- 更新日 2024.02.27
- カテゴリー ECサイト開発
ネット販売に必要な初期費用とは?必要項目をまとめて解説【2024年最新版】
自社製品をインターネット上でも販売するため、ECサイト・ネットショップを開設する企業は年々増加しています。一方で、以下のような疑問をお持ちの担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
- ネットで販売するとき初期費用がどれくらいかかるか知りたい
- ネット販売にかかる費用項目を把握しておきたい
- 初期費用を抑える方法があれば知りたい
当記事では、ネット販売を始めるために必要な初期費用についてや、初期費用を抑えるコツなども紹介しています。
本記事を読んでいただくことで、ネットショップで製品を販売する際にかかる費用や補助金を活用したコスト削減の方法を学べます。
ぜひ自社のネット販売展開にお役立てください。
※ECサイト制作を優秀な制作会社に外注するなら、システム幹事にご相談ください。経験豊富なアドバイザーがヒアリングをさせていただいた上で、ご要望に合った制作会社を厳選し、ご紹介します。相談料は一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
ネット販売の初期費用(一覧表)
ネット販売の初期費用について、参考費用を一覧表にまとめました。
会社の規模 |
個人・小規模 |
中小規模 |
中規模 |
大規模 |
ECサイト |
0〜5万円 |
0〜50万円 |
300〜 |
1,000万円〜 |
パソコン |
3万円 |
3万円 |
10万円〜 |
20万円前後 |
FAX・ |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
プリンター |
1万円〜 |
1万円〜 |
1万円〜 |
1万円〜 |
カメラ |
- |
3万円 |
10万円 |
10万円 |
照明機材 |
- |
5,000円 |
5,000円 |
15,000円 |
営業許可 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
デザイン費 |
2〜3万円 |
5万円 |
5〜20万円 |
10〜30万円 |
ネット回線費 |
3,000円 |
3,000円 |
6,000円 |
6,000円 |
仕入金 |
4万円 |
8万円 |
40万円 |
80万円 |
梱包資材 |
1万円 |
3万円 |
10万円 |
20万円 |
開業費用 |
約10〜30万円 |
約30〜80万円 |
約380〜600万円 |
約1,100万円〜 |
※費用は参考値です。構築したいネットショップにより費用は大きく変わります。
以下ではネット販売の初期費用の各項目について、詳しく解説していきます。
ネット販売の初期費用(システム構築)
ECサイト・ネットショップを開業するにあたって、最もコストが発生するのがシステム構築です。一昔前はフルスクラッチ以外の選択が少なく、1から自社でシステムを構築している企業がほとんどだったため、莫大な初期費用が必要でした。しかし現在では、低価格でシステムが構築できるという手段も存在します。
ECサイト・ネットショップ用のシステムを構築する方法は、主に以下の5つです。
- モール
- ASP
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
各ネットショップ構築方法の初期費用やサービス例は以下になります。
構築システム |
初期費用 |
サービス例 |
モール |
0〜5万円 |
|
ASP |
0〜5万円 |
|
オープンソース |
0〜50万円 |
|
パッケージ |
300〜 |
|
フルスクラッチ |
1,000万円〜 |
自社・外注で構築 |
以下では、各ECサイト構築方法にて発生する費用について分かりやすく解説します。
モール
モール型とは、1つのサービス上で複数ブランドが出店されている「Amazon」や「楽天市場」などのECショッピングモールに、商品を出品したり出店したりするシステムです。ECショッピングモール自体が数千万人単位のアクティブユーザーを抱えているため、大手ECショッピングモール内に店舗を開設することで、集客力の拡大が見込めます。
モールにネットショップを開設する場合、元からシステムが構築されているため、サーバー・ドメイン費用はかかりません。
サーバー・ドメイン費用 |
登録初期費用 |
0円 |
0〜5万円 |
ASP
「ASP(Application Service Provider:アプリケーションサービスプロバイダ)」とは、ECサイト・ネットショップをクラウドで構築するシステムです。
