- 更新日 2024.10.18
- カテゴリー システム開発
システム開発における発注側のリスクは?リスクの種類や要因、対策を解説【2024年最新版】
システム開発にはさまざまなリスクが潜んでおり、発注する側はリスク管理が大切ですが、どう対応すれば良いかわからず悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。以下のような悩みを抱えている方もいることでしょう。
- システム開発における発注側のリスクとは?
- リスクが発生してしまう要因とは?
- リスク管理のために発注側ができることはある?
- リスク管理表の作り方が知りたい!
リスクをゼロにすることはできませんが、リスク予防とリスクが起きたときの被害を減らすことは可能です。そのためにもリスクについて知り、リスク管理と対策をしましょう。
本記事ではシステム開発を発注する側の視点で、開発会社との間に生じるリスクとリスク管理、対策方法についてご紹介。リスク管理表の作成方法やリスクヘッジのためのチェックリストも大公開しますので、ぜひ参考にしてください。
※システム開発の流れや進め方をおさらいしたい方は、こちらもあわせてご活用ください。
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システム開発におけるリスクとは
システム開発においても、以下のようなリスクがあります。
- 金銭的リスク
- 技術的リスク
- 認識リスク
- 品質リスク
- 納期遅延リスク
- 組織的リスク
- 法的リスク
工数や要件が複雑なシステム開発では上記のようなリスクが潜んでおり、最悪の場合はプロジェクトが失敗する可能性もあります。
とはいえ、事前に対策をとることでリスクを抑えられますので、後ほど紹介する対策方法を参考にして実践してみてください。
リスクが現実化するとどうなる?
リスクを放置してしまうと、以下のようなトラブルが現実化する恐れがあります。
- 発注側が希望するシステムが完成しない
- プロジェクトが中断する
- 受発注間の関係がこじれる
- 訴訟問題に発展する
多額の費用を必要とするシステム開発では、開発費の支払いを巡って訴訟問題に発展するケースもあります。リスクを放置せずに事前に対応をして、トラブルの発生を抑えたり、被害を抑える工夫をしたりすることが大切です。
関連記事:システム開発訴訟の事例と原因!発注側ができる対策方法は?
システム開発における7つのリスクと原因
リスクの種類 |
原因 |
金銭的リスク |
|
技術的リスク (動作の不具合) |
|
認識リスク (機能が不十分) |
|
品質リスク (性能が不十分) |
・要件が正しく伝わっていない |
納期遅延リスク (リリースできない) |
・開発チームに欠員が出た ・事業計画の修正が必要になった |
組織的リスク (開発が迷走する) |
|
法的リスク (損害賠償問題になる) |
|
システム開発においてトラブルになりやすいのは上記の7つです。最低限、7つのリスクが起きないように注意しましょう。
開発費が見積もりを大幅に超える「金銭的リスク」
見積もりよりも費用がかかり、当初の予算を大幅にオーバーしてしまう「金銭的リスク」。
単価×工数で費用が計算されるシステム開発では、修正などを考慮して費用を見積もらなければなりません。見積もりが甘かったり、プロジェクトの修正や変更により想定以上に工数が増えたりすることで、金銭的リスクが生じる恐れがあります。
システムが正しく動作しない「技術的リスク」
システムが正しく動作しないのが「技術的リスク」。
開発可能と判断されていたのに途中で技術的に開発困難に陥るケースや、いざ稼働してみたら正常に動作しないケースです。
発注側の希望を盛り込みすぎたことによる、要件の複雑さやプログラミングの構成の複雑化が主な原因です。
希望と違うシステムが完成する「認識リスク」
希望していた機能や性能が備わっていないシステムが完成してしまうのが「認識リスク」。
開発の目的となるシステム像や備えたい機能の優先順位が受発注間で共有できていないと品質リスクが高まります。受注側がていねいにヒアリングをしない、発注側が希望を伝える努力を怠るなど、受発注間のコミュニケーション不足が原因です。
希望した通りの要件を満たさない「品質リスク」
システムに希望した通りの機能がなかったり、要件を満たしていなかったりするシステムが完成してしまうのが「品質リスク」。
