おすすめの音声合成ソフト13選|無料と有料を比較【2024年最新版】

音声合成ソフトは、AIの導入により、表現できる幅が広がったため、ビジネスシーンでも導入されはじめています。しかし、音声合成ソフトの導入について、以下のような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

  • 音声合成ソフトビジネスシーンのどんな活用できるかわからず導入するべきか判断できない
  • ビジネスシーンでどのような音声合成ソフトを導入するべきか判断できない
  • 音声合成ソフトを導入してビジネス上どのようなメリットがあるかわからず導入に踏み切れない

本記事では、音声合成ソフトとはどのようなもので、何ができるか、無料と有料のおすすめソフトや利用時のポイントまで解説します。

音声合成ソフトを導入すべきか判断できない方はシステム幹事にご相談ください。貴社の導入目的に合わせ、導入するべきかどうかからご相談いただけます。「音声合成ソフトの導入を検討している」という方はぜひ参考にしてください。

【無料】音声合成ソフトを導入するべきかどうか相談する

目次
  1. 1. 無料で利用できる音声合成ソフト3選
    1. 1-1. VOICEVOX
    2. 1-2. テキストーク
    3. 1-3. SofTalk
  2. 2. 有料で利用できる音声合成ソフト8選
    1. 2-1. 音読さん
    2. 2-2. AITal
    3. 2-3. VOICEPEAK
    4. 2-4. A.I.VOICE
    5. 2-5. CoeFont STUDIO
    6. 2-6. コエステーション(法人向け)
    7. 2-7. AITalk® 声の職人®
    8. 2-8. VOICEROID+
  3. 3. 特化型の音声合成ソフト
    1. 3-1. ReadSpeaker【ナレーション作成】
    2. 3-2. Synthesizer V AI【歌声作成】
  4. 4. 音声合成ソフトの活用事例
    1. 4-1. 女性芸人の声を合成音声化
    2. 4-2. 将棋の棋譜読み上げ
    3. 4-3. カスタマーセンターにおける音声作成
  5. 5. 音声合成ソフトの基礎知識
    1. 5-1. 音声合成ソフトが注目されている背景
    2. 5-2. 音声合成ソフトが利用できる場面
  6. 6. 音声合成ソフトでできること
    1. 6-1. テキストの読み上げ
    2. 6-2. 人の音声データを合成音声に変換
    3. 6-3. 音声の種類の選択
    4. 6-4. 感情表現
  7. 7. 音声合成ソフト導入のメリット
    1. 7-1. コストパフォーマンスが高い
    2. 7-2. 変更・修正対応が柔軟にできる
    3. 7-3. 自動応答音声の品質を均一化できる
    4. 7-4. Webサイトやサービスの利便性を高められる
    5. 7-5. 既存マニュアルなどテキスト素材を音声~動画に拡張できる
    6. 7-6. 多言語対応ができる
  8. 8. 音声合成ソフト利用時に確認したいポイント
    1. 8-1. 音声に違和感がないか
    2. 8-2. 商用利用できるか
    3. 8-3. 利用できる環境かどうか
    4. 8-4. 保存ファイル形式
    5. 8-5. 保存データ容量
    6. 8-6. 対応言語
  9. 9. おすすめの音声合成ソフト比較まとめ

無料で利用できる音声合成ソフト3選

  音声の種類 多言語対応 商標利用
VOICEVOX 11種類 なし
テキストーク 6種類 英語(女性のみ)
SofTalk 3種類 なし ボイスによる

音声合成ソフトの中には、無料で利用できるものもあり、無料でありながらも様々な音声表現が可能です。

ここでは、無料で利用できる中でも、おすすめのソフトを3つ紹介します。

VOICEVOX

VOICEVOX

画像引用:VOICEVOX

VOICEVOXは、無料で利用できる中でも、ボイスの種類が多く、状況に合わせた合成音声を無料で利用したい場合におすすめの音声合成ソフトです。

商用や非商用利用が可能で、ダウンロードするだけで簡単に利用できます。バリエーションも豊富で、男性、女性合わせて11種類のボイスが選択可能です。(2022年9月時点)

イントネーションの調整もでき、感情表現にも対応しています。

音声の種類

11種類(男性・女性)

多言語対応

なし

音質調整

イントネーションの調整

感情表現

保存ファイル形式

WAV

商標利用

可(ただし、キャラクターごとに利用規約有り)

