- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー アプリ開発
NFCとは?おサイフケータイ・Felicaとの違い・開発会社をわかりやすく解説【2024年最新版】
スマートフォンの普及とともに、スマートフォンなどの通信端末をかざすだけで決済、カード情報の読み取りなどが可能になりました。これらのようなサービスは「NFC」という技術がもとになっています。
・NFCって聞いたことがあるがいまいちよくわからない
・NFCとおサイフケータイの違いがわからない
・NFCを活用したサービスを展開したいがどこに頼んだらよいのかがわからない
などといった疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではNFCの概要やおサイフケータイなどとの違い、NFCを用いた開発について詳しくご説明します。
※モバイル決済などのサービスの構築を実績のある開発を依頼したいという方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
アプリ開発に役立つ記事もご覧ください アプリ開発かんたんマニュアル!おすすめ言語、開発の流れ、ツールまで解説
NFCとは
NFCとは「Near field communication」の略で、近距離無線通信規格の一種です。NFCに対応した機器同士を近づけると、データ通信や認証を行うことのできる規格です。約1~10cmの距離で反応するようになっています。
今では多くのスマートフォン内にNFCが搭載されており、スマートフォンをかざすだけでクレジットカードでの支払いや交通系ICカード代わりに改札を通過したり、マイナンバーカードの読み取りを行ったりなどさまざまな用途で利用されています。
NFCの種類
次にいくつか存在するNFCの種類について紹介します。NFCには主に3つの種類に分けられます。
Type-A
Type-Aは、タバコを自動販売機で購入する際に必要なICカード「taspo(タスポ)」やNTTのテレフォンカードなどに使用されているタイプです。主な特長は、他のタイプと比較して価格が安価であることです。
Type-B
Type-Bは、CPUが内蔵されているため高速処理が可能です。また、セキュリティ性も高く、パスポートや運転免許証、住民基本台帳カード、マイナンバーカードで利用されています。
Type-F
Type-FはFelicaという名称で浸透しています。主な特長としては、反応速度が非常に速く、セキュリティ性が高い点が挙げられます。また、Type-Fを利用することでNFCに対応したスマートフォン向けのアプリの開発が容易になります。
交通系ICカード(SuicaやPASMOなど)や電子マネー(Edyやnanaco、iD、QUICPayなど)、決済システム(おサイフケータイ、Apple payなど)などで利用されています。
NFCタグとは?
画像引用:Amazon
「NFCタグ」は情報の読み取りや書き込み、アプリの起動などといったことを設定できるタグのことです。シールの中にICチップが埋め込まれている物が多いです。あらかじめNFCタグ内にプログラムを設定していれば、スマートフォンをかざすだけで周辺機器の自動操作が可能です。
例えば、あらかじめスマートフォンと家電を連動させれば、NFCタグにスマートフォンをかざすだけで自動的に家電の電源が入るなどといったことが可能になり、普段の生活を便利にすることができます。
NFCの主な機能
種類 |
機能 |
カード・エミュレーション |
クレジットカードや交通系ICカードと同等の機能を NFCを搭載した機器で利用できる |
リーダー/ライター (情報の読み取り・書き込み) |
NFCを搭載した機器でICカードの利用履歴などの 読み取り、ICカードへの書き込みが可能 |
P2P(機器間通信) |
NFCを搭載した機器同士での通信を可能とする |
NFCには主に3つの機能が存在します。
カード・エミュレーション
NFCを搭載したスマートフォンなどの機器の中にクレジットカードや交通系ICカードに相当するカード情報を書き込み、それらのカードと同等に使えるようにする機能です。
カードとして利用するには事前にスマートフォンにクレジットカードや交通系ICカードの登録が必要です。
リーダー/ライター(情報の読み取り・書き込み)