開発会社に要件が正しく伝わっていなかったり、開発会社の工程管理が不十分だったりした場合に発生します。開発の途中に報告書やプロトタイプを確認して、問題なくシステム開発が進んでいるか管理せず丸投げしているとリスクが高まるので注意しましょう。
システムの納品が遅れる「納期遅延リスク」
希望する納期までにシステムが完成しないのが「納期遅延リスク」。
原因になるのは、不慮の病気や事故などによる開発側に欠員が出た場合。
他にも発注側の予算削減や仕様変更の希望により開発が予定通りに進まず、事業計画の修正が必要になる場合などがあります。
組織内の連携不足による「組織的リスク」
組織内のトラブルで開発内容が急に変更になったり、止まってしまったりするのが「組織的リスク」。
原因になるのは、組織内でコミュニケーションがうまく行かずに意見が分かれたり、方針を大幅に修正することになったりした場合。
極端な例では、新しいシステムを導入することに反対をしている派閥が開発を遅延させることもあり得ます。その場合、仮にシステムが完成したとしても現場で活用されないおそれがあります。
損害賠償に発展することもある「法的リスク」
開発したシステムに不備がある場合や、完成していない状態で納品した際に発生するのが「法的リスク」。外注した場合は、基本的にシステム開発会社が負います。
システム開発は請負契約をしていることが多いため、契約した通りに開発されていないシステムが納品された場合などで損害賠償請求に発展することがあります。また、納品の大幅な遅延などでも損害賠償責任が発生するケースがあるでしょう。
システム開発でリスクが発生する要因
システム開発でリスクが発生する要因は、大きく分けると以下の3つに分類できます。
人的要因
人的要因は、開発に関わる人間によって発生するリスク要因です。例えば、コミュニケーションの不足や管理力、技術力の不足などが挙げられます。
技術力が不足していればスケジュール通りに進みませんし、コミュニケーション力が不足していれば開発が正しく行われません。また、開発に関わるメンバー同士の人間関係の悪化も開発プロジェクトの成功を妨げる要因になり得ます。
技術的要因
技術的要因は、システム開発に採用した技術に問題がある場合に発生するリスク要因です。例えば、採用した新技術に問題があったり、古すぎる技術のサポートが終了していたりすると発生します。
新しい技術を採用する場合は、その技術を使うことに問題はないかを調べましょう。また、古い技術を採用する場合は、サポートが切れていないかや今後切れるおそれはないかを可能な範囲で調べることが大切です。
組織的要因
組織的要因(管理的要因)は、システム開発プロジェクトを実行する組織に問題がある場合に発生するリスク要因です。
例えば、責任の所在が不明瞭だったり、人材やリソースが不足していたり、組織内で意思が統一されていなかったりすると発生します。組織内でコミュニケーションを綿密に取って認識のズレを無くし、メンバー同士で共通の認識を持った上でプロジェクトを進めることが大切です。
システム開発におけるリスクの対策のポイント
システム開発におけるリスクの対策のポイントは、主に以下の5つです。
- 金銭的リスク・納期遅延リスクには見積もり時に綿密な計画を作成する
- 技術的リスクには開発会社と協力してシステムを検証する
- 品質・認識リスクには受発注間で認識のすり合わせをする
- 情報を可視化して共有する
- 開発会社の選定も重要なポイント
リスクコントロールには事前に対策できることと、トラブルが発生した事後に対策することがあります。システム開発におけるリスクを減らすために、事前にできる対策方法を紹介します。
金銭的リスク・納期遅延リスクには見積もり時に綿密な計画を作成する
金銭的リスク・納期遅延リスクを回避するためには、見積もりの段階から受発注間で綿密に打ちあわせをすることが重要です。見積書には必要な工数、エンジニアの人数、開発期間、開発工程などの項目が明確に記載され金額が算出されているか確認しましょう。
システム開発ではさまざまな項目費用から見積もりを算出します。プロジェクトや開発会社により変わりますが、一般的な見積もり項目は以下の通りです。
要件定義費用 |
開発するシステムの仕様の調整・方針を具体的に決定する際にかかる費用 |
設計費用 |
基本設計・詳細設計・プログラミング設計などにかかる費用 |
