- 更新日 2024.10.17
- カテゴリー ECサイト開発
ECカートシステムの選び方を解説おすすめ14社も紹介【2024年最新版】
カートシステムは、ECサイトの利便性やデザイン・ブランディングに大きく関わり、売上を左右する重要な要素です。
しかし、ECサイトの運用経験がない場合、
- そもそもカートシステムで何ができるのか分からない
- カートシステムの種類を知りたい
- どのカートシステムを選べばよいか分からない
といった悩みを抱えている担当者様もいるでしょう。
本記事では、カートシステムとは何かといった基礎知識や、ASP型・パッケージ型などカートシステムの種類の違い、カートシステムの正しい選び方、そして具体的なサービスについて解説します。
※サービス選定や利用するカートシステムの種類に迷われている場合は、システム幹事にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリングし、要望にあった最適な提案を行います。
カートシステムとは
カートシステムとは、インターネット上で商品を販売する仕組みのことです。カートとは、日本語で「(買い物)かご」を意味する言葉です。「ECカートシステム」「ショッピングカートシステム」と呼ばれることもあります。
カートシステムを用いると、ユーザーは気になる商品をカートに入れ、カートに入れた商品を購入することが可能になります。Amazonや楽天といったECサイトを利用したことがある方は、イメージがつきやすいかもしれません。
カートシステムの基本的な機能には、以下のようなものがあります。
- 商品ページを作成する機能
- 商品をカートに入れる機能
- 注文を受け付ける機能
- 配送先や配送方法、決済方法を指定する機能
- 決済手続きをする機能
- 売上を管理する機能
- 購入者とのコミュニケーションを行う機能
最近では、カートシステムも多機能化しており、ポイントやクーポンを発行する機能や顧客管理する機能を備えたものもあります。
自社でECサイトを立ち上げる際には、商品の管理や受発注をスムーズに行うために、ECサイトの運営方針に合わせて、カートシステムを導入することが重要です。
カートシステム・ソフトの種類
種類 |
価格 |
特徴 |
ASP型 |
無料~300万円以上 |
・構築費用・維持費が低コスト ・カスタマイズにも対応 ・他社へ乗り換えがしにくい |
パッケージ型 |
100万〜300万円以上 |
・導入スピードが早い ・他社への乗り換えがしにくい ・機能が提供サービスに縛られる |
オープンソース型 |
10万〜300万円以上 |
・乗り換えがしやすい ・カスタマイズにも対応 ・サーバーが必要 |
フルスクラッチ型 |
300万から500万円以上 |
・0からECサイトを開発 |
カートシステムには、大きく分けて表に記載の4つの種類があります。
それぞれでコストや特徴が異なり、自社のECサイトに適した種類を選ぶ必要があります。
ASP型
ASP型とは、クラウド上のプラットフォームで利用できるカートシステムです。ECサイトの運営に必要な機能が備わっており、すぐに利用が開始できることや初期費用が無料〜十万円程度と安い特徴があります。
その一方で、既存のシステムをそのまま利用することになるため、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。基本的な機能さえ備わっており、コストを抑えて素早く導入したいと考えている企業におすすめです。
パッケージ型
パッケージ型とは、ECサイトの運営に必要な機能がパッケージとしてセットになっているソフトです。必要機能が備わっている点では、ASP型と同じですが、ある程度のデザインや機能面のカスタマイズができるのが特徴です。
コスト面ではASP型よりも高く、数百万円程度の導入費用がかかります。また、カスタマイズを行うためにはプログラミングの知識を持った人材が必要になってきます。
1からカートシステムを開発する技術や労力はないが、ある程度のカスタマイズができるタイプを選びたいという企業におすすめです。
オープンソース型
オープンソース型とは、誰でも無料で利用できるカートシステムのソースを指します。一般に公開されているプログラムをインストールしてECサイトを構築することになるため、初期費用が非常に安いのが特徴です。
