が少ない
Excelには、買い切り型の永続ライセンス版と毎月定額の使用料金を支払うサブスクリプション版の2種類があります。サブスクリプション版であれば月額1,098円から利用でき新しい機能も自動更新されます。
タイプ |
ソフト名 |
価格 (税込) |
対応OS |
永続ライセンス版 |
Microsoft Excel 2021 |
17,904円 |
Windows、Mac |
Office Home & Business 2021 |
38,284円 |
Windows,Mac |
|
Office Professional 2021 |
32,784円 |
Windows |
|
サブスクリプション版 |
Microsoft 365 Apps for business |
1,098円/月 |
Windows、Mac |
Microsoft 365 Personal |
1,284円/月 |
Windows、Mac |
また、Excelは研修負担を抑えられる可能性が高い点も魅力。Excelは多くの企業ですでに使われており、基本的な操作を知っている人が多いからです。前述のバーコード作成や簡単な演算をする際にも、標準の関数が用意されているため、高度なプログラミングスキルを求められる場面も多くありません。そのため、VBAやマクロなど、一部のツールの使い方に的を絞って研修ができます。
Excelのデメリット
一方で、Excelには以下のようなデメリットもあります。
・データの保存容量に上限がある
・同時に編集できない
Excelには、一つのファイルに書き込める行数が100万行という上限がある点がデメリット。「100万行あれば十分なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、自動車部品のように品種や生産量が多い業種だと、小さい企業でも取引先1社あたり1,000種類以上の製品を管理することは珍しくありません。
もし、1種類の製品につき受注・生産計画・在庫管理・発注管理・原価・納期管理など主要な項目をシステムで管理するとなると、単純計算で1,000種類×6項目=6,000行/社が必要です。現在扱っている製品に加え、将来管理すべき項目(新規顧客や新製品)も考慮すると、数年で上限の100万行に達する可能性は十分にあり得るでしょう。
そうなると、ファイルの複数運用が必要になり、管理負担が増えてしまいます。
またExcelは、複数のユーザーが同時に編集することができないため、他のメンバーとリアルタイムで開発することが難しくなります。そうなると、開発の作業時間が膨らんでしまうといったリスクも考えられます。
そのため、大規模なシステムを自作したい場合だと、Excelを用いた開発は現実的ではありません。
Excelの特徴まとめ
メリット |
低コストで運用できる 研修の負担が少ない |
|
デメリット |
データの保存容量に上限がある 同時編集できない |
|
生産管理に 便利な機能 |
VBA |
機能拡張用のプログラミング環境で、データの入出力を自動化 |
ガントチャート |
プロジェクトのスケジュール管理表 |
|
バーコード |
バーコードの作成で、ハンディーターミナルと連携が可能 |
Microsoft Access(アクセス)
画像引用:Microsoft Accessで生産管理システムを作ろうEDP室
Acssessは、Microsoftが開発したデータベース管理システム。データベースとは大量のデータを保管し、必要に応じて読み出しや集計、書き込み、データの削除ができるシステムのことです。
Acssessのメリット
Excelとの大きな違いは、主に以下の2つです。
・セルの型が決まっているため誤入力を防げる
・テンプレートがあり開発が容易
Accessは各セル毎に入力できる型(数値、文字、単位など)が決まっています。もし、誤った数字や単語を入力してもアラートが表示されるため、システムエラーやバグを防ぎやすいというメリットがあります。
画像引用:Microsoftサポート(公式)
さらに、Accessはプロジェクト管理や案件管理などに役立つテンプレートが上記のように充実しています。そのため、Excelよりも開発の工数を抑えられる可能性が高い点が魅力です。
Acssessのデメリット
デメリットは、同時編集すると処理速度が遅くなることです。データ容量が大きくなり複数人が一斉に編集すると、処理が追いつかなくなるリスクがあります。
「処理速度の速いシステムを開発したい」「より多くのデータを扱いたい」という方は、次章のプログラミングでシステムを自作することをおすすめします。
Accessの特徴まとめ
メリット |
誤入力を防ぐ仕組みがある テンプレートがあり開発が容易 |
|
デメリット |
同時編集で処理が遅延することがある |
|
生産管理に使える テンプレート |
タスク管理 |
所有者、開始日、期限、完了率など、 複数のタスクを追跡できるデータベース |
インベントリ |
組織の在庫、従業員、仕入先、取引に関する 包括的な在庫トランザクションデータベースを作成できる |
|
プロジェクト管理 |
プロジェクト、タスク、従業員ごとにナビゲートし、 コスト、優先順位、状態を把握できる |
プログラミング
ExcelやAccessで自社のニーズにマッチするシステムを開発できない場合は、プログラミングで一からシステムを開発することがおすすめです。
C言語やJava、PHPなどのプログラミング言語を使えば、オリジナルの操作画面を実装できたり、スマートフォンや現場のマシンと連携させたりといった、自由度の高いシステムが構築できます。
デメリットはプログラミングできる人材が必要なこと。
特に大規模システム開発向けといわれるJavaやC++は、他の言語に比べて記述量が多く、オブジェクト指向といわれる独特の概念を理解しなければならないなど、高度なスキルが求められます。そのため、開発にはプログラミングに長けた人材が必須です。
しかし近年は、AirtableやMicrosoft Power Platformなどノーコードやローコードといわれる、プログラミング言語を使わない開発ツールも増えてきました。従来のプログラミング言語より自由度は低くなりますが、利用を検討する価値はあります。
関連記事:システム開発の主要言語を解説!業務アプリケーションによく使われている言語は?
