- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー ECサイト開発
【ネット販売】ECとは?メリットや自社で構築する方法を解説【2024年最新版】
EC(Eコマース)とは、インターネットを通じて商品やサービスを販売することを指します。
ECの市場は年々成長していますが、今までにECを導入していない企業の担当者は
- ECって何?
- どうしたらECを導入できるの?
- ECを導入するにはどんなシステムを使ったらいいの?
と疑問に思うのではないでしょうか。
そこで本記事では、ECの概要から自社でECサイトを構築するメリット・自で社ECを構築する際の注意点などを詳しく解説します。
この記事を読んでいただくことで、ECの基礎的な知識から、自社でどのようなEC構築方法をとればいいのかまで理解できるようになります。ぜひご活用ください。
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ECとは
ECとは、電子商取引のことです。インターネットを通じた商品やサービスの販売はすべてECとして扱われます。
「Amazon」のように企業が商品やサービスを販売するサイトはもちろん、「ヤフオク!」「メルカリ」のような個人間で取引を行うオークションサービスやフリマサービスもECの1種です。
「ECサイト」と「ネットショップ」はどう違うのか疑問に感じる方もいるようですが、両者は同じものを指しています。
- サイトの製作者やシステム開発者の間では「ECサイト」
- 消費者目線では「ネットショップ」
と呼ばれることもあります。
EC市場規模は拡大している
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査(令和3年度)」によると、EC市場は右肩上がりで拡大を続け、2021年には2013年の約1.9倍の市場規模となっています。特に、物販分野は6割以上とEC市場の中でも大きな割合を占めています。
2020年には新型コロナウイルスの影響があり、ECを利用するユーザーが増加したことでEC市場が拡大するきっかけとなりました。コロナ禍をきっかけに、新規でECサイトをオープンした事業者も多くいるでしょう。
そのため、今後も様々な分野でECへの新規参入が起きると予想されています。
「自社サイト型EC」と「モール型EC」の違い
ECサイトの販売スタイルには、次の2種類があります。
- 自社サイト型:企業などが独自のECサイトを構築するスタイル
- モール型 :インターネット上のショッピングモール内に店舗を展開するスタイル
それぞれ次のようなメリット・デメリットがあるため、自社に合ったスタイルでの運用が必要です。
自社サイト型 |
モール型 |
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メリット |
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デメリット |
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どちらかだけを選ぶのが難しい場合には、自社サイト型とモール型のショップを併用の上、販売する場合もあります。
「自社サイト型EC」と「モール型EC」で販売するメリットを比較
EC市場への参画を狙い、自社オリジナルのECサイトを構築したいと考えている企業も少なくないでしょう。
ここでは、自社サイト型のECを導入する場合をメインに、メリットと注意点を解説します。
自社サイト型ECで販売するメリット
自社サイト型で商品やサービスを販売するメリットは、次の3つです。
- 自由にサイトを構築できる
- 出店料や販売手数料がかからない
- 顧客データをマーケティングに活かせる
それぞれの項目について、詳しく解説します。
自由にサイトを構築できる
自社サイト型のECサイトは、自社運用のためサイト構築の自由度が高く、UI/UXを含めサイト全体を販売しやすい形に自由にカスタマイズできます。自社をイメージしたカラーやアイコンなどを使ってデザインすれば、自社のブランディング強化にもつながります。
一方モール型のECサイトは、1つのWebサイト上に複数のブランドが出店するスタイルです。従ってサイトデザインには以下のような制約があります。
- ヘッダー部分がモール共通のデザイン
- 「カートに入れる」ボタンの色を変更できない
