- 更新日 2023.11.10
- カテゴリー ECサイト開発
Shopifyのアプリ開発入門開発に必要な手順・開発環境・言語も解説【2024年最新版】
「標準機能だけでは不十分なので機能を追加したいが最適なアプリがない」
「追加したいアプリが日本語対応をしていないので使いにくい」
「アプリを自社で開発できるのか知りたい」
自社ECにShopifyを利用していて、その運用を任されている責任者の方であれば、このようなお悩みがあるのではないでしょうか。
Shopifyは、自社のブランド力を向上しつつ、顧客情報も獲得でき、直接的に顧客との関係性も築けるということで、Shopifyを導入する企業も増えています。一方で、機能を良くしようとアプリを探しても、良いアプリが見つからない、日本語対応のアプリがないこともあります。そのような場合には、自社用でアプリを開発することも一つの手法です。
そこで本記事では、以下についてお伝えします。
- Shopifyアプリとは?
- Shopifyアプリ開発の流れ
- Shopifyアプリ開発の注意点
自作ができない場合には外注もできるため、外注についてもお伝えします。Shopifyのアプリ開発についてお考えの人は、ぜひ参考にしてみてください。
※Shopifyのアプリ開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。貴社の予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を紹介します。相談料・紹介料ともに完全無料です。相場の情報を知りたいなどの軽い相談だけでも大丈夫です。
Shopifyアプリとは?
画像引用:Shopify
Shopifyアプリとは、Shopifyの標準機能にはない機能を追加するためのプラグインです。たとえば、梱包や配送業務を自動化できる「OPENLOGI」や、注文完了画面のカスタマイズを可能にする「ReConvert Upsell&Cross Sell」などがあります。自社ECサイトの運営に必要な機能が、標準機能でカバーされていなければ、後からアプリを追加することで実装可能です。
Shopifyアプリは5,000種類を超えており、無料・有料のどちらもあります。このアプリは3種類に分類されます。それぞれについて説明しますが、プライベートアプリは2022年1月時点では非推奨となっており、現在は作成できません。
■3種類のアプリの簡易比較表
公開アプリ |
カスタムアプリ |
プライベートアプリ |
|
特徴 |
無料・有料で誰でも 利用できるアプリ |
自社のストア用に 開発されたアプリ |
カスタムアプリを 補完する目的で 開発されることが 多いアプリ |
対象 |
全利用 事業者 |
単一利用 事業者 |
少数の利用 事業者 |
管理者 |
Shopify パートナー |
Shopify パートナー |
利用事業者 |
Shopifyによる 公開前審査 |
必要 |
不要 |
不要 |
認証 |
OAuth2.0 |
OAuth2.0 |
basic HTTP authentication |
インストール 方法 |
利用事業者がアプリストア内の 任意のアプリを選択した後、 OAuth2.0の認証を得ることで 自社Shopifyストアに インストールされる |
Shopifyパートナーが 発行・送信した インストールリンクを 利用事業者が クリックすることで インストールされる |
当初より利用事業者の Shopifyストア 管理画面上で 作成されるので不要 |
ストア画面への 埋め込み |
可 |
可 |
不可 |
・全利用事業者:世界中の事業者すべて
・単一利用事業者:インストール用のリンクを個別に発行された1つの事業者のみ
・少数の利用事業者:アプリ開発者と直接的な信頼関係がある特定の事業者
Shopifyパートナーとは、Shopifyに登録すれば無料でなれるShopifyサイトのデザインや開発等を支援する個人および企業です。アプリを自社開発する場合は、Shopifyパートナーと利用事業者は同一となります。
OAuth2.0とは、あるWebサービスに他の外部サービスを連携させ、アクセス権限を認可する仕組み。basic HTTP authenticationとは、あるWebサービスにユーザーIDとパスワードを送り認証する仕組みを指します。
公開アプリ
Shopifyアプリストア上に公開されており、Shopify利用事業者は誰でも利用可能です。多くのアプリがこの公開アプリであり、無料アプリと有料アプリに分かれています。無料アプリにはレビュー機能を実装できる「Product Reviews」など、有料アプリには会員機能を追加できる「Bold Memberships」などがあります。
