ファームウェア開発は、アプリケーションなどのソフトウェアの開発とは違い、機器に組み込まれたソフトウェアに対する開発を指します。組み込みシステム開発と呼ばれることもあります。
・外注前にファームウェア開発の全体像を把握しておきたい
・ファームウェア開発の工程を依頼前に知っておきたい
・ファームウェア開発にかかる費用の目安を知っておきたい
などといった疑問を持っている方はいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事ではファームウェア開発の概要、開発言語、求人や転職事情についてご紹介します。
※ファームウェアの実装が自社ではできない、ファームウェア開発に実績のある開発を依頼したいという方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
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ファームウェアとは
ファームウェアとは、パソコン、携帯電話、家電製品などの電子機器(ハードウェア)を動かすためのソフトウェアのことを指します。ファームウェアはハードウェアの中に組み込まれることから「組み込みソフトウェア」と呼ばれることもあります。
ファーム(Firm)には「硬い」「固定した」という意味があります。ハードウェアの内部に組み込まれていて、あまり変更が生じないということからファームウェアと呼ばれています。
ファームウェアとソフトウェアの違い
ファームウェアは前述のとおり、ソフトウェアの一種です。ただし、ソフトウェアの中でも、上記の画像のようなコンピュータの電子回路などハードにあらかじめ内蔵されているものをファームウェアと呼びます。通常のソフトウェアと異なり、ファームウェアは基本的にユーザーが何かを書き換えることを想定していません。
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ファームウェア開発で使用する主な開発言語
ファームウェア開発で使用する主な開発言語
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言語
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特徴
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C言語
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・古くから使われているプログラミング言語
・処理を簡潔に書くことができる
・多くの組み込みシステムがC言語で設計されている
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アセンブリー言語
(アセンブラ )
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・機器の立ち上げ時の処理に使われることが多い
・デバッグ環境で用いられることが多い
・メモリの節約ができる
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Java
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・セキュリティ面での信頼性が高い
・さまざまなOSで動作することができるため汎用性が高い
・Web開発でも使われる人気の高い言語
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ファームウェア開発では主に下記の3つの言語を使用することが多いです。それぞれの言語の特長とどのような製品で用いられるかについて説明します。
C言語
C言語は歴史が古く、1972年にアメリカで開発されたプログラミング言語です。
組み込み系のシステムは一般的なサーバと比較し、小型であり容量が限られているため、コンパクトさが重要視されます。C言語は処理を簡潔に記載ができるということでファームウェア開発との相性が良いです。
また、歴史が長いことから、C言語で記載されている既存資産が多いという理由や、組み込み系のOSで主流となっているLinuxの多くがC言語で設計されている点も理由に挙げられます。
C言語は主に工場内で動く産業用のロボットや電子レンジ、洗濯機、プリンターなどの電化製品を制御するために多く利用されています。
アセンブリー言語(アセンブラ)
アセンブリ―言語は一般的にアセンブラと呼ばれています。アセンブラがファームウェア開発で利用される理由の一つとして、機器の電源を入れてから最初に実行される処理でアセンブラが利用されることが多いためです。
また、組み込み系のシステムではデバッグ環境(システムのバグを除去するために使用する環境)がアセンブラでないと実行できないといった場合も存在します。
アセンブリ―言語はメモリの節約ができるというメリットがあることから、主に家電やパソコン、携帯電話内のハードウェアの制御に使用されています。
Java
Javaはかつて、組み込み系システムには不向きな言語であるといわれてきました。その理由は動作速度の遅さとメモリ消費が大きかったためです。
ところが、メモリの増大やハードウェアのCPUの性能が向上に伴い、組み込み系システムでJavaを動かす環境が整ったことにより、組み込み系システムでJavaが採用されることが増えました。
Javaは元々セキュリティを考慮した仕様となっており、第三者が作成したアプリケーションを安全に実行できる言語だと言われています。JavaはLinux、WindowsなどさまざまなOS上で動作することができるため汎用性が高い。そのためアプリケーション開発の低コスト化、短納期化が可能になります。
JavaはBlue-ray Discプレイヤーの組み込み開発で多く利用されています。また、電子レンジやテレビ、デジタルカメラなどの家電製品でも利用されています。
関連記事:システム開発の主要言語を解説!業務アプリケーションによく使われている言語は?
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ファームウェア開発の費用・相場
費用の目安は数千万円〜数億円
開発する製品によって人員の数、開発期間が大きく変わるため、一概には言えません。
開発期間は半年から2、3年程度で完了する小規模な開発から、10年以上要する大規模な開発の場合があります。
そのため、小規模な開発を外部に委託した場合は何百万円〜3000万円程度、大規模な開発ですと数億円程度かかります。
システム開発にかかる人件費などの詳しい内訳は下記の記事を参考ください。
関連記事:システム開発の費用・相場を解説!料金を抑えるコツも紹介!
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ファームウェア開発系のエンジニアの求人・転職事情
自社でエンジニアを雇用してファームウェア開発をしようと考えている企業に、どのようなスキルを持ったエンジニアを雇えばいいかを解説します。
ファームウェア開発に求められるスキル
多くのファームウェア開発の求人案件ではC言語、アセンブラ、Javaなどの言語を用いたプログラミング経験が必須となっています。ハードウェアを動作させるためのプログラム開発が主となるため、開発対象のハードウェアに関する知見も必要です。
ファームウェア開発のスキルを証明する資格
スキルの有無については採用面接での口頭でのやり取りだけでは図ることが難しいでしょう。そのため、保有資格をチェックすることでエンジニアの力量を図るための材料の一つになります。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格試験「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」です。IoTを含めた組み込みソフトウェアに特化した資格試験です。この資格を持っているとIoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識とスキルを持つ設計・構築・製造を主導するエンジニアであることを証明できます。
JSTQB(テスト技術者資格認定試験)
Japan Software Testing Qualifications Boardの略です。ソフトウェアのテスト技法やテストマネジメント、テスト評価に関するスキルを証明する資格です。
ETEC(組込み技術者試験制度)
ETECはEmbedded Technology Engineer Certificationの略です。一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が運営する組み込み技術者向けの試験制度です。エントリレベルとミドルレベルの2つのクラスに分かれています。
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【まとめ】ファームウェア開発の基礎知識
ファームウェアとは、パソコン、携帯電話、家電製品などのように、コンピュータを組み込んだ電子機器本体(組み込みシステム)を動作させるためのソフトウェアです。ソフトウェアの中でも、ハードにあらかじめ内蔵されているものをファームウェアと呼びます。
ファームウェア開発では主にC言語、アセンブリー言語、Javaと言ったプログラミング言語を使用します。
自社でファームウェア開発を行う場合はそれらのプログラミング言語のいずれかを習得していると良いでしょう。
開発する製品によって人員の数、開発期間が大きく変わります。
※ファームウェアの実装が自社ではできない、ファームウェア開発に実績のある開発を依頼したいという方は、システム幹事にご相談ください。専任のアドバイザーが最適な開発会社をご紹介します。相談料などは一切かかりませんので、お気軽にお問い合わせください。
コンサルタントのご紹介
岩田
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Q.
ファームウェア開発とは何ですか?
ファームウェア開発とは、パソコン、携帯電話、家電製品などの電子機器を動かすためのソフトウェアのことです。ハードウェアの中に組み込まれることから「組み込みソフトウェア」と呼ばれることもあります。
Q.
ファームウェア開発とは?
ファームウェア開発とは「パソコン、携帯電話、家電製品などの電子機器(ハードウェア)を動かすためのソフトウェアのこと」です。詳細は記事内で紹介していますので、ぜひご覧ください。