しかし、セキュリティ面が脆弱といったリスクがあることや、保守やデザインのカスタマイズは自社で行う必要があります。そのため、プログラミングの知識を持った人材が必要になってくることを頭に入れておく必要があるでしょう。
またECサイトを構築するためのプログラムは無償で使えますが、インフラとなるサーバーやエンジニアなどは自社で用意しなければいけないので、総合的な費用は10万〜300万円以上かかります。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ECサイトに必要な機能を1から構築する手法です。ゼロから構築するため、導入までに時間やコストがかかるのが難点ですが、デザインや機能を自社ECサイトに合わせて自由にカスタマイズできるのが特徴です。
独自のシステムになるので他社との差別化を図れるという優位性がありますが、やはりコスト面が導入へのネックになるでしょう。開発コストはおよそ500万円以上かかる場合が多く、高いと数億円になる場合もあります。導入までの期間も長い場合は年単位になります。
大規模ECサイトを構築したい場合は、フルスクラッチが採用される場合もありますが、小〜中規模のECサイトでは、上記で紹介した別の選択肢が選ばれることが多いです。
自社に合ったカートシステムの選び方
カートシステムを選定する際には、売上の規模感やブランディングの方向性、自社に構築やカスタマイズできる人材がいるかといった点を十分に加味して、自社に合ったシステムを選ぶ必要があります。
ここからは、カートシステム選びを失敗しないための5つのポイントについて解説します。
1. 事業規模
まず考えるべきことは、ECサイトの想定される事業規模です。事業規模が大ければ大きいほど、扱う商品は多くなり、高機能性や利便性が求められます。
例えば、年商で1億円以上を見込むのであれば、ある程度カスタマイズ性の高いパッケージ型や、より大規模なのであれば、スクラッチ型が第1の選択肢になるでしょう。
一方で将来的にどうなるかはわからないが、現段階では年商1億円以下を想定し、できるだけスモールスタートしたい場合は、初期コストを抑えられるASP型がおすすめです。
2.サイト構築と運営にかけられるコスト
ECカートは費用に大きな幅があります。下記の点を見逃さずに、予算と相談しながら選択するのがオススメです。
・注文ごとに発生する手数料
・会員数・商品数による料金の変動
・データ容量を上げる際の追加料金
3.商材とカートの相性
ECカートは、無料と有料版の他に、リピート通販に特化した機能を持つ「リピートカート」があります。取り扱う商材が化粧品やサプリメントなどの定期的に一定数購入されるような商材の場合、リピートカートのほうが適しています。商材とカートの愛称を考慮して選択しましょう。
4.登録できる商品数
ECカートの種類によっては、登録できる商品数に制限があったり、登録する商品数によって費用が変動したりする場合があります。現時点で導入する商品数だけでなく、将来取り扱う商品数を予測して対応できるか考慮しましょう。
初期費用・月額費用が無料のASP型カート4選
サービス |
初期費用 |
月額費用 |
決済手数料 |
STORES(フリープラン) |
無料 |
無料 |
5% |
BASE(スタンダードプラン) |
無料 |
無料 |
3.6%+40円+サービス利用料3% |
イージーマイショップ |
無料 |
無料 |
5%+40円 |
Cafe24 |
無料 |
無料 |
— |
ASPカートの費用は、導入時に払う初期費用、導入後に毎月払う月額費用、商品が売れたときにかかる決済手数料の3つの費用の合計で決まります。このうち初期費用と月額費用が無料のもの4つをまず紹介します。
STORES
画像引用:STORES
「STORES」は、東京都渋谷区に本社を置く「STORES 株式会社」が提供するサービスです。
初心者でも簡単に扱いやすいのが特徴で、フリープランであってもアイテム登録数が無制限、デザイン機能も使い放題なのが特徴。また、決済手数料が無料版ASPサービスの中でも比較的安いため、手数料をなるべく抑えたいと考えている人におすすめです。
BASE
画像引用:BASE
「BASE」は、東京都港区に本社を置く「BASE株式会社」が提供する国内トップクラスのシェアを誇るサービスです。