アプリの管理者はShopifyパートナーとなっており、公開前にはShopifyの機能やセキュリティ面の審査に合格する必要があります。アクセストークンの発行はOAuth2.0により行われ、アプリストア内にある好みのアプリを利用事業者が選択することでインストール可能。また、ストア画面への埋め込みもできます。
※アクセストークン:ストアオーナーの承認により得られるAPI〈ソフトウェアが外部とやりとりするための窓口〉を利用するためのキー
カスタムアプリ
運用中の機能では不十分で、公開アプリでは機能を補えないShopifyストアの利用事業者に対して、Shopifyパートナーが開発するアプリです。アプリストアに公開されず、Shopifyパートナーのダッシュボード(Shopifyパートナー専用の管理画面)で管理されるアプリです。
カスタムアプリのメリットは、ユーザーにとっては標準機能や公開アプリにはない独自の機能を持たせられる点です。アプリ開発者にとっては、ストアの管理画面等にアクセスする手間が省け、Shopifyの公開前審査を受ける必要がない点などです。
特定のストアのためだけに開発・導入をするケースでおすすめします。Shopifyの審査を通過する必要はありませんが、OAuthの認証が必要です。
カスタムアプリは、Shopifyパートナーが専用に発行・送信したリンクを利用事業者がクリックすることで、インストールできます。公開アプリ同様、ストア画面への埋め込みが可能です。
プライベートアプリ
限定された利用事業者に向けて開発され、アプリストアには公開されないアプリです。カスタムアプリでは機能が不十分という場合に開発されることが多く、管理者は利用事業者となります。Shopifyによる事前審査はなく、公開アプリ・カスタムアプリとは認証方法が異なります。利用事業者のストア管理画面上で作成されますが、ストア画面への埋め込みはできません。
なおプライベートアプリは、2022年1月の時点では非推奨となっており、代わりにカスタムアプリの作成が推奨されています。
ShopifyアプリとAPIの違い
目的の違い
Shopifyアプリは、店舗運営者がShopifyストアの機能を拡張するために使用します。例えば、Shopifyアプリを通じて、在庫管理や顧客対応などの機能を直接ストアに追加できる等、です。
これに対してAPI(Application Programming Interface)は、Shopifyプラットフォームと外部のシステムやアプリケーションが通信するための仕組みです。少し難しい言い方をしましたが、APIを使用して、既存の会社のシステム、例えば、CRM(顧客関係管理)システムやERP(統合企業資源計画)システム等を、Shopifyストアと連携できるということです。目的は、ストアの効率化と自動化を実現することにあります。
まとめると、アプリは単体でも利用することができる点に対し、APIはシステムと連携することで利点を生かすことができるという違いあります。
対象ユーザーの違い
Shopifyアプリは最終的に店舗の経営者やそのスタッフが使用することを意図して作られています。これにより、ユーザーインターフェースが直感的で、特別な技術的知識を必要としません。
一方でAPIは、主に開発者が利用し、Shopifyストアと他のアプリケーション間でのデータ連携や機能実装のために使用されます。例えば開発者はAPIを使用して、特定の商品情報を外部のマーケティングツールに送信できますが、アプリの利用でそのプロセスをユーザー自身で実行できるようになります。
使用例の違い
Shopifyアプリは、一般的に特定の機能やサービスを提供するために使用されます。具体的には、顧客レビューを集めて表示するアプリや、商品の出荷状況を追跡するアプリがあります。
それに対し、APIはよりカスタマイズ性が高い連携を可能にします。例えば、企業が独自の配送システムを持っている場合、ShopifyのAPIを通じて、ストアから直接配送システムに注文データを送信し、処理を自動化することが可能です。APIの使用は技術的な知識を要しますが、その分、企業独自のニーズに合わせた柔軟なソリューションを実現できます。
Shopifyのアプリ開発の流れ
Shopifyアプリ開発の大まかな流れをお伝えします。これらの手順を踏めば、アプリ開発ができるようになるでしょう。以下で、カスタムアプリの開発を例に解説します。ただし貴社のShopifyストア運用に、アプリ開発による機能拡張が必ずしも必要であるとは限りません。Shopifyアプリ開発が必要かどうか、知識豊富な専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。
※Shopifyのアプリ開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。貴社の予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を紹介します。相談料・紹介料ともに完全無料です。相場の情報を知りたいなどの軽い相談だけでも大丈夫です。