- 画像の大きさや枚数が決まっている
以上のことから自社サイト型ECは、独自性の高いショップをゼロから構築したい方におすすめです。
こんな場合におすすめ
- 自社ECサイト:独自性の高いショップをゼロから構築したい
- ECモール :デザイン性はある程度でも許容できる
出店料や販売手数料がかからない
自社サイト型のECは、出店料や販売手数料などのコストをかけずに運営が可能です。一方で、自社で構築したECサイトの運用費用は別途必要になります。
モール型のECでは、店舗を登録する際の事務手数料として、出店料や販売手数料などの費用がかかります。販売手数料は、売上に対して一定の割合で支払わなければなりません。そのため、売上が伸びると支払うべき販売手数料も増えるので注意が必要です。
こんな場合におすすめ
- 自社ECサイト:運用コストを含めて長期的に予算を準備できる
- ECモール :売り上げがまだ小規模
関連記事:ECショップの構築費用・料金は?自社に合った開発方法も紹介
すべての顧客データをマーケティングに活かせる
自社サイト型のECでは、顧客に関する以下のような詳細データを集め、ユーザーの属性による購買傾向の違いやECサイト内でのユーザー行動を分析するのに役立てられます。
- 顧客が閲覧した商品
- カートに入れられた商品
- リピーターの購入回数が多い商品
- 一緒に購入されることが多い商品
- ユーザーの性別・年代・行動
モール型ECの場合、顧客の情報はモール側が管理するため、詳細なデータは手に入らない場合もあります。
たとえば、商品発送に必要な住所や氏名など以外にはアクセスできず、マーケティングに役立つデータの収集はできない、あるいは追加のオプションが必要などデータを自由に活用できないこともあります。
こんな場合におすすめ
- 自社ECサイト:すべての顧客データを詳細に分析・活用したい
- ECモール :最低限のデータ分析ができればよい
自社ECサイトで販売を行う注意点
メリットが多いように見える自社サイト型のEC構築ですが、実際に販売を行う際は以下のような注意すべき点もあります。
- 自力で集客を行う必要がある
- 構築や運営にスキルが求められる
詳しく紹介しましょう。
自力で集客する必要がある
自社ECサイトを導入した場合、どのようにしてECサイトに訪れる顧客を増やすかがポイントです。自社ECサイトの集客法としては、たとえば以下が考えられます。
- SEO
- メールマガジン
- SNS(Twitter、Instagram、LINEなど)
- Web広告
集客法を決める際に大切なのは「どのような顧客をターゲットにするのか」ということです。商品を販売したいターゲット設定によって効果的な集客法も変わってくるため、どのような戦略であれば成果につなげやすいかを検討しなければなりません。
たとえば、30代ファッションブランドのECサイトであれば、SEOによる検索エンジンからの流入よりもInstagramといったSNSで集客・販売したほうが有効なケースもあります。
一方、「Amazon」「楽天」などのモール型のECショップを活用すれば、独自で集客を行わなくてもある程度集客・販売しやすい特徴があります。
上記のように構築方法によって集客法に違いがあります。これから自社ECサイトで販売しようと検討している企業は「自力で集客できるか」「どのような集客法が効果的なのか」など、十分に検討しておきましょう。
ECサイト構築や運営にスキル・コストが求められる
自社サイト型のECは、自社専用のWebサイト上にショップを展開するため、販売用のサイトやシステムを構築しなければなりません。
Webサイトの作成はもちろん、サーバーの設定やショッピングカートなどのシステムを導入するため、プログラミングなどの開発スキルが必要です。
また、より多くの売上をあげるためには、顧客の属性や購買行動を分析し、ECサイトのデザインや集客方法、販売する商品などの改善を行う必要もあります。
ECサイトを構築したあとの運用費用も継続的に必要になるため、あらかじめ予算を確保して計画的に運営することも求められます。
自社でECサイトを構築・販売する方法
自社でECサイトを構築する方法は、主に次の4つです。
- ASP
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
それぞれどのような構築方法なのか、メリット・注意点と共に解説します。
ASP
