- 更新日 2024.01.26
- カテゴリー アプリ開発
Pythonのアプリ開発例|開発できるアプリ例やアプリ開発のフレームワークを紹介!
Pythonでアプリ開発する事例が増えていると聞く。検討中の自社アプリもPythonで開発したほうがいいのか?
そんな方に向け、プログラミング言語としての概要・特徴から、開発できるアプリ例、主なフレームワークまで、Pythonのアプリ開発例を紹介していきます。
なお、Pythonの得意なアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
アプリ開発への活用が進む「Python」とは
画像出典:Python
Pythonとは、1991年に初版が公開された、オープンソースのインタープリタ型プログラミング言語のこと。不要なメモリを自動解放するガベージコレクションを実装するほか、オブジェクト指向、関数型などの複数プログラミングパラダイムをサポート。Windows / macOS / Linuxを含む、クロスプラットフォームで動作する汎用プログラミング言語です。
「習得したいプログラミング言語」の上位にランキングされるなど、2000年代以降は日本でもPythonの普及が加速。サードパーティ製のライブラリ、フレームワークが豊富なため、近年ではアプリ開発にPythonを採用する事例が増えています。
※プログラミングパラダイムとは、プログラマーから見た「プログラムの見え方」のこと
Pythonの特徴
アプリ開発にPythonを採用する事例が増えているのは、以下のような特徴をPythonが備えているからです。
Pythonの主な特徴 |
概要 |
ソースコードがシンプルで可読性が高い |
記述に個人差が出にくく、 だれが見てもソースコードを読みやすい |
ソースコードの記述量を減らせる |
シンプルでソースコードを減らせるPythonは、 初心者でも学びやすい |
インタープリタ型のためコンパイラが不要 |
ソースコードをバイナリ変換する必要がないため、 記述したプログラムをすぐに実行できる |
ライブラリ/ フレームワークが豊富 |
システム・アプリの開発が容易 |
汎用性が高い |
AI / 機械学習分野だけでなく、 さまざまなアプリ開発に応用可能 |
Pythonの持つ数々の特徴は、アプリ開発に有利な以下のようなメリットをもたらせます。
- 可読性に優れるためメンテナンスしやすい
- プログラムのブラックボックス化を防ぎやすい
- ソースコードの記述量が少ないため開発効率を高められる
- さまざまなアプリ開発に活用できる豊富なライブラリ / フレームワーク
Pythonで開発できるアプリ例 / 具体的なアプリ開発例
それでは、Pythonでどのようなアプリを開発できるのか?知りたい方に向け、Pythonで開発できる主なアプリの例、具体的なアプリ開発例を紹介していきましょう。
機械学習 / AIアプリ開発
日本を含め、Pythonの普及を一気に加速させたといえるのが、機械学習 / ディープラーニングをはじめとしたAIアプリ開発分野です。C / C++ / Java / Rなどを利用する場合もありますが、現代の機械学習 / AIアプリ開発分野は、Pythonの独壇場だといってもいいでしょう。その原動力となるのが、豊富に揃ったフレームワークの存在です。
たとえば、META(旧Facebook)の開発した機械学習 / ディープラーニング向けオープンソースフレームワーク「PyTorch」など。名称の一部に採用されていることからも分かるように、Pythonで開発することを前提にしたフレームワークの代表例です。ニューラルネットワークの多層化に対応し、Python同様クロスプラットフォームで動作します。
ディープラーニングに強みを持ち、クロスプラットフォームで動作するフレームワークとしては、Googleの開発した「TensorFlow」も挙げられます。こちらはC / C++ / Java / Goなどのプログラミング言語でも開発可能ですが、メインで利用されているのはやはりPythonです。
PyTorch
画像出典:PyTorch
データ解析 / アナリティクスツール開発
データ解析 / アナリティクスツール開発や、ビッグデータ分野などもPythonが活用されている領域です。Pythonはソースコードを逐次翻訳するインタープリタ型のため、処理速度は決して速いとはいえません。本来であれば、処理速度の求められるデータ解析などには向いていませんが、豊富なライブラリの存在するPythonなら充分対応できます。
たとえば、オープンソースのPythonモジュール「NumPy」は、Pythonの計算速度を高速化させる数値計算ライブラリとして利用可能。機械学習 / AIアプリ開発でも、計算速度を向上させるためにNumPyを併用します。
NumPy
画像出典:NumPy
Webアプリ開発
近年、Pythonを採用することの多くなったのが、Webアプリ開発分野です。過去にRuby + Ruby on Railsで開発されたWebアプリを、Pythonで書き直すという案件が増えているのも特徴。「Instagram」「YouTube」「Dropbox」「Spotify」など、特にユーザー数の多い大規模WebアプリをPythonで開発する例が多いといえるでしょう。
画像出典:Instagram
YouTube
画像出典:YouTube
Dropbox
画像出典:Dropbox
Spotify
画像出典:Spotify
スマートフォンアプリ開発
Kotlin / Swiftが標準のスマートフォンアプリ開発でも、Pythonを活用する事例が増えています。なぜなら、Pythonを活用すれば、Android / iOSクロスプラットフォームのネイティブアプリを1つのプログラムで開発できるから。Android / iOSそれぞれのネイティブアプリを開発する必要がないため、開発コストを半分に抑えられます。
これも、ライブラリ / フレームワークの豊富なPythonならではのメリット。たとえば、オープンソースのGUIフレームワーク「Kivy」なら、Pythonのみでは実現できない「スマートフォンアプリのGUI」を開発可能。オープンソースラッパー「Buildozer」なら、Google Playに登録するAPKファイルを生成できます
Kivy
画像出典:Kivy
Buildozer
画像出典:Buildozer
Pythonのスマートフォンアプリ開発方法については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:PythonでAndroidアプリ開発する方法|開発ツール・環境・手順を解説!
