- 更新日 2024.02.27
- カテゴリー 業務システム
EC販売管理システムの選び方解説|有名システムも比較紹介【2024年最新版】
ECサイトの規模が大きくなってくると課題になるのが「販売管理」です。とくに複数サイトを運営していると
- 管理工数を下げたい
- 複雑な業務を一元管理したい
- 数ある在庫情報を正確に把握したい
といった要望が出てくる人もいるのではないでしょうか。こういった悩みを解決するのが「EC販売管理システム」です。
本記事では、EC販売管理システムを使うことで期待できる効果、メリット・デメリットを中心に導入方法まで詳しく解説します。この記事を読めば以下がわかるようになります。
- 販売管理システムでできることが把握できる
- どのようなタイプのシステムがあるのかわかる
- 自社にぴったりなEC販売管理システムの選び方が理解できる
ぜひEC販売管理システム導入の検討に役立ててください。
※「ECでの販売管理がわからない」「独自のEC販売管理システムが作りたい」という方はシステム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
ECの販売管理システムとは
ECの販売管理システムとは「受注管理」「在庫管理」「顧客管理」などを一括で行うツールです。
- データの引き継ぎが自動で行われる
- 在庫数に応じて自動で発注書を作成してくれる
など、ヒューマンエラーが起きやすい作業をサポートしてくれます。売上を大きく伸ばしたいのであれば、EC販売管理システムは大きな力になるでしょう。詳しい機能を以下で解説します。
EC販売管理システムの主な機能
EC販売管理システムには主に以下の機能があります。
- 受注管理
- 在庫管理
- 商品登録管理
- 仕入管理
- メール管理
これらの機能を組み合わせることでECサイトの業務は大幅に軽減されます。
受注管理
ECサイトの運営において1番の課題になるのが受注管理です。複数のECサイトを運営していると、受注データを取りまとめるだけでも一苦労です。販売管理システムなら、ECサイトで商品が購入されると同時に受注データ(入金・出荷・出荷済更新情報など)が自動で取り込まれます。
これまで手動で管理していたデータが瞬時に連携されて確認できるため、管理工数は大幅に削減可能です。
在庫管理
手入力で在庫情報を最新の状態に保つのは多大な労力が必要になります。ミスも発生するでしょう。EC販売管理システムを導入すれば、出荷、入荷に連動して自動的に在庫情報を同期可能です。
ほかにも、キャンセルや返品、イベントによる一時的な在庫変動にも対応してくれます。在庫が一定数を下回った場合は、発注をリマインドしてくれる機能を使えば機会損失を防げます。
商品登録管理
ECサイトに取り扱う商品を登録します。商品に関する情報(商品名・説明・価格・画像など)を一括で編集可能です。
仕入管理
仕入れに関する様々な業務を自動化します。たとえば、発注書を自動作成してメール送信をしたり、発注している商品の内で未納品の残数を確認したりといった煩雑な業務が効率化されます。
メール管理
メールの作成や自動送信をサポートします。
- 注文時に顧客に自動で注文確定メールを送信する
- 商品を発送したら発送連絡メールを送信する
- フォローメールを送信する
など顧客とのコミュニケーションを自動化できます。
EC販売管理システムのメリット
EC販売管理システムの機能を使うと以下のようなメリットがあります。
- 管理工数が削減できる
- ヒューマンエラーを防止できる
- 顧客満足度が向上する
管理工数が削減できる
ECサイトの運営には複雑な業務フローが発生します。EC販売管理システムを利用して各工程の情報を一括管理できるのは大きなメリットといえるでしょう。とくに、取り扱い商品数が多い、複数のECサイトを運営している場合にはその効果が顕著です。
以下は事例の一部です。
・シーマン株式会社
見積作成にかかる時間を従来の3分の1(70時間/月)削減に成功
・有限会社サーチディストリビューション
繁忙期は深夜残業が多発していたが、21時には帰宅できるようになった
ヒューマンエラーを防止できる
受発注情報、在庫情報、顧客情報などを個別に手入力で管理していると、どうしてもミスが発生します。
- 在庫数の更新を忘れた
- 受注した商品を見落とした
- 顧客にメールを誤送信した
ということがあると、顧客に不信感を与えるだけでなく、売上にも影響を与えかねません。これらの情報を自動的に更新・同期することで不要なヒューマンエラーを防止できます。
顧客満足度が向上する
メール管理機能では注文確認メールの自動送信や発送メール送信、ほかにも商品購入後のフォローメール送信などが利用できます。顧客に一歩寄り添ったコミュニケーションを取れば、ショップに対する愛着度も増し、リピーターの獲得にも役立つでしょう。
EC販売管理システムのデメリット
便利な機能が多いEC販売管理システムですが、デメリットもあります。
- 導入・運営コストが生じる
- システムに慣れるまでに時間がかかる
導入・運営コストが生じる
金額はシステムによって変わりますが、導入コストや運営コストが発生します。どの程度のコストが発生するかは検討時にしっかり確認しておきましょう。コストを上回るメリットを感じられれば、導入する価値があることになります。
システムに慣れるまでに時間がかかる