生産管理システムを自作する方法、メリット・デメリットまとめ
方法 |
メリット |
デメリット |
Excel |
低コストで運用できる 研修の負担が少ない |
データの保存容量に上限がある 同時編集できない |
Accsess |
保存容量が大きい 誤入力を防ぐ仕組みがある テンプレートがあり開発が容易 |
同時編集で処理が遅延することがある |
プログラミング |
自由度が高い |
プログラミングスキルが必要 |
生産管理システムを自作する手順
ここでは、生産管理システムを開発する手順をご紹介します。
開発の手法や使用するツール(ExcelやAcesss、プログラミング言語の種類など)に関わらず、然るべきステップを踏むことで開発に余計な時間とコストがかかることを防ぐことができます。スムーズに開発するために必要なポイントなので、じっくり読んでください。
導入の目的を言語化する
初めに、なぜ生産管理システムを開発するのか目的を言語化しましょう。
・余分な在庫や仕掛品を減らしたい
・プロジェクトの進捗を見える化したい
・工程管理により原価計算を正確に行いたい
導入の目的がしっかりしていれば、不要な機能を追加して開発コストが膨らむといったリスクを避けられます。導入の目的が固まったら、システムで実現したい目標を数値に落とし込みましょう。例えば以下のような目標設定が考えられます。
・在庫数を1,000点以下に抑えたい
・工場の電気代を3割削減
目標を数値で設定すれば、開発の範囲や規模も適切に設定でき、システムへの投資効果も計測できます。
システムを設計
導入の目的が固まったら、システムを設計します。設計は主に以下の2ステップに分けられます。
・基本設計
・詳細設計
基本設計とは、実装する前にシステムに必要な機能をまとめる作業のこと。以下のような項目を精査し、仕様書に記載します。
・入出力のデータ
・操作画面のインターフェース
・端末の種類
・帳票類のレイアウト
画像引用:株式会社システムインテグレータ
基本設計の際は開発部門だけでなく、システムを使用する他の部門の協力も得ましょう。必要な機能や理想のインターフェースを漏れなく洗い出すためです。
基本設計が固まったら詳細設計書に落とし込みます。詳細設計書とはプログラマー(ExcelやAccessを使う場合は実装担当者)に実装してもらうための指示書のことです。プログラマーが理解しやすいように、文章だけの仕様書だけでなく、以下のようなビジュアルも活用しましょう。
・クラス図:システム構成に必要なクラスの関係図
・シーケンス図:データのやり取りを時間軸で表した図
・アクティビティ図:システム操作と流れを動的に示した資料
詳細設計について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:システム開発の詳細設計とは?プロジェクトの位置付け・役割をわかりやすく解説!