動作環境

Windows / Mac / Linux

テキストーク

テキストーク

画像引用:テキストーク

テキストークは、無料で使いやすいソフトを探している人におすすめの音声合成ソフトです。

日本語文書を音声読み上げでき、今どこを読み上げているかがわかりやすい、読み上げ箇所強調表示機能など、ユーザーインターフェースがわかりやすいため、音声合成ソフトやパソコンの知識がそれほどない方でも、簡単に操作できます。

読み飛ばし辞書機能で、カスタマイズでき、オリジナルの言葉を登録すること、記号や特殊文字を飛ばすことも可能です。

音声の種類

男性・女性(6種類)

多言語対応

日本語・英語(女性のみ)

音質調整

音量・速度調整

保存ファイル形式

WAV/MP3

商標利用

動作環境

Windows

SofTalk

SofTalk

画像引用:SofTalk

SofTalkはシンプルながら、簡単に利用できる無料のソフトです。いわゆる「ゆっくりボイス」を作成する際に利用されていたソフトでしたが、2022年7月23日に​​音声合成ライブラリ「AquesTalk」への対応を終了したことで、現在は「ゆっくりボイス」の音声は利用できなくなりました。

声の種類は少ないものの、シンプルな操作で使いやすい点が特徴です。

音声の種類

男性・女性・ロボット(3種類)

多言語対応

日本語

音質調整

声色、読み上げ速度、音量、音程調整

保存ファイル形式

WAV

商標利用

ボイスごとに異なる

動作環境

Windows

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

有料で利用できる音声合成ソフト8選

  音声の種類 多言語対応

料金

音読さん 11種類 20言語以上 980円〜/月〜
AITal 100種類以上 40言語以上 ソフトによる
VOICEPEAK 7種類 なし 29,800円(税込)
A.I.VOICE
10種類以上 なし ソフトによる
CoeFont

5,000種類以上

英語・中国語

3,000円〜/月〜
コエステーション

60以上

英語、スペイン語、フランス語

ドイツ語、中国語

55,000円/月〜

AITalk® 声の職人®

男女16種類

日本語

単月プラン:月額50,000円
年間契約プラン:年額600,000円

VOICEROID+

男女8種類

キャラクターによって異なる

キャラクターによって異なる

使い勝手のよさ、音声の自然さや、感情表現によりこだわりがみられるのが、有料の音声合成ソフトの特徴です。ここでは、有料で利用できるおすすめの音声合成ソフトを8つ紹介します。

音読さん

音読さん

画像引用:音読さん

音読さんは無料で利用できる音声合成ソフト。有料プランを利用することで、より便利に利用できます。

無料プランでは、月5000文字まで無料で利用できますが、有料プランにすることで、月 200,000文字以上まで利用でき、音声の保存機能や、クレジット表記不要で利用できるようになります。また、GoogleChromeの拡張機能を導入すれば、Web上のテキストデータを簡単に音声化可能です。

言語や音質、読み上げの調整ができ、スマホやパソコンからでも簡単に利用できます。価格を抑えつつ、本格的な合成音声ソフトを利用したい場合におすすめです。

利用料金

一部有料(月額980円〜)

音声の種類

11種類(男性・女性)

多言語対応

20言語以上に対応

音質調整

イントネーションの調整

感情表現

保存ファイル形式

WAV/MP3

商標利用

可(無料プランの場合は要クレジット表記)

動作環境

GoogleChrome

AITal

AITal

画像引用:AITalk

AITalk「コーパスベース音声合成方式」と、深層学習技術を利用した「DNN音声合成方式」により、より人間らしい表現が可能な音声合成ソフトです。

大量の音声録音データとそのテキストをデータベース化した「音声コーパス」と、言語データを効率的に学習できる、脳の神経回路を模したニューラルネットワークを利用し、多層構造化DNN(ディープニューラルネットワーク)により、音質を高めています。

独自に研究し、開発する日本語の解析技術搭載により、多くの文章を自然な日本語で読み上げできることが特徴です。400種類以上の作成実績があり、芸能人や声優や自身の声でも短かい時間の収録で音声合成用データに変換できます。

利用料金

ソフトによって異なる

音声の種類

男女(総勢100名以上)

