クラウド活用のメリット|クラウドのタイプ・利用形態・活用例を解説!

クラウド活用のメリット|クラウドのタイプ・利用形態・活用例を解説!

クラウド活用にどのようなメリットがあるのか?クラウド活用の具体例は?導入の参考にするためにも知りたいという企業担当者は少なくないはず。そんな方に向け、知っておきたいクラウドの基礎知識を解説するとともに、具体的なクラウド活用例を紹介していきます。

なお、クラウド活用・導入に強いシステム開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】クラウド活用・導入に強いシステム開発会社を紹介してもらう

目次
  1. 1. クラウド(クラウドコンピューティング)とは
    1. 1-1. オンプレミスとの違い
  2. 2. クラウド活用のメリット
    1. 2-1. 初期コストを抑えられる
    2. 2-2. 必要なリソースを素早く用意できる
    3. 2-3. 業務効率化 / 生産性向上
    4. 2-4. ハードウェアのメンテナンスは不要
  3. 3. クラウド活用のために知っておきたい基礎知識
    1. 3-1. クラウドのタイプ・種類
    2. 3-2. クラウドの責任範囲
    3. 3-3. クラウドの利用形態
  4. 4. ビジネスシーンのクラウド活用例
    1. 4-1. SaaSを活用した業務標準化 / 効率化
    2. 4-2. PaaS / IaaSを活用した自社システム開発
    3. 4-3. ハイブリッドクラウド活用でオンプレミス環境を統合
    4. 4-4. マルチクラウド活用でリソースの分散化 / 冗長化
  5. 5. 【まとめ】クラウド活用のメリット・活用例を紹介しました

クラウド(クラウドコンピューティング)とは

クラウドとは、さまざまなコンピューティングリソースをインターネット経由でユーザーに提供するサービスのこと。そのため、クラウドコンピューティングとも呼ばれます。ここでいうコンピューティングリソースとは、アプリケーションやシステムの開発環境、その土台となるインフラ基盤などが含まれます。

クラウド(クラウドコンピューティング)とは

画像出典:クラウドエース株式会社

 アプリケーションとは、ユーザーに機能 / サービスを提供するソフトウェアのこと。システム開発基盤とは、アプリの動作に必要なOS / ミドルウェアのことです。さらに、ソフトウェアを動作させるには、サーバやネットワーク機器などのハードウェアも必要。こうした、ソフトウェアの土台となるハードウェア / 通信環境をインフラ基盤といいます。

クラウドの特徴は、アプリケーション / システムの動作に必要なハードウェアを用意する必要がないこと。Webブラウザの動作する端末とインターネット環境があれば、クラウドのコンピューティングリソースを利用できます。

クラウドサービスについては以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:クラウドサービスとは?知っておきたいクラウドの基礎知識を解説!

オンプレミスとの違い

クラウドが普及する以前の業務システムは、オンプレミス型で構築される場合が一般的でした。オンプレミス(On-Premises)とは、施設・建物などを意味する英単語。つまり、ソフトウェアやサーバなどのハードウェアを所有し、自社の施設・建物で管理するシステムをオンプレミス型といいます。

このことからもわかるように、クラウドとオンプレミスの違いは、ハードウェアを含むコンピューティングリソースを「所有する」か「所有せずに利用する」かです。すべてのリソースを所有するオンプレミスは、制限のない自由度の高いシステムを構築できる特徴があります。

【無料】クラウド活用・導入に強いシステム開発会社を紹介してもらう

クラウド活用のメリット

クラウド活用のメリット

それでは、クラウド活用のメリットとはなんでしょう?オンプレミスとの比較を交えながら、簡単に解説していきます。

初期コストを抑えられる

クラウドの多くは、月々一定の利用料金を支払う定額制、もしくは利用した分の料金を支払う従量制を採用しています。初期導入費用の発生するサービスもありますが、初期コストを抑えながら手軽に導入できることがクラウド活用のメリットです。

オンプレミス型ではこうはいきません。サーバ / ネットワーク機器などのハードウェアはもちろん、適切な動作環境となるサーバルームも必要。膨大な初期コストのほかに、運用・保守を含めたランニングコストもかかります。