ICカードの情報を読み込んだり、逆にICカードに対して情報を書き込んだりすることができます。交通系ICカードや電子マネーの利用履歴をパソコンやスマートフォン上で確認をしたり、確定申告のe-taxを行うためにマイナンバーカードの読み取ったりすることが可能です。
P2P(機器間通信)
P2Pは、「Peer to Peer」の略で、NFCを搭載した機器同士で通信を可能にする技術です。P2Pにより、機器間でのデータやメッセージのやり取りを直接行うことができます。
例えば、NFCに対応している携帯電話同士であれば、電話回線がつながっていなくても、双方の携帯電話を近づけるだけでメールアドレスの交換が可能です。
スマートフォンに搭載されたNFCの主な利用例
ここからはNFCが搭載されたスマートフォンの主な活用事例について紹介します。
モバイル決済
モバイル決済はiPhone・Androidで使用でき、それぞれ決済方法が異なります。
iPhoneでの決済方法
iPhoneでNFCを活用した決済方法は「Apple Pay」と「モバイルSuica」です。
Apple PayはAppleが開発した決済システムで、iphone7以降の機種が対応しています。
Walletアプリからクレジットカード情報を登録しておくことで、Apple Pay対応端末のあるお店で支払いが可能。スマートフォンをかざすだけで支払えるため、現金を持ち歩く必要がなく利便性が優れています。
なお、Apple PayとモバイルSuicaは連携させることも可能です。モバイルSuicaはスマートフォンで利用するタイプのSuicaで、端末をかざすだけで駅の改札を通過できます。
また、モバイルSuica対応店なら、商品の支払いにも使えます。
Androidでの決済方法
AndroidでNFCを使った決済方法は、以下の3つです。
- おサイフケータイ
- Google Pay
- モバイルSuica
おサイフケータイは、端末の専用アプリにモバイルSuicaやEdyなど決済サービスを登録することで利用できます。
決済時にアプリを立ち上げる必要がなく、電波が届かない場所でも端末をかざすだけで使えます。
Google Payは、Androidスマートフォンで使える非接触型決済アプリです。対応しているクレジットカードや決済サービスでの支払いに利用できます。アプリ一つで支払い方法を一括管理できるのも利点です。
また、AndroidでもiPhoneと同じようにモバイルSuicaを使えます。
交通系ICカード機能
画像引用:ITmedia Mobile
スマートフォン内にNFCが埋め込まれていれば、プラスチックのICカードを持たずにスマートフォンひとつで切符を買うことなく電車に乗ることができます。具体的にはモバイルSuica、モバイルPASMOなどのアプリをスマートフォンにインストールし、アプリ内の設定を手順通りに行えば、利用することができます。
テレビやパソコンとの連携
「P2P」という仕組みを使うことで、NFC対応のテレビやパソコンとも連携できます。
P2Pは、NFCの対応機種同士で通信を行える機能です。機種同士を近づけることで、データの送受信が行えます。
P2Pの技術を活用することで、NFC対応のスマートフォンからテレビやパソコンへ、写真や動画などデータ量の多いコンテンツも転送できます。
近年ではNFCを通して、体重体組成計やモノクロレーザー複合機などともデータのやり取りが行えるようになりました。
また、医療機器やスマートウォッチやスマート家電などのデバイスにも、NFCの技術が活用されています。今後もNFC技術を活用した新しいデバイス・アプリケーションが増え、日常生活の利便性が向上すると予想されます。
電子チケット
切符や劇場の入場券などの電子チケットでも、NFCの技術が使われています。
プロ野球やバレーボールのリーグ戦などで使われており、電子チケットの使用は拡大しています。
ただ、電子チケットを使う場合、読み取り用のゲートや端末を用意しないといけません。初期投資が不可欠なため、導入へのハードルが高いのが課題です。
そんな中、導入は容易ではないものの「MOALA Ticket(モアラチケット)」のような電子チケットサービスも登場してきており、今後さらに普及していく可能性があります。
NFCと各種サービス