デザイン費用 |
UI※などデザインをカスタマイズする際にかかる費用 |
開発費用 |
プログラミングにかかる人件費・技術費 |
進行管理費用 |
作業スケジュールの管理や調整のための費用 |
テスト費用 |
開発システムがエラーや不具合なく稼働するかテストする際にかかる費用 |
導入費用 |
システムを導入するときの初期設定に必要な費用 |
受入支援費用 |
既存システムのデータを新システムに移行する作業にかかる費用 |
導入支援費用 |
新システム導入のためのマニュアル作成、操作を説明するための説明会や研修にかかる費用 |
購入費用 |
システム開発に必要なサーバーやソフトウェアなどを購入するための費用 |
交通費用 |
打ちあわせで発生する費用。交通費や宿泊費など |
保守費用 |
システム導入後に起きた不具合の修正や機能の改善にかかる費用、 システムの操作がわからなかったときの問い合わせサービス費用 |
※UI(User Interface/ユーザーインタフェース):ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み。表示されるデザイン、フォントなど、製品であれば製品そのものや外観など、ユーザーの視覚に触れる全ての情報。
「トラブル時の責任の所在があやふや」「見積もり金額の算出根拠が不明確」など、見積もりがあいまいな場合は金銭的リスクが高まります。金銭的リスクを回避するためにも、見積もり時は以下のポイントを必ず確認しましょう。
開発期間が妥当か
見積もりで設けられた各フェーズ「要件定義、設計、開発、テスト、導入」の期間が妥当であるか確認しましょう。設定されたスケジュールで実現可能か、遅延が発生した場合にも備えているか確認します。
関連記事:システム開発のテスト工程を徹底解説!システムテストと受け入れテストの違いは?
開発範囲が明確になっているか
見積もり時に開発範囲を明確にしておくことは非常に重要です。開発範囲が明確でなければ正確な工数を算出することはできません。また、開発会社がどこからどこまでの範囲の開発をするのか、請け負う範囲を明確にし、責任の所在をはっきりさせることで未然にトラブルを回避できます。
やることを決めると同時にやらないことも決めておきましょう。データ移行や問い合わせ対応、導入後の操作説明など、開発会社が請け負う業務範囲を詳細まですりあわせることが大切です。
トラブル発生時を想定しているか
システム開発では仕様変更やシステムの不具合により、見積もりの段階では想定できなかったトラブルが発生する可能性があります。見積もりの段階からトラブルを想定して余裕ある予算・納期の計画を立てることが大切です。またスケジュールや見積額にゆとりがあることで、進捗に遅れが出た場合も開発側に人員を増やすなどの対応をしてもらえる可能性があります。
関連記事:システム開発で炎上しないために発注者が注意すべきポイント
技術的リスクには開発会社と協力してシステムを検証する
システム開発の工程は「要件定義、基本設計、詳細設計、開発・実装、テスト・レビュー、リリース」に分かれています。開発側の技術的リスク対策になりますが、要件定義の前にそれぞれの要件について実現可能かシステム検証を行うことが大切です。早い段階で開発の実現性・不実現性を確認することで、開発が進んでから実現困難な状態に陥るのを防ぎます。つまり無駄に工数、コストを費やしてしまうリスクを回避できるのです。
発注側も技術的リスクに備えて気をつけなければなりません。発注側が希望を盛り込みすぎると要件やプログラミングの構成が複雑になってしまい、技術的リスクにつながります。
例えば旧システムから新システムへ移行する場合に、発注側のシステムを使う現場から反発が起きることがあります。新システムにも旧システムと同じような操作性を求めたり、「現状と異なる業務は行いたくない」と現場が現行業務をかたくなに変えたがらなかったりする場合です。
また、何でもシステムに任せようとした場合、例外処理が多い場合も技術的リスクを招く恐れがあります。現場の声に振り回されて要件がどんどん膨らんだ結果、スケジュールの遅延を招く恐れがあります。
発注側がデータを整理してからシステムに渡す、新システムの操作に発注側も対応する努力をする、不要な機能を搭載しないなど、発注側の協力も必要です。
関連記事:システム開発の要件定義とは?受託開発における重要性や進め方を解説!
