Webシステムを開発するメリット・デメリットとは?特徴を理解して適切なシステムを導入しよう【2024年最新版】

Webシステムを開発するメリット・デメリットとは?特徴を理解して適切なシステムを導入しよう!

いまやシステム開発の新規案件の大部分を占め、主流になっているのが「Webシステム」。その理由は、Webシステムに数々のメリットがあるからにほかなりません。しかし、どのような用途であってもWebシステムが最適解になる、とは限らないことも事実です。

自社の目的・ゴールを達成する適切なシステムを開発・導入するには、他のシステムと比較して、Webシステムにどのような特徴やメリット・デメリットがあるのか?理解しておくことが重要。

そこで本記事では、もうひとつの選択肢となりうるクライアントサーバシステムと比較しながら、Webシステムの特徴・メリット・デメリットを解説!どんなケースでWebシステムを選ぶべきなのか?ポイントも紹介していきます

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目次
  1. 1. Webシステムとは
    1. 1-1. クライアントサーバシステムとは
    2. 1-2. Webシステムとクライアントサーバシステムの共通点・相違点
  2. 2. Webシステムのメリット
    1. 2-1. クライアント端末を選ばない
    2. 2-2. いつでもどこでも利用できる
    3. 2-3. 開発コストを抑えやすい
    4. 2-4. 運用・メンテナンス・アップデートが容易
    5. 2-5. 利用範囲を広げやすい
  3. 3. Webシステムのデメリット
    1. 3-1. Webブラウザの機能制限を受けやすい
    2. 3-2. システムのレスポンスが遅い
    3. 3-3. セキュリティを確保しにくい
  4. 4. どんなケースでWebシステムを選ぶべきか
    1. 4-1. Webサービスの提供ならWebシステム
    2. 4-2. 業務システムの構築ならケースバイケース
  5. 5. まとめ:コスト・ニーズのバランスを見ながらWebシステムを検討しよう
    1. 5-1. システム開発会社を探している方へ

Webシステムとは

代表的なWebシステムの例 ・SaaS型業務システム
・マッチングサイト・ポータルサイトなど
・ECサイト(BtoC・BtoB)
・インターネットバンキング
・SNS

Webシステムとは、ブラウザの使えるクライアント端末をインターネット経由でサーバに接続し、サービス・機能を利用する形態のシステムのこと。

具体的には、SaaS型業務システムや、マッチングサイトなどのWebサービスがWebシステムに該当します。システム幹事などのビジネスマッチングサイト、GmailやGoogleドキュメントやスプレッドシートなどをイメージするとわかりやすいでしょう。

クライアントサーバシステムとは

クライアントサーバシステム

クライアントサーバシステムとは、専用アプリのインストールされたクライアント端末をネットワーク経由でサーバに接続し、サービス・機能を利用する形態のシステムのこと。

生産・在庫・入出庫などの基幹システム、ERP(企業資産計画、統合基幹システムと呼ばれる場合も)など、企業内や関連会社間の利用に限定した業務システムを構築する際に、クライアントサーバシステムが採用されます。

Webシステムとクライアントサーバシステムの共通点・相違点

Webシステムもクライアントサーバシステムも、データを一元管理するサーバに、複数のクライアントがネットワーク経由で接続するという基本構造は同じ。その意味では、Webシステムもクライアントサーバシステムのひとつだといえます。

ただし、クライアントにWebブラウザを活用するWebシステムと、クライアントに専用アプリケーションが必要なクライアントサーバシステムでは、データ処理の方法、接続するネットワークが異なるという違いがあります。

Webシステムがデータ処理・管理をサーバが行う「集中管理型」であるのに対し、クライアントサーバシステムはクライアントマシンもデータ処理の一部を担う「分散処理型」が基本。

インターネットへの接続が前提のWebシステムに対し、クライアントサーバシステムでは社内LANを含むプライベートネットワークで接続される違いもあります。インターネット網を使う場合でも専用線・VPNなどが利用されるケースがほとんどです。

 

Webシステム

クライアントサーバシステム

クライアント

Webブラウザ

専用アプリケーション

データ処理・管理

サーバの集中管理

データ処理の一部をクライアントが

担う分散処理

ネットワーク

インターネット

社内LAN・VPN・専用線などの

プライベートネットワーク

※Webシステムの仕組みについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:Webシステムの基礎知識を解説!具体例・特徴・おすすめの開発会社も紹介!

