ハイブリッドアプリ開発とは?Webアプリ、ネイティブアプリとの違いについて解説【2024年最新版】

ハイブリッドアプリ開発とは?Webアプリ、ネイティブアプリとの違いについて解説

アメリカのアプリ開発会社「MLSdev」によると世界中でスマートフォンを利用している時間の中でおよそ90%がアプリに時間を費やしています。スマートフォン向けのアプリケーションの開発手法は多様化し、これまでの「Webアプリ」や「ネイティブアプリ」に加えて「ハイブリッドアプリ」という形式のアプリが近年広がりを見せています。

・そもそもハイブリッドアプリとは何かがわからない
・Webアプリ、ハイブリッドアプリとの違いを知りたい
・ハイブリッドアプリ開発のメリットとデメリットを知りたい

などといった悩みをお持ちのIT担当はいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事ではハイブリッドアプリの概要やメリットとデメリット、Webアプリ・ネイティブアプリ・PWAとの違いについてご紹介します。

※ハイブリッドアプリの内製が難しい、アプリ開発に実績のある会社にハイブリッドアプリ開発を依頼したいという方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。

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目次
  1. 1. ハイブリッドアプリとは
    1. 1-1. Webアプリとネイティブアプリの特性を合わせたアプリ
  2. 2. ハイブリッドアプリの事例
    1. 2-1. Gmail
    2. 2-2. インスタグラム(Instagram)
    3. 2-3. クックパッド
  3. 3. ハイブリッドアプリと他の開発手法の違い
    1. 3-1. Webアプリとの違い
    2. 3-2. ネイティブアプリとの違い
    3. 3-3. PWAとの違い
    4. 3-4. Rettyグルメニュース
  4. 4. ハイブリッドアプリ開発のメリット
    1. 4-1. 開発コストの削減が可能
    2. 4-2. 幅広いユーザー層への展開が可能
    3. 4-3. プッシュ通知など端末の機能が使える
  5. 5. ハイブリッドアプリのデメリット
    1. 5-1. パフォーマンスがネイティブアプリよりも遅くなりがち
    2. 5-2. 機能の制限
    3. 5-3. OSの最新機能が使えない可能性がある
  6. 6. ハイブリッドアプリの開発ツール・開発環境
    1. 6-1. Flutter
    2. 6-2. React Native
    3. 6-3. Apache Cordova(旧:Adobe PhoneGap)
    4. 6-4. Monaca
  7. 7. ハイブリッドアプリ開発を学ぶための本・書籍
    1. 7-1. [iOS/Android対応]HTML5ハイブリッドアプリ開発[実践]入門
    2. 7-2. HTML5とApache Cordovaで始めるハイブリッドアプリ開発
    3. 7-3. クラウドでできるHTML5ハイブリッドアプリ開発
  8. 8. 【まとめ】ハイブリッドアプリの基礎知識

ハイブリッドアプリとは

Webアプリとネイティブアプリの特性を合わせたアプリ

ハイブリッドアプリはWebアプリとネイティブアプリの特性を組み合わせたアプリです。

WebアプリはChromeやSafariといったWebブラウザ上で動くアプリであり、ネイティブアプリはGoogle PlayやApp Storeなどのストアからモバイル端末にインストールして端末上で動かすアプリのことを指します。

ハイブリッドアプリはHTML、CSS、Javascript、Python、RubyなどWebアプリ用の開発言語で端末にインストールできるアプリの実装が可能です。

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ハイブリッドアプリの事例

Gmail

Gmail

画像引用:https://www.google.com/intl/ja/gmail/about/

Gmailは最も著名なハイブリッドアプリの一つです。当初はHTMLで実現できる機能は限られていましたが、HTML5の登場で実現できる機能が増えたことにより、多くの機能でアプリの利便性が向上しました。

例えば、HTML5によりインターネットに接続していないオフラインの状態でもメールを閲覧することが可能になりました。

インスタグラム(Instagram)