品質・認識リスクには受発注間で認識のすり合わせを
希望と違うシステムが完成する「品質リスク」を抑えるためには、開発会社任せにしてはいけません。受発注間でコミュニケーションを密に取り、認識をすり合わせることが大切です。
開発会社が発注側の要望や質問をていねいにヒアリングすることはもちろん、発注側も希望を伝える努力をしましょう。特に開発の主軸となる「作りたいシステム像」を受発注間で統一することが重要です。
備えたい機能とその優先順位も伝えます。備えたい機能から優先的に開発することで、大幅な修正を防ぐためです。発注側も開発の流れや方法を把握し、不明な点はその都度質問しましょう。
品質管理はいうまでもなく開発側が行うべきですが、リスク回避のために発注側も関わることができます。下の図はシステム開発の工程を図にしたものです。
図だけを見ると少し複雑ですが主に、「要件定義」「基本設計」「受け入れテスト」といった「上流工程」と呼ばれる3つで、発注側は品質管理に関わります。各工程でどんな点に注意すべきかは、システム開発の品質管理を説明した記事で詳しく紹介しています。
関連記事:システム開発における品質管理とは?プロジェクトの成否を左右する重要性を解説!
情報を可視化して共有する
開発に必要な情報をあらかじめ可視化して共有できる状態にすることもリスクを抑えるためのポイントです。
情報の共有が不十分だと、認識のズレが起きたまま開発を進めてしまうことになってしまうおそれがあります。開発が進んでから修正することになると納期が伸びたり、高額な追加料金が発生したりするおそれがあるので注意が必要です。
情報を可視化して共有し、不自然なところがあればすぐに質問をして、納得できる回答を得てから次の工程に進むと良いでしょう。
開発会社の選定も重要なポイント
リスクを軽減するには、開発会社選びも非常に重要なポイントです。以下のポイントを参考に、信頼できる優良な業者を探しましょう。
- 経験・実績が豊富か
- 担当者の対応がていねいでスピーディーか
- 得意分野は何か、専門知識があるか
- 要望や質問を正確に理解し、的確に回答してくれるか
- 相見積もりを取る
関連記事:システム開発の費用・相場を解説!料金を抑えるコツも紹介!
システム開発をどこへ依頼すればいいのかお困りの方もいるでしょう。会社選びに不安がある場合は、プロに依頼するのもおすすめです。
システム開発会社選びにお悩みの方は、システム幹事へどうぞお気軽にお問い合わせください。
システム開発のリスク管理表・チェックリスト
リスクを回避するためにはきちんと管理表を作るべきです。リスク管理表によりリスク全体を客観的に把握でき、リスク対策ができます。
リスクマネジメントの主な流れは以下の通りです。多くのトラブルが同時に発生すると、すべてのリスク対応が困難になることも。重要度や優先度を設定することで、どのリスクから回避すればいいのか判断できます。
- リスクの洗い出し:想定できるリスクを書き出して、共有する
- リスク分析:リスクの重要度や優先度を数値化して評価する
- リスク対応:リスクの対応方法を挙げる
- リスクコントロール:対応策を実行する、事前対策と事後対策がある
リスクマネジメントのために、プロジェクトの開始前にリスク管理表を作成しましょう。「リスクの洗い出し」「リスク分析」「リスク対応」を整理できます。いざトラブルが発生しそうなときや発生時に、管理表を活用しながら適切に対処できます。
リスク管理表に記載する項目
リスク状況 |
どのようなリスクが発生しそうか プロジェクトに与える影響(遅延日数や金額変更など) |
リスク発見日 |
リスクを発見した日 |
リスク対応担当者 |
リスクに対処する担当者名 |
リスク重要度 |
リスクの重要度を「高」「中」「低」などで記述 |
リスク対応優先度 |
リスクトリガー(リスクが発生間近であることを示す状況)または リスクが発生したときに回避する優先度 「A,B,C」などで順番付けする |
リスク対応策 |
リスクやリスクトリガーが起きたときの対応方法を記述 【主なリスクの対応方法】
(代替案、スペックのグレードアップなど)
(開発側がIT保険に加入しているか確認する、 下請けがある場合は責任の所在を明確にするなど)
(予備費の確保、予防策など)
|
対応期日 |
課題解決しないとプロジェクトに影響が出る期日 |
ステータス |
未着手/対応中/保留/完了など、状況を記載 |