Webアプリ開発で注目の高まるPython
AI / ディープラーニングを始め、汎用性を生かしたさまざまな分野で採用されているPythonですが、近年注目の高まっているのはWebアプリのバックエンド開発です。2021年に実施されたエンジャパン株式会社の「Webサービス開発環境」調査でも、Pythonは3位にランクインしています。
画像出典:エンジャパン株式会社
Webアプリ開発にPythonを採用する理由はサービスによって異なりますが、主に以下の3点に集約されます。
- 強固なWebアプリプラットフォームを構築するため
- 動画や写真などの非構造化データの取り扱いが容易なため
- AI / ディープラーニングを応用した検索機能を実装するため
PythonのWebアプリ開発で利用されるフレームワーク例
Pythonならではの特徴を活かしたいというニーズのほかに、優秀なフレームワークが多数登場したことも、PythonのWebアプリ開発が注目されている理由です。以下から、Webアプリ開発向けのPythonフレームワークの代表例をいくつか紹介しておきましょう。
Flask
画像出典:Flask
Flaskは、Python向けのマイクロWebアプリケーションフレームワークです。マイクロという名称の通り、Webアプリ開発に必要な最小限の機能のみ搭載。一方、必要な機能を追加しやすい拡張性、カスタマイズ性に優れるため、小規模から大規模Webアプリまで対応できる柔軟性を兼ね備える特徴を持ちます。
REST APIを実装して簡単に機械学習モデルを組み込めるほか、各機能をモジュール単位で管理できる使い勝手のよさも人気の秘密。開発しやすいシンプルな構文、軽快な動作を実現する軽量なフレームワークです。
Django
画像出典:Django
Djangoは、Flaskと対照的なPython向けフルスタックWebアプリケーションフレームワークです。ユーザー認証 / コンテンツ管理 / RSSフィード / サイトマップをはじめ、Webアプリ開発に必要な機能を網羅。中規模以上のWebアプリをPythonで開発する際によく利用されるポピュラーなフレームワークです。
多機能なフレームワークのため、開発工数自体は抑えられますが、その分、習得にやや時間がかかることも特徴。ただし、ポピュラーなフレームワークのため、日本語情報も多く、学習に困ることはありません。
Bottle
画像出典:Bottle
Bottleは、Flaskよりもさらに機能を絞り込んだ、Python向けマイクロWebアプリケーションフレームワークです。
REST APIによる拡張性は確保されていますが、とにかく簡単にWebアプリを開発できるシンプルさ、軽快な動作を追求した軽量なプログラムに重点を置いていることが特徴。シンプルなWebアプリを素早く開発したい場合に利用されるフレームワークです。
Pythonを習得する方法
Pythonで開発できるアプリ例、おすすめのフレームワーク例を紹介してきましたが、そもそもPythonを学ぶにはどうしたらいいか?知りたい方も多いでしょう。独学という方法もありますが、Pythonを含めたIT技術の習得には「オンライン / オフラインスクール」「書籍」を利用することが一般的です。
オンライン / オフラインスクール
オンラインスクールとは、動画講習、実践チュートリアルなど、ユーザーのレベルやニーズに応じたカリキュラムを提供する学習サイトのこと。オンラインを活用したオンデマンド学習のため、Pythonを学びたいが、時間を確保しにくいという社会人の方に向いている学習方法です。
より自由に学習時間を確保できる方なら、プログラミングスクールのように「講師とのフェイストゥフェイスで学べる」オフラインスクールの利用もおすすめ。個人で学習を進めるだけでは気が付かない、細かなテクニックや注意点を学べます。
書籍
時間をかけて体系的にIT技術を学びたい方であれば、書籍を活用した学習もおすすめです。わからないこと、理解を深めたいことを、何度でも繰り返し学習できるのも書籍の利点。オンライン / オフラインスクールと併用しながら、書籍で理論を復習するなど、複数の学習方法を使い分けるのもおすすめです。
【まとめ】Pythonのアプリ開発例やフレームワークを紹介しました
Pythonでアプリ開発する事例が増えていると聞く。検討中の自社アプリもPythonで開発したほうがいいのか?そんな方に向け、プログラミング言語としての概要・特徴から、開発できるアプリ例、主なフレームワークまで、Pythonのアプリ開発例を紹介してきました。
汎用性の高さから、さまざまな分野での活用が進むPython。自社の標準言語として、さまざまなアプリ開発のベースにPythonを利用する事例も増えており、今後もこの流れは継続すると考えられます。
なお、Pythonの得意なアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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