アプリケーションサービスを提供している事業者によって、ネットショップの販売・運用に必要な機能やテンプレートが豊富に用意されているため、手軽に開業できます。モール型と同様、ASP型ではサーバー・ドメイン費用は不要です。
サーバー・ドメイン費用 |
登録初期費用 |
0円 |
0〜5万円 |
オープンソース
オープンソース型とは、外部に公開されているソースコードを用いて、ネットショップを構築する方法です。
オープンソースのプログラムの多くは、誰でも無料でサーバーにインストールできるため、低コストでECサイトを開設できます。カスタマイズ性が高い反面、自社でソースコードを理解してカスタマイズしたり、セキュリティ体制を整えたりといった開発スキルやHTML・CSS・Java・PHPなどの制作スキルを備えておく必要があります。
導入初期費用 |
ドメイン費用 |
サーバー費用 |
0〜50万円 |
月額100円~ |
月額1,000円~ |
パッケージ
パッケージ型とは、ECサイトの運営に必要な機能や機能がパッケージングされているショッピングカートシステムのことです。
ECサイトを構築する上で不可欠な機能(例えば商品・売上・顧客管理、決済、カート、メルマガなど)の機能があらかじめ設定されており、必要に応じて自社でカスタマイズを行います。オープンソース型と違い、フリーでダウンロードするのではなく、プロバイダーからパッケージを購入する必要があり、比較的高額になります。
導入初期費用 |
ドメイン費用 |
サーバー費用 |
300〜500万円 |
月額100円~ |
月額1,000円~ |
フルスクラッチ
フルスクラッチとは、要件定義から設計、プログラミングなどを0ベースで構築する方法です。既存のプログラムやソフトウェアを使わないため、機能やデザインが自由にカスタマイズできるのがメリットですが、その分コストやシステム・プログラム構築などの手間がかかります。そのため、1,000万円以上の予算を持つ中小規模または大手の企業に適しているといえるでしょう。
導入初期費用 |
ドメイン費用 |
サーバー費用 |
1,000万円〜 |
月額100円~ |
月額1,000円~ |
ネット販売の初期費用(諸手続き・営業関連)
項目 |
費用 |
営業許可申請費 |
販売商品による |
デザイン費(ロゴなど) |
2〜30万円 |
ネット回線費 |
0円〜3000円 |
仕入れ金 |
月照50万円で40万円 |
梱包資材 |
月照50万円で20万円 |
ネット販売には諸手続きや営業関連など、様々な費用がかかります。以下では、ネット販売を行うにあたって発生する主な費用について解説します。
営業許可申請費
販売する商品によっては、営業許可を申請する必要があります。例えば、営業許可の申請が必要な商品には、以下の4つが挙げられます。
- 中古品の販売
- 食品の販売
- 酒類の販売
- 化粧品の販売
販売する商品によって届け出先が異なるため、営業許可申請にかかる手数料も変わってきますが、手数料は安いもので5,000円、高いもので30,000円程度です。
デザイン費
ECサイトを構築する場合、以下のデザイン費が発生する可能性があります。こちらはレスポンシブタイプ(パソコンとスマートフォンの両方に対応しているサイト)のECサイトにおけるデザイン費用の相場です。
トップページ |
8〜16万円 |
下層ページ |
2〜7万円 |
派生ページ |
1〜4万円 |
ランディングページ |
10〜25万円 |
バナーデザイン |
5,000〜5万円 |
ロゴデザイン |
2〜30万円 |
料金は依頼する先によって大きく変動します。例えば、個人やフリーランスにロゴ制作を依頼する際の相場は、約2〜3万円です。実績のあるフリーランスデザイナーに依頼する場合は、5万円前後請求される可能性もあるでしょう。
制作会社にロゴ制作を依頼する場合、個人やフリーランスに依頼するよりも料金が高くなります。安い制作会社で5〜20万円、実績のある制作会社では10〜30万円請求されることも珍しくありません。
ネット回線費
ネット回線は月額3,000円程度であることが多いですが、回線によっては初期費用無料で利用可能です。コストを削減したいなら、お得なキャンペーンを実施している回線を選ぶとよいでしょう。
仕入金
仕入金は月商50万円の規模で40万円程度が相場ですが、扱う商品や目指す月商によっても、用意する金額は変わります。
「目指す月商÷平均商品単価」で必要販売個数を計算した後、「必要販売個数×原価」で仕入金を算出しておきましょう。