リスク管理表はエクセルやGoogleスプレッドシートなどで作成できます。システム開発プロジェクトのメンバーや社内で情報共有し、常に最新の情報に更新することを心掛けましょう。
上記以外にも、プロジェクトの内容や状況に応じて追加した方が良い項目がある場合もあります。プロジェクトの関係者で話しあいながらリスクを書き出し、リスクの認識と対応方法を共有しましょう。
またせっかくリスク管理表を作成しても活用しなければ意味がありません。リスクが発生しそうな場合や発生した場合に活用し、最新の情報に更新・共有することが大切です。
Excelで作成したリスク管理表の例を紹介するので、参考にしてください。
リスクヘッジのためのチェックリスト
リスクマネジメントに有効なリスク管理表ですが、リスクの洗い出しは簡単な作業ではありません。そこで下記にリスクヘッジ(事前に想定される危険を回避するための予防策)のためのチェックリストを公開します。参考にしながら、自社のリスク管理表を作成しましょう。
スケジュール |
☑開発稼働日が開発会社の都合で変更にならないか
|
コスト・費用 |
|
体制・人員 |
|
環境 |
|
品質 |
|
システム開発のリスクマネジメントの手順
先ほど紹介したシステム開発のリスク管理表・チェックリストを噛み砕いて、具体的なリスクマネジメントの手順を解説します。
- 手順1:リスクの洗い出し
- 手順2:リスク分析
- 手順3:リスク対応
- 手順4:リスクコントロール
上記の流れで順番に解説します。
手順1:リスクの洗い出し
チェックリストを使ってリスクを洗い出します。
事前に想定できるケースをリスト化しておくことで、漏れなくリスクを洗い出せます。
チェックリストがない場合は先ほど紹介した自社の管理表【リスクヘッジのためのチェックリスト】を参考に作成してみてください。
手順2:リスク分析
洗い出したリスクにランクを付けます。
リスクに対して重要度・優先度を設定することで、対処する順番が明確になります。
具体例をあげると以下のようなイメージです。
No | リスク | 重要度 | 優先度 |
1 |
認識のズレがあった | 高 | A |
2 |
開発担当者の離職 | 中 | A |
この場合は重要度・優先度が高いリスク1から対処します。
プロジェクトに影響がでないように重要度の高いリスクから対応していきましょう。
手順3:リスク対応
どのようにリスクに対応するか決めます。
以下のように事前に対応方法を用意しておくことで、スムーズに対処できます。
No | リスク | 対応方法 |
1 |
認識のズレがあった |
・議事録作成 ・Q&A管理 ・書類に承認印 |
2 |
開発担当者の離職 |
新旧担当者で ・打ち合わせ ・引き継ぎ ・進捗管理 |
上記のように事前に洗い出したリスクに対して具体的な対応方法を用意しておくことで、冷静に対処できます。
手順4:リスクコントロール
最後はリスクを回避するためのリスクコントロールです。
先ほどまでの「リストの洗い出し」「リスク分析」「リスク対応」で作成したリスク管理表をもとに事前に想定したリスクを回避しつつ、発生したリスクに対処していきましょう。
【まとめ】システム開発のリスクについて紹介しました
システム開発にはさまざまなリスクが潜んでいます。開発会社任せにせず、発注側もリスク管理をすることが重要です。今回紹介したリスク管理方法を参考に、リスク予防とリスクの被害を抑えるためのリスクマネジメントを行いましょう。
開発会社選びも重要なポイントです。信頼できる業者と契約することは、リスクの軽減につながります。受発注間でスムーズにやり取りができる、希望するシステムを作成できる開発会社を探しましょう。
システム幹事では専任のコンサルタントがあなたのご要望をヒアリングし、ご予算にあった最適な会社をご紹介します。相談料などは一切かかりません。システム開発会社選びにお悩みの方は、システム幹事へどうぞお気軽にお問い合わせください。
Q. システム開発のリスク項目は?
システム開発のリスク項目として「金銭的リスク」「技術的リスク」「品質リスク」「納期遅延リスク」の4つが挙げられます。それぞれの詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
川口リカ
専門分野: Webライティング
30代で教育業界(専門は数学・情報)からWebライターへ転職。得意の説明能力を活かした、読みやすく分かりやすい文章が強みです。好奇心旺盛な性格で情報収集好き。趣味はランニングと釣りです。