システム開発会社はどう選定する?依頼準備から発注先決定までの流れ

システム開発を外注したいが「システム開発会社の選定方法がわからない」とお悩みではありませんか?

本記事では、システム開発会社を選定するまでの流れを解説します。システム開発会社選びを失敗しないために行うべきことや、意識すべきポイントがわかりますのでぜひご覧ください。

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目次
  1. 1. 【全体像】システム開発会社を選定するまでの流れ
    1. 1-1. (1)依頼の準備をする
    2. 1-2. (2)システム開発会社を探す
    3. 1-3. (3)RFP(提案依頼書)を出して提案を受ける
    4. 1-4. (4)依頼する会社を決定する
    5. 1-5. (5)契約を締結する
  2. 2. 依頼準備の流れ
    1. 2-1. 目的を明確にする
    2. 2-2. 予算を決めておく
    3. 2-3. 納期を設定しておく
  3. 3. システム開発会社の探し方
    1. 3-1. 検索エンジンから探す
    2. 3-2. SNSの情報から探す
    3. 3-3. 一括見積もりサイトを利用する
    4. 3-4. 【参考】実績や得意分野を確認しておく
  4. 4. RFP実施の流れ
    1. 4-1. 課題や目的を整理する
    2. 4-2. RFPを作成する
  5. 5. システム開発会社選定の流れ
    1. 5-1. 作業範囲を確認する
    2. 5-2. 工数を確認する
    3. 5-3. 見積もり金額を確認する
  6. 6. 契約締結の流れ
    1. 6-1. 契約書の内容を確認する
  7. 7. 【まとめ】システム開発会社を選定するまでの流れを紹介しました

【全体像】システム開発会社を選定するまでの流れ

【全体像】システム開発会社を選定するまでの流れ

まずは依頼準備から、発注先を決定し契約を締結するまでの流れを解説します。本項で全体像を掴んでから、各フェーズのポイントを確認していきましょう。

(1)依頼の準備をする

システム開発を選ぶ際には、開発の目的や予算、納期を事前に決めておく必要があります。要件が曖昧なままでは開発会社も見積もりを組みにくいため、適切な見積もりや提案を受けづらくなってしまうからです。本記事で紹介する「依頼準備の流れ」を参考にして、あらかじめ自社の要件を明確にしておきましょう。

(2)システム開発会社を探す

依頼の準備が整ったら、開発会社を探します。開発会社を見つける主な方法は、以下の通り。

  • 検索エンジンから探す
  • SNSの情報から探す
  • 一括見積もりサイトを利用する

それぞれの詳細は「システム開発会社の探し方」で解説します。開発会社選びでは、いきなり1社に絞るのではなく、相見積もりを行って比較検討するのが一般的。まずは3〜4社ほど候補となる会社を選びましょう。

(3)RFP(提案依頼書)を出して提案を受ける

自社に合いそうな会社を見つけたら、RFP(提案依頼書)を出して、開発会社から提案を受けます。RFPとは、見積もりや提案をしてもらうために発注者が受注者に提出する文書のこと。システム開発の目的や自社が求める要件などをRFPで示すことで、以下のようなメリットがあります。

  • 要件や要望を伝えることで認識のズレが少なくなる
  • 良い提案を受けやすくなる
  • 見積もり内容の比較検討がしやすくなる
  • 見積もり金額が適正金額になりやすい

自社に適した開発会社を選ぶためにも、大切な工程です。RFPを作成する方法は「RFP実施の流れ」で詳しく解説します。

(4)依頼する会社を決定する

開発会社からの見積もりが集まったら、提案内容をもとに依頼する会社を決定します。同じ内容のRFPを出しても、会社によって見積もり金額や提案内容に違いが生じるため、見極めが必要です。具体的には、以下のようなポイントを確認するといいでしょう。

  • 作業範囲
  • 工数
  • 見積もり金額

会社の選び方の詳細は「システム開発会社選定の流れ」で解説します。

(5)契約を締結する

依頼する会社を決定したら、契約を締結します。契約書は開発会社が用意するのが一般的です。契約においては、契約書の内容をしっかりと確認することがトラブル防止につながります。