多言語対応

40言語以上に対応

音質調整

AI学習による高音質の合成音声

合成音声化

保存ファイル形式

WAV

商標利用

ソフトによって異なる

動作環境

ソフトによって異なる

VOICEPEAK

VOICEPEAK

画像引用:VOICEPEAK

VOICEPEAKは株式会社AHSによる音声合成ソフトです。AIによる自然な読み上げができ、感情表現にも対応しています。

「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」は6人のナレーターの音声が利用でき、商用利用も幅広く対応しているため、使い勝手がいい音声合成ソフトです。

「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」以外にも、音声の種類が非常に多くあり、多数のラインナップから目的に合った音声を選択できます。声質にこだわりたい場合におすすめです。

利用料金

29,800円(税込)

※「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」の場合

音声の種類

7種類(男女ナレーター6人+女の子1人)

多言語対応

日本語

音質調整

イントネーションの調整

音質の各種調整

感情表現

保存ファイル形式

WAV/FLAC

商標利用

動作環境

Windows/macOS/Linux

A.I.VOICE

A.I.VOICE

画像引用:A.I.VOICE

A.I.VOICEは簡単な操作で、人間らしい自然な音声が作成できる音声合成ソフトです。あるボイスに別のボイスを当てるボイスフュージョン機能により、別の人の「声真似」をしているかのような表現ができます。ボイスフュージョンを活用することで、同じ声質でも、別の話者、既存の話者の表現の一つとして利用可能です。

話速、声の高さ、抑揚といった音声効果の調整範囲が従来製品以上に広くなっており、豊富な感情表現ができる点が特徴です。

利用料金

ボイスにより異なる

音声の種類

男女10種類以上

多言語対応

日本語

音質調整

ボイスフュージョン

発話スタイル調整

各種音声効果調整

など

保存ファイル形式

WAVE/MP3/WMA

商標利用

可(別途法人ライセンス購入が必要)

動作環境

Windows

CoeFont STUDIO

CoeFont STUDIO

画像引用:CoeFont STUDIO

CoeFont STUDIOは、読み上げて欲しい文章を入力するだけでAIが読み上げる音声合成ソフトです。声優、ナレーター、著名人や男性、女性、子どもなど5,000種類以上の声に合成でき、英語、中国語に対応しています。無料の数種類の声、商業利用なしであれば無料でも利用できます

中京テレビや成田祐輔オーディオブックなどに採用されている事例があります。

利用料金

3,000円〜(無料プランあり)

音声の種類

5,000種類以上

多言語対応

英語・中国語

音質調整

登録した声を再現

様々な感情に調整

保存ファイル形式

.wav

商標利用

動作環境

mac, Windows問わず

コエステーション(法人向け)

コエステーション

画像引用:コエステーション(法人向け)

コエステーションはテキストを入力することで合成音声を生成できるサービスです。誰かの声に似せるデジタルボイス「コエ」の機能があり、外国語の対応も豊富です。

喜び、怒り、悲しみ、高さ、話速、抑揚など細かい調整ができ、JCOM株式会社、JAL、大阪ガス、朝日新聞、シャープ、東芝など有名企業が導入しています。

利用料金

55,000円/月〜

音声の種類

60以上

多言語対応

英語、スペイン語、フランス語

ドイツ語、北京語、広東語、韓国語

音質調整

誰かの声に似せるデジタルボイス「コエ」

保存ファイル形式

WAV、MP3、μ-law形式

商標利用

動作環境

[Windows] Chrome
[MacOS] Chrome、Safari

AITalk® 声の職人®

AITalk® 声の職人®

画像引用:AITalk® 声の職人®

AITalk® 声の職人®は、株式会社エーアイが提供している有料の音声合成ソフトです。人間の肉声に近い音声で読み上げできて、多数の話者ラインナップを利用できるのが特徴です。大人だけでなく子供の声の話者も用意されています。操作方法も簡単で、慣れるまで時間はかかりません。直感的に操作できます。

また、ブラウザ上で利用できるため、ソフトをインストールする必要はありません。アップデートなどの操作も不要で、常に最新の状態で利用できます。

単語登録機能を利用できるため、特殊な読み方をする単語が含まれている文章でも問題ありません。専門用語や固有名詞などがあるときに便利です。イントネーションや抑揚なども好きなように調整できます。

利用料金

単月プラン:月額50,000円

年間契約プラン:年額600,000円

音声の種類

男女16種類

多言語対応

日本語

音質調整

イントネーション調整

話速(スピード)調整

話高(ピッチ)調整

抑揚調整

保存ファイル形式

WAV、ogg、aac、mp3

商標利用

動作環境

ブラウザ(Chrome、Firefox、Microsoft Edge)