ASPは「Application Service Provider」の略で、ECサイトに必要な機能をレンタルして商品を販売できるサービスです。具体的には、次のような機能が含まれます。
- ショッピングカート機能
- 決済機能
- 商品管理機能
ASPのメリット・注意点は次の通りです。
メリット |
注意点 |
|
|
中には以下のように無料で利用が開始できるサービスもあります。
既存のシステムを丸ごとレンタルするスタイルなので、短期間で自社ECを構築しやすくなります。システムの保守・運用を担当するのはASPを提供している業者側のため、自社でメンテナンスする必要もありません。
一方でASPを利用した場合、ECサイトのカスタマイズ性が低くなりがちな点は注意しましょう。販売に必要なショップのデザインはいくつかのテンプレートから選択するため、自社の希望を盛り込んだECを作るのが難しい可能性もあります。(もちろん基本的な機能は整っています)
また、ASPのテンプレートによっては希望する機能が全て搭載されていないこともあります。例えば顧客の詳細な分析が難しかったり、決済のたびに手数料がかかったりといった具合です。
以上のメリット・デメリットを鑑み、ASPは、専門的な知識はないがネットショップでの販売や運用をしたい企業や個人事業主に適しているといえるでしょう。
オープンソース
オープンソースは、無料で公開されているソースコードを利用して自社向けのカートシステムを作る方法です。
オープンソースのメリット・注意点は次の通りです。
メリット |
注意点 |
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オープンソースは、既存のシステムをベースに、自社が求めるデザインや機能を自由にカスタマイズができるのが特徴です。さらに、ベースとなる構築ノウハウが無料で提供されているため、低コストでEC構築・販売ができるのも魅力の1つでしょう。
ただしオープンソースは、ベースのサービスやコードを拡張・カスタマイズして自社に合わせる必要があるため、ECサイトの構築や導入には高度な技術が必要です。
また、オープンソースでは基本的には無料で提供されているソースコードを利用するため、トラブルがおきてもサポートを受けられないという懸念点があります。
加えて、オープンソースは多くの人にソースコードが公開されているため弱点が発見されやすく、セキュリティ面のリスクが高い点もデメリットといえるでしょう。
以上のことから、オープンソースのECサイトを構築・運用する際には、不正アクセスの検知やこまめなアップデートなどのセキュリティ対策に力を入れる必要があります。
パッケージ
パッケージは、ECサイトに必要な機能を備えたシステムを外部発注して導入する方法です。パッケージとしてまとめられたECサイトの基本機能を、システム開発会社が顧客の要望に応じてカスタマイズしてから提供します。
パッケージを利用するメリットと注意点は、次の通りです。
メリット |
注意点 |
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パッケージの場合、基幹システムをはじめとした様々な外部システムと連携が可能です。例えば、基幹システムと連携した場合、売上や在庫データの手入力が不要になるメリットがあります。
またサポート体制が整っており、トラブルがあってもシステム開発会社のサポートが受けられます。パッケージのソースコードも一般に公開されていないため、セキュリティ面も比較的安心して利用が可能です。
一方で、パッケージによるECサイト構築・販売機能の追加は自社に合わせたカスタマイズが行われるため初期費用が高くなる傾向にあります。
また、常に最新の状態でシステムを使い続けるには、定期的にアップグレードも必要です。目安としては3〜5年ごとにアップグレードし、1回に数十万円程度の費用がかかるためあらかじめ予算を確保しておきましょう。
フルスクラッチ
フルスクラッチは、なにもないゼロの状態からECサイトを構築し商品を販売する方法です。フルスクラッチのメリットと注意点は次の通りです。
メリット |
注意点 |
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フルスクラッチ最大の魅力は、カスタマイズ性の高さです。例えば、ゲームでポイントを貯めるなど、一般的なECサイトにはあまり採用されないような機能も搭載できます。また、商品販売しやすくなるように新しい機能を追加したり古くなった機能を修正したりと、柔軟に対応ができます。