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Webシステムのメリット

Webシステムのメリット

システム構造という点では、Webシステムもクライアントサーバシステムも同じだといえますが、アプリ・ネットワーク・データ処理の違いによって、それぞれには相反するともいえるメリット・デメリットが存在します。

まずは、クライアントサーバシステムと比較した場合、Webシステムには上記の5つのメリットがあります。

クライアント端末を選ばない

Webシステムは、Webブラウザが使えてインターネットに接続できるなら、どのようなクライアント端末であっても利用可能。Mac / Windows PCはもちろん、iPhone / iPadなどのiOS端末からAndroid端末まで、端末を選ばず利用できる大きなメリットが得られます。

一方、専用アプリが必要なクライアントサーバシステムの場合、OSごとにアプリを新規開発する必要があります。したがって開発コストを節約するためクライアントはWindows PCのみにするなど、最初から利用端末を限定してしまうケースも少なくありません。

いつでもどこでも利用できる

iOS / Android端末などのモバイルデバイスが使えるWebシステムは、インターネットに接続できる環境さえあれば、いつでもどこでも利用可能なメリットが。移動中の隙間時間を使ってWebサービスを利用する、Web勤怠管理システムにアクセスして外出先からタイムカードを切るなどの使い方が可能です。

一方、プライベートネットワークで接続するクライアントサーバシステムでは、サービス・機能を利用できる環境が限定されてしまいがち。テレワーク推進に向けて環境整備する企業も少なくありませんが、VPN経由での接続(リモートでもプライベートネットワークへ接続できる仕組み)が必要など、気軽に利用するというわけにはいかないのが現状です。

開発コストを抑えやすい

Webシステムには、クライアントサーバシステムと比較して開発コストを抑えやすいというメリットがあります。これは、Webシステムがブラウザをクライアントアプリとして活用するため、専用アプリを新規開発する必要がないからです。

WebシステムでもブラウザにUI(ユーザーインターフェース)を提供するフロントエンド開発は必要ですが、HTML / CSS / JavaScriptを活用した低コストかつ汎用性の高い開発が可能。OSごとにアプリを新規開発する必要のあるクライアントサーバシステムでは、対応する端末を増やせば、それだけ開発コストがかさんでしまいます。

運用・メンテナンス・アップデートが容易

データ処理をサーバで集中管理するWebシステムは、クライアントサーバシステムと比較して運用・メンテナンス・アップデートが容易だというメリットもあります。ユーザーが目にするフロントエンド側を含め、システムの運用・メンテナンス・アップデートをサーバのみに集中して行えばいいからです。

一方のクライアントサーバシステムでは、システム運用・保守にクライアントアプリも含めなければなりません。つまり、アプリを更新した場合は、すべての端末で更新作業を行わなければならず、利用端末数が増えれば増えるほど、その作業には膨大な手間とコストがかかります。Webシステムなら開発コストだけでなく、運用コストの削減効果も得られるでしょう。

利用範囲を広げやすい

アプリのインストールが不要で、URLをブラウザで指定するだけで利用できるWebシステムは、その手軽さから利用範囲を広げやすいというメリットがあります。これは利用者の獲得が成長に結びつくWebサービスに最適な特徴です。

社内向けのWebシステムでも、本社で試験的に導入し、様子を見ながら支社に利用を拡大していくといったことも容易に行えます。

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Webシステムのデメリット

クライアントサーバシステムを比較した、Webシステムのメリット・デメリット

メリット

デメリット

・クライアント端末を選ばない

・いつでもどこでも利用できる

・開発コストを抑えやすい

・運用・メンテナンス・アップデートが容易

・利用範囲を広げやすい

・Webブラウザの機能制限を受けやすい

・システムのレスポンスが遅い

・セキュリティを確保しにくい

それでは逆に、クライアントサーバシステムと比較した場合、Webシステムにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?以下3つについて解説していきます。

・Webブラウザの機能制限を受けやすい
・システムのレスポンスが遅い
・セキュリティを確保しにくい

Webブラウザの機能制限を受けやすい

クライアント用に専用アプリを開発するクライアントサーバシステムは、理論上、どのようなアプリも開発可能ですが、Webブラウザを活用するWebシステムではそうはいきません。ブラウザの持っている機能に制約を受けるからです。例えば、ショートカットやタブの使い方などをはじめ、機能制限が生じやすいデメリットがあります。

これはWebブラウザが「Webページの閲覧に特化」した、ある意味特殊なアプリケーションだから。時代とともにWebブラウザも進化を遂げてはいますが、自由度という点では専用アプリにおよばないことも事実です。

システムのレスポンスが遅い

Webシステムにおけるクライアント(Webブラウザ)は、サーバからのレスポンスの表示のみを行い、データ処理を行いません。そのため、アプリがデータ処理の一部を担うクライアントサーバシステムにくらべ、処理速度が遅いというデメリットがあります。サーバの処理待ちというタイムラグや、ネットワーク環境によってもレスポンスが遅くなる傾向にあります。

逆にいうと、クライアントサーバシステムには、高速かつ安定したデータ処理が可能というメリットがあります。

セキュリティを確保しにくい

公開されているインターネットを利用するWebシステムでは、外部からのサイバー攻撃リスクをゼロにすることが困難というデメリットが。Web3層構造の採用を含めた対策方法はあるものの、サイバー攻撃の手口が年々巧妙化する傾向にある現代では、絶対的なセキュリティの確保は難しいといわざるを得ません。

※Web3層構造について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:Webシステムの仕組みをわかりやすく解説!大規模Webシステムで採用されるWeb3層構造とは?