VOICEROID+

VOICEROID+

画像引用:VOICEROID+

VOICEROID+は、株式会社エーアイが開発し、株式会社AHSが提供している有料の音声合成ソフトです。8種類のキャラクターのソフトが用意されており、個別に購入して利用できます。ダウンロード版とパッケージ版の両方が用意されており、どちらかを選択可能です。

イントネーションやピッチの調整など、一通りの調整機能を利用できます。「東北ずん子」や「 琴葉 茜・葵」など、一部のキャラクターに関しては、疑問調読み上げにも対応可能です。フレーズ登録や単語登録などもできるため、専門用語などもより自然な音声で読み上げできます。

また、「東北きりたん」や「民安ともえ」など一部のキャラクターは、購入ページでテキストを入力して簡易的に音声合成が可能です。実際に試してみてから購入を決められます。

利用料金

キャラクターによって異なる

音声の種類

男女8種類

多言語対応

キャラクターによって異なる

音質調整

イントネーション調整

ボリューム全体調整

話速全体調整

ピッチ全体調整

抑揚全体調整(一部キャラクターのみ)

保存ファイル形式

要問い合わせ

商標利用

要問い合わせ

動作環境

Windows10

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

特化型の音声合成ソフト

ReadSpeaker【ナレーション作成】

ReadSpeaker【ナレーション作成】

画像引用:ReadSpeaker

ReadSpeakerはテキストを入力して読み上げるナレーション作成ソフトです。AI音声合成を活用することで喜怒哀楽の感情表現に近づけます。東急電鉄、東海道新幹線の駅構内の放送、株式会社群馬バスの案内放送で使われています。

利用料金

要見積もり

音声の種類

AI音声合成によって変化

多言語対応

44カ国に対応

音質調整

誰かの声に似せるデジタルボイス「コエ」

保存ファイル形式

16bit LPCM
16bit LPCM Wave
8bit A-law PCM※※
8bit A-law PCM Wave※※
8bit μ-law PCM※※
8bit μ-law PCM Wave※※
8bit μ-law PCM SUN AU※※
8bit unsigned LPCM Wave※※
4bit Dialogic ADPCM※※
※※8bit以下のフォーマットは8kHz版のみ対応

商標利用

動作環境

Windows

Synthesizer V AI【歌声作成】

Synthesizer V AI

画像引用:Synthesizer V AI

Synthesizer V AIは、人間のような歌声を合成できる歌声合成ソフトです。気に入った声の歌声をダウンロードする形式とソフトを購入する形式があります。

利用料金

10,780円(ダウンドード版)

14,080円(パッケージ版)

多言語対応

英語、中国語に対応

保存ファイル形式

Windows 11/10 またはそれ以降 (64bit)
Mac OS X: 10.13 またはそれ以降
Ubuntu 20.04 またはそれ以降 (64bit)

商標利用

動作環境

Mac、Windows、Linux

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

音声合成ソフトの活用事例

CoeFont STUDIO

画像引用:CoeFont STUDIO

音声合成ソフトが実際にどのようなケースで使われているか、企業での活用事例を紹介します。

女性芸人の声を合成音声化

女性芸人の声を合成音声化

画像引用:ReadSpeaker

吉本興業ホールディングス株式会社では、ReadSpeakerを導入し、お笑いタレントのゆりやんレトリィバァさんの音声を合成音声化しました。ReadSpeakerはDNN(AIを使った学習方式)を用いた音声合成ソフトです。DNN合成音声を導入することで、読み上げの表現力が向上しました。

音声合成のための録音は30分ほどで、音声データが制作できたあとは、様々なナレーションやアプリなど様々な場面に合わせ、自由に音声化できます。

参考:ReadSpeaker たった「30分」で『ゆりやん』が喋り出す芸人 × 音声合成で【声のビジネス】が変わる!?

