- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー 業務システム
顧客管理システムとは?ビジネスに不可欠なCRMの重要性・基礎知識を解説【2024年最新版】
顧客管理システムを導入することで効果的に顧客を獲得し、業務効率や生産性向上を実現したいと考えている方も多いのではないでしょうか。ただ、システムはあくまでも目的・ゴールを達成させるためのツールであることを忘れてはなりません。
・顧客管理システムとはなにか?
・顧客管理が重要なのはなぜか?
・顧客管理システムでどんなことができるのか?
といったことを理解し、ビジネス本来の目的である顧客の獲得、生産性向上を実現することが重要です。そのためにも、顧客管理に関連するさまざまな疑問を解消し、自社に適切な顧客管理システムを導入する必要があります。
そこで本記事では、ビジネスに不可欠な顧客管理をどのようにシステムで効率化するのか?顧客管理システムの重要性・基礎知識を徹底解説!適切な顧客管理システムを導入するためのポイントも紹介していきます。
※顧客管理システムを導入したいけれど、何を選べばよいかわからないという方は、ぜひシステム幹事にお問い合わせください。最適な顧客管理システムの選定をお手伝いします。
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顧客管理システムとは?
顧客管理システムとは、顧客に関連する情報を一元的に管理・共有し、顧客獲得・業務効率化による生産性向上を企業の利益につなげるシステムのことです。
顧客情報の集約されたデータベースを元に、必要に応じてデータを検索・並べ替え・分析できるシステムであることが特徴です。CRM(Customer Relationship Management)システム・ツールと呼ばれる場合もあります。
ここで注意しておきたいのが、顧客管理システムと同義語として使われるCRMシステム(Customer Relationship Management System)の直訳が「顧客関係管理システム」であることです。
顧客関係管理(CRM)とは、顧客との関係性(つながりや愛着心)をマネジメントしていくことを意味します。つまり、現代ビジネスでは、顧客とのつながりを強化していく「顧客関係管理」が、顧客管理と同義語として使われているということです。
顧客管理システムの主な機能一覧
機能 | 概要 |
顧客情報管理機能 |
氏名や連絡先、金融情報、商談内容など 顧客に関する情報を一元管理する |
電話受付(CTI連携)機能 |
着信した電話番号から顧客の情報を表示する 過去の問い合わせ履歴や会話履歴をもとに商談 |
メールマガジン配信機能 |
複数メールの一斉送信やメール送信の自動化 メール配信後の開封率やクリック率の検証も可能 |
名刺管理機能 |
名刺情報を他のデータと連携して管理 顧客の購入履歴や過去の問い合わせ内容などもわかる |
分析・レポート機能 |
顧客の問い合わせ内容や回数などから購買傾向を分析できる |
現代ビジネスでCRMが重要な理由
しかし、顧客との関係性を強化しようとしても、営業マンごとに顧客情報が分散されているため属人的な活動になっている、顧客への対応が遅れる、ミスが発生するなどの課題を抱える企業が多いことも現実。
これでは効率的な営業ができないばかりか、顧客離れを招いてしまう可能性もあります。
市場が順調に拡大していた高度成長期なら、いいものを造れば売れるので顧客を獲得できたかもしれませんが、現代ではそうはいきません。情報化社会が進展し、少子高齢化によって市場が縮小する傾向にある今、多様化する顧客にあわせて適切にアプローチをかけ、エンゲージメント(愛着心)を高めて顧客との継続的な関係を築いていく必要があります。
つまり、現代ビジネスでCRM(顧客関係管理)が重要視されている理由は大きく2つ。「既存顧客の優良化」「顧客へのパーソナライズされたアプローチ」です。
既存顧客を優良化してつなぎ止める必要があるから
マーケティング業界には、リピート購入してくれる優良顧客が全体売上の8割に貢献しているという「パレートの法則」、新規顧客獲得には既存顧客の5倍のコストが必要という「1:5の法則」という定説があります。
つまり、既存顧客との関係性を強化して優良化(ロイヤルカスタマー化)を促し、固定客としてつなぎ止めることが、企業としての利益を確保するための近道。CRMとは、自社そのものあるいは自社商品・サービスへのエンゲージメント・ロイヤリティ(忠誠心)を高めてもらい、顧客をファン化するマネジメント手法だともいえるのです。
顧客へのパーソナライズされたアプローチが必要だから
自社商品・サービスに愛着を持つ優良顧客になってもらうには、顧客一人ひとりの特性・趣味・嗜好を把握し、適切なタイミングで効果的なアプローチをかけなければなりません。