スタンダードプランを利用した場合、初期費用・月額費用が0円でネットショップを開設できます。BASEは、900万ユーザーが集まるショッピングアプリを提供しており、販促・集客面で強みを持っているのが特徴です。
イージーマイショップ
画像引用:イージーマイショップ
「イージーマイショップ」は、愛知県名古屋市に本社を置く「株式会社システムリサーチ」が提供するサービスです。
無料版が用意され、初期費用・月額費用が無料で利用できる特徴があります。セット販売やオーダーメイド商品に強く、ネーム入れやカスタム注文といった機能が備わっています。
Cafe24
画像引用:Cafe24
「Cafe24」は、東京都港区に本社を置く「CAFE24 JAPAN株式会社」が提供するサービスです。
基本機能が全て無料で用意されており、運営者の人数や容量によってオプション形式で、追加の費用がかかる仕組みです。越境ECに力を入れており、商品情報の自動翻訳や海外配送に対応しています。
また、越境ECが不安な方に向けて、海外向けのショップ構築のサポートや運営代行サービスを提供しているのも強みです。
有料版ASP型カート4選
サービス |
初期費用 |
月額費用 |
決済手数料 |
Shopify(ベーシックプラン) |
無料 |
$25 |
3.4% |
カラーミーショップ |
無料 |
4,950円 |
無料 |
FutureShop(スタンダード50) |
22,000円 |
22,000円 |
— |
ショップサーブ |
15,000円 |
22,000円 |
無料 |
決済手数料に加えて月額費用がかかるASPカートを4つ紹介します。
Shopify
画像引用:Shopify(ショッピファイ)
「Shopify(ショッピファイ)」は、カナダに拠点を置く「Shopify Inc.」が提供するサービスで、世界各国で100万店舗以上に利用されている国際的なカートサービスです。
無料ASPとは異なり、ECサイトの売上規模や成長率に伴って、自由度の高いカスタマイズが行えます。豊富なテンプレートが用意され、ドラッグ&ドロップでショップが構築できるため、コーディングの知識がなくても、デザイン性の高いサイトを構築できます。
カラーミーショップ
画像引用:カラーミーショップ
「カラーミーショップ」は、東京都渋谷区に本社を置く「GMOペパボ株式会社」が提供するサービスです。80種類以上のお洒落なテンプレートが用意され、食品やアパレルブランドを中心に利用されています。
ECサイト利用者の購入率とリピート率向上にこだわった設計になっており、ショッピングカートでは、カート画面のページ遷移を抑えることにより、ユーザーが途中で離脱するのを防ぎます。また、購入後のフォローメールやポイント制度など、350種類以上の機能を備えた高機能なサービスです。
FutureShop
画像引用:FutureShop
「FutureShop」は、大阪市に本社を置く「株式会社フューチャーショップ」が提供するサービスです。デザインの自由度が高く、ブランディングを実現しやすいためアパレル業界やコスメブランドを中心に導入されています。
店舗やブランドのファン化に向けたキャンペーン施策が充実しており、自社ECサイト内でライブ配信ができる「ライブコマース機能」やポイント機能、VIP会員のみが購入できるシークレットセール機能など、他サービスにはない独自機能が搭載されています。
ショップサーブ
画像引用:ショップサーブ
「ショップサーブ」は、東京都港区に本社を置く「株式会社Eストアー」が提供するサービスです。「CRMに強いECシステム」を謳っているとおり、顧客セグメント機能や会員ランク機能などを搭載し、優良顧客を手間をかけずに見つけ出し、メール配信リストとして活用できます。
パッケージ型カート4選
サービス |
初期費用 |
月額費用 |
EC-ORANGE |
要問合せ |
要問合せ |
ecbeing |
500万円〜 |
20万円〜 |
Commerce21 |
要問合せ |
要問合せ |
ebisumart(従量課金プラン) |
300万円〜 |
20万円~ |
EC-ORANGE
画像引用:EC-ORANGE
「EC-ORANGE」は、東京都港区に本社を置く「株式会社エスキュービズム」が提供するサービスです。当サービスでは、ソースコードが開示されており、自由にカスタマイズできるため、自社の運用方針に合わせて汎用性の高いシステムに変更ができます。