実際に、GVA TECH株式会社が行った「中小・ベンチャー企業の契約トラブル実態調査」では、約4割がシステム開発時にトラブルを経験していると回答がありました。また、3人に1人が契約内容を理解しておらず、契約内容の十分な確認がされていないことがトラブルにつながっているという見解を示しています。

契約書については「契約締結の流れ」で解説しますので、参考にしてください。

依頼準備の流れ

依頼準備の流れ

開発会社を選ぶ前に決めておきたいことに「開発の目的」「予算」「納期」の3つがあります。依頼準備は適切な見積もりや提案を受けるためにも大切な工程ですので、詳しく確認しておきましょう。

目的を明確にする

まずはシステム開発の目的を明確にしましょう。目的をはっきりさせておくことで、システムに必要な機能や規模などを明確にできます。目的とは、たとえば以下のような内容です。

  • 顧客情報を一元化してデータを有効活用したい
  • 従業員の勤怠管理の工数を削減したい

できるだけ具体的な目的を定めることで、開発会社が必要な機能や仕様を決めやすくなります。適切な提案を受けるためにも、まずは目的を明確化しておきましょう。

予算を決めておく

予算を定めておくことで、予算が必要以上に膨れすぎることを防げます。開発会社は基本的に予算をもとに見積書を提示するためです。以下のように具体的な金額を定めておくことで、予算内で最大限の提案を受けられる可能性が高まります。

  • 30〜50万円
  • 100万円以内

費用の相場は、システムの規模や種類などによっても異なります。参考情報として種類ごとの費用相場を記載しておきますので、予算を組む際の参考にしてください。

システムの種類

費用相場

基幹システム

販売管理

10万円~500万円以上

生産管理

人事管理

財務会計

業務支援システム

マーケティングオートメーション

5万円~400万円以上

営業支援

顧客管理

セキュリティ管理

Webシステム

ECサイト

50万円〜500万円以上

マッチングシステム

予約システム

システム開発の費用相場については、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:損しない!システム開発の費用・料金相場と安く抑えるコツ【2024年最新版】

納期を設定しておく

納期に関しても、具体的に設定しておくことが大切です。納期が曖昧だと、余裕を持ったスケジュールになり、必要な時期に納品が間に合わないかもしれません。

  • 202X年XX月XX日までに販売管理システムを納品してほしい
  • 202X年XX月中にECサイトを開設したい

上記のように「何が、いつまでに必要か」を具体的に提示するといいでしょう。逆に「できるだけ早めに」といった曖昧な設定は避けましょう。

システム開発会社の探し方

システム開発会社の探し方

開発会社の探し方を3つ紹介します。相性の良い外注先を見つけるために、参考にしてください。

検索エンジンから探す

検索エンジンから探す

GoogleやYahoo!などの検索エンジンからも開発会社を探すことができます。以下のようなキーワードで検索するといいでしょう。

  • システム開発会社 おすすめ
  • システム開発会社 おすすめ 地域名(例:東京)
  • システム開発会社 おすすめ 業界(例:製造業)
  • システム開発会社 おすすめ 種類(例:予約システム)
  • システム開発会社 おすすめ 言語(例:Java)

検索キーワードによって、自由に条件を絞って探せるのが検索エンジンのいいところ。ただし、選定に時間がかかる点と、検索結果に出てきた開発会社を見極めるのが難しいところが難点です。

SNSの情報から探す

SNSの情報から探す

XやInstagram、YouTubeなどのSNSでシステム開発を行っている企業や個人事業主を探すのも1つの手です。以下のようなキーワードで調べると、企業や個人のアカウントを見つけられます。

  • システム開発会社
  • システムエンジニア

プロフィールに実績を記載していたり、ポートフォリオや実績ページへのリンクを貼っている場合があるので、参考にしましょう。SNSでの検索によって、検索エンジンでは見つけられない企業や個人が見つかる可能性があります。一方で、検索エンジンと同様に、選定に時間がかかり、見極めが難しいという点がデメリットでしょう。