開発手法を選ぶ
設計が固まったら、どのツール(Excel、Access、もしくはプログラミング言語)で開発するか吟味しましょう。
必要な機能やシステムの規模によって、適切な開発手法は異なります。例えば、特定の限られた部品の納期管理だけをする場合、Excelや、Accessのテンプレートで十分対応できる可能性があり、プログラミングでオリジナルのシステムを作るのは非効率かもしれません。
一方、工場全体の在庫管理をExcelやAccessでシステム化するとなると、データの保存容量が足りないといったリスクも考えられます。その場合、一からプログラミングして自社に合ったシステムを開発するか、既存の生産管理システムの導入を検討したほうが良いでしょう。
作りたいシステムの機能や大きさに応じてツールや手法を適切に選ぶ必要があります。
システムを実装
開発手法が決まったら、詳細設計を元にExcelやAccess、プログラミング言語を使ってシステムを実装します。
Excelで実装する際には、管理したい項目ごとにファイルを作成し、ガントチャートやVBAなど必要な機能を選択して実装します。ガントチャートや関数は既に備え付けられているため、直接シートに管理したい項目を入力します。
画像引用:株式会社ファーストペンギン
画面の設計や複雑な計算をしたい場合は、VBAの画面で実際にプログラミング言語を記述します。
画像引用:ShareWis
動作テスト
実装が終わったら、システム単体で動作テストを行います。確認すべき項目は以下の通りです。ExcelやAccessで実装する場合でも忘れずに行いましょう。
・詳細設計通り、画面や機能は動作しているか
・基本設計通り、システム全体が動作しているか
なお動作テストをする際は、専任のテスターを用意することをおすすめします。なぜなら、開発者がテスターになると、先入観で動作テストを進めるリスクがあるからです。例えばバグが発覚しても「おそらく大きな問題ではない」「このテスト項目は必要ない」と誤った判断をしてしまう恐れがあります。
可能であれば、開発メンバー以外で、今後システムを利用する人をテスターに選びましょう。
実地テスト
システム単体テストで問題がなければ、いよいよ実際の現場で試験運用を行います。
・現場の負荷に耐えられるか
・現場の作業に支障はないか
・トラブルが起こっても必要最低限の機能を満たせているか
・情報漏えいなどセキュリティ上のリスクはないか
実際に現場で操作してもらったり、一時的にデータ量を増やして高負荷状態で処理速度を計測したり、ウィルスソフトを使って脆弱性をチェックしたりといったテストを行います。
主に上記の項目を確認し、使用に問題がなく、当初の目的(仕掛品の削減や、プロジェクト進捗の見える化など)に対して一定の成果が出る見込みがでたら、他の生産工程や別の部署にも水平展開しましょう。
※ここまで読んで自社で生産管理システムを開発する余力がないと判断した方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、最適な生産管理システムを選定します。相談料・紹介料など一切かかりません。
生産管理システムを自作する際の注意点7つ
ここでは、生産管理システムを自作する際の注意点を7つ解説します。インフラ工場で生産管理に携わった筆者の経験も交えて紹介します。
使用者視点で開発する
引用:株式会社宇部情報システム
生産管理システムの善し悪しの判断は、実際に生産性が向上するかどうかはもちろんですが、操作性といった、使用者による評価も考慮すべきです。なぜなら、使いやすいシステムでないと、せっかくのシステムが定着しなかったり、正しく運用されない恐れがあるからです。
・専門知識がなくても扱えるか
・従来の作業から大きな変更はないか
・端末の耐久性は十分か
例えば、システムを使う際にプログラミングなどの専門知識が必要だったり、機能や操作方法など覚えることが多いと作業者の負担が大きくなります。システムを導入することで、慣れ親しんだ作業を大幅に変えることになれば、作業ミスの遠因にもなりえます。
また業種によっては、マシン油や粉塵などで端末が汚れる可能性もあるため、端末の耐久性も見過ごせません。
使用者視点のシステムを開発するためには、作業者の意見を聞くことが大切です。
・グラフの見やすさなどビジュアルに問題はないか
・現場の作業に支障は出ていないか
・端末が壊れて交換の手間がかかっていないか
現場の声を基に、上記のような項目をしっかり確認しましょう。
余裕のあるスケジュールを組む
システム開発において、全てがスケジュール通りに進むことは非常に稀です。以下のような不測の事態も起こりえます。
・異動や転職などで開発メンバーに欠員が生じる
・新製品の生産などに伴う急な仕様変更
・ハンディターミナルなど備品の納品遅れ
上記のような事態を想定して、プロジェクトの重要度に応じ、スケジュール、人員には十分な余裕を持たせましょう。
開発のノウハウを共有する
システムを開発したら、社内で開発の記録やノウハウを共有しましょう。