NFC、おサイフケータイ、Felica、Apple Payなど、モバイル決済に関するキーワードが多く存在します。それぞれのキーワードの関係性は一見ややこしいように見えますが、結論としてはいずれもNFCの一つです。
Felicaとの違い
NFCは通信規格の一種であるのに対し、Felicaはソニー株式会社がNFCの規格に準じて独自で開発したICカードの技術を指します。前述の通り、Type-Fに該当するFelicaはNFCの種類の一つです。FelicaはそれまでのNFCと比較して処理速度が非常に速いことから、スマートフォンでSuicaやEdyなどの国内の電子マネーで広く利用されるようになりました。
おサイフケータイとの違い
NFCは通信規格の一種ですが、おサイフケータイはFelicaを搭載したスマートフォンのことを指します。元々はNTTドコモが「Felicaを搭載している携帯電話」をわかりやすくするように「おサイフケータイ」と名付けたのが経緯です。
今では他のキャリアであったとしても、ライセンスを結んでいれば「おサイフケータイ」という名称が使用できます。
なお、NFCのType-Fが搭載されているiPhoneの場合はApple独自のApple payと呼ばれる決済システムがあり、「おサイフケータイ」とは呼びません。
QRコードとの違い
NFC決済とQRコード決済の大きな違いは使い方です。
NFC決済の場合、NFCタグを専用端末にかざすだけで決済できます。一方QRコード決済は、アプリ起動しQRコードを表示させ、それを読み取ることで決済が完了します。
つまりNFC決済と比べ、QRコード決済の方が支払いに手間がかかるのです。
ただ、ほぼ全てのスマートフォンで使えるQRコード決済と違い、NFC決済は対応端末がなければ使用できません。
対応機種の多さでは、QRコード決済の方が優れていると言えます。
NFCのデメリット
NFCの活用には、以下のようなデメリットがあります。
- 近距離での通信しか行えない
- 近距離無線通信と比べ通信速度が遅い
近距離での通信しか行えない
NFCには、近距離での通信しか行えないというデメリットがあります。通信可能距離が約10cmで、対応端末に触れるほど近づけなければ通信できません。
他の近距離無線通信と、その通信可能距離は以下の通りです。
- Wi-Fi:約100m
- Bluetooth:約10m
- 赤外線通信:約30cm~1m
上記と比べ、NFCの通信距離が大幅に短いことが分かるでしょう。
ただ、通信距離が短いことで、他のデバイスと意図せず通信することがないという利点もあります。
近距離無線通信と比べ通信速度が遅い
NFCは通信距離が短いだけでなく、通信速度も他の近距離無線通信より低速です。通信速度の比較は、以下の通りです。
- Wi-Fi:最大6.9Gビット/秒
- Bluetooth:最大24Mビット/秒
- NFC:最大847kビット/秒
写真や動画といった容量の多いコンテンツも送受信できますが、通信速度が遅い分時間がかかってしまいます。
小さなデータのやり取りには使えますが、大容量データの送受信に向かない分利用シーンも限られるのです。
NFCのメリット
NFCの利用には、以下のような利点があります。
- データ処理が早い
- セキュリティ機能が優れている
- 双方向通信を行える
データ処理が早い
NFCには、データ処理が早いという利点があります。対応デバイスに搭載されているICチップが、高速処理を可能としています。
中でもSONYが開発した「Felica」というNFC規格の処理速度は約0.1秒です。
1秒に満たない時間でデータ処理が行えることから、交通計ICのような非接触型決済での使用が可能となっています。
もしデータ処理に時間がかかっていれば、駅の改札をスムーズに通れず混雑が発生するでしょう。
データ処理の早さにより、NFCを活用したサービスが実現しています。
セキュリティ機能が優れている
NFCはセキュリティ機能が優れており、さまざまなサービスで利用されています。運転免許証やマイナンバーカードでも使用されていることからも、セキュリティの高さが伺えるでしょう。
NFCは、一定間隔で「ポーリング」という作業を行なっています。ポーリングとは、ネットワークに接続された複数のシステムに送信要求の有無を問い合わせ、許可する作業です。
複数のシステムで接続している場合、それぞれのシステムが自らのタイミングで通信すると、他のシステムと重複しトラブルが発生することがあります。