インスタグラム(Instagram)

画像引用:https://www.instagram.com/

Instagramは当初、ネイティブアプリで作成されていました。現在はReactNativeというハイブリッドアプリ向けのフレームワークを使っており、プログラム言語はHTML5です。オンラインモードとオフラインモードの両方で無制限のアクセスを提供しています。

クックパッド

クックパッド

画像引用:https://cookpad.com/

クックパッドは日本国内で人気のレシピサイトです。Webサイトだけでなくモバイル向けのアプリも展開しており、ハイブリッドアプリで構築されています。開発言語はHTML5を用いています。

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ハイブリッドアプリと他の開発手法の違い

これよりハイブリッドアプリ、Webアプリ、ネイティブアプリ、さらにPWAと呼ばれる開発手法との違いについて説明します。

Webアプリとの違い

比較内容

ハイブリッドアプリ

Webアプリ

提供方法

アプリストア経由で

インストール

Webサイトへ直接アクセス

プッシュ通知

iOS/Androidに対応

Androidのみ

オフラインでの利用

可能

不可

開発コスト

Webアプリより高い

ハイブリッドアプリより安い

OSアップデートへの影響

Webアプリより受ける

ハイブリッドアプリより受けない

WebアプリはモバイルデバイスのWebブラウザ(Chrome、Safari等)からアクセスして利用するアプリケーションです。また、インターネットにアクセスしないと使えないため、通信速度などインターネット環境に大きく影響を受けます。一方で、ハイブリッドアプリはオフラインでの利用も可能です。

Webアプリは位置情報の取得やプッシュ通知などの端末機能の利用について制約を受けるのに対し、ハイブリッドアプリはWebアプリよりも端末機能の制約が少ないです。

さらに、Webアプリはハイブリッドアプリより開発コストが安くなる傾向があります。
ハイブリッドアプリの場合は、さまざまな機種での動作確認が必要になりますのでテストの工数が多くなります。

ネイティブアプリとの違い

比較内容

ハイブリッドアプリ

ネイティブアプリ

提供方法

アプリストア経由で

インストール

アプリストア経由で

インストール

プッシュ通知

iOS/Androidに対応

iOS/Androidに対応

オフラインでの利用

可能

可能

開発コスト

ネイティブアプリより低い

ハイブリッドアプリより高い

OSアップデートへの影響

ネイティブアプリより

受けない

ハイブリッドアプリより受ける

ネイティブアプリはApple App Store、GooglePlayストアなどのアプリストア経由でインストールして使うアプリです。iOSやAndroidなどの特定のOSで動作します。

開発コストはハイブリッドアプリのほうが安くなる傾向があります。ハイブリッドアプリは、ネイティブアプリのようにそれぞれのOSに合わせて複数開発を行う必要がないためです。

OSをアップデートすることにより、アプリに悪影響を与えるリスクはハイブリッドアプリよりもネイティブアプリのほうが高いです。理由は、ハイブリットアプリはWebアプリで用いられるHTMLやCSS等のプログラム言語を主に使用しており、本体OSによる影響を受けづらいように設計されているためです。

PWAとの違い

比較内容

ハイブリッドアプリ

PWA

提供方法

アプリストア経由で

インストール

Webサイトへ直接アクセス

プッシュ通知

iOS/Androidに対応

Androidのみ

オフラインでの利用

可能

可能(PWA表示時)

開発コスト

PWAより低い

ハイブリッドアプリより高い

Webアプリ、ネイティブアプリの他にPWA(Progressive Web Appllication)と呼ばれる、アプリの開発手法があります。
HTML、CSS、JavaScriptなどWebアプリで使用する言語で開発されます。

Rettyグルメニュース

Retty

画像引用:Rettyグルメニュース

PWAの例としては、グルメサービス「Rettyグルメニュース」のモバイル向けWebページがあります。一見、ハイブリッドアプリと特長が変わらないと思われるかもしれませんが、ハイブリッドアプリはAppStoreやGoogle Playといったアプリストア経由でインストールするのに対し、PWAはアプリストア経由ではなくWebサイトにアクセスすることで利用ができます。