流通経済研究所が2021年12月に発表した『大手総合ECサイト利用事業者の状況調査』によると、直近の決算におけるEC事業の営業利益率は半数程度が20%以下です。す. そのため、利益率は20%程度を目安で計算するとよいでしょう。
梱包資材
梱包資材はユーザーの印象を左右するため、こだわりたいところですが、近年ではエコロジーの観点から過度な包装を控える企業も珍しくありません。
ギフト包装などにも対応することで、年間イベントごとに売り上げの増加が見込めるでしょう。梱包資材の目安は、月商50万円で10万円程度です。ただし月商規模の成長に応じて、商品を扱う回数も増加し、梱包資材にかかるコストも発生します。
ネット販売の初期費用(運営関連)
パソコン(3万円〜20万円)
スペックによっても異なりますが、パソコンにかかる費用は3万円〜20万円程度です。パソコンで画像編集や動画編集などを行う場合は、優れたCPUやメモリが搭載されているパソコンや、高画質で大画面のスクリーンが搭載されているパソコンなど、10万円以上のものを買うとよいでしょう。
特に複雑な操作をする必要がなければ、高い費用やスペックのパソコンを購入しなくても問題はありません。
FAX・固定電話(15,000円〜)
FAXや固定電話は、ユーザーへの信用の向上に役立ちます。ネットショップを運営する際は、特定商取引法に基づき、運営者の電話番号を記載する必要があります。固定電話がない場合、携帯電話の記載も可能ですが、消費者視点で見ると信頼性を欠く可能性があるでしょう。
また、ネットショップを運営・運用する際、FAXは必要不可欠ではありません。しかし顧客ターゲットの年齢層によっては、インターネットに不慣れな方もいるでしょう。そのため、FAX機能がある固定電話を導入することで、インターネットに不慣れな顧客からの注文や問い合わせに対応でき、顧客獲得の損失を防げます。固定電話とFAX機能付き電話は約15,000円から購入可能です。
プリンター(1万円〜)
ネットショップの運営では、印刷する機会が多いためプリンターも必要です。例えば、納品書や請求書を商品発送時に送付したり、場合によっては商品の説明書やお礼の手紙を同封したりします。発送伝票もパソコンで作成して、プリンターで印刷するのが効率的です。プリンターは約1万円から購入できます。
最近では、プリンターにFAXが搭載されているケースもあります。そのため、すでに固定電話は購入しているものの、FAX機能が欲しいという方は、FAX付きのプリンターの購入を検討してみてはいかがでしょうか。
カメラ(3万円〜)
商品写真の良し悪しは、ユーザーの購入意欲を左右します。最近はスマートフォンのカメラも非常に進化しているため、十分に綺麗な商品が撮影できますが、より本格的な撮影を行う場合は、デジタル一眼レフなどのカメラが必要です。スペックにもよりますが、一般的な一眼レフカメラ・ミラーレスカメラは約3万円から購入できます。
照明機材(5,000円〜)
商品写真のクオリティの決め手となるのが撮影環境です。商品撮影を自社で行うなら、照明機材や三脚、レフ板などをそろえる必要があります。照明機材は約5,000円から購入可能です。
また、自社で機材一式をそろえるのが難しい場合や、商品撮影に自信がないときは、プロのカメラマンへの委託を検討しましょう。プロのカメラマンに依頼する時の相場は、3時間程度の撮影で約3万〜4万円程度です。
初期費用を抑えるための補助金制度4選
「少しでも初期費用を抑えたい」というECサイト・ネットショップ運営者のために、有効な補助金制度がいくつか用意されています。
ここでは、活用することでコスト削減に役立てられる可能性のある補助金を4つご紹介します。
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、日本商工会議所が提供している小規模事業者向けの補助金制度です。法人企業に限らず、個人事業主の方(税務署に開業届を出している方に限る)も利用できます。同制度の補助金上限額は50万円です。
IT導入補助金
経済産業省運営の「IT導入補助金」は、中小企業向けにITツールの導入(パッケージソフトの費用やクラウドサービスの導入・初期費用など)を支援する補助金制度です。個人事業主は利用できず、要件に「安定的な事業基盤を有していること」が含まれます。補助金額は30〜450万円で、補助率は1/2(経費の最大50%まで補助)です。
事業再構築補助金
経済産業省が実施する「事業再構築補助金」は、中小企業の事業再構築を支援する補助金制度です。計画期間内に資本金や従業員を増加させ、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠とされています。同制度の補助額は100〜8000万円で、補助率は1/2です。
自治体の補助金