また、サーバーレス環境にも対応しているので、自社でサーバーを管理・運用する必要もありません。クラウドサーバーを活用することで、運用監視コストやトラブル発生時の対応といった負担を減らすことが可能です。
ecbeing
画像引用:ecbeing
「ecbeing」は、東京都渋谷区に本社を置く「株式会社ecbeing」が提供する中堅・大手向けのECプラットフォームです。国内最大規模の社内体制があるため、開発からマーケティングまでワンストップで支援を行ってくれます。
売れるECサイトを構築するための標準機能を一通り搭載していると同時に、カスタマイズ性に優れているのが特徴。基幹システムとの連携やオムニチャネル化など、トレンドや業務に合わせて柔軟にカスタマイズすることが可能です。
Commerce21
画像引用:Commerce21
「Commerce21」は、東京都港区に本社を置く株式会社コマースニジュウイチが提供するサービスです。国内大手大規模ECへの導入実績は300社を超え、豊富な経験や実績を有しています。
カスタマイズを前提として設計されているので、追加開発をスピーディに行うことができます。また、中規模〜大規模のEC構築の経験が豊富なエンジニアを数多く擁するため、自社でのEC開発が困難でも、手厚い人材のアサインや開発・保守サポートを受けることが可能です。
ebisumart
画像引用:ebisumart
「ebisumart」は、東京都千代田区に本社を置く「株式会社インターファクトリー」が提供するサービスです。拡張性が高くフルカスタマイズ、システム連携、デザインなど、ECサイトの運用方針に応じて柔軟に対応できます。
また最新性にも優れ、週に1度の無料アップデートで常に最新機能の利用が可能です。要望が多い機能を順次標準化しているため、パッケージ自体が古くなるといった心配がありません。
オープンソース型カート2選
EC-CUBE
画像引用:EC-CUBE
「EC-CUBE」とは、大阪市に本社を置く「株式会社イーシーキューブ」が提供するオープンソース型のサービスです。クラウド版とダウンロード版の2種類が用意されており、どちらも基本的な機能を一通り揃えながらも、無料で利用できます。
自社で開発を行うこともできますが、社内に技術やノウハウがない場合は、制作要件にもとづいてEC-CUBE公式制作パートナーに依頼できます。
CS-Cart
画像引用:CS-Cart
「CS-Cart」は、50,000サイト以上の導入実績を誇り、13年以上の歴史を持つオープンソース型のサービスです。27言語と4通貨に対応しており、越境ECにも適しています。
オプションとして、CS-Cartに特化したサーバープランも用意。サーバーの保守やセキュリティ対策を任せることができるため、ECサイト運営に注力することが可能です。
ネット販売のおすすめカートシステムを紹介しました
本記事では、インターネット上で商品を売る仕組みであるカートシステムについて解説しました。
カートシステムには、大きく分けて「ASP型」「パッケージ型」「オープンソース型」「フルスクラッチ型」の4種類があり、想定されるECサイトの事業規模や社内の開発体制などを加味して、適切な種類を選ぶ必要があります。
また、サービスによってそれぞれ特徴があるため、機能や料金について理解した上で、サービスを選定しなければいけません。
※サービス選定や利用するカートシステムの種類に迷われている場合は、システム幹事にご相談ください。専門のコンサルタントがあなたの要望を丁寧にヒアリングし、要望にあった最適な提案を行います。相談料は一切無料です。
コンサルタントのご紹介
岩田
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Q. ECカートシステムでおすすめのサービスの例は?
ECカートシステムでおすすめのサービスとして「STORES」「BASE」等が挙げられます。各社の詳しい特徴は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。
Q. ECカートシステムの選び方は?
開発会社を選ぶ際のポイントとして「商材とカートの相性」「登録できる商品数」等が挙げられます。詳しい選び方については記事をご覧ください。
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