- 更新日 2023.10.27
- カテゴリー 業務システム
POSシステムの導入メリット・デメリット|仕組み・種類・選び方のポイントを解説【2024年最新版】
気軽に導入できるSaaS型が普及したことにより、身近な存在となったPOSシステム。しかし、セルフレジなどでなんとなくはPOSシステムについて理解していても、POSシステムの詳細までを理解している方は多くありません。自店舗へ導入を検討するオーナーの方なら、決め手となる以下のような情報を知りたいはず。
・POSシステムを導入するメリットは?デメリットはある?
・そもそもPOSシステムとは?どんな仕組み?
・POSシステムにはどんな種類がある?選び方のポイントは?
そこで本記事では、POSシステム導入のメリット・デメリットを中心に、仕組み・種類など知っておきたいPOSシステムの基礎知識を解説!最適なPOSシステムを選ぶためのポイント、ニーズごとの代表的なサービスも紹介していきます。
※自社に合うPOSシステムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なPOSシステムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
そもそもPOSシステムとは?
メリットを見ていく前に、今一度POSシステムについておさらいしておく必要があります。
「POS(Point Of Sale)」とは、販売時点情報管理を意味する経営手法のこと。つまり、POSシステムとは「どこで(どの店舗で)」「いつ」「なにが(どんな商品が)」「いくらで」「いくつ」「だれに(どのような顧客に)」販売されたか、データを収集・管理して経営改善やマーケティングに活かすためのシステムのことです。
従来のPOSシステムは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに代表される、比較的規模の大きなチェーン店などで活用される場合が多かったです。専用の端末やスキャナーが必要になるなど、コスト面でも導入へのハードルは低くありませんでした。
しかし近年になって、クラウド経由でPOSアプリケーションを活用できるSaaS型POSシステムが普及。タブレットやハンディスキャナーを端末に使える気軽さもあり、規模を問わず、小売業全般でPOSシステムの導入が進んでいます。
POSシステムの導入メリット
POSシステムの機能も交えながら、導入のメリットを簡単に解説していきましょう。
業務効率化・顧客の利便性向上
商品のバーコード、ポイントカードをPOSシステムのハンディスキャナーでスキャンするだけで、売上情報・顧客情報をシステムで管理できます。従来のレジスターのような手打ちも必要ないため、ミスを減らせて、会計時間の短縮による顧客満足度の向上も期待できます。
現金・クレジットカードはもちろん、電子マネーなどのキャッシュレス決済に対応できることもPOSシステム導入のメリット。
多彩な決済手段に対応することで、顧客の利便性向上も実現できます。
在庫管理の徹底・最適化
売上情報をリアルタイムでアップデートできるPOSシステムは、商品の在庫状況をリアルタイムで把握できることを意味します。在庫が減る速度によって売れ筋の商品がなにかが手に取るようにわかるため、在庫管理を徹底でき、商品の回転率を踏まえた在庫の最適化を実現できるのです。
複数店舗に対応するPOSシステムなら、在庫の一元管理も可能。チェーン展開する店舗の在庫一元管理が可能なPOSシステムもあります。
BIツール・分析機能で経営改善
近年のPOSシステムは、売上管理・顧客管理・在庫管理で収集したデータをもとに、経営改善のヒントを与えてくれるBIツール・分析機能を搭載している場合がほとんど。
※BI:社内に蓄積された大量のデータから必要な情報を収集・分析して一目でわかるよう表示する機能
売上推移や売れ筋商品の傾向を視覚化できれば、ビジネスを成長させていくための意思決定の材料として活用できます。
また、EC展開に対応できるPOSシステムを導入すれば、ECサイトの販売・在庫・顧客管理情報データと、実店舗での販売情報も同時に集計できます。そのため、ECサイトと実店舗のデータを一括管理できるようになるのです。
また、ECサイトと実店舗のいずれかで商品が売れると、自動で在庫状況が更新されるため、在庫切れの防止や追加発注の予測に役立ちます。
生産性向上・コスト削減
POSシステムによる業務効率化、分析機能による店舗状況の可視化を組み合わせれば、スタッフを効果的に店舗に配置できるようになり、リソースをより接客業務へ割り振ることができます。結果的に、在庫管理や分析業務などの人件費を含めたコスト削減・最適化を進めながら、生産性向上が実現できるでしょう。
実際、勤怠管理機能を搭載するPOSシステムも存在し、よりトータルな観点で店舗ビジネスを成長させていくことも可能です。
※自社に合うPOSシステムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なPOSシステムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
POSシステム導入にデメリットはある?