上記の補助金制度以外にも、自治体の補助金を活用する方法もあります。お住まいの自治体によっては独自の補助金を設けている場合があるため、管轄の自治体に問い合わせるか、Webサイトを確認してみるとよいでしょう。
関連記事:ECサイト(ネットショップ)に使える補助金の比較・利用時の注意点まとめ
コストを抑えられるEC構築会社を紹介
初めてECサイト・ネットショップを構築する場合は、初期費用を含め、必要な内容を把握するためにも、プロからアドバイスがもらえる制作会社に依頼するとよいでしょう。
以下では、コスト削減に役立つECサイト構築会社を3つ厳選してご紹介します。
株式会社ボンクレ
画像引用:株式会社ボンクレ公式サイト
東京都千代田区に所在地を置く「株式会社ボンクレ」は、低コストを重視してオリジナルシステムの制作を行っている企業です。
同社はオリジナルの業務フローやシステムを、独自の制作工程によってコスト50%で提供する「フィフティメソッド(50% method)」というサービスを提供しています。
従量制の保守料金で、ランニングコストダウンを追求している点も魅力です。
株式会社Hockey
画像引用:株式会社Hockxy公式サイト
東京区品川区を拠点に事業を展開している「株式会社Hockxy」は、低コストと導入スピードを意識したシステム開発を行っている企業です。
経験豊富なメンバーによる高い技術力が強みで、リリース後の運用改善・集客・プロモーションなど通貫したサービスを提供しています。
株式会社ispec
画像引用:株式会社ispec公式サイト
「株式会社ispec」は、東京都品川区に所在する新規事業特化のシステム開発会社です。
ゼロイチ開発のノウハウを活かして、企業に合ったソリューションを多角的に提案してくれるだけでなく、格安のノーコードプランなら最短3日で納品されます。
- ゼロイチ開発を行うTechLeadプラン
- ゼロイチ開発をスピーディーかつスケーラビリティに立ち上げるローコードプラン
- プロトタイプによる仮説検証、短期利用するアプリケーションを作成するノーコードプラン
- 開発プロセス・インフラのスケーラビリティ・セキュリティを整備するDevOpsプラン
など、用意されているソリューションの豊富さも魅力です。
まとめ
本記事では、ネット販売に向けたECサイト・ネットショップの構築にかかる初期費用について解説しました。
以下の表は、本記事で紹介した会社の規模別に発生する開業費用の目安を一覧にまとめたものなので、ぜひ参考にしてください。
会社の規模 |
個人・小規模 |
中小規模 |
中規模 |
大規模 |
ECサイト |
0〜5万円 |
0〜50万円 |
300〜 |
1,000万円〜 |
パソコン |
3万円 |
3万円 |
10万円〜 |
20万円前後 |
FAX・ |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
15,000円〜 |
プリンター |
1万円〜 |
1万円〜 |
1万円〜 |
1万円〜 |
カメラ |
- |
3万円 |
10万円 |
10万円 |
照明機材 |
- |
5,000円 |
5,000円 |
15,000円 |
営業許可 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
5,000〜3万円 |
デザイン費 |
2〜3万円 |
5万円 |
5〜20万円 |
10〜30万円 |
ネット回線費 |
3,000円 |
3,000円 |
6,000円 |
6,000円 |
仕入金 |
4万円 |
8万円 |
40万円 |
80万円 |
梱包資材 |
1万円 |
3万円 |
10万円 |
20万円 |
開業費用 |
約10〜30万円 |
約30〜80万円 |
約380〜600万円 |
約1,100万円〜 |
ECサイトの初期費用を抑えたいなら、自社ECサイトの制作を依頼するのもおすすめです。本記事を参考に自社に最適なシステム構築方法やシステム制作会社を選んで、ECサイトの構築やネット販売の促進に役立ててください。
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コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
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Q. ネット販売に必要な初期費用は?
ネット販売に必要な初期費用は?の費用相場は、小規模店舗なら10~30万円、中小規模店舗だと30~80万円、中規模店舗なら300~600万円、大規模店舗になると1,000万円以上です。