ただし、パーソナライズされたアプローチをかけるためには、顧客一人ひとりの情報を分析して特性別に分類する必要があります。こうした作業を効率化し、顧客との関係性強化に向けた効果的なアプローチを支援するツールが「顧客関係管理システム」なのだといえるでしょう。
顧客管理システムの導入メリット
点在している顧客情報を集約・共有できる
顧客管理システムを活用する最大のメリットは、社内に点在している顧客情報を一つのデータベースに集約し、関係者全員で共有できることです。営業マンそれぞれがExcelで管理する属人的な活動から脱却した、効率的な営業を実現できます。
たとえば顧客管理システムには、顧客にアプローチした対応履歴や購買履歴・時期などの顧客行動をはじめ、関連する詳細なデータを登録可能です。
詳細な顧客データを全社的に共有できれば、マーケティング部と営業部で同じ顧客に異なるアプローチをかけてしまった、担当者が不在で対応できなかったなど、顧客離れにつながるミス・対応遅れを削減可能です。
データ分析・抽出が容易にできる
集約した顧客データの分析や、必要に応じたデータの抽出を簡単に実行できることも、顧客管理システムのメリットです。さまざまな種類のデータを一元管理できる顧客管理システムなら、切り口の異なるさまざまな角度からのデータ分析・抽出が可能です。
たとえば、購買履歴や過去の行動をもとに、新商品・サービスに興味を持ってくれそうな顧客をリストアップするなど、優先的にアプローチすべき顧客を抽出することも簡単です。データを根拠にしたタイムリーかつ的確なアプローチができれば、顧客のエンゲージメント・ロイヤリティも高めることができます。
営業活動の精度が高まる
顧客管理システムを活用することによって、データを根拠にした精度の高い営業活動を展開できます。顧客へアプローチした結果をデータとして蓄積できることも、顧客管理システムの強みです。
ただし、顧客管理システムはあくまでもツールであることを忘れてはいけません。どのようなデータを収集するのか?それをどのように活かしていくのか?仮説を立てながらデータを活かしていく運用面には、企業・店舗の手腕が求められます。
顧客管理システムはカスタマージャーニーの全てに有効
顧客との関係性を強化していくというCRMの考え方は、既存顧客に対するものだけではありません。自社商品・サービスに興味を持った方に継続的にアプローチし、顧客化、さらに優良顧客化へと育成する流れも含め、カスタマージャーニーすべてにCRMは有効です。
※カスタマージャーニー:顧客が商品・サービスを知ってから購入するまでの行動・思考・感情を時系列で見える化したプロセス
下記のカスタマージャーニーすべてのステップで関連してくるのが「顧客管理」です。顧客管理は見込み顧客の獲得から優良顧客化までのすべてに活用されるマネジメント手法だといえます。
①見込み顧客を獲得して育成する(自社への興味を高める)
②見込み顧客に営業をかけて顧客として獲得する
③獲得した顧客のエンゲージメント・ロイヤリティを高めて優良顧客化する
CRMシステムの主な対応領域
「顧客関係管理システム」は、主に先述の「③獲得した顧客のエンゲージメント・ロイヤリティを高めて優良顧客化する」のステップで使われます。
対して、「①見込み顧客(リード)を獲得して育成する」ではMA(マーケティングオートメーション)ツール、「②リードに営業をかけて顧客として獲得する」ではSFA(営業支援)ツールが活用される場合が多く、カスタマージャーニーのステップに応じて適切なツールを使い分ける企業・店舗も少なくありません。
それぞれのツールの特徴は以下の通り。
ツール名 |
特徴 |
MA (マーケティングオートメーション)ツール |
獲得したリード(見込み顧客)の育成を自動化するツール。 リードをセグメント分類し、適切なステップメールなどの 継続的なコミュニケーションで顧客化を目指す |
SFA(営業支援)ツール |
商談から契約まで、営業マンの動きを可視化・共有し、 営業部全体の効率化・生産性向上を目指す |
CRM(顧客関係管理)ツール |
獲得した顧客との良好な関係性を築き、 エンゲージメント・ロイヤリティを高めて優良顧客化を目指す |
一方、CRMとSFAは特に相性がいいため、双方の機能を併せ持つツールも数多く存在します。オールインワンとしてMA・SFA・CRMの機能を兼ね備えたツールもあり、ツールに応じて搭載する機能が実にさまざまであることも、顧客管理システムの特徴です。
※顧客管理システムがどういうシステムかはわかったけれど、自分の会社に最適な商品やサービスが分からない方は、ぜひシステム幹事にお問い合わせください。最適な顧客管理システムの選定をお手伝いします。
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顧客管理システム導入時のポイント
導入の目的を明確にする
まずは顧客管理システムを導入する背景を十分に理解し、目的を明確にすることが大切です。