一方、プライベートネットワークを利用するクライアントサーバシステムの場合、外部からの通信を遮断することでセキュリティの確保が可能。利用者や端末を限定するなど、管理を徹底することによって内部からの情報漏えいを防ぐことも期待できるでしょう。

ここまでで、いったんメリット・デメリットを表にまとめます。

クライアントサーバシステムを比較した、Webシステムのメリット・デメリット

メリット

デメリット

・クライアント端末を選ばない

・いつでもどこでも利用できる

・開発コストを抑えやすい

・運用・メンテナンス・アップデートが容易

・利用範囲を広げやすい

・Webブラウザの機能制限を受けやすい

・システムのレスポンスが遅い

・セキュリティを確保しにくい

サイバー攻撃の手口やリスクについて詳しく知りたい方は以下の記事も参照ください。
関連記事:サイバー攻撃とは?攻撃者の目的・近年の動向・攻撃の種類・手口・対策を解説!

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どんなケースでWebシステムを選ぶべきか

ここまでで、Webシステムとクライアントサーバシステムの共通点・相違点を踏まえ、それぞれで相反するメリット・デメリットを解説してきました。それでは、Webシステムはどのようなシステム開発に採用するとメリットを最大化できるのか?以下からは、ヒントとなるポイントを紹介していきます。

Webサービスの提供ならWebシステム

インターネット経由でサービスを提供するWebサービスを立ち上げるのであれば、選択肢はWebシステムしかないでしょう。Webシステムでは、ユーザーがいつでもどこでもアクセスできる利便性、Webブラウザのみでサービスを利用できる手軽さがなによりも重視されるからです。

ただし、利便性・手軽さを追求するあまり、セキュリティが疎かになってはいけません。個人情報の流出などのトラブルが起これば、サービスの存続自体が危うくなってしまいます。外部からの異常通信に対応するファイアウォール、IPS、WAFなどの設置を含め、最大限のセキュリティ対策を施しておく必要があります。

※Webシステムのセキュリティについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事Webシステムのセキュリティを確保するには?サイバー攻撃のリスクや対策を解説!

業務システムの構築ならケースバイケース

業務システムの構築を検討している企業・店舗であれば、Webシステム、クライアントサーバシステムのどちらが最適なのかはケースバイケースだといえます。
具体的には、オンデマンド性なのか?セキュリティ・レスポンスなのか?システムに求める方向性によって、最適なシステムは変わります。

オンデマンド性を求めるならWebシステム

システムをいつでもどこでも利用できること(オンデマンド性)を求めるのであれば、Webシステムが最適です。

たとえば、勤怠管理をWebシステムで構築すれば、外出先で退勤を記録してそのまま直帰といったことが可能。Web経由で使える営業支援システムやグループウェアを構築すれば、外回りの移動中に営業進捗を記録するなどが可能です。

セキュリティ・レスポンスを求めるならクライアントサーバシステム

なによりもセキュリティ・レスポンスを重視したクリティカルなシステムを構築するのであれば、クライアントサーバシステムが最適です。

基幹システム・ERPなどにクライアントサーバシステムが活用されるのは、外部への情報流出を絶対に防がなければならないから。
近年では、AWSなどのパブリッククラウドを利用したクライアントサーバシステムも増えていますが、クライアントとの接続にはVPNを活用するケースがほとんどです。

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まとめ:コスト・ニーズのバランスを見ながらWebシステムを検討しよう

本記事では、クライアントサーバシステムと比較しながら、Webシステムの特徴やメリット・デメリットを解説してきました。要点を整理しておきましょう。

クライアントサーバシステムと比較したWebシステムのメリットは以下の通り。
・クライアント端末を選ばない
・いつでもどこでも利用できるオンデマンド性
・開発コストを抑えやすい
・運用・メンテナンス・アップデートが容易
・利用範囲を広げやすい

一方、デメリットとして挙げられるポイントは以下の通り。
・Webブラウザの機能制限を受けやすい
・システムのレスポンスが遅い
・セキュリティを確保しにくい

Webシステムを選ぶかどうかのポイントは以下の通りです。
・Webサービスの提供ならWebシステム
・業務システムなら、オンデマンド性とセキュリティ・レスポンスの重要度に応じて


システム開発の主流となったWebシステムではありますが、クライアントサーバシステムと相反するメリット・デメリットがあり、開発するシステムによっては最適とはいえない場合もあります。
両者の特徴・メリット・デメリットを把握し、コストとニーズのバランスを見ながらシステム開発を検討していくことが重要です。

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Q. Webシステムを開発するメリットは?

Webシステムを開発するのメリットとして「クライアント端末を選ばない」「いつでもどこでも利用できる」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

Q. Webシステム開発の注意点(デメリット)は?

Webシステム開発のデメリットは「Webブラウザの機能制限を受けやすい」「システムのレスポンスが遅い」などです。具体的な対策や知っておくべき注意点については、記事をご参照ください。