必要なリソースを素早く用意できる

すでにコンピューティングリソースが用意されているクラウドは、サービスインまでの期間を短縮できるメリットがあります。たとえば、クラウドを活用すれば、システム開発の基盤となる仮想サーバを瞬時に用意可能。開発したアプリをすぐにデプロイ(配置する)できます。

物理サーバやネットワーク機器を必要とするオンプレミスの場合、インフラ環境を整えるまでに数週間を要することも。規模によっては、ハードウェアの調達だけで1か月以上かかる場合もあります。

業務効率化 / 生産性向上

インターネット環境があればどこでも利用できるクラウドは、業務効率化 / 生産性向上を期待できるメリットがあります。たとえば、クラウドストレージを利用すれば、ドキュメントを共同編集しながらプロジェクトを遂行可能。時間のロスを最小限に抑えられます。

また、テレワーク / リモートワークを推進するためにもクラウド活用は有効。地方の優秀人材を確保するのにも役立つでしょう。

ハードウェアのメンテナンスは不要

機能 / サービスを仮想マシンから提供するクラウドは、ハードウェアの運用・保守・メンテナンスが不要なメリットがあります。セキュリティ面で不安を感じる方もいるかもしれませんが、ネットワークを経由した悪意ある攻撃に対する対策も万全。追加のセキュリティ対策を施すことも可能です。

【無料】クラウド活用・導入に強いシステム開発会社を紹介してもらう

クラウド活用のために知っておきたい基礎知識

クラウド活用を効果的なものとするには、クラウドを知っておくことが重要。以下から、クラウド活用の前提として知っておきたい、クラウドの基礎知識を紹介していきましょう。

クラウドのタイプ・種類

クラウドには、提供されるサービスに応じて、主に「SaaS」「PaaS」「IaaS」という3つのタイプ・種類があります。

SaaS(Software as a Service)

インターネット経由でアプリケーション

(ソフトウェア)を利用できるサービス

PaaS(Platform as a Service)

インターネット経由でソフトウェア開発基盤

(OS / ミドルウェアを含むプラットフォーム)を利用できるサービス

IaaS(Infrastructure as a Service)

インターネット経由でインフラ基盤

(サーバ / ネットワーク)を利用できるサービス

 Googleドキュメントなどに代表されるSaaSは、提供されるソフトウェアをそのまま利用することが基本。一方のPaaS / IaaSは、アプリケーションの開発環境として利用されます。

 また、近年ではコンテナ(アプリケーションの仮想実行環境)を提供するCaaS、サーバレスでアプリ開発を可能にしたFaaSなども注目されています。

クラウドの責任範囲

ハードウェアメンテナンスの不要なクラウドですが、タイプ・種類によってはソフトウェアの運用・保守もベンダーに任せられます。具体的には、PaaSであれば「サーバOS」「ミドルウェア」を、SaaSであればデータ以外のすべての運用・保守がベンダーの責任です。

クラウドの責任範囲

画像出典:NTT東日本

クラウドの利用形態

クラウドは、ベンダーの提供するコンピューティングリソースを利用するものと考えがちですが、必ずしもそうだとは限りません。だれでも契約すれば利用できる「パブリッククラウド」のほか「プライベートクラウド」という利用形態もあります。

パブリッククラウド

契約すればだれでも利用できる、広く一般に公開された

クラウドサービス。AWS / Azure / Google Cloudなど

プライベートクラウド

特定の企業が占有して利用するクラウドサービス

 たとえば、ベンダーからサーバと専用線をレンタルする、あるいはハウジングサービスを利用して自社ハードウェアを設置するなどの方法をプライベートクラウドと呼びます。

ビジネスシーンのクラウド活用例

それでは、クラウドの基礎知識をおさらいしたところで、ビジネスシーンで利用される代表的なクラウド活用例をいくつか紹介していきましょう。

SaaSを活用した業務標準化 / 効率化

手軽かつコストを抑えながら、業務標準化 / 効率化を実現できるクラウド活用例が「SaaS型業務システムの導入」です。SaaSならではのメリットは、データ以外のシステム管理をベンダーに一任できること、常に最新のアプリケーションを利用できること。一方で、カスタマイズの柔軟性に欠けることもSaaSの特徴です。