一括見積もりサイトを利用する

一括見積もりサイトを利用する

画像引用元:システム幹事

当サイト「システム幹事」のような一括見積もりサイトの利用もおすすめです。検索エンジンやSNSで探す場合に懸念となる「探すのに時間がかかる」「見極めが難しい」といった悩みを解決してくれるのが、一括見積もりサイトの大きなメリットです。

自社の目的や予算にあった会社を厳選して紹介してもらうことができます。また、相談料や会社紹介料などは無料のため、気軽に利用できます。

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【参考】実績や得意分野を確認しておく

開発会社を探す際に悩むのが「どのような開発会社を選ぶべきなのか」です。公式サイトを見ても、どこに注目して確認すればいいのかと悩む方も多いはず。公式サイトを見る場合は、以下のポイントを見るといいでしょう。

  • 開発したいシステムに近い実績はあるか
  • 開発会社の得意分野と一致しているか
  • 開発会社の業績の安定性は大丈夫か

また、問い合わせをして見積もりをもらうタイミングでは、以下も確認しましょう。

  • 担当者(プロジェクトマネージャーなど)との相性は良いか
  • 納品後のゴールも見てくれるか
  • 見積り金額の安さだけで選ばない
  • 相見積もりは3〜4社ほどが理想

開発会社選びのポイントは以下でも解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

初めて見積依頼をする前にご覧ください! 開発会社の選び方、依頼前に必要な準備などをわかりますくまとめました。
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関連記事:システム開発会社の選び方7ポイント|依頼の準備と注意点も解説【2024年最新版】

RFP実施の流れ

RFP実施の流れ

見積もりを依頼する際には、RFPを作成しておくことで良い提案を受けられる可能性が高まります。RFP作成までの流れやポイントを確認しておきましょう。

課題や目的を整理する

RFPを作り始める前に、まずは課題や目的を整理しましょう。課題や目的を明確にしないまま作成に入ってしまうと、都度考えたり書き直したりする手間が発生し、効率が悪くなりがちです。

  • 課題:従業員の増加に伴い、タイムカードでは勤怠管理が難しくなってきた
  • 目的:勤怠状況をシステム上で記録して管理できるようにする

上記のように、課題や目的を明確にすることで、システムに必要な機能や仕様などが見えてきます

RFPを作成する

RFPの作成では、以下の項目をドキュメントに記載していきます。

記載項目

具体例

システム概要

  • ・システム開発の背景
  • ・導入の目的
  • ・解決したい課題
  • ・得たい効果
  • ・現行のシステムとの関連
  • ・会社・組織の概要
  • ・新システムの利用者
  • ・システム開発の予算

提案依頼事項

  • ・システムの構成、性能、品質、運用条件
  • ・納期スケジュール
  • ・納品条件
  • ・定例条件
  • ・開発体制
  • ・プロジェクト管理方法
  • ・開発言語
  • ・開発手法
  • ・現行システムからの移行方法
  • ・費用見積もり

提案手続き

  • ・提案依頼書に対する窓口
  • ・提供資料
  • ・選定方法

開発の条件

  • ・開発期間
  • ・作業場所
  • ・開発に使うコンピュータ機器
  • ・資料

契約事項

  • ・支払い条件
  • ・保証年数
  • ・機密事項
  • ・著作権

上記項目の詳しい内容は以下の記事で解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事:RFPとは?要件定義書やRFIとの違い・書く内容・作り方解説サンプル付【2024年最新版】

注意点は、開発会社に伝わるような具体的な記載や表現を心がけること。良い提案を得るためには、質の高いRFPを準備する必要があります。5W1Hによる記載や、情報の粒度を細かくすることを意識しましょう。