ここまでで、POSシステムの導入メリットを解説してきましたが、その反面となるデメリットはあるか気になる方もいるでしょう。
業種や店舗規模を含め、自店舗のニーズにかなった適切なPOSシステムを導入できれば、デメリットとなることはほぼないといえます。
POSシステム導入のデメリットで「災害などの停電時ではシステムが使えなくなる」「ネットワーク障害があると使えなくなる」という主張も見かけます。
しかし、そもそも停電時には店舗営業自体に問題が生じ、ネットワークが途切れてもオフラインで使えるシステムもあります。
「コストがかかる」というデメリットも見受けますが、POSシステムのみならず、システム導入には少なからずコストはかかるものです。
コストと見合う効果・メリットを比べて、効果やメリットの方がが自社にとって高ければ導入を前向きに検討すればいいといえます。
それでは、自店舗に最適なPOSシステムを選ぶには、何を基準に選定すればいいのか?それを把握するためには、POSシステムの仕組みや種類を理解しておくことが大前提です。以下から簡単に解説していきましょう。
POSシステムの仕組み
画像引用:SHARP
メリット・デメリットを理解して、自社にとってPOSシステムの導入を前向きに検討できた方は、改めてPOSシステムの基本的な仕組みや種類を把握する必要があります。仕組みや種類を把握できると、次に自社にとってどんなPOSシステムを選ぶべきか判断基準がより明確になります。
POSシステムは、POSレジ機能(アプリケーション)を持つ端末、バーコードリーダー、キャッシュドロワー、釣銭機、レシートプリンター、決済端末などの周辺機器を含むハードウェアと、商品情報・顧客情報などを管理するデータベースで成り立っています。端末・周辺機器を通して販売された商品のPOS情報はデータベースサーバに蓄積され、データ分析・活用するのが、POSシステムのおおまかな仕組みです。
データベースサーバは、社内に設置するオンプレミス型、サービスベンダーの用意するクラウドサーバを利用するSaaS型に分類できます。インターネット、イントラネット、VPNなど方式は異なるものの、POSシステムでは端末とサーバのネットワーク接続が欠かせないといえるでしょう。
POSシステムの端末・種類
POSシステムは、利用する端末によって大きく3つの種類に分類できます。
■ターミナル型
専用のPOS端末を利用するタイプ。一体型と周辺機器を選べるフリーレイアウト型があり、オンプレミスで設置する場合が多いです。
■PC型
画像引用:YUTAKA
汎用PCにPOSアプリをインストールして使うタイプ。
■タブレット型
画像引用:blayn
タブレットにPOSアプリをインストールして使うタイプ。SaaS型が多いです。
自社に最適なPOSシステムの選び方
利用形態や端末の種類をはじめ、多種多様な選択肢があるなか、自社に最適なPOSシステムを選定するには、どのようなことに注意すればいいのか?以下から、POSシステムを選定する際のヒントとなるポイントを紹介していきます。
求める機能が搭載されているか
業種・業態に応じて、POSシステムに求められる機能は異なります。POSシステムを導入することでどのような業務を効率化したいのか、自社に必要な機能を明確にしたうえで、各サービスを見極めていくことが重要です。
たとえば、単独の店舗へ導入する場合、SaaS型のタブレットPOSシステムであればコストを抑えられます。すでに多店舗経営している、あるいはビジネスを拡張していきたいのであれば、オプションの数・操作性の高さが特徴なターミナル型POSシステムも視野に入れておく必要があるでしょう。
以下から、ニーズごとにおすすめできる代表的なPOSシステムを紹介しておきます。
柔軟性・拡張性を求める小売店におすすめ:RegiGrow
画像引用:RegiGrow
「RegiGrow(レジグロー)」は、東京都千代田区に本社を構える、NECプラットフォームズ株式会社が開発・提供するターミナル型POSシステムです。
