C++のアプリ開発|基本・特徴・開発できるアプリ・使われ方を紹介!

汎用性の高いC++なら、どんなプログラムも作れると聞いたが、検討している自社アプリ開発でもC++を採用したほうがいいのか?悩んでいる企業担当者の方に向け、特徴から開発できるアプリ、主な使われ方まで、C++アプリ開発の基本を紹介していきます。

なお、C++に強いアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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目次
  1. 1. プログラミング言語「C++」の基本 / 特徴
    1. 1-1. コンパイラ型ならではの高速な実行速度
    2. 1-2. どんなプログラムも開発できる汎用性の高さ
    3. 1-3. 「C」を拡張してオブジェクト指向を追加
    4. 1-4. 「C#」との互換性はない
    5. 1-5. 「C++」のアプリ開発コストは高め
  2. 2. C++でどんなアプリを開発できるのか
    1. 2-1. 業務アプリケーション開発
    2. 2-2. Webアプリ開発
    3. 2-3. iOS / Androidアプリ開発
    4. 2-4. AI / ディープラーニングアプリ開発
    5. 2-5. 組み込み系 / IoTシステム開発
    6. 2-6. ゲームアプリ開発
  3. 3. C++以外の主要なプログラミング言語
  4. 4. 主要アプリの開発でC++はどう使われているのか
    1. 4-1. 大規模業務アプリケーションは「C++ / Java」
    2. 4-2. Webアプリ開発は「PHP / Ruby / Python」
    3. 4-3. AI / ディープラーニングアプリ開発は「Python」
    4. 4-4. iOSアプリ開発は「Swift」Androidアプリ開発は「Kotlin」
    5. 4-5. 組み込み系 / IoT / 機器制御系は「C++ / C / Java」
    6. 4-6. ゲームアプリ開発は「C++ / C#」
  5. 5. アプリ開発の言語を選定するポイント
  6. 6. 【まとめ】C++アプリ開発の基本・開発できるアプリを紹介しました

プログラミング言語「C++」の基本 / 特徴

「C++」とは、1983年にAT&Tベル研究所から初版が公開された、オブジェクト指向のコンパイラ型プログラミング言語のこと。同じく、AT&Tベル研究所が1972年に公開した汎用プログラミング言語「C」を発展 / 拡張させた、上位互換のプログラミング言語として知られています。

実際には完全互換ではないものの、C++のプログラムにCのソースコードを混在させるなども可能。Cのようにコンピューターハードウェアを制御する低水準言語としても、アプリ開発向けの高水準言語としても利用できることがC++の特徴です。もう少し詳しく、C++の特徴を解説しておきましょう。

コンパイラ型ならではの高速な実行速度

コンパイラ型であるC++で書かれたプログラムは、実行速度が高速だという特徴を持ちます。

大前提として、ハードウェアに処理の実行を命令するには、プログラムのソースコードをCPUにも理解できるバイナリコード(機械語 / マシン語)への変換が必要。コンパイラ型とは、ソースコードをバイナリコードへ変換するため「コンパイラ」というプログラムを使うタイプの開発言語のことです。

コンパイラ型は、バイナリコードへの変換を一括で実行するため、ソースコードを1行ずつ変換するインタープリタ型よりも動作が高速。なかでも、C / C++の実行速度は、ほかのコンパイラ型プログラミング言語よりも高速です。

どんなプログラムも開発できる汎用性の高さ

C++には、ハードウェアのCPU(中央演算処理装置)で動作するコンパイラさえあれば、どんなプログラムでも開発できる汎用性の高さという特徴もあります。たとえば、電子機器や自動車向けのプログラムも、マイコン向けのC++コンパイラがあれば開発可能です。

「C」を拡張してオブジェクト指向を追加

C++は、Cをベースにさまざまな機能を追加して発展 / 拡張させた開発言語ですが、それを象徴するのが「オブジェクト指向プログラミング」です。

オブジェクト指向とは、ある役割を持った処理を「部品化」し、部品を組み合わせることでプログラムを構築していくプログラミングパラダイム(考え方)のこと。部品化した処理は再利用できるため、類似のプログラム開発を効率化可能。つまり、オブジェクト指向のC++は、Cよりも生産性を高められる特徴を持つ開発言語です。

「C#」との互換性はない

名称から「C / C++」の派生言語だと思われがちですが、C#はまったく異なるプログラミング言語であり、C / C++との互換性もありません。Cを参考にオブジェクト指向を追加するC#は、C++に近い性質があることも事実。しかし、プログラムの実行に仮想マシンを必要とするなど、どちらかというとC#は「Java」に近いプログラミング言語です。