システム開発会社選定の流れ

システム開発会社選定の流れ

開発会社からの見積もりが集まったら、提案内容をもとにいよいよ依頼する会社を決定します。複数の会社から外注先を選ぶ際に見ておくべきポイントを確認しておきましょう。

作業範囲を確認する

まずはどの作業を依頼できるかを確認しましょう。開発会社によって、依頼できる作業範囲は異なります。作業範囲によって見積もり金額に違いが出るため、見積もりの妥当性を判断するためにも確認しておくべきでしょう。また、運用・保守が作業範囲に入っていない場合は、自社で行うのか、MSPという運用・保守の専門事業者に依頼するのかも検討しなくてはなりません。

なお、システム開発の工程一覧は以下の通り。

  • 要件定義
  • 基本設計(外部設計)
  • 詳細設計(内部設計)
  • 単体テスト
  • 結合テスト
  • 総合テスト
  • 受け入れテスト
  • 運用・保守

上記のうち「基本設計から運用・保守まで」「要件定義から受け入れテストまで」など、どこからどこまでが作業範囲となっているか確認しておきましょう。

工数を確認する

続いて、見積もりに含まれている工数(特定の作業を行うのに必要な人数と時間)も把握しておきましょう。作業ごとの工数を確認することで、無駄な作業や機能が入っていないかどうかをチェックできます。

具体的には、あくまでイメージですが以下のような形で見積もりがあがってきます。

内容

数量

単位

要件定義

1.5

人月

基本設計

1.0

人月

詳細設計

1.2

人月

システム開発の工数は「人月」や「人日」といった単位で記載されます。ピンとこない方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:システム開発の「工数」とは?期間の目安や見積もる方法も解説【2024年最新版】

見積もり金額を確認する

見積もり金額も開発会社を選定する際の1つの参考材料となります。見積もり金額が予算内かどうか、予算から外れている場合は必要以上に機能が詰め込まれていないか、逆に必要な機能が削られていないかなどを確認しましょう。

ただし、注意が必要なのは「見積もり金額の安さだけで選ばない」ということ。安いに越したことはないと考えがちですが、相場より極端に金額が低い会社の場合、システムの目的を達成できない内容になっているケースが多くあります。安さだけに注目すると、開発会社選びの失敗につながる可能性があるため気をつけましょう。

ここまで読んで、見積もりの見方をさらに詳しく確認したいと思った方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:システム開発見積もりの内訳は?サンプル例も紹介【2024年最新版】

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契約締結の流れ

依頼する会社を決めたら、契約締結へと移ります。トラブル防止のためにも、契約内容をしっかりと確認しておきましょう。

契約書の内容を確認する

契約の際に大切なことは「契約書の中身を確認し、必要な場合は修正を依頼すること」です。特に経験が浅い会社では開発会社から提出された契約書を確認せずに進めてしまいがちですが、内容を理解せずに契約を交わすと思わぬトラブルにつながる場合があります。

契約書が提示されたら、以下のポイントを確認しましょう。

  • 多段階契約か?一括契約か?
  • 責任の所在は明確か?
  • なにをもって成果物が納品とするか?
  • 委託費用や支払い方法は明確か?
  • 所有権・知的財産権は書かれているか?
  • 再委託の可否は書かれているか?
  • 契約不適合責任の範囲・期間は明確か?
  • 損害賠償の制限・範囲は明確か?

上記を確認し、自社に不利な内容になっていないか見極めましょう。互いに納得のいく内容で契約を進められることが理想です。システム開発の契約について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事:システム開発の契約とは?契約形態・契約書の注意点を解説【2024年最新版】

【まとめ】システム開発会社を選定するまでの流れを紹介しました

システム開発会社を選定するまでの流れを解説しました。全体の流れを復習すると、以下の通りです。

  1. 依頼の準備をする
  2. システム開発会社を探す
  3. RFP(提案依頼書)を出して提案を受ける
  4. 依頼する会社を決定する
  5. 契約を締結する

流れを把握しておくことで、失敗を減らしてスムーズな会社選定を行うことにつながります。本記事の内容を参考に、開発会社選びを失敗しないために行うべきことや、意識すべきポイントを理解しておきましょう。

なお、システム開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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