パートナーアカウントの登録
まずは、パートナーアカウントが必要となります。まだ作成していない場合は、Shopifyストア登録の際に使用したメールアドレスで作成しましょう。登録後は専用のダッシュボードにアクセスでき、アプリの登録・追加などパートナー向けの機能が利用可能です。「ストア構築」「アプリ開発」「テーマデザイン」「紹介」の中から「アプリ開発」を選択してください。
なお、Shopifyパートナーには利用規約があります。自身のサイトドメインに「Shopify」の文字を使用する、Shopifyに関するキーワードで広告を出稿するなどが禁じられているため、登録前には必ず利用規約を確認してください。
開発ストアの追加
Shopifyパートナーダッシュボード上で、Shopifyでアプリ開発や画面のカスタマイズをするための「開発ストア」を作成します。管理画面左側のメニューにある「ストア管理」を選択し「ストアを追加する」をクリックします。ストアタイプは「開発ストア」をクリックし、「ストア名」「ストアURL」「ログイン」「パスワード」に入力した後「保存」で、開発ストアの作成が可能です。
開発ストアは、カスタムアプリを作成するために使用でき、構築したアプリやテーマのテストも可能です。ただし、アプリのインストールは無料のものとパートナー向けのもののみ可能となります。
カスタムアプリの作成
ダッシュボード画面の「アプリ管理」から「アプリを作成する」をクリックします。次に「カスタムアプリ」を選択してください。開発する「アプリ名」「アプリURL」「リダイレクトURL」を入力した後「アプリを作成する」をクリックすると完了です。
ただし、カスタムアプリは公開できません。作成したアプリを公開したいのであれば「公開アプリ」を選択してください。
APIキーとAPIシークレットキーを取得
アプリが作成されると、このアプリにアクセスするために必要な「APIキー(APIを利用する際にユーザーを認証するための許可証のようなもの)」と「APIシークレットキー(APIキーのパスワードのようなもの)」が表示されます。どちらもこの後の設定で必要になるため、メモ帳などにコピーしておきましょう。また、不正アクセスにつながる危険性があるため、どちらも外部にもれないよう気をつけてください。
開発環境の準備
Shopify APIを用いるには外部のサーバーが必要となります。様々な選択肢がありますが、ここではAWS(Amazon Web Services)を使用します。なお、サーバーの無料試用期間を利用することも可能ですが、その際は残り期間にご注意ください。
AWSコンソールにログインして「API Gateway」を選択
↓
「APIを作成」をクリックし、続いて「REST API」を選ぶ
↓
「API名」「説明」を入力したら「APIの作成」をクリック
↓
引き続きメソッドの追加
↓
「アクション」から「メソッドの作成」でGETメソッドを作成
↓
統合タイプで「Lambda関数」にチェックを入れる
↓
「保存」ボタンを押す
↓
関数に権限を追加するかの確認が表示されるので「OK」をクリック
↓
API GatewayからLambda関数が呼び出されるルートが画面に表示
↓
Lambda関数名をクリックし関数の作成に進む
画面の「関数の作成」を押し、「一から作成」を選択して関数名を入れます。つづくランタイムは「Java8」を指定して、「関数の作成」をクリックします。
つづいて、作成した関数のテストのため「テストイベントの選択」をクリックし、テストイベントの作成をします。「イベント名」には任意の値を入れて「テスト」ボタンをクリックします。「実行結果:成功」と表示されれば完了です。
次に、API Gatewayのデプロイ(使用可能な状態にすること)のため、アクションメニューから「APIのデプロイ」を選択。「デプロイされるステージ」「ステージ名」「ステージの説明」を入力して「デプロイ」をクリックします。デプロイが完了するとAPI呼び出し用のURLが表示されます。
ローカル開発環境
テストのために開発ストアにアプリをインストールするには、アプリURLに外部からアクセスが可能でなければなりません。しかし、ただ外部サーバーを立てただけでは外部からのアクセスは不可能です。そこでngrok(ローカルで開発中のアプリを公開するためのツール)などの外部ツールが必要となります。
ngrokを使用した場合、ランダムな文字列からなるURLが本来のURLの代わりに発行されます。
これは一時的に使用できるだけのものですが、このURLによって外部からのアクセスが可能になります。このようにして、ローカル開発環境でもアプリ開発が可能となるのです。
本番環境
Shopifyアプリをストアへリリースする際には、本番環境で確実に動作するかを確認する必要があります。そのため、開発者は本番環境用のサーバーやインフラを用意しなければなりません。貴社で環境構築をする負担が大きければ、自社開発ではなく外注を検討してみてはいかがでしょうか。
