食品の在庫管理システム8選｜主な機能と導入メリットも解説【2024年最新版】

食品製造業・卸業の在庫管理担当者のなかには、食品卸業や食品製造業における食品の在庫管理で、以下のようなことで悩んでいませんか。

「エクセルでの在庫管理は時間がかって効率が悪い」
「在庫がリアルタイムにわからず、お客様の問い合わせにすぐに応えられない」
「賞味期限やトレーサビリティをしっかり管理したい」
「食品の在庫管理システムにどんな種類があるか知りたい」

不定貫商品は数ではなく重さでしか在庫が見られないので、本来なら重さと数量で正確に在庫管理をしたいとも考えている食品在庫管理担当者も多いはず。
在庫管理が滞ったばかりに賞味・消費期限切れ食品が生じると、廃棄せざるをえなくなり、販売の機会損失につながります。また、エクセルなどの手作業な在庫管理方法では、正確な在庫管理が難しいでしょう。

こうした悩みは、食品業界向けの在庫管理システムを導入すれば解決します。

この記事では在庫管理システムの機能や導入メリット、おすすめの食品の在庫管理システムを紹介します。

※食品の在庫管理システムを導入したいけれど、どれが自社に最適かわからない方はぜひシステム幹事にお問い合わせください。最適な食品の在庫管理システムの選定をお手伝いします。

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食品の在庫管理システムの機能

おすすめのシステムを見る前に、食品の在庫管理システムの基本機能を理解・整理しておく必要があります。あらかじめ知っておけば、導入するシステムを検討する際に自社にとって必要な機能が搭載されているか確認できるようになります。

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トレーサビリティ・賞味期限を管理する機能

画像引用：トレーサビリティ関係：農林水産省

トレーサビリティとは「食品の移動を把握できること」。食品卸業であれば商品の仕入れ先、食品製造業であれば原料の産地や仕入れ先を追跡可能な状態にしておくことです。トレーサビリティ機能があれば、取引先からのクレームや欠陥品があったときもすぐに対応しやすくなります。

ロット別管理

画像引用：SMILE V FOODMASTER

ロットとは商品コードよりも細かい生産の最小単位です。商品をロット番号単位で原料と紐づけておけば、賞味期限切れが近い商品をまとめて除いたり、異物混入などの問題があったときに対象商品がすぐにわかります。

ロケーション管理

画像引用：株式会社日立システムズ

商品の場所を管理できます。倉庫が2カ所以上ある企業に便利な機能です。売上に関係ない単純な倉庫間移動も管理できます。

セット品管理

複数の商品をまとめて1つの商品として出荷する場合に、セット品として登録して管理できる機能です。

賞味期限管理

画像引用：SMILE V FOODMASTER

商品の賞味期限や納入期限を管理できる機能です。これにより「先入れ先だし」（古いものから先に出すこと）を実現でき、賞味期限切れによる在庫のロスを防げます。

入出庫を管理する機能

在庫数は日々変化するので、入荷や出荷をミスなく記録することが大事です。

荷姿管理

画像引用：SMILE V FOODMASTER

荷姿とはアイテムの形のこと。食品は商品によって、バラ・ボール・ケースなどいろいろな形（荷姿）で扱われるので、これらを情報管理する機能です。食品業界では2ケースを1つにした「合（あい）」などの単位が使われることもあります。

得意先・納品先管理

得意先や納品先の情報を管理できる機能です。店舗ごとに異なる単価を設定することもできます。

預かり在庫の管理

画像引用：SMILE V FOODMASTER

取引先に売り上げた商品をそのまま預かっておき、取引先からリクエストに応じて出荷することを「預かり在庫」といいます。「預かり在庫の管理」とは、これを一般の在庫とわけて管理する機能です。

ハンディターミナルとの連携

画像引用：FutureStage

ハンディターミナル（ハンディ）とは、片手で持ち運びが可能なデータ収集端末のこと。ハンディターミナルでバーコードを読み取り、出荷や入荷の検品、棚卸をした情報がシステムに反映される機能です。

適正在庫を管理する機能

在庫は適正な数で保っておくのが理想です。急な注文にも対応できるように多少の余裕は必要ですが、在庫を抱えすぎると倉庫のスペースを逼迫します。
食品の在庫管理システムには適正在庫をサポートする機能もいろいろあります。

在庫情報表示

画像引用：SMILE V FOODMASTER

各種在庫帳票（品目別、倉庫別）によって在庫がリアルタイムでわかる機能です。システムによってはスマホでの閲覧も可能です。

予定在庫の管理

出荷予定や入荷予定の情報を元に、予定在庫を管理する機能です。

各種アラート

画像引用：SMILE V FOODMASTER

あらかじめ適正在庫を設定しておき、在庫数を下回ったときにアラートを出す機能です。賞味期限間近などに対するアラートを設定できるシステムもあります。

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おすすめの食品業向け在庫管理システム8選

本記事ではクラウド型とパッケージ型のシステムを紹介しています。

※クラウド型：Googleスプレッドシートなどのように、クラウド環境に構築されたシステムにユーザーがインターネット経由で接続・利用する形態

※パッケージ型：用意した自社サーバにパッケージソフトウェアをインストールして利用する形態

これから1つずつ各食品在庫管理システムを紹介しますが、食品在庫管理システムは、会社に合わせたカスタマイズがされることが多いです。そのため、利用料金は個別見積もりがほとんどです。
したがって、各システムの表には、公式サイトで判断できた機能にのみ「○」をつけています。機能で「要問合せ」となっている項目もカスタマイズで追加できることも多いので、公式サイトにて確認が必要です。