同社が提供するPOSシステムの中でもエントリーモデルに位置付けられ、小売店業に必要な機能を凝縮したコンパクトさを持ち、柔軟性・拡張性に富んだシステム構成を実現できることが特徴。専用端末だけでなく、タブレット端末も利用可能です。
在庫管理、顧客管理、勤怠管理、クレジットカード決済、QRコード・マルチペイメント決済などから、発注・仕入・棚卸などのバックオフィス業務まで、機能が豊富です。また、専用端末1台のみでのスタンドアロン活用も可能。店舗サーバ、本部サーバを設置・活用するシステム構成にも対応し、対面型セミセルフPOSレジとしても利用できます。
導入費用 |
要問い合わせ |
主要機能 |
売上管理、在庫管理、顧客管理、勤怠管理、 クレジットカード決済、QRコード・マルチペイメント決済、 対面型セミセルフPOSレジ、デジタルサイネージ連携など |
外部連携 |
要問い合わせ |
初期費用を抑えたい小売店におすすめ:スマレジ
画像引用:スマレジ
「スマレジ」は、大阪市中央区に本社を構えるクラウドベンダー、株式会社スマレジが開発・提供する、SaaS型タブレットPOSシステムです。
対応端末はiOSデバイスのみとなるものの、基本的なPOSレジ機能のみ備えたスタンダードプランなら、月額費用無料で使えることがポイント。自動釣銭機・キャッシュドロワーなどの周辺機器との連携も万全です。
複数店舗利用、売上データの一括管理が可能な「プレミアム」、顧客・ポイント管理・電話サポートを追加した「プレミアムプラス」、オーダーエントリーシステムを追加した飲食店向け「フードビジネス」、高度な在庫管理が可能な「リテールビジネス」の各プランが用意され、ニーズにあわせて選択可能。店舗運営に必要なアプリを「スマレジ・アプリマーケット」で購入することも可能です。
初期費用 |
無料 |
プラン / 月額費用(1店舗) |
スタンダード(0円) プレミアム(4,400円) プレミアムプラス(7,700円) フードビジネス(11,000円) リテールビジネス(13,200円) |
主要機能 |
レジ、周辺機器連携、 クレジットカード・電子マネー・QR決済、 軽減税率対応、売上分析、予算管理、顧客管理、 本部管理、在庫管理、オフライン対応など |
外部連携 |
会計ソフト、ECサイト、CRM、 スマレジタイムカード、アプリマーケットなど |
サロンにおすすめのPOSシステム:StoreTouch
画像引用:StoreTouch
「StoreTouch」は、株式会社インターオフィスが開発し、株式会社リレーションズが販売する、美容院・サロン向けに特化したSaaS型タブレットPOSシステムです。
アプリをインストールできるiPad、インターネット環境さえ準備すれば、初期費用無料、月額7,700円でスタートできる気軽さが魅力。キャッシュドロワやレシートプリンターとの連携も可能です。
シンプルで使いやすいiPad POSレジと、写真やテキストを使ったカルテ作成を含む顧客管理が統合され、顧客検索・分析、売上分析機能も搭載。接続できる端末の台数に制限のあるサービスが多いなか、無制限のiPadを使えるのもポイントです。美容院・サロンに必須の予約管理機能を搭載した「StoreTouch PRO」も開発中。今後の展開に期待できます。
初期費用 |
無料 |
プラン / 月額費用(1店舗) |
7,700円 |
主要機能 |
レジ会計・顧客管理・カルテ作成・売上集計・ 分析・顧客検索・分析など |
外部連携 |
要問い合わせ |
飲食店におすすめのPOSシステム:ワンレジ
画像引用:ワンレジ
「ワンレジ」は、東京都文京区に本社を構え、飲食店コンサルティング業を手がける株式会社スカイダイニングが開発・提供する、飲食店向けSaaS型タブレットPOSシステムです。