※Shopifyのアプリ開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。貴社の予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を紹介します。相談料・紹介料ともに完全無料です。相場の情報を知りたいなどの軽い相談だけでも大丈夫です。
プログラミング言語
Shopifyアプリを開発する際は、基本的にプログラミング言語に制限はありません。しかし、Shopify APIへのアクセスや処理が適切になされる必要があります。そこで、例となる言語はPHP、Scala、Python、Ruby、JavaScriptなどが挙げられます。
ただし、ShopifyにはRuby用のライブラリが公開されていることから、Rubyを使用すると情報の集めやすさなどの点でアプリ開発を効率的に行えます。また、Shopify公式チュートリアルでは、Node.jsとReact.jsでの開発も紹介されています。
Shopifyアプリ開発ツール
Shopifyでは、いろいろなアプリ開発用のツールが提供されています。開発を効率よく進めるには、これらのツールを利用するとよいでしょう。
Polaris
画像引用:Polaris
利用事業者のShopifyストアの管理画面にアプリのUIを埋め込むためのUIコンポーネントです。Shopifyの標準画面と同じデザインでアプリを作成でき、アプリ実装前にプレビューも可能です。
Webhook
画像引用:Webhook
Shopifyストア上で、何らかのイベントの発生をきっかけとして、別のプログラムを実行させるためのツールです。このツールでAPI Gatewayを呼び出すことで、Lambda上のShopifyアプリを実行させられます。
App Bridge
画像引用:App Bridge
利用事業者向けの機能部品の集まりです。Shopifyも管理画面の機能に使用しているものなので、これを利用するとShopifyの標準機能と同じような動作をアプリにさせることができます。
開発
以上で、Shopifyアプリ開発のベースはできました。あとは、コードを書いてShopifyアプリを開発します。Polarisの他にも、多くのアプリ開発用ツールがあります。効率的に開発を進めるために、適宜目的に応じたツールを利用しましょう。
カスタムアプリを設定する
カスタムアプリ用のAWSの環境準備ができたら、カスタムアプリのURLを正式なURLに変更しましょう。Shopifyパートナーのダッシュボードのメニューにある「アプリ管理」を選択し、「アプリ設定」をクリックします。先ほど使用可能な状態にしたAPIのURLを、「アプリURL」と「リダイレクトURLの許可」に貼り付けて、「Save」で設定を保存します。利用事業者は、ここで指定したURLを利用してアプリにアクセスします。
テストする
「アプリ管理」画面上の「開発ストアでテストします」をクリックします。今回作成した開発ストアを選択し、「インストールする」をクリック。インストールが成功すればすぐにアプリが実行され、実行結果が表示されます。
{"message":"Internal Server Error"} などのエラーが出た場合には、ここまで説明してきた設定などを確認してください。エラー表示がされなければ、動作確認は完了です。
※Shopifyのアプリ開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。貴社の予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を紹介します。相談料・紹介料ともに完全無料です。相場の情報を知りたいなどの軽い相談だけでも大丈夫です。
関連記事:Shopifyアプリ開発の手順とは?ツールや注意点も解説
Shopifyアプリのマーケティング
実は、Shopifyアプリは作って終わりではなく、アプリそのものを販売できます。 この項目では中上級者向けに、Shopifyアプリの販売に役立つマーケティング戦略について解説します。
まだまだ始めたばかりで販売するつもりはなくても、知識として知っておくと、何かのきっかけに新たなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。
マーケティング戦略
Shopifyアプリの販売を成功に導くためには、戦略的なマーケティングが鍵を握ります。まず、アプリが解決する問題を明確にし、それを必要とするターゲット市場を特定しましょう。
例えば、小規模ビジネスが時間を節約できるように、簡単に操作できる会計アプリを開発した場合、その利便性をアピールすることが重要です。また、定期的なプロモーションやアップデートを通じて、ユーザーの関心を持続させることも大切です。