「C++」のアプリ開発コストは高め

実行速度が高速で汎用性も高い一方、C++のプログラム / アプリ開発コストは高額になりがち。
これは、Cを発展 / 拡張させたため、C++の機能が豊富になりすぎ、文法 / 言語仕様も複雑化してしまったことが要因です。

  • 学習コストが高く、C++に習熟したエンジニアが少ない
  • さまざまな機能を利用できるため、結果的にコードの記述量が増える
  • 専用コンパイラの開発難易度が高い

上述した要因は、エンジニアの単価や開発期間の長期化など、開発コストが上昇する理由となり得ます。

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C++でどんなアプリを開発できるのか

システム幹事

C++の基本 / 特徴を把握できたところで、汎用性の高いC++でどんなアプリを開発できるのか?簡単に解説していきましょう。

業務アプリケーション開発

在庫管理 / 受発注管理 / 財務会計など、基幹システムをはじめとした業務アプリケーション開発にC++は採用されています。

ここでいう業務アプリケーションとは、サーバで動作するプログラムへクライアントマシンを接続して利用する「クライアントサーバシステム」のこと。C++が利用されるのは主に「バックエンド開発」ですが、新規開発のみならず、既存業務アプリの書き換えにC++が採用されることも少なくありません。

Webアプリ開発

事例は多くないものの、C++はWebアプリ開発に採用される場合もあります。たとえば、Webブラウザで圧倒的なシェアを誇るGoogle Chromeは、C++で開発されています。

iOS / Androidアプリ開発

iOS / Androidのクロスプラットフォームアプリ開発に、C++を利用するケースも少なくありません。iOSアプリのビルドには、Macのリモート環境を必要とするものの、Visual Studioを利用すれば、C++のみでiOS / Androidアプリを開発可能。それぞれのアプリを個別開発するよりも、コストを大幅に削減できます。

AI / ディープラーニングアプリ開発

Pythonのイメージが強いAI / ディープラーニングアプリ開発ですが、処理の高速化を目的にC++を採用する場合もあります。たとえば、Googleの開発したディープラーニング向けライブラリ「TensorFlow」は、C++での開発にも対応しています。

組み込み系 / IoTシステム開発

家電などに代表される組み込み系システム、IoTシステム開発などは、C++が採用されることの多い分野です。CPU / MPUなど、ハードウェアの制御が容易な低水準言語としても利用できる、C++ならではの活用分野といえるでしょう。

ゲームアプリ開発

PC / スマートフォン / 専用機向けのゲームアプリ開発でも、C++は大きな存在感を誇っています。これは、C#を基本とするゲームエンジン「Unity」と市場シェアを二分するといわれる「Unreal Engine」の存在があるから。補助付きプログラミングといわれるC++開発環境が用意されているため、比較的簡単にソースコードを記述できます。

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C++以外の主要なプログラミング言語

比較的古い開発言語であるにもかかわらず、現代でも根強い人気を誇るC++ですが、プログラミング言語は200以上が存在しているともいわれています。自社アプリ開発に適切な言語を選定するためにも、C++以外の主要言語を知っておくことも重要です。

主要なプログラミング言語

特徴

Java

・マルチプラットフォーム

・汎用性 / 堅牢性 / セキュリティ性に優れる

・実行速度が高速

C#

・マルチプラットフォーム

・汎用性 / 堅牢性 / セキュリティ性に優れる

・Javaよりも高機能

Python

・ソースコードがシンプルで可読性に優れる

・汎用性が高い

・豊富なライブラリ / フレームワークを利用可能

PHP

・Webアプリのバックエンド開発に適した言語

・ソースコードがシンプルで可読性に優れる

・データベースへのアクセスが容易

Ruby

・開発効率を高められるシンプルな文法

・汎用性が高い

・Webアプリ開発を容易にするRuby on Rails

Swift

・英文に近い可読性に優れるスクリプト言語

・Apple製品で動作するすべてのアプリを開発可能

・オープンソース化によってWebアプリ開発にも対応

Kotlin

・Java仮想マシンで動作するためJavaとの親和性が高い

・Javaよりもソースコードの記述量を減らせる

・AndroidアプリのほかWebアプリ開発にも利用可能


アプリ開発の主要言語については以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:システム開発の主要言語を解説|業務アプリケーションによく使われている言語は?