飲食店経営20年超のプロが、現役経営者約1,000名の声をもとに開発。「ワンレジさえあればほかになにもいらない」を目指し、レジ・会計だけではない飲食店経営者の悩みを解決する機能が満載されています。
レジ・会計、注文、セルフオーダー、売上集計・分析、予約管理、顧客管理などの基本機能はもちろん、外部会計ソフトとの連携や、従業員の給与計算・シフト作成・不正防止の仕組みも搭載。POSタブレット、ハンディ端末、会計・キッチンプリンター、決済端末などの周辺機器も用意されているため、用意するのはインターネット環境だけ。外国人の従業員・顧客でも安心できる多言語対応システムです。
初期費用 |
要問い合わせ(ニーズに応じて変動) |
プラン / 月額費用(1店舗) |
要問い合わせ(ニーズに応じて変動) |
主要機能 |
レジ・会計、注文、セルフオーダー、売上集計・分析、 予約管理、顧客管理・衛生管理・給与計算・不正防止など |
外部連携 |
会計ソフト、決済サービス・端末など |
使いやすさ・操作性はどうなっているか
POSシステムのメリットのひとつ、業務効率化と顧客の利便性向上は、現場のスタッフがシステムを使いこなしてこそ実現できます。つまり、誰でも使いやすい操作性の良さがあるかは、POSシステムを選定する際の重要なポイントとなるでしょう。
意外に無料トライアルを提供するサービスの多くないPOSシステムですが、無料プランのあるサービスを使ってみるのもひとつの方法。候補となるサービスの資料を取り寄せて比較する方法もおすすめです。
外部連携・拡張性がどうなっているか
ビジネスの成長にあわせて上位プランにアップグレードできる、あるいは外部システムとの連携で機能を拡張できるPOSシステムであれば、他のサービスへのリプレイスを迫られることもないからです。
例えばCRMと連携できれば、商品が購入された際にその購入データがCRMとPOSシステムにも反映されます。すると、CRMに登録されている顧客の詳細情報をPOSシステムを通じてすぐに確認でき、購入した顧客への適切なフォローなどのマーケティング施策も展開しやすくなるのです。
POSシステムメリットまとめ
POSシステムを導入したいが、具体的にどのようなメリットがあるのか知りたい、という店舗オーナーの方に向け、本記事では、POSシステム導入のメリット・デメリット、仕組み・種類など、知っておきたいPOSシステムの基礎知識を解説するとともに、最適なPOSシステムを選ぶためのポイント、ニーズごとの代表的なサービスも紹介してきました。
店舗運営の効率化ニーズが高まるとともに、決済手法も多様化する現代では、POSシステムの高機能化が加速する傾向にあり、低価格で導入できるSaaS型も例外ではありません。しかし、業種・業態に応じて適切なPOSシステムは異なります。機能面だけに着目するのではなく、自社の目的・ニーズを明確にしたうえで、適切なサービスを選定することが重要です。
※自社に合うPOSシステムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適なPOSシステムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. POSシステムを導入するメリットは?
POSシステムを導入するのメリットとして「顧客の利便性向上」「在庫管理の最適化」等が挙げられます。それぞれの詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. POSシステムの導入のメリットは?
POSシステムのメリットは「業務効率化・顧客の利便性が向上」「商品の在庫状況をリアルタイムで把握できる」などです。詳しくは記事をご参照ください。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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