- 更新日 2023.12.01
- カテゴリー インフラ構築
サーバー移管の方法・手順・注意点|ドメイン移管の方法・手順も解説!
Webサイトの速度、安定性の面で、いまのサーバーに不満を感じている。引っ越しを考えているが、そもそもサーバー移管の方法や手順は?ドメインをそのまま使える?そんな企業担当者に向け、ドメインそのままでサーバー移管する方法・手順、ドメイン移管が必要なパターンや方法・手順を解説していきます。
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サーバー移管とは?サーバーとドメインをおさらい
移管とは、物品の管理・管轄をほかに移すこと。つまり、サーバーの管理・管轄をほかに移す、管理会社を変更することをサーバー移管といいます。
たとえば、自社管理するオンプレミスサーバーを、外部ベンダーの管理するパブリッククラウドへ移管するなど。ただし本記事では、ホスティングを利用して運営するWeb / ECサイトのサーバーを、別のホスティングサービスへサーバー移管する方法・手順を解説していきます。
また、法人の運営するWeb / ECサイトには「独自ドメイン」が付きもの。「サーバー移管してもドメインをそのまま使えるのか?」知りたい方のために、ドメインの設定 / 移管方法・手順も解説します。まずは、大前提となる「サーバー」「ドメイン」とはなにか?おさらいして理解を深めていきましょう。
Webサイトの機能 / サービスを提供するサーバー
サーバーとは、ユーザー(端末)からのリクエストを処理し、適切なレスポンス(回答)を返すコンピューター、もしくはプログラムのこと。たとえば、Webサイトの場合、ブラウザにHTMLの表示を提供するミドルウェア、ミドルウェアやOSを格納するサーバーPC、どちらもWebサーバーと呼ばれます。
Webサーバーを調達する方法はいくつかありますが、中小企業のコーポレートサイトでは、ホスティングサービスの「共用サーバー」を利用することが一般的。共用サーバーとは、物理サーバーを複数の領域に分割し、複数ユーザーで共用するサーバーのことです。
ただし、同じ仕組みでも、共用サーバーのパフォーマンス / 費用はサービスベンダーごとに異なります。Webサイトへのアクセスが増加して現行サーバーで対応しきれない、同じパフォーマンスでも他社の方が安価などの場合に、サーバー移管は有効です。
ホスティングサービスについては以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ホスティングサービスとは?プラン・機能・利用できるサービスを解説!
Webサイトの住所となるドメイン
ドメインとは、IPネットワーク(インターネット)に接続された個々のコンピューターを識別するラベルのこと。ドメインはインターネットの住所に相当し、たとえばシステム幹事なら「System-kanji.com」がドメインです。
しかし、実際には「コンピューターはIPアドレスを使ってIP通信」しています。IPアドレスとは、IPネットワーク上のコンピューターを識別するために使われる数字のこと。たとえばシステム幹事のIPアドレスは「52.192.88.237」です。
つまり、Webサイトを公開するには「System-kanji.com」のIPアドレスが「52.192.88.237」だという情報を管理しなければなりません。これを「名前解決」といい、名前解決の役割を担うのが、レジストラというドメイン事業者です。
サーバー移管時のドメイン移管は必須ではない
それでは、ベンダーを変更するのがサーバー移管であるならば、ドメインもレジストラを移管しなければならないのか?そんな疑問を感じる方も少なくないでしょう。
しかし、サーバー移管時のドメイン移管は必須ではありません。ドメインを管理するレジストラはそのまま、わずかな設定のみでサーバー移管が可能です。もちろん、ドメインはそのまま、変更されることもありません。
ドメイン移管が必要なパターン
一方、サーバー移管時にあえてドメイン移管するパターンもあります。
- 所有する複数のドメインそれぞれが異なるレジストラで管理されている
- 移管先のホスティングベンダーにドメインを移管したい
ドメインの管理には年間費用を支払う必要がありますが、支払先を一元化することでコストを最適化できる場合があるからです。
サーバー移管の方法・手順
サーバー / ドメインの基本を理解できたところで、サーバー移管の具体的な方法・手順を簡単に紹介していきましょう。ホスティングベンダーによっては、手順が多少前後する場合もあります。
現行サーバーのデータをバックアップ
まずは、現行サーバーのデータをバックアップし、Webサイトの各種設定を記録しておきます。必要な設定はWebサイトの構築方法によって異なりますが、ドメイン設定 / SSL設定 / DNSサーバー情報は必須。WordPressサイトの場合は「FTP設定」「MySQL設定」なども必要です。
移管先のサーバーを契約
移管先のサーバーを選定して契約します。現行サーバーの不満点はなにか?不満を解消するサーバースペックはどの程度必要か?課題を明確にし、解決するのに適切なサービスを選定することが重要です。
移管先サーバーにドメインを設定
契約の済んだ移管先サーバーに、保有するドメイン / SSLを設定します。ベンダーによって異なりますが、多くの場合「管理画面のドメイン設定」で登録できるはずです。
移管先サーバーにデータをインポート
ドメイン設定の済んだ移管先サーバーに、バックアップしておいたWebサイトのデータをインポートします。元データが移管先サーバーでもキチンと表示されるか、この時点で確認しておきましょう。
メールアカウントの設定
独自ドメインを使ってメールアカウントを設定していた場合は、移管先サーバーでの再設定が必要です。メール受信に利用しているメーラー側も再設定しておきます。
DNSサーバー(メールサーバー)の設定
DNSサーバー(ネームサーバー)を設定し、現行サーバーから移管先サーバーへWebサイトを切り替えます。DNSサーバーとは、ドメイン / IPアドレスを管理するレジストラが提供する、名前解決サーバーのこと。
具体的には、移管先サーバーのDNS情報を、現行サーバーのDNSサーバー情報で上書きするイメージです。これによって、ドメインを管理するレジストラを変更することなく、サーバー移管を完了できます。
DNSサーバーについては以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:DNSサーバとは?概要・仕組みやDNSサーバの設定・確認方法を解説!