主要アプリの開発でC++はどう使われているのか

どんなプログラムでも開発できる汎用性、高速な実行速度という特徴を持つC++ですが、開発するアプリによってはC++以外の言語が選ばれることも少なくありません。なぜなら、開発するアプリの特徴やプロジェクトの目的によって、C++よりもフィットする開発言語が多数存在するからです。

それでは、主要なアプリ開発でC++はどのように使われているのか?アプリの種類ごとにメインで使われている開発言語はなにか?以下から簡単に解説していきましょう。

大規模業務アプリケーションは「C++ / Java」

クライアントサーバモデルの業務アプリケーションのなかでも、大規模かつクリティカルなアプリ開発には「C++ / Java」が採用されます。たとえば、多数のクライアントが同時接続する大規模業務アプリ、金融系のクリティカルな業務アプリなどが該当。堅牢性 / 高速性が求められる業務アプリでは、C++の特徴を活かせる条件が揃っているからです。

一方、中規模以下の業務アプリケーションの場合、C++を採用するプロジェクトは多くありません。中規模以下の業務アプリでは、高速性よりも開発効率が優先されるためです。こうしたプロジェクトではC#が採用される場合が多く、近年ではPythonで業務アプリを開発する例も増えています。

Webアプリ開発は「PHP / Ruby / Python」

C++が採用されることはあるものの、Webアプリ開発の主要言語は「PHP / Ruby / Python」です。開発効率が優先されるWebアプリの場合、使いやすいフレームワークの存在が開発言語の選定を左右しがち。たとえば、PHPならLarabel、RubyならRuby on Rails、PythonならDjangoなどのフレームワークが該当します。

ただし、C++の高速性を有効活用するために開発されたWebアプリフレームワーク「Drogon」が登場するなど、状況は変化しつつあります。Webアプリ開発分野でも、C++の活用が増える可能性はあるでしょう。

AI / ディープラーニングアプリ開発は「Python」

フレームワーク「TensorFlow」がC++に対応してはいるものの、AI / ディープラーニングアプリ分野の主流言語は開発効率の高い「Python」です。なぜなら、まだまだ方法論の確立していないAI / ディープラーニング分野では、素早くアプリを開発して検証するという目的が優先されるからです。

開発されたアプリを高速化するためにC++を利用するパターンは少なくありませんが、アプリ開発のメインはPythonです。

iOSアプリ開発は「Swift」Androidアプリ開発は「Kotlin」

クロスプラットフォームのネイティブアプリを開発できるC++ですが、iOSの場合はSwift、Androidの場合はKotlinがアプリ開発の主流言語です。これは、Swift / Kotlinがモバイルアプリ開発を目的に登場した言語だからだと考えられます。

モダンかつコードの記述量を減らせるSwift / Kotlinは、可読性に優れ、習得しやすい言語。クロスプラットフォームアプリを開発できるとはいえ、習得が難しく開発コストが高めのC++は敬遠される傾向にあります。

組み込み系 / IoT / 機器制御系は「C++ / C / Java」

組み込み系 / IoT / 機器制御系開発の分野では、ハードウェアの制御や実行速度に優れる「C++ / C / Java」が主流言語です。特に、低級言語 / 高級言語として利用できるC++の存在感は抜群。コンパイラさえあれば、マイコンでも制御できるC++の特徴を活かせるアプリ開発分野です。

ゲームアプリ開発は「C++ / C#」

ゲームアプリ開発の分野では「C++ / C#」が主流言語。上述したように、開発に利用されるゲームエンジンの人気を二分する「Unity」「Unreal Engine」の開発言語が、それぞれ「C#」「C++」だからです。

ただし、両者は競合するゲームエンジンではあるものの、キチンと住み分けされている一面も。C++を開発言語とするUnreal Engineは、高度なグラフィックを要求されるゲームアプリ開発に利用される傾向があります。

アプリ開発の言語を選定するポイント

C++に限ったことではありませんが、アプリを開発できることと、開発するアプリに適していることでは意味が異なります。それが、アプリによって主流の開発言語が異なる理由であり、200以上のプログラミング言語が存在する理由でもあります。

では、開発を検討中のアプリに適したプログラミング言語を選ぶにはどうすべきか?高い専門性が求められるため、アプリ開発の企画者にとっては難問ですが、総合的に見ておくべきヒントとなるポイントをいくつか紹介しておきます。

開発言語の特徴

汎用性、堅牢性、実行速度など

開発環境

IDE(統合開発環境)、コンパイラなどの環境整備状況

生産性

フレームワーク / ライブラリ、コードの記述量など

エンジニア

習熟しているエンジニア数、言語習得の難易度など

データベース接続

主要なDBMSへの対応状況


【まとめ】C++アプリ開発の基本・開発できるアプリを紹介しました

汎用性の高いC++なら、どんなプログラムも作れると聞いたが、検討している自社アプリ開発でもC++を採用したほうがいいのか?悩んでいる企業担当者の方に向け、特徴から開発できるアプリ、主な使われ方まで、C++アプリ開発の基本を紹介してきました。

なお、C++に強いアプリ開発会社の探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。

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