プッシュ通知についてはハイブリッドアプリもPWAも使えますが、PWAの場合はiOSでのプッシュ通知が動作しない、というデメリットがあります。

開発コストについてはハイブリッドアプリよりもPWAの方が高い傾向があります。まだPWAは比較的に新しい技術であるため、PWAを扱えるエンジニアが相対的に少なく、エンジニアの単価が高くなる可能性があります。また、PWAの経験が少ないと、エンジニアが技術調査に費やす時間も増えてしまい、コスト増に陥る場合もあります。

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ハイブリッドアプリ開発のメリット

ハイブリッドアプリ開発のメリット

開発コストの削減が可能

開発コストはネイティブアプリと比較するとハイブリッドアプリのほうが約30%安価です。WebベースのHTMLやCSSを用いたフレームワークにより、開発者は一つのプログラム言語でiOSとAndroid向けのアプリを開発することができるためです。

幅広いユーザー層への展開が可能

ネイティブアプリの開発だとiOS、Androidの一方のターゲットを選ばなければなりません。iOS、Androidの2つをターゲットにしようとすると2つの環境に向けた開発と動作確認テストを行わなければならないため、開発コストがかさみます。ハイブリッドアプリは1つの言語でiOS、Androidへの展開が可能です。

プッシュ通知など端末の機能が使える

ハイブリッドアプリの場合はWebアプリと違い、プッシュ通知などの端末に依存する機能を使用できるようになります。Webアプリでもプッシュ通知の導入は可能ですが、特殊な対応が必要になります。

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ハイブリッドアプリのデメリット

パフォーマンスがネイティブアプリよりも遅くなりがち

アプリの作成方法によりますが、ハイブリッドアプリの処理速度や操作性などのパフォーマンスがネイティブアプリよりもわずかに遅くなる傾向があります。なぜならば、ハイブリッドアプリでは画面を描画している領域と端末本体の間にハイブリッドアプリ向けの開発ツール(フレームワーク)が存在し、その分処理が増えてしまうからです。

なお、最近ではハイブリッドアプリの開発ツールの進化により、パフォーマンスの課題は目立たなくなってきているのが現状です。

機能の制限

アプリに複雑な機能を導入する場合、ハイブリッドアプリという選択肢が適切なアプローチではない可能性があります。いくつかのハイブリッドアプリのフレームワークがすべての機能をサポートしているわけではありません。例えば、端末のカメラを用いたAR(拡張現実)についてはサポートできない場合があります。

OSの最新機能が使えない可能性がある

仮にAndroidやiOSで新機能がリリースされたとしてもハイブリッドアプリではすぐに導入できない可能性が高いです。なぜならば、ネイティブアプリのほうがハイブリッドアプリのフレームワークよりも早いタイミングで新しい部品が提供されるためです。

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ハイブリッドアプリの開発ツール・開発環境

ハイブリッドアプリを効率的に開発するための開発ツールが複数存在します。ここではハイブリッドアプリ向けの開発ツールを4点ご紹介します。

Flutter

Flutter

画像引用:https://flutter.dev/

Flutter(フラッター)はGoogleが提供する、開発ツール・フレームワークです。開発者がAndroidおよびiOSで実行できるアプリケーションを作成できるようになっています。設計された開発者の中でも人気が高く、市場シェアは42%を誇ります。

Flutterを活用することで開発者はAndroidとiOSでプログラムのコードを最大90%共有することができます。これにより効率的にAndroidとiOSの両OS向けのアプリを作成することが可能です。

関連記事:Flutter(フラッター)とは?アプリ開発に取り入れるメリットを解説

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React Native

React Native

画像引用:https://reactnative.dev/

React Nativeはハイブリッドアプリ開発者の間で人気を集めている開発ツールです。JavascriptでiOS、Android、およびWebアプリを構築できるため、プラットフォーム間で要素をこれまでになく簡単に共有することができます。