Webサイトの動作確認
これでサーバー移管作業は終了。最終的なWebサイトの動作確認を済ませ、問題ないようなら現行サーバーの契約を解除します。
ドメイン移管の方法・手順
それでは、サーバー移管と同時にドメインも移管したい場合はどうしたらいいのか?以下から、ドメイン移管の方法・手順も簡単に紹介していきます。
移管先レジストラへ移管申請
まずは、移管先のレジストラへ、ドメインの「移管申請」をします。具体的には、新たに契約したホスティングサービスを管轄するレジストラへ移管申請し、現行レジストラに認可してもらう流れです。
移管承認メールにしたがってWhois情報を設定
手続き完了後、ドメインの管理者あてに「ドメイン移管承認メール」が届きます。メールに記載されている指示にしたがってWhois情報を設定し、サーバー移管手順で紹介した「DNSサーバーの設定」を済ませれば完了です。
Whois情報とは
それでは「Whois情報」とはなにか?技術的な問題、商標に関するトラブルを解決するため、レジストリ / レジストラが提供するドメイン登録者の情報を「Whois」といいます。独自ドメインでWebサイトを公開するにはWhoisが必須であり、主に以下のような情報が記載されています。
- 登録ドメイン名 / DNSサーバー
- 登録年月日 / 有効期限 / 登録者の氏名
- 技術的な連絡をする担当者の名前・メールアドレス・電話番号
- 登録に関する連絡をする担当者の名前・メールアドレスなど
Whois情報は登録しているレジストラで管理されていますが、移管申請が認められない、あるいはできない場合、Whois情報に起因する問題であることがほとんどです。
- Whois代理公開サービスが解除されていない
- 登録情報が正しくない
- 管理者メールアドレスが無効になっている
- ドメイン取得から60日を経過していない
- 更新期限まで1か月を切っている
- レジストラロックが解除されていない
移管申請の前に、現行レジストラのWhois情報を確認しておくとトラブルを防げます。
オースコードとは
また、トップレベルドメインに「.com」「.net」「.org」などを利用している場合は、移管申請時に「オースコード」の入力を求められます。オースコードとは、移管申請に必要なパスワードのこと。該当するドメインを利用している場合は、現行レジストラへの申請が必要なため注意しましょう。
サーバー移管 / ドメイン移管の注意点
注意深く作業を進めれば、サーバー移管 / ドメイン移管は難しいことではありません。ただし、いくつか注意しておくこともあります。
サーバー移管のスケジュール / 並行運用
サーバー移管は、並行運用が必要なことを念頭に置き、適切なスケジュールを立てて実行しましょう。なぜなら、サーバー移管後の動作確認、DNSサーバーでのドメイン反映、ドメイン移管それぞれにある程度の時間を要するからです。
たとえば、ドメイン移管しない場合でも、移管先のDNSサーバーにドメインが反映されるには数日から1週間程度かかります。ドメインが切り替わる前に現行サーバーを解約すれば、Webサイトの表示にタイムラグが生じてしまうでしょう。現行 / 移管先ホスティングサービスを1か月程度並行運用する前提で、スケジューリングするのがおすすめです。
適切なホスティングサービスの選定
サーバー移管で公開しないためには、なによりも適切なホスティングサービスを選ぶことが重要です。現行サービスのなにが不満なのか?なにを改善すれば不満を解消できるのか?現場の課題を把握し、改題を解決するのに適切なサービスを選ぶことが重要です。
【まとめ】サーバー移管 / ドメイン移管の方法・手順を紹介しました
Webサイトの速度、安定性の面で、いまのサーバーに不満を感じている。引っ越しを考えているが、そもそもサーバー移管の方法や手順は?ドメインをそのまま使える?そんな企業担当者に向け、ドメインそのままでサーバー移管する方法・手順、ドメイン移管が必要なパターンや方法・手順を解説してきました。
サーバー移管を検討する課題はそれぞれですが、移管作業よりも重要なのは適切なホスティングサービスの選定です。それぞれのサービス内容を比較し、自社課題の解決に役立つホスティングサービスを見極めましょう。
なお、ホスティングサービスの探し方・選び方がわからない!という方はシステム幹事にお気軽にご相談ください。貴社の目的・予算にあった最適な会社を厳選してご紹介します。相談料・会社紹介料などは無料です。
この記事を書いた人
梓澤 昌敏
専門分野: 音楽・映像制作、オウンドメディア、ビジネス
音楽・映像制作の現場を経て、スタジオ構築側の業界へ。マネージャー・コンサルタントとして制作現場の構築に携わる一方、自社オウンドメディアの立ち上げを含むマーケティングも担当してきました。現在アメリカ在住。作曲を含む音楽制作も提供しています。
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