特に開発メンバーが少人数だと、人事異動や退職により、リリース早々に開発に携わった人がいないままシステムを運用する可能性もあります。そうなると「いざ不具合が発生しても原因を特定できない」「類似のシステムを開発する際に何から始めたらいいのか分からない」という事態も考えられます。
属人的なシステム運用をしないためにも、以下の項目を意識しましょう。
・開発で使った仕様書や議事録を残す
・マニュアルを整備する
・定期的に研修を実施する
なおデータを整備する際は、開発者の体験談も載せることをおすすめします。開発の際にうまくいった点や失敗の記録なども保存しておくことで、新規のシステム開発や既存システムの改修に活かすことができます。
システム破損のリスクに注意する
既存の生産管理システムを使うのではなく、自社でシステムを作る場合、システム破損のリスクが高くなることは覚えておきましょう。例えば、以下のようなリスクが考えられます。
・コードの書き間違いでバグが発生
・外部システムの移植時にデータを消失
・災害でサーバーが破損
コードを1文字書き間違えるだけで、正しい値が反映されない、画面が遷移しないといったトラブルは珍しくありません。
また、Excelからグーグルスプレッドシートに移植したり、オリジナルのシステムからCSVへ抽出する際にデータが反映されないといったこともありえます。
そして、システムがオンプレミス(サーバーを自社に置くタイプ)だと、火災や地震でサーバーが破損し、システムが丸ごと消失するリスクも想定されます。
このようにシステムを自作すると、システム破損リスクが高くなる点には留意が必要です。
そのリスクを抑えるポイントは、ルールの明文化です。特に以下のように、やってはいけないことを定めるといいでしょう。
・上司の許可なくコードを変えない
・災害リスクの高い地域、場所にサーバーを設置しない
・指定のシステム以外にデータを移植しない
必要に応じて改修する
開発したシステムを、ずっとそのままの機能や仕様で使い続けることはまずありません。
例えば工場で新製品を生産する際は、新たに使う部品の管理をしなければいけませんし、製品の生産を中止する際は、関連するデータの削除も必要になるでしょう。
また使用しているツールのバージョンアップに伴いサポートが終了する場合は、別のシステムへの移植、もしくは一からシステムを開発しなおす必要があります。
このようにシステムを自作する際は、必要に応じて機能改修やツールのバージョンアップが必要になります。
大規模なシステムはチームで開発する
システムの規模が大きくなると少人数で実装するのは難しくなるので、モジュール(システムの機能単位)毎にチームに分けて開発するのがおすすめ。一人あたりの負担が減り、同時並行で開発を進められます。
読みやすいコードを書く
VBAやプログラミング言語でコーディングする際には、以下のように読みやすいコードを書くことを心がけましょう。
・なるべくコードを短くする
・必要に応じてコメントを載せる
コードが長くなるとシステムの中身を理解し辛くなるだけでなく、処理速度が低下したりバグが増えたりもします。コメントがないと第三者にコードの意図が伝わらないこともあるため、余計なコミュニケーションが増える恐れもあります。
迅速かつ正確な開発のために、誰が読んでも理解できるプログラムを書きましょう。
◎生産管理システムを自作する際の注意点7つ
①使用者視点で開発する
②余裕のあるスケジュールを組む
③開発のノウハウを共有する
④システム破損のリスクに注意する
⑤必要に応じて改修する
⑥大規模なシステムはチームで開発する
⑦読みやすいコードを書く
※ここまで読んで自社に合う生産管理システムを作るのは難しい、開発・運用の負担が大きいと感じた方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、最適な生産管理システムを選定します。相談料・紹介料など一切かかりません。
おすすめの生産管理システム
生産管理システムの自作が難しい場合は、開発の外注や、既存の生産管理システムを導入するのがおすすめです。自作よりも高度なシステムを開発できたり、運用のサポートを受けられたりといったメリットがあります。
ここでは、おすすめの生産管理システム2つを紹介します。
小規模事業者におすすめ
いずみ生産管理システム
引用:いずみ生産管理システム
「いずみ生産管理システム」は三重県に本社を構える有限会社イズミソフトウェアが開発・運用しているフリーソフトウェアです。
りそな中小企業振興財団が主催する「中小企業新技術・新製品賞」のソフトウェア部門で入賞するなどの実績を保持しています。
無料で利用できるにもかかわらず、作業管理や生産計画など、生産管理に必要な主要な機能を利用できる点が魅力。工場規模は最小10人からを想定して作られたシステムであり、そこまで多くの機能は要らない小規模事業者にも向いています。
また、いずみ生産管理システムの大きな特徴が、システムの操作履歴を残せること。ログファイルを参照すれば使用者と操作した日時などが分かるため、操作ミスによる不具合が発生したときに迅速な原因調査が可能になります。