そのためフルスクラッチは、独自性の高いECサイトを作りたい時に適しています。
一方で、ゼロから自社のためだけに開発を行うため、膨大なコストがかかります。
また、開発を外部の業者に依頼した場合、運用(機能の追加やメンテナンス等)を別の業者に依頼しづらいケースもあります。なぜなら開発した業者がECサイトの仕様や構築に関する情報をまとめて把握しており、他の業者では対処しきれない場合も多いからです。
以上のことから、フルスクラッチでEC開発をする場合、開発会社は、社内で十分に検討してから決定しましょう。
自社でECサイトを構築・販売する際のポイント
自社でECサイトを構築して商品販売する際には、次の3つのポイントをチェックしておきましょう。
- 運営に必要な機能が不足していないか確認する
- 機能と費用対効果バランスを検討する
- 機能の拡張やカスタマイズができるか確認する
それぞれ、内容を詳しく解説します。
運営に必要な機能が不足していないか確認する
自社ECを構築・商品を販売する際には、必要な機能が十分に搭載されているか、事前に確認しておきましょう。自社ECの運営には、次のような機能が必要です。
- 決済機能:クレジットカード、○○Pay など
- 顧客管理:CSV出力、顧客の属性設定 など
- 集客機能:メルマガ、広告、クーポン など
- 分析機能:売上・利益分析、顧客の行動分析 など
必ずしもすべての機能が搭載されている必要はなく、ECサイトでの販売・運用においてどの機能が必要になるかは企業によって異なります。実際の運営をイメージしながら、ECサイトにどのような機能が必要なのかを検討しましょう。
機能と費用対効果費用のバランスを検討する
ECサイト構築方法は、費用の安さだけで決めるのではなく、得られる効果や売上とのバランスが重要です。
例えば、高機能なECサイト構築システムでは、充実した分析機能がありマーケティングや販売促進に活かせます。
データを蓄積し分析結果を上手に活用すれば、ECサイト構築システムにかけた費用以上に売上を伸ばせる可能性は十分にあるでしょう。
一方で、高度な機能があっても自社で使いこなせなければ、機能利用分のコストがかさみ利益を圧迫してしまいます。
ECを導入した結果、
- どの程度の機能と費用が必要か
- 機能を使いこなせる人はいるのか
- どの程度の売上を見込めるのか
を予想して、自社に合ったECサイト構築方法や機能を選ぶことが重要です。
機能の拡張やカスタマイズができるか確認する
自社ECを長期間運用していると、顧客のニーズに対応するために新しい機能を追加したりカスタマイズが必要になったりする場面も出てきます
機能の拡張やカスタマイズができないと、時間をかけて構築したECサイトなのに新しく作ったECサイトへ引っ越しさせるといった必要性も出てきてしまいます。
自社でECサイトを構築する際は、将来どのような機能を追加する可能性があるのかを十分に検討することが大切です。
あらかじめ販売する商品内容や売上成長の計画を立てておき、ECサイトの事業拡大に伴って追加でどんなカスタマイズが必要かも計画しておくと長期的な運用がしやすくなります。
まとめ
ECサイトには、自社サイト型とモール型の2種類があります。モール型ECの場合には様々なモールの制約に従わなければなりませんが、自社ECなら機能やデザインを自由に構築できます。
自社ECであれば、ブランディングの強化やマーケティングに役立つ顧客データの入手も可能です。
ECサイトを構築する際には、機能と費用のバランスを考えながら自社に合う方法を選びましょう。
※ECサイトの構築にお悩みの方は、システム幹事にご相談ください。コンサルタントが貴社の目的や予算を丁寧にヒアリングし、最適な開発会社を厳選してご紹介します。相談料も紹介料も一切かかりません。
コンサルタントのご紹介
岩田
専任のコンサルタントが、
お客様の予算と目的を丁寧にヒアリング。
最適な会社をピックアップ・ご紹介させていただきます!
初心者の方でも安心してご相談いただけます。
Q. ECとは何ですか?
ECとは、電子商取引のことです。インターネットを通じた商品やサービスの販売は、すべてECとして扱われます。
Q. 自社サイト型ECのメリットは?
自社サイト型ECのメリットは「自由にサイト設計できる」「出店料・販売手数料が発生しない」などです。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。