Shopify App Storeの最適化 (ASO)
Shopifyアプリを見つけてもらうために、App Storeの最適化(ASO)が必要です。これは、アプリのタイトル、説明文、そして適切なキーワードの選定によって、検索結果でのランキングを向上させるプロセスです。
例えば、「会計」というキーワードが重要であれば、アプリの説明に「時間を節約する会計アプリ」といったフレーズを盛り込むことが効果的です。ユーザーレビューや評価を積極的に促し、それらが高いほどアプリの信頼性が向上し、ダウンロード数の増加につながります。
教育的コンテンツとリソースの提供
Shopifyアプリの販売では、ユーザーが機能を最大限に活用できるよう、教育的コンテンツとリソースの提供が大切です。
教育的コンテンツの例として「使用ガイド」「チュートリアルビデオ」「ウェビナー」などがあり、これらのツールはアプリの理解に役立ちます。 ちなみに会計アプリの場合、税金計算のステップ・バイ・ステップガイド(段階的な指導書)を提供すれば、複雑な税務プロセスの理解が容易となり、顧客満足度が高まります。
口コミでの新規顧客獲得も期待でき、Shopifyアプリのマーケティングにおいて教育的コンテンツの提供は欠かせません。
Shopifyアプリ開発の注意点
開発したアプリが支障なく使えるようにするには、Shopifyアプリ開発において、いくつか注意したいポイントがあるのでご紹介します。
APIを定期的にアップグレードする
Shopifyは、四半期ごとにAPIをアップデートし、新しいバージョンを出しています。2021年の例では、1月、4月、7月、10月アップグレードがありました。それぞれのバージョンは、1年間サポートされることが公表されています。したがって、最低9か月はアップグレードをさせなくても、問題ないことになります。
しかし、サポート期限直前にアップグレードするつもりだったものを忘れてしまうと、アプリが正常に機能しなくなるかもしれません。そのため、3か月ごとに更新することをおすすめします。
セキュリティ対策としてアクセストークンを頻繁に変更する
アプリ開発時に使用する「APIキー」「APIシークレットキー」などの「サービス利用に必要な認証情報」は頻繁に変更しましょう。変更せずにいると、これらの情報の漏洩が起こることがあり、セキュリティ上の問題につながります。
これら認証情報の新しいものを作成するのも古いものを削除するのも、Shopifyパートナーダッシュボードの「アプリ管理」の画面内で可能です。
コードは上書きされないようにGitで管理する
画像引用:Git
アプリ開発時には、Gitという「分散型バージョン管理システム」を利用してコード編集を行うようにしてください。これは、編集履歴が管理できるので、複数の環境で編集をした場合に、片方のコードが上書きされて消えてしまうことを防げます。また、古いバージョンに戻すことも可能です。コード編集時の後戻りできないトラブルを回避するためにも、Gitで管理することをおすすめします。
Shopifyアプリ開発者には、プログラムコードやデザインデータの保存・公開が可能な「ソースコード管理サービス」のGitHubが最適です。
APIの呼び出しにはプラン毎に回数・時間制限がある
ShopifyにAPIを連携させる場合、プランに応じたレート制限が設けられています。レート制限とは、一定時間内に実行可能な呼び出し数のことです。短時間に大量のデータ処理を行う場合、制限対象となるので注意してください。
API名 |
標準の制限 |
ShopifyPlusでの制限 |
Shopify Admin API(GraphQL) |
50ポイント/秒 |
100ポイント/秒 |
Shopify Admin API(REST) |
2リクエスト/秒 |
4リクエスト/秒 |
Shopify Storefront API |
リクエスト毎に最低0.5秒 ユーザーIP毎に60秒 |
リクエスト毎に最低0.5秒 ユーザーIP毎に120秒 |
Storefront APIにはアクセスの仕方などに利用条件がある
Storefront APIは、エンドユーザーがオンラインショップにアクセスする際にShopifyストアからの商品情報入手や発注が可能。Storefront APIを利用してスマホなどのアプリを開発すると、Shopify以外のWebサイトやビデオゲームなどいろいろな経路で商品販売ができるようになります。
ただし、いくつか利用条件があるので注意が必要です。例えば、Shopifyに用意されているAPIのうち、「REST API」は利用できず「GraphQL」のみ利用可能です。また、利用規約によってShopifyがすでに提供している機能を、Storefront APIを使用しコピーすることも制限されています。
アクセストークン作成時は各モードの適性に合わせる