将棋の棋譜読み上げ

将棋の棋譜読み上げ

画像引用:AiTalk

「将棋アプリ将皇」というコンピュータ将棋アプリの棋譜読み上げ機能に、AiTalkという音声合成ソフトが使われています。将棋の読み上げは、動かす場所や駒の種類が多く、100種類以上の駒の読み分けがあり、音の大きさやスピードなどの音声調整に課題がありました。

音声合成ソフトを導入することで、多数の組み合わせでも、違和感の少ない再生ができ、細かい調整もしやすいため、音声の質の向上が実現できています。

参考:AiTalk お客様事例 「将棋アプリ将皇」の棋譜読み上げとして

カスタマーセンターにおける音声作成

JCOM株式会社のカスタマーセンターでは自動音声応答システムに音声合成ソフトが利用されています。音声合成ソフト導入前は、プロのアナウンサーから、社内の担当者など多様な声を使用しており、音質や喋る速度に差があり、聞き取りにくいという指摘がしばしばありました。

音声合成の導入によって、音声の種類、音質、速度が統一でき、導入前にみられた、聞き取りにくいという声はなくなったそうです。

参考:AiTalk お客様事例 J:COMカスタマーセンターにおける、IVRの音声作成として

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

音声合成ソフトの基礎知識

CoeFont STUDIO

画像引用:CoeFont STUDIO

音声合成ソフトとは、人間を模した声を人工的につくるソフトです。テキストなどで入力された言語情報を読み上げることで、音声をつくりだします。

身近な例としては、iPhoneの音声ガイドである「Siri」をイメージしていただくと分かりやすいでしょう。YouTubeの動画で使われることもある「ゆっくりボイス」も有名です。

音声合成ソフトが使われはじめた初期の頃は、1文字1文字をそのままつなげただけの表現しかできず、音のつなぎ目やイントネーション、音の強弱など不自然な要素が多々ありました。

しかし、近年ではAI技術の導入により、膨大な音声情報の学習が可能となり、より自然な音声表現が可能となっています。

音声合成ソフトが注目されている背景

音声合成ソフトが注目されるようになったのは、音声の読み上げを低コストかつ効率的に導入できることが大きな要因です。

1950年代終わりのころ、コンピューターによる最初の音声合成ソフトが登場しました。この時代の音声合成ソフトは機械的な音声で違和感が多々あるものでしたが、AIによる学習機能により抑揚やアクセントがつけられ、さらに感情表現も可能になっているため、より人間らしい読み方が可能となりました。

ビジネスシーンでは、音声での読み上げを低コストで利用する手段として注目を集め始めています。商業施設や駅などで、お客さまへアナウンスする手段だけではなく、電話の自動応答としても導入でき、一般企業でも利用しやすくなりました。

音声合成ソフトが利用できる場面

音声合成ソフトは以下に挙げるように、ビジネスシーンの様々な場所で使われはじめています。

  • 動画のナレーション
  • 新聞の読み上げ機能
  • 緊急時のアナウンス
  • 会議での情報共有
  • プレゼンや説明
  • 電話の自動応答

音声合成ソフトはお客様に対するアナウンスや電話の自動応対だけではなく、社内会議での情報共有やプレゼンのナレーションにも利用可能です。音声合成ソフトで共有することで、音量や音質などの質が安定し、聞き取りやすくなります。

そのため、企業の業種や規模を問わず音声合成ソフトが利用できる場面は多く、うまく導入することで、企業のコストダウンや業務効率化が可能です。

【無料】音声合成ソフトを導入するべきかどうか相談する

音声合成ソフトでできること

ビジネス上では、音声合成ソフトは以下の場面で活用できます。

  • テキストの読み上げ
  • 音声データを合成音声に変換
  • 音声の種類の選択
  • 感情表現

それぞれどのようなことができるのか、次で解説します。

テキストの読み上げ

音声合成ソフトはテキストを入力するだけで、入力されたテキストを音声データとして読み上げてくれます。声優やナレーターの確保や録音準備は必要ありません。

人の音声データを合成音声に変換

音声合成ソフトの中には、声優や芸能人、プロのナレーターなど、個人の音声データを合成音声に変換できるものもあります。合成音声で事前に利用できる声質ではなく、特定の声質を利用したい場合に効果的です。

合成音声に変換する際には、ナレーターや声優を選定後、ベースデータとなる収録作業を行い、音声データを元に合成音声データを作成します。1回の収録が完了すれば、テキストベースの原稿データを読み込むだけで、すぐに音声データの作成が可能です。合成音声ソフトを使わない場合と比較すると、短時間の収録時間で済み、コストをかけずに自社独自の音声をつくることも可能です。