どうしても新しいツールやシステムを導入すれば、慣れるまでに一定の時間がかかります。自分だけでなく従業員が問題なく使いこなせるようになるまでは、研修や勉強会を開催して習熟を進めましょう。新規スタッフが入っても問題なく業務に入れるようにマニュアルを整備するのも1つの手です。
導入方法の違いについて
EC販売管理システムにはいくつか種類があり、それぞれ導入方法が異なります。ここでは以下の導入方法の特徴を見ていきます。
- クラウド型
- オンプレミス(パッケージ)型
- フルスクラッチ開発
クラウド型
クラウド型はSaaS(Software as a Service)とも呼ばれます。クラウド型の特徴はなんといっても導入スピードの早さ、手軽さでしょう。サービス契約をすればすぐにでも導入でき、システムのメンテナンスも不要です。低コストでEC販売管理システムを試してみたい場合にもおすすめです。
オンプレミス(パッケージ)型
オンプレミス(パッケージ)型は、自社にサーバーとシステムを導入して運用するタイプです。クラウド型では実現できない、カスタマイズ性の高さが特徴です。ただし、サーバーのメンテナンスなどを自社で対応できる必要があります。
フルスクラッチ開発
オーダーメードで、自社の仕様や要件に合わせられるのがフルスクラッチ開発です。既存のパッケージでは実現できない要件がある場合におすすめです。独自性の高い業務プロセスを自動化するのに最適な方法といえます。
おおよその費用感を下の表にまとめました。検討の目安にしてください。
パッケージ版 |
月額10万円程度 |
クラウド版 |
月額2万円程度 |
スクラッチ開発 |
500万円以上 |
販売管理システムの費用に関して詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:システム開発の費用・相場を解説!料金を抑えるコツも紹介!
多様な業界に対応可能な販売管理システム比較
販売管理システムにはそれぞれ特徴があります。これから紹介するものは多様な業界に対応できる汎用型のサービスです。「クラウド型」と「パッケージ型」にわけて紹介します。
クラウド型の販売管理システム
楽楽販売
画像引用元:楽楽販売
累計2,500社以上に導入されている販売管理システムです。業態に合わせて業務フローをカスタマイズできるのが特徴で、業界を問わず導入されています。
ルーチンワークを自動化しながら情報を一元管理でき、工数の大幅削減が期待できます。また、契約管理、営業案件進捗管理、広告案件管理といった機能も備わっているため、社内の情報共有もスムーズに行なえるのが魅力です。
<基本情報>
提供会社 |
株式会社ラクス |
対象従業員規模 |
全ての規模に対応 |
対象売上規模 |
全ての規模に対応 |
参考価格 |
初期費用:150,000円、月額費用:60,000円 ~ |
サポート体制 |
メール、電話、コミュニティサイト、セミナー開催 |
商蔵奉行クラウド
画像引用元:商蔵奉行クラウド
販売管理や在庫管理といった基本的な機能だけでなく、様々な外部サービスと連携できるのが特徴です。
たとえば「kintoneと連携して業務データを同期する」「AIチャットボットと連携して問い合わせの対応工数を削減する」など自由度の高い運用が可能。ほかにも、伝票登録の自動化や請求業務のペーパーレス化で業務時間を削減できるのも魅力です。
<基本情報>
提供会社 |
株式会社オービックビジネスコンサルタント |
対象従業員規模 |
全ての規模に対応 |
対象売上規模 |
全ての規模に対応 |
参考価格 |
初期費用:0円 ~、月額費用:7,340円 ~ (30日間の無料トライアルつき) |
サポート体制 |
電話サポートを中心に多様なサポート |
アラジンオフィス
画像引用元:アラジンオフィス
中堅・中小企業を中心に5,000社の販売管理をサポートしているのがアラジンオフィスです。販売管理に必要な機能を豊富に揃えており、アパレルや食品、美容などの商習慣に最適化されたパッケージシステムで日々の業務を自動化します。
リピート率は84%を誇り、実店舗、ECサイトのデータを本部管理システムとシームレスに連携可能なため、在庫の適正化や多角的な分析を行えます。パッケージタイプでの導入も可能です。
<基本情報>
提供会社 |
株式会社アイル |
対象従業員規模 |
全ての規模に対応 |
対象売上規模 |
全ての規模に対応 |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
サポート体制 |
導入前のコンサルティング、カスタマイズ開発、 稼動開始時の教育サービス、稼働後のシステム運用支援、機械のメンテナンス |
パッケージ(オンプレミス)型の販売管理システム
楽商
画像引用元:楽商
楽商は、16の業界・業種の特徴に合わせた機能をパッケージ化したシリーズです。またカスタマイズ性も高く、専門の営業とSEが要件のヒアリングから実装までを短納期、ローコストで実現します。
仕入管理、売上管理、売掛管理、買掛管理、外部ツールへの連携など、豊富な機能で販売管理をサポートしてくれます。すでに1,000社以上で導入実績があり、ノウハウも活かした対応が期待できるでしょう。
<基本情報>
提供会社 |
株式会社日本システムテクノロジー |
対象従業員規模 |
10名以上 1,000名未満 |
対象売上規模 |
1億円以上 500億円未満 |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