いずみ生産管理システムは「無料で高機能な生産管理システムを使いたい」「作業履歴を残したい」という企業におすすめです。
システム名 |
いずみ生産管理システム |
対応OS |
Windows Vista,Windows7,Windows10 |
主要機能 |
伝票管理、資材管理、作業日報出力、金型・製造番号管理、 計画管理、在庫管理、英語表記機能、ログファイル |
サポート |
メール |
製造業におすすめのツール
Factory-ONE 電脳工場シリーズ
引用:株式会社エクス
製造業におすすめのツールが「Factory-ONE 電脳工場シリーズ」です。
大阪市に本社を構える株式会社エクスが開発・運用しているツールで、販売開始から約25年で1,700社以上の導入実績があります。
対応業種も幅広く、一般機械をはじめ、化学工業や精密機械業、食品製造など多様なジャンルをカバーし、導入実績がある点も魅力です。オプション機能も充実しており、例えば、鉄道部品のような多品種大量生産の業種の場合、オプションのハンディーターミナルを使えばスムーズに在庫を計測できます。またロットトレース機能も利用すれば、いざ製品に不具合が見つかったときに問題の工程を素早く把握できます。
そして「Factory-ONE 電脳工場シリーズ」の大きな特徴が、使用者目線を追及したユーザーインターフェースを実装していること。例えば、以下のような機能が挙げられます。
・色やアイコンによるボタン表現で直感的に画面を操作できる
・オペレータの好みに合わせて7種類のインターフェースを装備
・自社に合わせて帳票類の表記方法の変更が可能
・棚卸や決算など目的に応じてメニュー画面を編集可能
どれだけ優れたシステムでも、実際のオペレーターが使いにくいと感じたら、定着しなかったり大幅な改修を迫られたりしかねません。Factory-ONE 電脳工場シリーズは、使いやすいインターフェースで操作性に優れているシステムといえます。
システム名 |
Factory-ONE 電脳工場シリーズ |
対応OS |
Windows8.1 Pro、Windows10 Pro(64bit推奨) |
主要機能 |
生産計画管理、見積管理、受発注管理、出荷管理、所要量計算、 手配管理、金型管理、進捗管理、生産分析、売買管理、原価管理 |
サポート |
サポート情報サイト |
ここまで読んでも自社に合いそうなシステムが見つからなかった方は、ぜひ下の記事を参考にしてください。業種ごとのおすすめのシステムや選定ポイントを詳しく解説しています。
関連記事:生産管理システム9製品を比較!特徴別のおすすめや選び方も紹介
【まとめ】生産管理システムを自作するか迷ったらプロに相談しよう!
この記事では、生産管理システムを自作する方法と具体的な手順、おすすめの生産管理システムについて紹介しました。
生産管理システムを自作する際は、自社の課題に合わせて適切な開発手法とステップを踏む必要があります。
最後にもう一度記事の内容をおさらいしましょう。
・生産管理システムを自作する方法は3つ
○Excel
○Access
○プログラミング
・生産管理システムを自作する上で特に重要なポイント
○導入目的を明確にする
○使用者視点を大切にする
○開発のノウハウを共有する
紹介したポイント、おすすめのシステムを参考に自社に合ったシステムを開発してください。
迷ったら専門家に相談がおすすめ
もし「自社では開発が難しい」「適したシステムが見つからない」という方は、システム幹事にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリングし、予算にあった最適な開発会社を選びます。
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Q. 生産管理システムを自作する方法は?
生産管理システムを自作する手段は「Microsoft Excel(エクセル)」「Microsoft Access(アクセス)」等です。それぞれの詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
Q. 生産管理システムを自作する際の注意点は?
生産管理システムを自作する際の注意点として「余裕のあるスケジュールを組む」「システム破損のリスクに注意する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
この記事を書いた人
喜多村道秋
専門分野: ITインフラ
新卒で大手インフラ企業に入社。約10年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。2018年からSEOブロガー・ライターとして活動を開始。「相手に伝わる文章を書く」を信条に執筆しています。
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