NFCはポーリングを通して、問い合わせがあった時のみ要求を伝えるようにしています。
認証のたびに新しい通信データの暗号鍵が作られるため、不正アクセスや攻撃を防ぎ安全な通信を実現しているのです。
双方向通信を行える
NFCでは双方向通信を行っており、NFC端末同士でデータのやりとりもできます。
機種同士での通信ができることから、スマートフォンからテレビ・パソコンへデータを送ることも可能。文書をプリンタで印刷することもできます。
体重体組成計やモノクロレーザー複合機におけるデータのやり取りも実現しており、さまざまなサービスが誕生しています。
また、通信距離が短いことから、セキュリティ面も確保され安全です。双方向通信により、NFCで実現できるサービスの幅が広がっています。
NFCを活用したサービスを開発できる事業者
株式会社Samurai
株式会社SamuraiはNFCを活用した非接触無線技術のソリューションを多くのお客様に導入しています。Fintechなどの決済に関するソリューションも手がけています。主要取引先はソニー、Felicaです。
所在地 |
〒150-0034 東京都渋谷区代官山町8-7 Daiwa代官山ビル |
主要な取引先 |
ソニー株式会社 フェリカネットワークス株式会社 株式会社マッシュスタイルラボ 株式会社ジェイアール東日本企画 静鉄プロパティマネジメント株式会社 株式会社Radley Japan |
事業内容 |
FeliCaを利用したポイントサービスプラットフォームの販売 O2O対応ECサイト構築プラットフォーム『Actual Revolution』の販売 『CLO(Card Linked Offer)』プラットフォームの販売 商業デベロッパー様向けテナント分析ツールの提供 |
株式会社HINTO
株式会社HINTOは大阪にあるシステム開発、Web企画を行う会社です。NFCを使ったサービスの企画、開発を担うことが可能です。
Webコンサル事業、スマートフォン(Android)アプリ開発を提供することができます。
所在地 |
〒550-0002 大阪府大阪市西区江戸堀1-23-35 AXIS江戸一ビル5F |
主要な取引先 |
不明 |
事業内容 |
システムコンサルティング事業 システム開発・WEBサイト制作事業 |
株式会社ジャストワーク
株式会社ジャストワークはIoTアプリケーション開発、SES事業を行う企業です。NFCを活用した多くの大手事業会社向けのシステム開発を経験しています。
所在地 |
〒350-1114 埼玉県川越市東田町4-67 |
主要な取引先 |
株式会社 unerry KDDI株式会社 株式会社ジェイアール東海エージェンシー TIS株式会社 TFペイメントサービス株式会社 東海旅客鉄道株式会社 凸版印刷株式会社 トッパン・フォームズ株式会社 パーソルキャリア株式会社 |
事業内容 |
コンピュータソフトウェアの開発及び技術提供 業務請負 技術者派遣業務 |
【まとめ】NFCの基礎知識
NFCは「Near field communication」の略で、近距離無線通信規格の一種です。モバイル決済や交通系ICカードの代わりとして利用されています。
NFCを用いたシステムやアプリを開発できるシステム開発会社はいくつか存在しますので、自社や事業内容にあった開発会社を選んでいきましょう。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
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紹介された会社に必ず発注する必要はありません。まずは相場の情報を聞きたいなどの相談だけでも大丈夫です。相談料・紹介料はかかりません。
Q. NFCとは何ですか?
NFCとは、「Near field communication」の略で、近距離無線通信規格の一種です。クレジットカードでの支払いや交通系ICカード代わりに改札を通過したり、マイナンバーカードの読み取りを行ったりなどさまざまな用途で利用されています。
Q. NFCのメリットは?
NFCのメリットは「スマートフォンをかざすだけでクレジットカードでの支払いができる」「交通系ICカード代わりに改札を通過したり、マイナンバーカードの読み取りができる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人