音声合成ソフトを使わない場合、台本となる原稿を読み上げることになりますが、原稿が長くなるほど収録時間も長くなり、時間もコストもかかります。

音声の種類の選択

音声合成ソフトは音声の種類が様々であり、以下のように状況に応じた音声を選択可能です。

  • 男性
  • 女性
  • 機械音声

音声合成ソフトの中には、性別の要素だけでなく、柔らかめの声、ハキハキした声など、声質のバリエーションが豊富なものもあります。

感情表現

音声合成ソフトの中には、抑揚の調整に加え、喜怒哀楽のような感情表現ができるものもあります。

こちらの動画を見ても、声の大きさや抑揚、読み上げのスピードなどから、より人間らしい表現になっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

【無料】音声合成ソフトを導入するべきかどうか相談する

音声合成ソフト導入のメリット

音声合成ソフトは、様々な事業や業務の効率化に役立ちます

  • コストパフォーマンスが高い
  • 変更・修正対応が柔軟にできる
  • Webサイトやサービスの利便性を高められる
  • 既存マニュアルなどテキスト素材を音声~動画に拡張できる
  • 多言語対応ができる

音声合成ソフトの導入により、どのようなメリットがあるのか、次で解説します。

コストパフォーマンスが高い

音声合成ソフトはテキストデータを音声化できるため、録音のコストが抑えられます
音声合成ソフトを使わない場合、音声録音用のスタジオの使用料や声優・ナレーターを確保する費用がかかります。どのような声優・ナレーターに依頼するかによりますが、1回の録音でクラウドソーシングサイトでも、2,000円からの費用がかかり、クオリティこだわる場合には、より費用が高額になるでしょう。

音声合成ソフトを使用した際には、ソフト導入にかかる費用以外は、ほぼかかりません。

従来の方法では、費用対効果の観点で導入できないような場面でも、音声合成ソフトであれば、無理なく導入が可能です。

変更・修正対応が柔軟にできる

音声合成ソフトは、従来のスタジオで録音する方法と比べると、テキストを変更するだけで音声の変更ができるため、音声の修正や変更の手間が少なく、細かい調整が容易な点がメリットです。

従来のスタジオで録音する方法の場合、録音内容に変更が起きた場合に、スタジオ再確保や話者のスケジュール調整など、全ての調整がやり直しになるため、手間やコストの観点から、変更は簡単ではありませんでした。

音声合成ソフトであれば、PC上で原稿を修正でき、音声の細かい調整もすぐにできるため、従来の録音方法のような録り直しの手間はかかりません

自動応答音声の品質を均一化できる

音声合成ソフトは、自動応答音声の品質を均一にできることがメリットです。電話の自動応答などで従来の録音方法を採用した場合、声の大きさ、スピード、声質を同じ状態にしなければ、聞きづらさを感じてしまいます。しかし、録音の場合、同じ話者による録音でも、声の大きさやスピードまで一致させることが難しく、声質の均一化は簡単ではありませんでした。

音声合成であれば、声の大きさやスピードを統一できるため、自動応答の音声を安定させることが可能です。

Webサイトやサービスの利便性を高められる

音声合成ソフトを利用することで、Webサイトやサービスの利便性をより高めることが可能です。Webサイトの文字やサービスの概要などをワンクリックで、音声読み上げできることで、視力が低い方などにも利用してもらいやすくなります。

既存マニュアルなどテキスト素材を音声~動画に拡張できる

音声合成ソフトを利用することで、社内テキストやスライドを音声化し、動画化、研修資料や共有用データとして利用しやすい形にできます。テキストデータをコピーして簡単に音声データ化できるため、大量にデータがある場合でも、スムーズに音声化が可能です。

多言語対応ができる

合成音声は日本語だけではなく、複数言語に対応したものも多数あります。

言語に応じた合成音声を簡単に導入でき、たとえば海外からの旅行客向けのインバウンド対策として外国語音声ガイダンスや動画をつくる際にも重宝します。

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

音声合成ソフト利用時に確認したいポイント

音声合成ソフトは様々な機能がありますが、導入前に確認しておくべきこともあります。

  • 音声に違和感がないか
  • 商用利用できるか
  • 利用できる環境かどうか
  • 保存ファイル形式
  • 保存データ容量
  • 対応言語

どのような点に気をつけるべきか、次で解説します。

音声に違和感がないか

イントネーションや喋り方はツールごとに違いがあります。

音声のスピード調整しかできないものから、イントネーションの調整ができるもの、感情表現ができるものなど様々です。音質にこだわる場合には、どこまで音質の調整ができるか、どこまで自然な表現が可能なのか、確認する必要があります。