各営業ステップでやるべきことは異なります。既存顧客の優良化を目指すのか?営業部門の生産性向上を重視するのか?顧客管理システム導入の背景・目的をハッキリさせておくことが重要です。
求める機能を明確にする
目的を達成するためには、どのような機能を持つ顧客管理システムが必要なのか?求める機能をリストアップしておくことがポイントです。
たとえば、既存顧客の優良化を目的としたCRMツールであれば、優先的にアプローチすべき顧客を抽出する詳細な分析機能、メール・SNS・DMなどと連携するコミュニケーション機能などが求められます。あわせて営業部門を支援するSFA機能が必要であれば、営業マンの行動・スケジュールを管理する機能、フィールド営業を効率化するアプリなどが必要になるケースもあります。
ECサイトでの活用を検討しているなら、SFA機能よりもリード育成を自動化するMA機能が重視されるなど、業界・業種・ビジネスモデルの違いによって顧客管理システムに求められる機能は異なります。
他システムとの連携を考える
在庫管理システムなどすでに一部の基幹システムを活用している企業・店舗であれば、顧客管理システムを既存システムとどう連携させていくべきなのかを導入前に検討しておく必要があります。
一般的に、顧客管理システムを含む基幹系システムは、それぞれを連携・統合することによって業務効率・生産性の向上が期待できます。たとえば、在庫管理・販売管理システムとシームレスに連携できれば、購買行動を顧客管理システムに収集・統合した詳細な分析が可能です。
操作性・使いやすさを重視する
全社的にデータを共有・活用する顧客管理システムは、なによりも操作性・使いやすさに重点を置くことがポイントです。導入した顧客管理システムを最大限活用していくためには、顧客に関連するあらゆる情報を入力・収集し、データを活用していく運用面が重要となるからです。
そのためには、関係者全員がストレスなくデータ入力できる操作性・使いやすさが必須になります。顧客管理システムの定着を推進するためのリーダーシップも必要です。「顧客管理システムを導入したものの、思ったほどの効果が得られなかった」といった失敗は、運用面に問題があるケースがほとんどです。
導入形態を検討する
顧客管理システムの目的や必要な機能を明確にしたあとは、導入形態を検討します。具体的には、多数存在するクラウド型・パッケージ型の顧客管理システムを導入して必要に応じてカスタマイズする、自社業務に最適化された顧客管理システムを開発する形態が考えられるでしょう。
市場には数多くの顧客管理システムがありますが、特徴・機能は多種多様です。自社ニーズに適した顧客管理システムを選定することはそれほど簡単ではありません。手軽に導入できる反面、ツールに業務を合わせる必要がある場合もあります。
一方、自社に最適化された顧客管理システムの開発は、コストがかかるデメリットはありますが、事実上の制限なく理想的なシステムを構築できるといったメリットがあります。費用対効果のバランスを念頭に、慎重に導入形態を選択するようにしましょう。
顧客管理システムとはまとめ
本記事では、ビジネスに不可欠な顧客管理をどのようにシステムで効率化するのか?顧客管理システムの重要性・基礎知識を解説しました。適切な顧客管理システムを導入するためのポイントも紹介してきました。
CRM・SFAツールといえば、既存パッケージの導入・カスタマイズが真っ先に思い浮かぶかもしれません。市場には使い切れないほどの機能を搭載した、さまざまなツールが存在しているのも事実です。
しかし、業界・業種はもちろん、企業・店舗ごとに異なるビジネスモデルによっても、適切な顧客管理システムのあり方は変わります。データベースをコアにした顧客管理システムは、意外に開発・構築は難しくはありません。最大限活用できる顧客管理システムを導入するためにも、視野を幅広く持つことがおすすめです。
下記記事でおすすめの顧客管理システムを紹介していますので、ご参照ください。
関連記事:顧客管理システム・CRMツール比較10選!ニーズごとの最適なツールを紹介!
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岩田
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Q. 顧客管理システムとは何ですか?
顧客管理システムとは、顧客に関連する情報を一元的に管理・共有するシステムのことです。顧客情報の集約されたデータベースを元に、必要に応じてデータを検索・並べ替え・分析できます。
Q. 顧客管理システムのメリットは?
顧客管理システムのメリットは「顧客情報を集約・共有できる」「データ分析が容易にできる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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