APIのアクセストークンを作成する際は、オンラインアクセスとオフラインアクセスの2つのモードから選択可能です。どちらが適切かはアプリの活用事例によります。オンラインアクセスモードでは、アクセストークンとユーザーのWebセッション、2つの有効期間は一致します。このモードの目的は、ユーザーがWebを通してアプリの操作を行っている場合の使用です。
オフラインアクセスモードでは、ユーザーの操作がないストアに対する長時間のアクセスを目的としています。バックグラウンド作業やバックグラウンドジョブのメンテナンス作業に適しています。
デフォルトはオフラインアクセスモードです。ユーザーの操作がない場合には、基本的にオフラインモードにしておき、重要な操作を行う場合にオンラインモードに変更するとよいでしょう。
Shopifyのアプリ開発が可能か迷ったら
Shopifyアプリの開発の流れを解説してきましたが、現時点では誰にでも簡単にできるわけではありません。まずShopifyアプリ開発が簡単でない理由には、日本語の情報が少ない点が挙げられます。現在出回っている情報の多くは英語で書かれているので、技術的なことを理解できる英語力がないと開発は困難といえるでしょう。ただし、日本語のShopifyコミュニティフォーラムというものがあります。そこで質問すれば解決できるかもしれないので、一度覗いてみるとよいでしょう。
他にも、LiquidやPolarisといったShopify独自の言語や機能も理解する必要があります。これは、現在プログラミングスキルを持っていても、新たに習得しなければならないため、身につけるのに時間がかかります。その時間分、開発が遅れることを認識しておくことが必要です。
これらの要素も考えると、アプリ開発を内製する場合に必要な時間や人的リソース、資金が多く必要となる可能性があります。その結果、完成したアプリから得られるメリットと比べて、コストが割高になるかもしれません。もし、自社のリソースでアプリ開発するか外注するかの判断がつかない場合は、それらシステム開発のノウハウを持っていて、相談を受け付けている会社に相談を依頼するほうがよいでしょう。
関連記事:Shopify制作のおすすめ会社9選
Shopifyアプリ開発まとめ
本記事では、Shopifyアプリの開発について以下の内容をお伝えしました。
- Shopifyアプリとは?
- Shopifyアプリ開発の流れ
- Shopifyアプリ開発の注意点
Shopifyアプリの開発は、ご紹介した流れに沿って進めれば可能です。ただし、専門知識がなければ、時間や費用が想像以上となる可能性があります。自社に最適なアプリを構築することによって、機能向上がもたらす利益は大きいものです。しかし、開発コストがその利益を上回るようでは、自社で行うメリットはほとんどないといえるでしょう。
つまり、自社でアプリ開発をするメリットを得るには、現時点で自社内に経験豊富なエンジニアなどがいることが前提となるでしょう。これらの技術者がいないのであれば、専門の開発会社に外注することをおすすめします。
まずは、自社の課題をアプリ開発に詳しいアドバイザーがいる会社に、相談してみてはいかがでしょうか?
※Shopifyのアプリ開発を検討している方はシステム幹事にご相談ください。貴社の予算や目的をヒアリングし、最適な開発会社を紹介します。相談料・紹介料ともに完全無料です。相場の情報を知りたいなどの軽い相談だけでも大丈夫です。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
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初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. Shopifyのアプリ開発の流れは?
Shopifyのアプリ開発の流れは「?パートナーアカウントの登録」「?開発ストアの追加」「?カスタムアプリの作成」「?APIキーとAPIシークレットキーを取得」「?開発環境の準備」「?ローカル開発環境」「?本番環境」」です。それぞれの詳しい内容は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
Q. Shopifyアプリ開発の注意点は?
Shopifyアプリ開発の注意点は「APIを定期的にアップグレードする」「セキュリティ対策としてアクセストークンを頻繁に変更する」等が挙げられます。詳しくは記事をご覧ください。
この記事を書いた人
吉崎 孝幸
専門分野: Webディレクション・Webライティング
元パン屋。マーケティングとライティングの面白さにハマり、生地作りから記事作りに転身。現在は店舗ビジネスを中心にWebコンサルティングやWebディレクションを行っている。
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