アラジンオフィス for foods

画像引用：アラジンオフィス for foods

ポイント ・賞味期限が1/3、1/2経過しているなどの管理も可能
・スマホで在庫参照・売上利益参照が可能

アラジンオフィス for foodsは、「アラジンオフィス」シリーズの中で食品業界に特化したシステムです。
食肉、水産、青果、仕出しなど食品業界全般に幅広く対応しています。

納入期限（賞味期限）管理は、1/3や1/2経過など細かく管理できるので、高精度な賞味期限管理が必要な企業におすすめ。スマホから在庫確認もできます。

連携できるシステムが多いのも特徴。BtoB ECカスタマイズ型パッケージ・Web受発注システム「アラジンEC」、銀行の入出金データを取り込むファームバンキング、電子請求書発行システム「楽楽明細」、ヤマト運輸が提供している「B2」や佐川急便が提供している「e飛伝」との連携ができます。

「アラジンオフィス」シリーズ全体としては約5000社の導入実績があります。

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豪商

画像引用：豪商

ポイント ・アレルゲン情報の管理も可能
・水産や食肉など重さが不定の商品にも対応

豪商は、全国の中堅・中小食品企業約5000社へのアンケートをもとに開発されたシステム。
低価格と短納期を売りにしていますが、具体的な金額は要問合せです。

品目ごとにアレルゲン情報を管理できます。原料や添加物ごとにアレルゲンの情報を登録しておき、対象製品に一括で反映させることもできます。
アレルゲン情報の管理や魚・肉のように重さが一定ではない不定貫の商品管理もできます。

食品卸業や商品製造業、400社以上の導入実績があります。株式会社プラネックスではZoomを用いた本システムのオンラインデモも実施しています。

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楽商フーズ

画像引用：楽商フーズ

ポイント ・柔軟な単価設定ができる
・帳票が充実

楽商フーズは、総合食品卸向けのシステムです。
キャンペーン用特別販売単価設定や得意先別の契約単価設定・価格改定を事前にスケジューリングできます。

帳票が豊富で、新商品案内に使える商品カタログや、顧客がFAXオーダーに使える顧客別オーダーシートなども作成可能。通常商品とは別に同梱するおまけ商品のマッピング設定も行えます。

参考価格は330万円～（ネットワーク対応版／5クライアントの標準参考価格）となっています。RPA（ロボットプロセスオートメーション）「Bizrobo！」、電子請求書発行システム「楽楽明細」と連携できます。

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クラウドトーマスPro For foods

画像引用：クラウドトーマスPro For food

ポイント ・スマホのアプリ版のシステム
・出荷時に賞味期限内かチェックしアラート

クラウドトーマスPro For foodは、物流会社が開発した食品業界に特化した在庫管理システムです。
クラウドサーバーとスマホを使ったシステムですので、社内にサーバーやパソコンを新たに用意する必要がありません。初期コストを軽減でき、月額150,000円から利用可能です。

また、クラウド型なので、機能も随時アップデートされていきます。賞味期限別に在庫管理を行うことができ、集荷時には使用期限内かのチェックが行われるアラート機能もあります。

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スーパーカクテルCoreFOODs販売

画像引用：スーパーカクテルCore FOODs 販売

ポイント ・出荷ロットの逆転防止に対応
・予定在庫の管理

スーパーカクテルCore FOODs 販売は、中堅・中小企業向けERP／基幹業務システム「スーパーカクテル Core」シリーズの一つで、食品製造業に特化したシステムです。
アラート機能があり、前回より古い日付のロットを出荷しようとするとアラートがでます。

また、受注や発注の残り、製造の予定などから予定在庫の管理もできます。デモは定期的に開催されている無料セミナーで見ることができ、セミナーとは別に営業担当に自社に来てもらうこともできます。

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SMILE V FOODMASTER

画像引用：SMILE V FOODMASTER

ポイント ・柔軟な単価設定が可能
・分析のための実績レポートが豊富

SMILE V FOODMASTER は、食品卸業や日用雑貨品卸に向けたシステムです。
単価設定は、得意先別・納品先別・数量別など細かく設定できるのが特徴です。

売れ筋商品、販売実績など各種実績レポートが豊富。得意先別や商品別、担当者別や部門別、半期・四半期・月別などで詳細に集計する機能があり、経営判断に活かすことができます。

荷姿は、バラ・ボール・ケース・合わせと最大4種類に対応。賞味期限が近づいたり、前回出荷の商品よりも賞味期限が古い逆転現象が起きているときに、警告メッセージを表示できます。

同社のドキュメント管理システム 「SMILE V ドキュメント管理」、ワークフローシステム「SMILE V ワークフロー」、輸入業務システム「wPORTNeT/IM for SMILE」と連携できます。