ソフトによって、声質にも違いがあるため、導入する目的に合った喋り方ができているか、それぞれの音声合成ソフトのサンプルで確認してみましょう。

商用利用できるか

音声合成ソフトの中には商用利用が認められていないものや、利用するためには、ライセンスの購入が必要などの条件がついているものもあります。

商用利用が認められていても、利用できる範囲が限定される場合があるため、利用規約を確認し、問題なく利用できるかどうかチェックしておきましょう。

利用できる環境かどうか

音声合成ソフトは、それぞれのソフトによって利用できる環境に違いがあります。WindowsとMacなど対応できる環境に制限される場合もあるため、自社の作業環境に音声合成ソフトが対応しているかどうか、確認しておきましょう。

保存ファイル形式

音声合成ソフトによってはWAV形式やMP3形式など、保存できるファイル形式に制限があります。WAVは容量が重くなりやすく、MP3であれば、データ量が軽いため、多数のファイルを保存可能です。FLACであれば、ややデータ量があるものの、高音質で利用できます。
しかし、会社の利用目的によっては特定の形式で利用しなければならない場合があるでしょう。そのような場合には、適切なファイル形式での保存が可能かどうか、確認が必要です。

保存データ容量

音声合成ソフト利用時には、

  • 音声合成ソフトそのもののデータ
  • 作成した音声データ

を保存できる容量の確保が必要です。音声合成ソフトの容量はそれぞれ異なりますが、中にはブラウザ利用であり、それほど容量を必要としないものもあります。

音声データの容量は保存形式によって異なります。WAV形式であれば1分あたり約10MB必要ですが、MP3形式であればWAV形式の1/10程度に抑えることが可能です。音声データの量や保存形式に合わせて、必要なおおよそのデータ容量を計算してみるといいでしょう。

対応言語

音声合成ソフトによっては、英語をはじめとした複数言語に対応しているものもあります。
特に外国人向けのガイダンスに音声合成ソフトを利用する場合には、どの言語に対応しているのか確認しておきましょう。

【無料】おすすめの音声合成ソフトを紹介してもらう

おすすめの音声合成ソフト比較まとめ

本記事では、ビジネスで音声合成ソフトを導入するメリットと、おすすめのソフト、利用時の注意点について解説しました。

音声合成ソフトは業界や業種を問わず、様々な場面で利用でき、業務効率の改善やサービスの質向上に役立ちます。ただし、様々な機能があり、音質やできることにも違いがあるため、目的に合わせたソフト導入が大切です。

  音声の種類 多言語対応 商標利用
VOICEVOX 11種類 なし
テキストーク 6種類 英語(女性のみ)
SofTalk 3種類 なし ボイスによる
  音声の種類 多言語対応

料金

音読さん 11種類 20言語以上 980円〜/月〜
AITal 100種類以上 40言語以上 ソフトによる
VOICEPEAK 7種類 なし 29,800円(税込)
A.I.VOICE
10種類以上 なし ソフトによる
CoeFont

5,000種類以上

英語・中国語

3,000円〜/月〜
コエステーション

60以上

6ヶ国語

55,000円/月〜

AITalk® 声の職人®

男女16種類

日本語

単月プラン:月額50,000円
年間契約プラン:年額600,000円

VOICEROID+

男女8種類

キャラクターによって異なる

キャラクターによって異なる

今回紹介した内容をもとに、ぜひ最適な音声合成ソフトを見つけてみてください。本記事が音声合成ソフト選びに、ひいてはあなたのビジネス成長のお役に立てれば幸いです。

コンサルタントのご紹介 システム幹事 コンサルタント 岩田真 岩田 専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。

音声合成ソフトを導入すべきか判断できない方はシステム幹事にご相談ください。貴社の導入目的に合わせ、導入するべきかどうかからご相談いただけます。「音声合成ソフトの導入を検討している」という方はぜひ参考にしてください。

【無料】音声合成ソフトを導入するべきかどうか相談する

Q. 音声合成ソフトとは何ですか?

音声合成ソフトとは、人間を模した声を人工的につくるソフトのことです。AI技術の導入により、膨大な音声情報の学習が可能となり、より自然な音声表現が可能の特徴があります。

Q. 音声合成ソフトのメリットは?

音声合成ソフトのメリットは「音声の読み上げを低コストかつ効率的に導入できる」「抑揚の調整に加え、喜怒哀楽のような感情表現ができる」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。