なお、プッシュ通知やGoogleマップサービスなどのAndroidデバイスの端末機能を利用する場合は有料となりますので注意が必要です。

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Apache Cordova(旧:Adobe PhoneGap)

Apache Cordova(旧:Adobe PhoneGap)

画像引用:https://cordova.apache.org/

Apache CordovaはかつてAdobe PhoneGapと呼ばれた開発ツールです。開発者は、HTML、CSS、JavaScriptを使用して、加速度計・カメラ・コンパスなどの端末機能を利用するモバイルアプリを作成することが可能です。

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Monaca

Monaca

画像引用:https://ja.monaca.io/

MonacaはHTML5アプリ開発用のクラウド型のWebサービスです。Apache Cordovaをベースにした開発プラットフォームです。日系の会社が運営しており、無料で利用することが可能です。

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ハイブリッドアプリ開発を学ぶための本・書籍

[iOS/Android対応]HTML5ハイブリッドアプリ開発[実践]入門

[iOS/Android対応]HTML5ハイブリッドアプリ開発[実践]入門

画像引用:https://gihyo.jp/book/2014/978-4-7741-6211-9

iOS、Android両対応のアプリケーションを開発したいエンジニア向けのハイブリッドアプリ開発の入門本です。

HTML5によるハイブリッドアプリの開発方法に関するノウハウが記述されています。フレームワークのApache Cordovaによるアプリ開発から、ストレージの使い分け、タッチ・ジェスチャーなどの活用、マルチプラットフォーム特有のデバッグのノウハウに関して解説しています。

HTML5とApache Cordovaで始めるハイブリッドアプリ開発

HTML5とApache Cordovaで始めるハイブリッドアプリ開発

画像引用:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798151052

世の中、Apache Cordovaについて言及している記事や書籍が少ないです。ハイブリッドアプリという視点では、HTML5を軸に記述したものがほとんどであり、実際のプラグインを使って説明したものはあまりありません。

この書籍ではApache Cordovaとプラグインを使った時のサンプルを通じてハイブリッドアプリの開発手法を説明しています。

クラウドでできるHTML5ハイブリッドアプリ開発

クラウドでできるHTML5ハイブリッドアプリ開発

画像引用:https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798140285

無料で使えるクラウド型の開発環境Monacaクラウドを利用して、iOS/Android両プラットフォームで動作するハイブリッドアプリを作る方法を解説しています。Monacaクラウドを使って、HTML5/JavaScriptでサンプルのアプリを作ることができます。

ハイブリッドアプリ作成の基本テクニック、CordovaプラグインによるiOS/Androidネイティブ機能の活用方法、Onsen UI/AngularJSを利用したUIを構築する方法について学ぶことができます。

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【まとめ】ハイブリッドアプリの基礎知識

ハイブリッドアプリはWebアプリとネイティブアプリの特性を組み合わせたアプリです。ハイブリッドアプリで開発を行うための開発ツールがいくつか存在します。インスタグラム、Twitter、gmailなどのアプリで利用されている技術です。

ハイブリッドアプリを用いることで主に開発コストの削減が期待できます。ハイブリッドアプリを学ぶための書籍はいくつか存在するため興味のある方は書籍を購入し、サンプルプログラムを構築することがおすすめです。

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Q. ハイブリッドアプリ開発とは何ですか?

ハイブリッドアプリ開発とは、Webアプリとネイティブアプリの特性を組み合わせたアプリを開発することです。一般的にHTML、CSS、Javascript、Python、RubyなどWebアプリ用の言語で開発されます。

Q. ハイブリッドアプリ開発のメリットは?

ハイブリッドアプリ開発のメリットは「開発コストの削減が可能」「幅広いユーザー層への展開が可能」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。