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EXPLANNER/Z（食品卸業向け販売管理システム）

画像引用：食品卸業向け-販売管理システム: EXPLANNER/Z | NEC

ポイント ・多様な取引形態に対応
・データ活用機能を搭載

EXPLANNER/Z | NECは、NECが提供する食品卸業向け販売管理システムです。
在庫品、取寄せ品、メーカー直送品など、様々な得意先・納入先からの受注形態への対応が可能です。

また、チェーン店や店舗単位で単価が異なるパターンにも対応できます。たとえば、得意先グループ単位の単価や、納品先別（センター納品・店舗納品など）に単価が違う場合も、それらを区別して管理できます。

“ハイパーグリッド”というデータ活用機能が搭載されており、日々の伝票のサマリ情報などを見ることができます。

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FutureStage 食品卸向け販売管理システム

画像引用：生産管理や販売システムならFutureStage

ポイント ・セミオーダー方式
・商品別の温度帯管理が可能

FutureStageは、株式会社日立システムズが中堅・中小規模の食品のためにつくった「FutureStage」シリーズのひとつ。
シリーズ全体としては4000以上の導入実績があります。

基本のテンプレートはありますが、セミオーダー方式で各社に合ったシステムを構築してくれるのが特徴。商品別の温度帯管理（冷凍・冷蔵・常温・定温）も可能です。

オプションですが、会計ソフト「勘定奉行」との連携もできます。各地でFutureStage定期システム相談会が開催されています。

※自社に合う食品在庫管理システムの選び方がわからない、選ぶ時間がない、おすすめのツールを選んでほしい方はシステム幹事にお問い合わせください。予算や目的などをヒアリングした上で、御社に最適な予約管理システムを選定します。相談料・紹介料はいっさいかかりません。

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食品の在庫管理システムの選び方

食品の在庫システムの選び方は、自社の業務に必要な機能を見極め、価格も考慮して選ぶのがおすすめです。ただ、見積もりは個別のケースで変わり、問い合わせが必要なことがほとんどです。まずは気になる複数の会社に問い合わせてみましょう。

基本的に、食品業界向けに開発された在庫管理システムには、ロット別管理や消費期限管理、荷姿管理など、食品業界特有の機能が備わっています。ただし、ハンディ連携や他のどのようなシステムと連携できるかなど細かな機能はシステムによって変わってきます。カスタマイズで付けられる機能も多いので、価格と合わせて確認することをおすすめします。

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食品の在庫管理システム導入のメリット

おすすめのシステムや選び方のみならず導入のメリットも改めて理解しておきましょう。メリットを理解できれば、社内での稟議も通しやすくなるはずです。

トレーサビリティ・賞味期限を管理できる

消費者の食の安心・安全への意識がさらに高まっている今日、食品業界においてトレーサビリティ（追跡可能にすること）は重要です。食品在庫管理システムのトレーサビリティ機能がないことで、賞味期限の管理を徹底できずに賞味期限を切らしてしまえば、在庫ロスにつながります。万が一、賞味期限切れの商品を出荷してしまえば、企業の信頼に関わります。
エクセルや手書きの管理では情報の確認に時間がかかり、クレーム対応なども遅くなってしまいます。

販売機会の損失を防止

紙やエクセルの管理だとリアルタイムの食品在庫状況の把握が難しく、取引先からの発注にすぐに対応できないことがあります。かといって、余剰在庫を持ちすぎているのも、場所もとるうえに、賞味期限を切らしやすくなります。

在庫を適正量に管理しておくことで、「注文が入ったのに欠品していた！」という事態を防ぐことができ、販売の機会損失を防ぐことができます。

社員の作業の効率化・省力化

入荷数や出荷数を手書きで管理するのは大変です。
売上や在庫を別々の手書き台帳やエクセルファイルで管理していると、入力ミスなどで各台帳の数値が合わないことがあり、確認に時間がかかります。

また複数の商品を1つにまとめたセット品などを管理するには、エクセルだと複雑な計算式の設定が必要になるでしょう。

食品在庫管理システムを導入すれば、一度の入力でそれぞれの台帳に数字が自動入力されるので、入力や確認業務を大幅に省力化できます。
また、記入漏れや計算ミスなど人為的なミスも防げます。

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【まとめ】食品の在庫管理はシステム導入で効率化を

食品の在庫管理システムの主な機能と導入のメリット、具体的な商品について解説しました。これらを理解しておくと、実際に食品の在庫管理システムを選ぶときに自社に合ったものが選びやすくなります。

食品の在庫管理システムを導入すると、トレーサビリティや賞味期限管理が徹底でき、在庫や入出庫の集計作業の効率化も図れるなど、メリットも多いです。食品の在庫管理で悩んでいる会社はぜひ一度システムの導入を検討することをおすすめします。

ただし、よく吟味しないと自社に最適ではないシステムを選んでしまうリスクも。細かな違いはホームページからわかりにくいこともありますので、もしどこへ問い合わせるか悩んだらシステム幹事にご相談ください。食品の在庫管理システムの導入のお手伝いをします。

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