サポート体制 |
リモート、メール、FAXの他、訪問サポート |
ExeQuint
画像引用元:ExeQuint
在庫管理や見積もり管理、貿易・輸入にも対応している販売管理システムです。迅速な経営判断を可能にするBIS(経営情報支援機能)を備えており、データをグラフや表で視覚化してくれるのが特徴(※BISはオプション機能)。
また、メインメニューはセキュリティレベルごとに表示切り替えが可能で、セキュリティに配慮された設計です。業務内容に合わせたカスタマイズもローコストで対応してくれます。
<基本情報>
提供会社 |
株式会社センチュリーシステムズ |
対象従業員規模 |
50名以上 1,000名未満 |
対象売上規模 |
10億円以上 500億円未満 |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
サポート体制 |
リモート、メール、電話 |
EXPLANNER/Z
画像引用元:EXPLANNER/Z
EXPLANNER/Zは、45年間で3万件の導入実績を持つ老舗販売管理システムです。機能を自由に組み替えて業務にカスタマイズできるのが特徴で、データを一元管理してグループ企業と外部企業と連携可能です。
また、取引形態、ロットや有効期限など在庫情報を細かく設定でき、かゆいところまで手が届くシステムといえます。消費税改正や軽減税率などの法改正にも迅速に対応してくれるのも魅力です。
<基本情報>
提供会社 |
NEC |
対象従業員規模 |
50名以上1,000名未満 |
対象売上規模 |
10億円以上1,000億円未満 |
参考価格 |
別途お問い合わせ |
サポート体制 |
導入から稼働・運用までをサポート |
EC販売管理システムを選ぶ前に整理すべきこと
EC販売管理システムを導入しよう!となっても一度整理するべきことがあります。
それは以下の4つです。
- ECモールやASPカートの対応有無
- システム導入目的や要件
- 予算範囲(初期費用・運営費)
- サポート体制
ECモールやASPカートの対応有無
自社がECモール(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなど)や、ASPカート(Shopify、BASEなど)などを利用している場合、販売管理システムと連携できるかをチェックしましょう。必要なECモールやASPカートすべてに対応していなければ、システムを導入する利点が半減してしまいます。
システム導入目的や要件
販売管理システムを導入することでなにを実現したいのか、目的と要件を明確にしましょう。要件が整理できていないと、システムを選別する際の判断基準が定まらなくなります。
たとえば、以下のような課題を抱えていないか確認して、課題を解決できるシステムを導入するようにしましょう。
- 在庫・発注管理の工数がかかりすぎている
- スタッフの労働環境を改善したい
- 複数のECサイトの管理が複雑化している
予算範囲(初期費用・運営費)
クラウド型は導入費用・月額費用で数万円~数十万円程度が相場です。
一方でオンプレミス型やフルスクラッチ型の場合は、開発だけで数百万円単位が必要になります。初期投資できる予算がしっかり確保できればオンプレミス型やフルスクラッチ型も視野に入ってきます。予算がなければクラウド型からスタートするのが適しているでしょう。
サポート体制
いざというときのサポート体制も検討材料になります。なぜなら、緊急度の高い事案が発生したときにメール対応のみだと心もとないためです。電話対応は可能か、サポート範囲はどこまでかを知っておくことは重要です。
EC販売管理システムのメリットや導入ポイントについて解説しました
EC販売管理システムを導入すれば、業務効率化だけでなくミスを減らして高精度の業務フローを実現できます。ルーチンワークを自動化することで、節約できた時間を別の業務に割り当てられますし、従業員の働き方改革や売上の拡大にもつながるでしょう。
複数のECサイトを運営していればその効果はより顕著に出てきます。導入時にはクラウド型か、パッケージ型から選ぶことになりますが、きめ細やかな要件に柔軟に対応させたい場合はフルスクラッチ開発が最適です。
もし「販売管理システムを委託開発したいけど進め方がわからなくて不安」ということであれば、ぜひ「システム幹事」にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリング・ご提案します。相談料はすべて無料です。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. EC販売向け管理システムのおすすめは?
EC販売におすすめの管理システムとして「楽楽販売」「商蔵奉行クラウド」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. EC販売向け管理システムを選ぶ際のポイントは?
EC販売向け管理システムを選ぶ際のポイントとして「ECモールやASPカートに対応しているか」「システムを導入する目的と要件を明確にしておく」等が挙げられます。詳しい選び方については記事をご覧ください。
この記事を書いた人
Y.KURODA
専門分野: IT・取材
ITライター兼Web開発者。
元システムエンジニアとしての経験とSEOの知見を活かした記事を執筆しています。ライター業務を効率化するWebサービス『MOJI-KA』を開発・運用中です。