ただし、SaaSはさまざまな企業の業務効率化を推し進める汎用的な機能を網羅しています。カスタマイズが困難な反面、業務標準化に有効です。たとえば、SFAを導入すれば、属人化しやすい営業業務の標準化を実現可能。外出先でも打刻できる勤怠管理システムを導入すれば、会社に戻る必要もないため、業務効率化やテレワーク推進に役立ちます。

Salesforce Sales Cloud

Salesforce Sales Cloud

画像出典:Salesforce

ジョブカン勤怠

ジョブカン勤怠

画像出典:ジョブカン勤怠

PaaS / IaaSを活用した自社システム開発

DXに向けた業務IT化を効率よく、コストを抑えながら実現できるクラウド活用例が「Paas / IaaSを活用した自社システム開発」です。PaaS / IaaSなら、業務システムを自社開発する際の課題となるハードウェア調達を解決し、必要な開発環境を瞬時に用意可能。利用した分の従量料金制となるため、コストを気にすることなく開発に専念できます。

特に自由度の高いIaaSは、オンプレミスと同等の開発柔軟性を持つほか、状況に応じてインスタンス(仮想マシン)を増減できるスケーリング機能が特徴。オンプレミスからクラウドへ移行する「クラウドシフト」の主役として、多くの企業から活用されています。

AWS(Amazon Web Service)

AWS(Amazon Web Service)

画像出典:AWS

ハイブリッドクラウド活用でオンプレミス環境を統合

クラウドシフトが加速する一方で、オンプレミス / プライベートクラウドと、パブリッククラウドを併用するクラウド活用例「ハイブリッドクラウド」が増えています。

クラウド活用によって数々のメリットを得られることは事実ですが、顧客情報 / 取引情報など、種類によってはオンプレミス環境に適しているデータもあります。こうした考えを推し進め、プライベート / パブリックの利点を活かしたシステム統合を目的とする戦略がハイブリッドクラウドです。

たとえば、本社に設置されたオンプレミス型ERPを軸に、海外拠点のクラウドERPを接続する「ハイブリッドERP」などは、ハイブリッドクラウドに近い考えです。オンプレミスでシステムを運用している企業に多い戦略ですが、あえてプライベートクラウドを構築し、ハイブリッド化する例も見られます。

システム幹事

画像出典:株式会社野村総合研究所

マルチクラウド活用でリソースの分散化 / 冗長化

ハイブリッドクラウドとはベクトルの異なる考え方をもとに、複数環境を併用していくクラウド活用例が「マルチクラウド」です。具体的には、AWS、Azureなど、ベンダーの異なるパブリッククラウドを、2つ以上併用していく戦略をマルチクラウドといいます。

PaaS / IaaSなどの開発環境を提供するクラウドベンダーは多数存在しますが、当然、サービス内容やコストは各社異なります。こうした違いを踏まえ、用途に応じた適切なコンピューティングリソースを求め、適切なベンダーを使い分けていく戦略です。コストを最適化できるだけでなく、リスク分散にも有効なため、注目の高まるクラウド活用方法です。

システム幹事

画像出典:株式会社野村総合研究所

【まとめ】クラウド活用のメリット・活用例を紹介しました

クラウド活用にどのようなメリットがあるのか?クラウド活用の具体例は?導入の参考にするためにも知りたい。そんな企業担当者の方に向け、知っておきたいクラウドの基礎知識を解説するとともに、具体的なクラウド活用例を紹介してきました。

CaaS / FaaSの例を挙げるまでもなく、クラウド技術は日進月歩で進化しています。オンプレミスの機密性も魅力ではありますが、DX時代に向けてクラウド活用は欠かせません。

なお、クラウド活用・導入に強いシステム開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

【無料】クラウド活用・導入に強いシステム開発会社を紹介してもらう